乙女ゲームをやったそのあとに… - タテ書き小説ネット

乙女ゲームをやったそのあとに…
?かきこ
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︻小説タイトル︼
乙女ゲームをやったそのあとに⋮
︻Nコード︼
N5117BP
︻作者名︼
?かきこ
︻あらすじ︼
これは乙女ゲームのことなのか。現実世界のことなのか?
1
﹁乙ゲーねぇ⋮⋮﹂
姉貴のゲームを借りた。
﹁絶対面白いからっ!!﹂
⋮⋮どこが?なにが?それに現実問題、こんな世界あるわけない
だろう。
イケメンばっか出て来て⋮⋮ってか、この世界はイケメンしか存
在しちゃいけない世界なのか?イケメンと仲良くなって、最後は歯
の浮くような、砂だか砂糖だかを山と吐き出させるようなセリフを
聞かないといけない。
耐えられない⋮⋮鳥肌がたつ。姉貴はこんなクソゲーのどこがい
いんだ?
﹁かっくーん。入るねぇ﹂
姉貴だ。もう午後三時か。
﹁どうぞ﹂
ぼくは自分の部屋のドアを開ける。
﹁勉強は進んでる?﹂
﹁いいや。お姉ちゃんから借りたゲームやってた﹂
﹁え?あれ、やってくれたの?どうだった?﹂
﹁⋮⋮なにが楽しいかわからない﹂
﹁やっぱ、かっくんにはダメかぁ。面白いと思ったんだけど。
でもまだ全部やってないでしょ?貸したの午前中だし﹂
﹁落とす男、十人のうち、半分は落とした﹂
﹁⋮⋮は⋮はや﹂
姉貴はぼくの机の上に、紅茶と手作りのマフィンを乗せる手を途
中で止めて絶句していた。
2
ってか、こんなワンパターンの内容を攻略するのに、なんで時間
がかかるのさ?
﹁これ返すよ﹂
﹁⋮⋮あ、ありがと﹂
﹁あと宿題は終わったから、これ食べたら遊んでくる﹂
﹁そ、そう⋮⋮﹂
ぼくは姉貴にゲームを返すと、紅茶に手を伸ばした。
姉貴は魂を抜き取られた︱︱なんて人を実際に見たこと無いけど、
がっ
呆然としたまま、それ以上なにも言う事なくぼくの部屋を出て行っ
た。
とか言いつつ。
こう
特に遊ぶ目的もないまま、コンビニに寄ったあと、ぼくの通う中
たかなしくおん
学の方へと足を向ける。今日は祝日だから、学校は休み。
﹁よう、かつみ﹂
そうぼくに声をかけてきたのは同じクラスの高梨久遠。
今日は部活だったのか。というジャージ姿でぼくに手を振ってい
る。
﹁久遠。今日は部活だったんだ。真面目だねぇ﹂
﹁大会近いからな﹂
そうか、こいつレギュラーだっけ。
ここでこれから部活の練習か、学校に向かう女子たちからきゃぁ
ーという声があがる。
まぁ、久遠は人気あるからな。
それなりに身長あるし、顔もいいし。
3
さっきの乙ゲーに出しても、結構いけるんじゃないの?ってぐら
いか。
﹁久遠、女子がおまえに手を振ってるぞ﹂
﹁⋮⋮なぁ、かつみ。いい加減自覚しろよ⋮⋮﹂
なんでか久遠がぼくを見て呆れている。なにが﹁自覚﹂だよ、ま
ったく。
意味わからん。
ぼくは久遠と別れて、学校をあとにする。
﹁よう、かつみっ!!﹂
こいつは幼馴染の岡本修平。
小、中学と一緒のくされ縁。そういや、こいつもなんやかんやと
背も高いし、顔もそれなり。やっぱ、あの乙ゲーに出しても、久遠
には負けるかもしれないけど、なんやかんやと人気はありそうなキ
ャラっぽいな。
﹁暇だったらメールでもしてくれりゃいいのに﹂
﹁今、暇になったんだ。それまで宿題してた﹂
﹁あんな程度の宿題だったら、おまえは一時間もかからないだろう
? 学年トップの頭をもつおまえがさ﹂
﹁⋮⋮褒めても何もでないよ﹂
﹁なんだ。つまんね﹂
ダチ
屈託なく、修平はぼくににっかりと笑って見せた。
こいつはこういう会話を気楽にできる数少ない親友のひとり。
ここでまた同じ中学の女子たちに会う。なんか面倒なんだよな。
修平もやっぱり女子たちに人気がある。
4
きゃっとか、熱っぽい目で修平を見てる。
﹁修平。女子たちに声をかけてやれよ。ずっとこっち見てんじゃん﹂
﹁⋮⋮かつみ。あれはどう考えても違うだろ?﹂
何が違うってんだよ、まったく。
ぼくは修平を伴って、結局ぼくの家でゲームをすることにした。
﹁ただいま﹂
﹁おかえりなさーい﹂
姉貴の声。
わざわざ玄関まで迎えに出てこなくていいよ。
﹁あら、修平くんひさしぶり﹂
﹁こんにちは﹂
修平は礼儀正しく姉貴に頭を下げた。
﹁お姉ちゃん。これから修平と部屋でゲームするから﹂
﹁そう⋮⋮ごめんね、修平くん﹂
﹁いいえ。お邪魔します﹂
ぼくは姉貴を無視して脇をすりぬけるように玄関を上がった。
﹁なぁ。いい姉ちゃんじゃないか。いつまで反抗してるんだよ?﹂
﹁別に。色々面倒みてくれるし、いい姉貴だと思ってるよ。でも少
しウザい﹂
﹁どこが?あんな綺麗な姉貴なら喜んじゃうけどな、俺﹂
﹁⋮⋮そうか。ならノシつけてあげるよ﹂
﹁またそういうことを言う﹂
階段を上がって二階のぼくの部屋にいく。
5
﹁⋮⋮でもさ。相変わらず男みたいな部屋だよな﹂
修平はぼくの部屋をみて、苦笑い。
﹁うるさい。ゲームするの、しないの?﹂
﹁おう、するする﹂
いっぽんぎ
え?ぼくの事?そんなの訊いて楽しい?
ぼくの名前は一本木かつみ。十五歳。
ぼくは女だよ。見てわかんない?やんなるよな⋮⋮まったく。
ぼくを見ると、女子はすぐきゃーとか付き合ってくださいとか言
うんだよね。
面倒なんだよなぁ、それ。だから無視してたのにさ⋮⋮。
男子と遊んでた方がずっと気楽だよ。
6
PDF小説ネット発足にあたって
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乙女ゲームをやったそのあとに…
2013年4月20日17時56分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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