政府予算案に対する知事コメント

平成28年度政府予算案について
(知事コメント)
平成27年12月24日
島
根
県
【地方財源の確保】
・今回の地方財政対策では、全国ベースでの地方一般財源総額は前年度と同程度とな
り、地方創生のための経費も前年度同額となった。国を挙げた地方創生、人口減少
対策等に取り組まなければならない中で、一定の評価をするものである。
・現時点で島根県への影響は不明だが、財政力が弱い自治体では国全体に比べて税収
が伸びないことから、政府におかれては、今後、地方交付税の配分にあたりこの点
を十分配慮願いたい。
・県としては、今回の地方財政対策を含め、国の予算編成の状況と県財政への影響を
よく見ながら、「まち・ひと・しごと創生
に取り組んでいく。
島根県総合戦略」の推進と財政健全化
【地方創生関連】
・地方創生関連については、平成28年度予算における「地方創生推進交付金」や、
平成27年度補正予算における「地方創生加速化交付金」など、関連する予算が措
置された。
・地方創生・人口減少問題の克服に向けては、これらの予算を有効に活用しながら、
今年10月に策定した「まち・ひと・しごと創生 島根県総合戦略」の目標を達成
できるよう、全力で取り組んでいく。一方で、戦略の中には、中・長期的に取り組
まなければならない課題も含まれているため、地方創生関連事業への財政措置が今
後も十分に講じられるよう、引き続き国に求めていく。
【公共事業関係】
・土木・農林水産関係を含む公共事業予算については、前年度とほぼ同規模の額が確
保された。
・島根県においては、山陰道の早期全線供用のために、未着手区間の「福光~浅利間」
の平成28年度事業化と、「益田~萩間」の事業化に向けた手続きを早期に進める
よう、引き続き国に働きかけていくとともに、地域の生活に欠かせない道路や下水
道等の整備、近年頻発する豪雨に対しての土砂災害対策や河川改修など、緊急に対
策が必要な事業が多く残されており、予算の配分に当たっては、社会資本整備が遅
れた地方への配慮を引き続き国に求めていく。
【社会保障関係】
・介護サービス基盤の整備や介護人材の確保・育成のため、地域医療介護総合確保基
金(介護分)の積み増しを含め、関連予算が措置された。県としては、介護サービ
スの充実に向けて、介護人材の確保などに十分に取り組めるよう、必要な額の確保
について国に働きかけていく。
・地域医療介護総合確保基金(医療分)は、平成28年度当初予算で前年度と同規模
が確保されたが、医療従事者の確保や在宅医療の推進事業に十分取り組んでいける
よう、引き続き必要な基金の配分と柔軟な制度運用を国に求めていく。
・少子化対策として、
「地域少子化対策重点推進交付金」が平成27年度補正予算及
び平成28年度当初予算で措置された。また、不妊治療の経済的負担の軽減を図る
ため、治療費への助成拡大に係る予算も同様に措置された。これらを活用し、地域
の実情に合った結婚支援や妊娠・出産支援に取り組んでいく。
・多子世帯に係る保育・幼稚園の利用料の軽減措置が拡大されることとなった。引き
続き、一層の制度拡充を国に求めていく。
・待機児童解消のために、認可保育所や小規模保育などの施設整備、保育士資格取得
や潜在保育士再就職のための資金貸付などの人材確保対策が図られることになっ
た。県としても、これらを活用し、市町村や地域が行う保育の受け皿整備や人材確
保に向けた支援を行っていく。
【農林水産関連】
・平成28年度当初予算では、コメの需給改善への対策として、非主食用米の生産等
を支援する交付金が増額された。また、林業の成長産業化を推進するため「次世代
林業基盤づくり交付金」が措置された。
・国の「総合的なTPP関連政策大綱」の農業対策として、平成27年度補正予算で、
次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成や高収益作物への転換、畜産の収益力
強化等のための予算が措置された。
・引き続き、こうした国の予算を十分に活用し、農林水産業・農山漁村の振興に取り
組んでいく。
【原子力安全・防災対策の強化】
・社会福祉施設等の放射線防護対策の強化や緊急時における防災資機材の整備等に要
する経費について、平成27年度補正予算を含め、予算措置が行われた。引き続き、
原子力発電所の安全対策・防災対策などの強化を、国に強く働きかけていく。
【領土保全対策】
・我が国の領土・主権に関する取り組みを強化するため、内閣官房における「領土・
主権内外発信推進経費」は前年度とほぼ同額、また内閣府の政府広報における領土
対策に関する予算も前年度とほぼ同額で措置された。
・引き続き、国において、竹島問題に関する調査研究や国内外への情報発信などに積
極的に取り組まれることを期待する。
【今後の県の対応】
・現段階の政府予算案では、公共事業など多くの事業が全国枠で示されており、今後
の箇所付けに向けて島根県における所要額が確保されるよう、引き続き、国に働き
かけていく。