ナンバー302 平成23年 2月 - 石川県立図書館

No.302
(平 成 23 年 2 月 )
編 集 ・発 行
石川県立図書館
〒920-0964
金 沢 市 本 多 町 3-2-15
TEL 076-223-9581
FAX 076-222-2531
写真
石川県図書館大会
演
記念講演
題
講
「木曽義仲と加賀路の合戦」
師:東四柳 史明 氏
(金沢学院大学教授、県立図書館史料編さん室長)
平 成 22 年 11 月 5 日 、 津 幡 町 文 化 会 館 「 シ
グ ナ ス 」 で 「石 川 県 図 書 館 大 会 」が 開 催 さ れ ま
した。本年度は「豊かな未来は豊かな読書か
ら - 国 民 読 書 年 を 超 え る も の - 」と い う 主 題
のもと図書館職員や、読書会会員、子ども文
庫 関 係 者 な ど 約 200 名 が 参 加 し ま し た 。
記念講演は、金沢学院大学美術文化学部
教授、東四柳史明氏に「木曽義仲と加賀路
の 合 戦 」とい う 演 題で 講 演 いた だ き まし た 。
氏 は 、 県 立 図 書 館 史 料 編 さ ん 室 長 、「 利 家 と
ま つ 」の時 代 考 証 、
「 金 沢 検定 」の 委員 な ど
多 彩 な 活躍 を さ れて お り 、11 月 に は 北國 新
聞文化賞を受賞された郷土史の第一人者で
ある氏は、木曽義仲や倶利伽羅峠、北國街
道など、開催地である津幡に縁の深い武士
や、歴史のエピソードを次々と紹介されま
した。
参加者は、豊かな北陸の歴史や、熱のこ
もった迫力あるお話に引き込まれ、講演終
了後は大きな拍手が送られました。
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石 川 県 立 図 書 館 報
― 第1部会 ―
「 こどもの読書推進 10 年の歩み 」
第 302 号(平成 23 年 2 月)
― 第2部会 ―
「本との幸福なであい ~読書案内は夢先案内~」
午後からは2つの部会に分かれて、研究・討議が行
まず、愛知県図書館の東まゆ美氏から、
「愛知県図書
われました。第1部会では主に児童、青少年サービス
館におけるヤングアダルトへのアプローチ」とのテー
について、第2部会ではヤングアダルトといわれる中
マで報告がありました。
“ティーンズコーナーポイン
高生への読書支援や、学校図書館との連携について話
ト”の頭文字をとって「てこぽん」という、ポイント
の数により記念品と交換する利用者参加型企画を2回
し合われました。
2000 年の「子ども読書年」から、図書館、家庭、学
校、地域が一体となっての読書推進を進め 10 年目、さ
らに「国民読書年」でもあった 2010 年は節目の年であ
り、第1部会はこの 10
行った報告があり、多数質問がよせられました。ティ
ーンズにおすすめの本のPOP1枚につき1ポイントで、
「心は 10 代」の方ならどなたでも参加でき、POPは紹
介された本とともに展示され、賞品は職員手作りとの
ことでした。
年の歩みを振り返り、
次に石川県立小松商業高等学校の伊藤冨士美氏よ
さらに次につなげると
り、
「
“本って楽しいね”―図書館と本と人をつなぐ―」
いう主題のもと開催さ
というテーマで報告がありました。石川県立小松商業
れました。
高等学校の、図書館司書を中心とした、先生方の協力
最初に、富田林市立
金剛図書館の井尻みや子氏より、学校との連携やブッ
クスタートの様子など、富田林市の読書推進の取り組
体制や図書委員会の年間を通した活発な読書啓発活動
について、実物の図書だより、POP の生徒作品や校内
放送の一部の紹
介もありました。
みが報告され、子どもの読書について真面目で、誠実
明るく、さりげ
に取り組み、着実な効果を上げている様子が伺えまし
ない中にも熱意
た。
次に、
七尾市立中島図書館の山本朝子氏の報告は、
あふれる報告に、
ブックスタートや工夫をこらしたおはなし会など、職
参加者の多くが
員数が実質2名という小規模館ながら活発に活動し、
うなずいていま
地域に親しまれている様子が伺えるものでした。最後
は七尾市内4館の館長を兼務される久川裕恵館長司会
のもと、活発な意見交換が行われました。他機関との
連携が進んだこの 10 年の流れを実感しつつ、
今後の児
童サービスの更なる発展を考える会となりました。
した。
パネルディスカッションは、小松市立空とこども絵
本館館長である尾木沢響子氏の司会のもとすすめられ
ました。図書の選定方法や購入費、図書館マナーの徹
底等多数の質問が寄せられる一方で、報告者から参加
者へ質問も出るなど、熱心な会でした。
12月7日から10日にかけて、東海北陸の図書館職員が集まる研修「平成22年度 東海・北陸地区図書館地区
別研修」
(文科省、教育委員会主催)が石川県文教会館で開催されました。
「電子書籍元年」といわれるなか、
これからの図書館像を探る基調講演、国立国会図書館関西館次長の山口和之氏による「デジタル時代の図書館」
をはじめ、
「高齢者への図書館サービス」
「環境文学入門」
「ワークショップで学ぶ図書館の自己評価」など、
図書館サービスの現場で今求められている
事柄や新しい専門分野について、各界の第
一線で活躍されている講師陣から講義を受
けました。終了後の参加者からは「今知り
たいことがわかった」
「今後の仕事に活かし
たい」といった感想が寄せられた、充実し
た研修となりました。
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石 川 県 立 図 書 館 報
資料紹介⑪
第 302 号(平成 23 年 2 月)
平 成 22 年 度 第 2 回 講 座
『 加 能 史 料 』は い ま 開催
『盆正月集』
平成 22 年 11 月 21 日(日)
ひろせりょうこう
「中世曹
駒澤大学教授の廣瀬良弘先生をお迎えし、
弘化・安政・慶應時代金沢盆正月摺物
洞禅宗の展開と永平寺・總持寺の両本山」と題して、
弘化~慶応年間(1844-1868)
講演していただきました。先生は日本禅宗史を専門と
され、禅宗関係の著書を多数執筆されています。
今回の講演では、戦国期における曹洞宗の全国展開
や地域社会に受容されていく過程について取り上げて
いただきました。特に永平寺を開いた道元や總持寺の
じゅかいえ
瑩山等が、
「授戒会」活動を通して多くの門弟を獲得し
ていくなかで、本山としての地位を確立していった様
子について、愛知県の禅宗寺院の事例等を豊富な史料
を用いて紹介さ
れました。
表紙
御恐悦盆正月
(安政3年3月朔日2日)
当日は多数の
一般県民の方に
『盆正月集』は、
「盆正月行事」の一枚刷り資料で、
加え、大本山總
その際の造り物や催し物を番付風に記したものです。
持寺の方も参加
「盆正月」とは、藩に大きな慶事(藩主継承、官位
され、熱心に聴
昇進、世子誕生など)があったときに、城下の人々が
講されました。
講演される廣瀬先生
こぞって祝意を表した催し物のことで、盆と正月が一
石川県史資料 近世篇(10)
緒に来たような賑わいからこう呼ばれるようになった
諸 士 系 譜 三 刊行
ようです。
その始まりは加賀藩五代藩主綱紀の中期頃で、明治
県立図書館から年一回刊行している
『石川県史資料』
2年(1869年)に至るまでに40回以上行われま
の諸士系譜シリーズ第3巻、
「諸士系譜三」を発行しま
した。
した。
このシリーズは、江戸時代(天保年間)に成立した原
本全 20 冊(巻之一~二十)に記された加賀藩士諸家の
系譜を、影印(写真)本として6冊計画で、索引を付し
て刊行しているものです。
今回は加賀藩の八家では横山家、その他要職につい
ていた津田家・玉井家など、いろは順で「よ~な」ま
でを収録しています。今後は、八家の前田家・村井家
等が収録されます。県民のみなさまには県立図書館の
ほか、県内の各公立図書館でもご覧いただけます。
御恐悦盆正月 造り物細工物等
(安政3年3月朔日2日)
『盆正月集』は、当館ホームページ「デジタル図書
館」でもご覧になれます。
URL: http://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/
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【お問合せ】石川県立図書館 史料編さん室
電
話:076-223-9579
F A X:076-222-2531
Eメール:[email protected]
石 川 県 立 図 書 館 報
春のおはなしとおんがくの会
石川県子ども読書月間のお知らせ
4 月 23 日は「子ども読書の日」です。これを記念して、
石川県公共図書館協議会では「石川県子ども読書月間」
を設けています。これは石川県独自の取り組みで「子ども
読書の日」の4月 23 日から 1 ヶ月間、県内全域の公共図
書館が連携し、子どもの読書活動を推進するものです。
県立図書館では、子どもの読書についての講演会や、
子どもたちが本に親しむきっかけとなる行事を開催しま
す。この取り組みが子どもの読書について考えるきっか
けとなり、子どもと本の出会いにつながれば幸いです。た
くさんのご参加をお待ちしています。
日 時:3月5日(土)午後2時~3時 30 分
会 場:石川県立図書館 3階 多目的ホール
対 象:4歳~一般
演 奏:石川県立金沢錦丘中学校吹奏楽部員
語り手 :県立図書館職員
問合先 :子どもの本のひろば(Tel 076-223-9587)
石 川 子 ど も 読 書 月 間 記 念 講 演 会
清水 眞砂子氏講演会
日 時 : 4月 23 日(土)
会 場 : 石川県立図書館 県民交流室
「石川県子ども読書月間」ポスター用
対 象 : 一般
イラスト募集のお知らせ
問合先 :子どもの本のひろば(Tel 076-223-9587)
「石川県子ども読書月間」広報のために、ポスターやチラ
シに使用するイラストを募集します。図書館や、読書の楽
しさを伝える作品をおよせください。
★応募方法:画材、大きさ自由で、どなたでも。
未発表の作品に限ります。
★提出先:石川県立図書館およびお近くの図書館まで、
応募用紙をそえて提出ください。
★締 切:3月 19 日(金)必着
★問合先:企画協力グループ
(Tel 076-223-9581)
詳細は、当館ホームページ、また
は県内公共図書館に設置したチラ
昨年度大賞作品 シをご覧ください。
【 行 事 案 内 】当館HPでもご覧いただけます。
(http:www.library.pref.ishikawa.lg.jp/)
おしゃべりサロン
第 302 号(平成 23 年 2 月)
お気軽にご参加下さい!
土もしくは日曜日 午後 1 時 30 分
★ 清水眞砂子氏プロフィール
児童文学者・翻訳家。元青山学院女子短期大学教授。主な
著作に『子どもの本の現在』
(岩波書店)
『子どもの本のま
なざし』
(洋泉社、日本児童文学者協会賞受賞)
『学生が輝
くとき』
(岩波書店)
『幸福に驚く力』
(かもがわ出版)
『そ
して、ねずみ女房は星を見た』
(テン・ブックス)など。訳
書に、
『ゲド戦記』アーシュラ・K・ル・グウィン著(全 6
巻、日本翻訳文化賞受賞)ほか多数。
第1回図書館をたのしもう
さかさ万華鏡をつくろう~鏡のふしぎ
日 時:5月5日(木)午後 1 時 30 分~3時
会 場:石川県立図書館 県民交流室
内 容:さかさ万華鏡作り
講 師:坂下 智婦美氏(科学読物研究会会員)
対 象:年長児、小学生
定 員:先着 30 名
参加費:無料
持ち物:はさみ、黒マジック(油性)
、
彩色用具(水性ペン、クレヨン)など
問合先:子どもの本のひろば(Tel 076-223-9587)
・2月5日 ジェンダーイコーリティ金沢きらめき'S
(石川県男女共同参画推進ネットワーク)
「 紙芝居を見てワークショップ」
・2月 12 日 宮崎 泰氏(こくきん創業支援センター北陸)
「 聞いて知る創業
-ノウハウ本に書かれていないこと!-」
・3月6日、20 日 村井 加代子(石川県立図書館長)
「 鏡花を読む 」1,2
・3月 12 日 松田 隆一 氏
「 ドストエフスキーを読もう 」
・3月 26 日 吉田 秀子 氏
「ロザムンド・ピルチャー 読んだ!」
問合先:総務グループ (Tel 076-223-9565)
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ワークショップ
パネルシアター制作
日 時:5月 21 日(土)
午前 10 時 30 分~4 時(午後の参加は自由)
会 場:石川県立図書館 県民交流室
内 容:パネルシアター「たなばたさま」の製作
対 象:教育関係者、図書館職員、一般県民
定 員:先着 20 名
材料費:1000 円(Pペーパー、ポスターカラー等)
持ち物:筆(太・細)
、パレット、水入れ、タオル、
はさみ、カッター、油性ペン(太・細)
問合先:ブックスタートルーム(Tel 076-223-9589)