平成22年度職員団体との交渉の概要(確定交渉) - 熊本県

平成22年度職員団体との交渉の概要(確定交渉)
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交渉団体
熊本県公務員労働組合共闘会議
構成団体
熊本県職員連合労働組合、熊本県教職員組合、熊本県高等学校教職員組合
熊本県教育庁職員組合、熊本県企業局労働組合
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交渉日及び場所
平成22年11月1日(月)、11月15日(月)
県庁本館10階1002会議室
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県の提案内容
人事委員会の勧告のとおり給与改定を実施する。
(人事委員会勧告の内容)
①給料月額の引下げ(平均△0.1%)
②期末・勤勉手当の支給月数の引下げ(年間4.15月分→年間3.95月分)
③獣医師に対する初任給調整手当の支給
④実施時期:平成22年12月1日(③は、平成23年4月1日)
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職員団体の主な主張及び県の回答
項
目
賃金
諸手当
職員団体の主な主張
県の主な回答
3%の給与カット期間中は、人事委員会
勧告による給料月額の引下げ及び期末
・勤勉手当の支給月数の引下げを行わ
ないこと。
人事委員会の勧告を通じて、民間給与と
の精確な比較により適正な公務員給与の
水準を確保することは、労働基本権制約
の代償措置として強く求められることで
あり、民間水準が上がるときだけではな
く、下がる場合にも同様に働くべきもの。
今回の勧告は、一昨年秋以降続いている
地域の民間企業の厳しい雇用・賃金情勢
を反映したもの。
また、引下げ改定を実施しなかった場合
の本県財政への影響等を考えれば、財政
面からも非常に厳しい状況。
人勧どおりの実施について、理解いただ
きたい。
財政再建を目的に実施している平成23
年度までの3年間、3%の給与カットに
ついては、速やかに停止すること。
本県の財政収支の見通しについては、給
与削減措置を含めた臨時的な財源対策を
行っても、なお、平成23年度で10億円程
度の財源不足額が生じる見込みであり、
依然として厳しい状況。
3%の給与削減措置を取り止めるような状
況ではない。
交通用具に係る通勤手当について、実
態を踏まえて、支給上限の引上げ等を
行うこと。
また、通勤手当に係る特急の特別料金
等加算について、支給要件を緩和する
こと。
交通用具に係る通勤手当については、継
続交渉にあると認識している。引き続き
話を伺っていきたい。
特急の特別料金等の加算については、国
に準じた制度であり、他県とも均衡はと
れている。更なる改善は必要ないと考え
ている。
項
職員団体の主な主張
県の主な回答
単身赴任者の生活実態に合わせて、単
身赴任手当の支給額を引き上げる等の
改善を行うこと。
単身赴任手当の加算額の見直しについて、
人事委員会に対して要請していく。
住居手当を引き下げないこと。また、
単身赴任者の持家住居手当を新設する
こと。
自宅に係る住居手当について、本年度は
見直す考えはない。
また、単身赴任者の持家に対する住居手
当については、新設は困難である。
人事評価
新たな人事評価制度の本格実施に当た
っては、4原則2要件をを具備したう
えで、十分な交渉・協議、合意を前提
とすること。
また、部下職員が所属長及び管理監督
者を評価する制度を実施すること。
知事部局では、平成20年度から新たな人
事評価として、実績評価と成果行動評価
を段階的に導入したところであるが、評
価基準の明確化や育成面接を充実するこ
とで、客観性や納得性の一層の向上につ
ながっているものと考えている。
部下職員による所属長等評価について要
求をいただいているが、まずは、導入し
た新制度が、管理職はもちろん、職員全
員に定着し認識が深まるよう取り組んで
いきたい。
勤務時間
超過勤務を縮減するため、業務の廃止
・見直しを徹底的に行い、勤務時間の
適正管理を行うこと。
また、管理・監督者における新たな事
業の実施検討に当たっては、執行段階
の体制等についても十分に検討し判断
すること。
時間外勤務の縮減について、知事部局に
おいては、定時退庁日や時間外勤務の上
限の目安時間の設定など、様々な縮減策
に取り組んでおり、一人平均の時間外勤
務時間数はここ数年減少傾向にある。
今後も、これら一連の取組みを進め、時
間外勤務の一層の縮減を図っていきたい。
月60時間を超える場合の時間外勤務手
当の算定基礎日に、日曜日及びこれに
相当する日を含めること。
本県人事委員会は、今回、国の人事院勧
告の取扱いや県内民間企業の調査結果を
踏まえて、月60時間を超える時間外勤務
の積算基礎に日曜日又はこれに相当する
日の勤務を含めることが適当とする報告
を行ったところであり、同報告の趣旨に
添って取り扱いたい。
年次有給休暇について、計画的取得を
促進するため、職場環境を改善するこ
と。
年次休暇の計画的な取得については、管
理者の責務はもちろん、職員の意識改革
が必要と考えており、これまでも、機会
あるごとに、意識の高揚を図ってきたと
ころ。
休職者の職場復帰を支援する復職支援
休暇を拡充すること。
復職支援休暇については、職員の健康支
援の観点から、平成21年度に導入したば
かりであり、今以上の拡充は困難。
休暇
目
項
目
再任用
男女共同
参画社会
に向けた
環境整備
仕事と家
庭の両立
支援対策
職員団体の主な主張
県の主な回答
任用に当たっては、希望者全員を任用
すること。
年金制度の見直しへの対応の一つとして、
再任用制度が導入されているのは確かで
あるが、再任用に当たっては、地方公務
員法の任用の原則に従い、改めて能力の
実証を行うこととされており、希望者全
員の採用を保障することはできない。
職務内容・勤務時間等は本人の希望を
十分尊重すること。
再任用を希望するかどうかは本人の意向
によるが、どういう業務、勤務形態、勤
務地等で再任用するかは、任命権者の判
断によるものと考えている。
本人の希望は十分参考にしている。
女性登用等の促進のため、実効ある具
体的施策を行うこと。
知事部局においては、役職職員に占める
女性職員の割合は、平成22年4月現在で15.
6%。10年間に比べると1.7倍以上増加し
ている。
女性職員の職域拡大に加え、現在は、係
長や班長ポスト等への配置や国・市町村
等への派遣なども行っている。
引き続き、管理職にふさわしい能力と経
験を有する女性職員の育成に努めて参り
たい。
セクシュアル・ハラスメント防止策の
充実とともに相談制度の周知徹底を図
ること。
さまざまな研修の機会を通じて、セクシ
ャル・ハラスメントの防止及び相談体制
の周知等を図っている。
相談体制としては、内部相談員を配置す
るとともに、社会保険労務士を外部相談
員として配置しているところ。
引き続き、効果的な防止策が図られるよ
う努めて参りたい。
育児時間休暇を現行の90分から120分に
延長するとともに、取得期間を現行の
生後3年を就学前までに延長すること。
また、年休との連続取得ができるよう
にすること。
育児時間休暇は、国に準じた制度であり、
今以上の延長は難しいと考えている。
年休との連続取得については、平成23年
度から実施できるようにしたい。
介護休業制度については、一定の期間
有給として取扱うこと。
今年度、6月30日から無給の介護休暇制度
に加え、有給の「短期の介護休暇」制度
を新設しているところ。
項
目
健康管理
対策
5
職員団体の主な主張
県の主な回答
育児休業・介護休業取得者の代替職員
の確保を行うこと。
「育休等代替臨時職員」を公募により任
用しているところであるが、1年を超える
育児休業を取得する職員の代替について
は、平成17年度から任期付職員の採用も
実施し、職員が安心して長期間の育児休
業を取得できるような体制づくりに努め
ている。
なお、職員の育児休業等の取得につい
ては、所属長等を集めた全庁的な会議に
おいて、職場全体でその職員を支援でき
る体制づくりに努めるよう指示している。
精神疾患対策については、予防から復
職までの職場環境整備の具体的な措置
を講ずること。
職員のメンタルヘルス対策は重要な課題
と認識しており、「心の健康づくりのため
の指針」を策定し、総合的かつ計画的に
対策を推進しているところ。
本年4月には、各所属の人事担当補佐を健
康管理推進員に任命し、メンタルヘルス
対策の実質的推進者に位置付けたところ。
今後とも職員のメンタルヘルス対策の充
実に向けて、より適切かつ円滑な取組み
を進めて参りたい。
パワー・ハラスメントについては、実
態把握に努めるとともに防止対策等具
体策を講ずること。
管理職等の職員に対しては、これまでも
部下への適正な指導方法等について研修
等を行ってきた。
平成19年度から庁内相談員及び社会保険
労務士等による外部相談員を配置してい
るところであり、また、平成20年度から
は、その予防及び相談体制の周知を図る
ための各種の研修会を実施している。
交渉結果
提案のとおり実施する。