『“休む力”が会社を救う!』

『“休む力”が会社を救う!』
1月26日(日曜日)の朝、ボーッとしてコーヒーを飲みながらテレビを見ていたら上記のテーマの放
送が始まった。初めは、休むには力が必要なの…?。もしくは休むには能力が必要なの…?と勝手に思
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い込んだ。時間が経つにつれ早合点に気がついた。
番組内では、北海道帯広の六花亭を紹介していた。『休める企業六花亭』という具合で、有給休暇取
得率が100%の企業である。その他の休暇には公休というのがあるそうです。そのようなシステムを作る
前には、残業が非常に多い企業だったらしいです。それにより社員が辞めていくケースが多かったとか。
そこで現在のようなシステムを構築していったようです。今では、本社は帯広で店舗は北海道内だけで
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本州には出店していませんが、新採用などの応募には本州などの大学から入社を希望する人が来るとい
うです。60名くらい入れる社内保育園も完備し結婚して子育てしていても働ける職場であるようです。
その基本はやはり“休める”ということも大きなポイントです。
もうひとつ紹介されていたのが、九州・大分県の国東市のいくつかの企業・介護施設・レストランなど
でした。『国東時間(週休3日制)』を取り入れている組織および店です。20数年前に精密機械メーカ
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ーの工場がこのシステムを導入し華々しくマスコミなどに出ていましたが尻すぼみに終わりましたが、
この国東時間は少しずつ広がっているそうです。企業・介護施設では、1日の勤務時間が以前より長く
はなっていますが休みが3日あり疲労も蓄積することなく離職も少なく、効率もアップしているとか。
レストランでは、休みが続くので料理人が国東近郊を訪ね歩く時間が出来、素材の産地を訪ねたり、水
産物であれば漁業者と関係が出来、今までレストランでは使われていなくしかし漁業者の方々が日々食
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べて美味しい素材を紹介してもらい、実際にその素材をいただきレストランで調理してみたりと情報が
広がったということです。この国東時間を導入すると、業績が落ちるのではとかお客様(利用者)に迷
惑をかけるのではないかと考えがちですが、お客様などにはきちんと説明し支障は出ていないとか。ま
た、業績の方も良いと言うことです。
六花亭や国東時間を導入している組織やお店で共通していることは、創造的な仕事や発想の転換が出
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来るということです。人というのは疲労が蓄積したり忙しかったりすると近視眼的になり発想力や創造
力が働かなくなることが多々あります。追いつめられている状態で創造性といわれてもなかなか出てく
るものではありません。私はよくお風呂に入っている時とか、トイレに入っている時、ドライブしてい
る時などホッとしている時間などに仕事や課題に関しての発想や創造などがポコと出てくることがあり
ます。それらはメモをしないで忘れることも多いのですが。みなさんもそのようなことありませんか。
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また、プライベートの時間も多くなり仕事に対しての姿勢も変わったということです。
ともすると、日本では1日でも長く営業すると売り上げが上がると考えられています。代表的なのは、
元旦から営業している小売業などがそうではないでしょうか。年末商戦で忙しい時間を過ごしてきたの
に、ホッとする暇もなく年始商戦に入っている。お正月三が日ぐらい休めばといいたいです。フランス
では日曜日は飲食店も休みということです。それは宗教上のことで、観光客は困っていますが、それは
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そこの国の文化です。
「心の病」「過労死」「少子化」「観光地不況」など問題は多々ありますが、それらの問題を解決するポ
イントが『休める企業』『国東時間』の中に含まれているのではないでしょうか。
よく「身体の力を抜いて」「リラックスして」という言葉を聞くことがありますが、なかなか抜くこと
は出来ません。「身体の力を抜く」ということは「心の力を抜く」ということです。このことも時間の
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使い方もしくは構造化とつながってくるのでは。
ワーク・ライフ・バランスと叫ばれていますが、自分用のワーク・ライフ・バランスを考えてみては。
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