第2章 安心できる暮らしの実現 - 聖籠町役場

第 4 次聖籠町総合計画
(基本計画編)
第2章 安心できる暮らしの実現
Ⅰ 安全に暮らせる環境づくり
Ⅱ 安心して暮らせる福祉のまちづくり
Ⅲ 生涯健康に暮らせるまちづくり
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最終答申
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
Ⅰ 安全に暮らせる環境づくり
1 消防・救急体制の整備
【現状と課題】
(消防力の整備・充実)
・ 消火能力の向上と機動性の強化を図るため、各分団に消防ポンプ自動車と小型ポンプ
積載車が配備されているが、経年により老朽化が進む現状にあることから、今後の計画
的な更新が課題となっている。
・ 消防水利施設として、消防法に基づき消火栓や防火水槽の設置を行っているが、消火
栓未整備地区も存在することから、今後、老朽施設の更新を含めた整備が課題となって
いる。
・ 非常勤の消防団員の昼間不在率は年々高くなる傾向にあり、消防力の維持・強化を図
るためにも、新発田地域広域消防聖籠分署とのさらなる連携強化が課題となっている。
(火災予防意識の高揚)
・ 町民の火災予防意識の高揚を図るため、消防団が火災広報や地域住民への消火訓練の指
導などに努めているが、町と一体となった、より効果的な施策の実施が課題となってい
る。
・ 消防法の改正により、平成 23 年 6 月から住宅への火災警報器の設置が義務付けられる。
このため、本町では火災から町民の生命・財産が奪われることの無いよう火災警報器の
設置助成事業や広報などを活用した啓発を行うなど、設置促進に向けて取り組みを行っ
ている。しかし、必ずしも順調に火災警報器が設置されている現状には無いと想定され
ることから、今後、どう効果を上げる取り組みが実施できるかが課題となっている。
(救急・救助体制の充実)
・ 救急活動は広域体制によって、患者を医療機関に搬送しているが、救急活動の一層の充
実を図るため、医療機関との連携強化、広域救急医療施設の整備促進が求められる。
【基本方針】
消防力の整備・充実を図るため、消防水利施設の更新及び整備を進めるとともに、消防
機関との連携を強化し、あわせて、町民の火災予防意識の高揚と生命・財産を守る施策を
展開する必要がある。
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第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
火災警報器住宅
設置率
火災発生件数
火災警報器の設置状況を
示す指標
町民の火災予防意識の状
況を示す指標
現況値 目標値
(年度) (H27)
町内全戸における火災警 23.8%
100%
報器設置率
(H21)
(H25)
火災発生件数
6件
0件
(H21)
(H27)
算出方法
【施策の方向】
消防・救急体制の整
⑴ 消防力の整備・充実
備
⑵ 火災予防意識の高揚
⑶ 救急・救助体制の充実
⑴ 消防力の整備・充実
○ 消防車両、水利など(消火栓・飲料水兼用防火水槽)の消防設備を計画的に整備する
必要がある。
○ 聖籠分署の充実、相互間の応援体制をさらに強化していくよう要請する必要がある。
⑵ 火災予防意識の高揚
○ 消防団、自治会とも連携し、消火訓練などへの町民参加の拡大や火災警報器の設置促
進に努める必要がある。
⑶ 救急・救助体制の充実
○ 消防団や各種団体を含め、広く町民に対し救急法の指導、講習会などを実施し、普及
啓発に努める必要がある。
○ 医療機関との連携を強化し、広域的救急医療体制の充実を要請する必要がある。
【主要事業】
主要事業名
消防力整備充実事業
火災予防意識高揚事業
事業の説明
消防車両、水利など(消火栓・飲料水兼用防火水槽)の消
防設備を計画的に整備し、聖籠分署の応援体制を強化する。
消防団、自治会とも連携し、消火訓練などへの町民参加の
拡大や火災警報器の設置促進に努める。
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第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
2 防災対策の充実
【現状と課題】
(防災体制等の推進・整備)
・ 聖籠町地域防災計画に基づき、有事に備えた対応として、平時から大地震などの大規模
災害への応急体制を確立することが急がれることから、地域での災害対処力の強化や、
災害資機材の計画的な整備及び防災訓練などの定期的な実施が課題となっている。
・ 災害などの緊急連絡体制として、防災行政無線を整備しているが、現状は、アナログ方
式で運用していることから、近い将来の課題として、デジタル化への検討を進める必要
がある。
・ 聖籠町直下(マグニチュード 6.9、最大震度6強)で地震が発生した場合を想定した対
応として、本町役場庁舎内に対策本部を設置する計画が定めているが、本施設が使用困
難となる可能性もあることから、本部設置のあり方を検討する必要がある。
(災害の未然防止)
・ 地震・洪水・津波・高潮のハザードマップの策定により、災害予想が公表された。
今後は、有事においてハザードマップが有効に活用されるよう、平時から町民に対して
ハザードマップの重要性、存在を意識させる取り組みが必要となる。
(業務継続体制の整備)
・ 大地震などの大規模災害発生時における業務継続体制が未整備となっている。しかし、
災害発生時で通常業務が困難な状況であっても継続が求められる業務があることから、今
後、行政が一体となった検討が急がれる。
(広域連携等の推進)
・ 災害時は、単独自治体だけでの対応が難しいことから、
「災害時における相互応援協定」
を関係自治体と締結するとともに、民間事業所とも物資面などで協定の締結を進めている。
今後は災害協定の拡大を図りながら、町としても緊急用の食料・飲料水備蓄や防災用資機
材の備蓄倉庫などの整備を進める必要がある。
(国民保護体制の整備)
・ 他国からの武力攻撃やテロに対処するため、国民保護法に基づく聖籠町国民保護計画
を平成19年4月、国の指針により策定した。しかし、現状では、有事において即応体
制がとれるかどうか懸念されることから、今後は、計画に基づく体制の検討をはじめ、
国民保護訓練の実施など、国民の保護のための措置を的確かつ迅速に行動できる体制整
備が課題となっている。
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第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
【基本方針】
自主防災組織の育成に努め、地域防災力の強化を図るとともに、関係機関との連携を強化
する施策や民間事業者を含めた広域連携を推進する必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
自主防災組織化
率
地域防災力の状況を示す
指標
現況値 目標値
(年度) (H27)
(組織済世帯数/全世帯 32.8%
100%
数)×100
(H21)
算出方法
【施策の方向】
防災対策の充実
⑴
⑵
⑶
⑷
⑸
防災体制等の推進・整備
業務継続体制の整備
災害の未然防止
広域連携等の推進
国民保護体制の整備
⑴ 防災体制の推進・整備
○ 地震などの災害を想定した防災訓練を関係機関と連携し定期的に実施し、応急体制の
充実を図る必要がある。
○ 地域の防災力強化を図るため、各自治会単位の自主防災組織の設置・育成に努める必
要がある。
○ 石油コンビナート等災害防止法の指定区域である新潟東港区域については、原油及び
LNG などの備蓄・供給施設などの老朽化が懸念されることから、県及び関係機関と連携
し災害の未然防止に努める必要がある。
○ 災害資機材の計画的な整備に努める必要がある。
○ 防災行政無線のデジタル化に向けた調査・検討を進める必要がある。
○ 大地震における庁舎機能への影響を調査し、代替施設を含めた災害対策本部設置のあ
り方を検討する必要がある。
⑵ 業務継続体制の整備
○ 各部署における非常時優先業務を選定し、災害発生時の業務継続計画(BCP)の早
期策定を行う必要がある。
⑶ 災害の未然防止
○ ハザードマップで示された具体的な災害想定に基づき、避難時期の基準を明確にして
町民への周知を行い、意識の高揚を図る必要がある。
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第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
⑷ 広域連携等の推進
○ 相互応援協定を締結している自治体との合同訓練を実施するなど、広域連携の強化に
努める必要がある。
○ 民間事業所などとの災害時の応援協定締結を推進し、応援体制や連携を強化する必要
がある。
⑸ 国民保護体制の整備
○ 武力攻撃事態などを想定した避難訓練を県及び関係機関と連携し実施する必要があ
る。
○ 武力攻撃事態対処の特殊性を考慮し、近隣市と連携した避難実施要領を策定する必要
がある。
○ 武力攻撃時や災害発生時に町民などが迅速かつ安全に避難できるよう、防災道路の整
備を行う必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
自主防災組織設置・育成
事業
民間事業所等との災害
時応援協定の強化事業
聖籠町国民保護計画に
基づく避難実施要領の
策定事業
3
地域における防災活動を積極的に推進し、自主防災の組織
化を図り、自主的な活動に対し助成を行い、組織の自立・
育成に努める。
自治体や民間事業所との災害時の応援協定締結を推進し、
応援体制や連携を強化する。
武力攻撃事態対処の特殊性を考慮し、近隣市と連携した聖
籠町国民保護計画に基づく避難実施要領を策定する。
交通安全対策の充実
【現状と課題】
(交通安全思想の普及)
・ 本町の交通体系は、新潟東港工業地帯、新潟市への通勤者が多いことや駅がないことも
相まって、車両交通量が年々増加傾向にあるものの、交通事故発生件数は長年の事故防止
対策の充実により減少傾向にあり、
ここ数年はピーク時の 6 割程度で推移している。
また、
最近の事故発生形態を見ると高齢者によるものが多く、交差点での事故が高い割合を示し
66
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
ている。本町では、交通安全指導員が主となり、警察署、交通安全協会、交通安全母の会
と連携をとりながら、参加実践型の交通安全教室を開催し、事故防止を推進しており、こ
のためか、依然としてシートベルト非着用者は多いものの、県警の調査によると、本町の
シートベルト着用率は全国平均(95%)をわずかに下回る程度となっている。シートベル
トの着用は交通事故被害の軽減などその効果は大きいものがあり、チャイルドシートも含
め着用指導を行っている。
(道路交通環境の整備)
・ 本町は、交通量が増加傾向にあることから、歩道の整備による歩行者の安全確保など、
交通安全施設の計画的整備が必要である。
【基本方針】
関係機関との連携により、交通安全に対する町民の意識を高め、交通安全施設の計画的な
整備を促進する必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
交通事故件数
指標の説明
現況値 目標値
(年度) (H27)
町内における交通事故の
74 件
37 件
件数
(H21)
一般交通 100 台
90%
100%
あたりの着用率
(H21)
算出方法
交通安全に対する施策の
効果の状況を示す指標
シートベルト着
用率
【施策の方向】
交通安全対策の充実
⑴ 交通安全思想の普及
⑵ 道路交通環境の整備
⑴ 交通安全思想の普及
○ 幼児、学校、地域での交通安全教育を一層充実させ、交通安全意識と交通マナーの向
上に努める必要がある。また、高齢者の事故件数が増加傾向にあることから、交通マナ
ー実践及び加齢に伴う身体機能の低下の自覚など、参加体験型の交通安全教育の強化を
図る必要がある。
○ 町民一人ひとりの交通安全に対する関心と認識を高め、正しい交通ルールと交通マナ
ーの実践を習慣づけるため、
「交通安全家庭の日」をさらに普及し、交通安全意識の高
揚を図る必要がある。
○ 道路交通状況の変化に、適切な対応ができる安全運転意識を身につけるため、各層に
応じた安全運転講習会の充実を図る必要がある。
67
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
○ 交通安全指導員の育成強化のため、研修を充実させるとともに、近隣市との連携を図
る必要がある。
○ 交通事故被害者の生活救済のため、交通災害共済制度の積極的な加入促進に努める必
要がある。
○ 交通事故の多発地点を地図に書き込み、危険箇所の周知に努める必要がある。
⑵ 道路交通環境の整備
○ 安全な道路交通の確保を図るため、カーブミラーやガードレールなどの交通安全施設
を計画的に整備するとともに、老朽化した施設については、積極的に修繕を行う必要が
ある。
○ 交通安全を確保するため、警察及び関係機関と協議し、必要に応じた速度制限や規制
標識などの設置を要請し、効果的な交通規制を行う必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
交通安全思想普及事業
道路交通環境整備事業
幼児、学校、地域での交通安全教育や安全運転講習会の充
実や交通安全指導員の育成強化を図り、交通安全思想の普
及を図る。
交通安全施設を計画的に整備し、警察などに規制標識や効
果的な交通規制を要請する。
4 防犯対策の充実
【現状と課題】
(防犯活動の推進)
・ 現在、防犯対策については、集落区長・隣組長を構成員とする聖籠町防犯組合、新潟
東港聖籠地区防犯連絡協議会、新潟東港安全協議会などで個別に実践してきたが、本町
の現状を見ると、新潟東港周辺は、近年、重大犯罪が発生するなど、治安の悪化が懸念
されている。
・ 犯罪対策は、警察、行政だけで進めていくには限界があり、町民、事業者、ボランテ
ィア団体などがそれぞれの役割を認識することで、安全・安心なまちづくりができる。
・ 今後も、
「聖籠町安全で安心なまちづくり条例」に基づき、警察や地域団体などと協議
しながら防犯活動を推進する必要がある。
68
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
(新潟東港の防犯対策の強化)
・ 新潟東港区域の防犯対策として、
「新潟東港地区防犯連絡協議会」及び「新潟東港安全
協議会」を設立し、情報の交換や意識の啓発に努めている。また、新潟東港西地区との
連携を密にするため、平成 17 年3月から新潟東港地区は新潟北警察署管内に編入され、
防犯・交通の取り締りを行っている。
・ 外国との輸出入が増加傾向にあることから、
関係 56 団体による
「新潟県SN21 連絡会」
、
「新潟東港地区防犯協会」及び「新潟東港安全協議会」を設立し、海上や沿岸部におけ
る事件事故防止に努めている。
(防犯施設の整備)
・ 防犯灯については、犯罪防止の観点から通学路に順次整備を行っているが、今後も定
期的な整備が求められている。
【基本方針】
関係機関と連携をとり防犯に対する町民の意識を高め、防犯パトロールを定期的に実施し
て犯罪の未然防止に努める必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
犯罪発生件数
指標の説明
現況値 目標値
(年度) (H27)
町内における犯罪の発生
76 件
38 件
件数
(H21)
算出方法
防犯対策の効果の状況を
示す指標
【施策の方向】
防犯対策の充実
⑴ 防犯活動の推進
⑵ 新潟東港の防犯対策の強化
⑶ 防犯施設の整備
⑴ 防犯活動の推進
○ 防犯組合などの組織を強化し、通学児童・生徒に対するパトロールの推進や地域ぐる
みで犯罪のない社会環境づくりに取り組んでいく必要がある。
○ 犯罪の発生を未然に防止するため、広報活動や地域懇談会などを開催し、町民へ防犯
意識の啓発を図る必要がある。
○ 犯罪の発生を防止するため、民間事業所、警察、関係機関との連携策を図る必要があ
る。
69
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
⑵ 新潟東港の防犯対策の強化
○ 新潟東港地域は、社会環境の変化が著しく、犯罪発生の危険性があることから、地区
の協議会や新潟市及び警察署と連携を図り防犯対策に努める必要がある。
⑶ 防犯施設の整備
○ 夜間の犯罪や事故防止のため、通学路の防犯灯の計画的な整備を行う必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
防犯対策強化事業
防犯灯整備事業
町防犯組合をはじめとした各協議会と連携を図り、防犯パ
トロールや広報活動などを実施して防犯の対策強化に努め
る。
夜間の犯罪や事故防止のため、通学路に防犯灯の計画的な
整備を実施する。
5 消費生活の充実
【現状と課題】
(消費者への情報提供等の充実)
・ 消費生活の多様化やさまざまな商品・サービスが供給される中、生活の利便性が高ま
っている。一方、商品の欠陥や巧妙化した悪質商法による被害が多発し、また、消費者
金融を巡るトラブルが社会問題化している。
・ このようなことから、消費者が的確な判断のもとでより良い選択ができるよう、消費
生活に関する情報提供を積極的に行う必要がある。
(消費者の相談体制の充実)
・ 消費者が抱える不安やトラブルに対し、適切な相談やあっせんを行うことが必要であ
る。
・ また、町の様々な窓口から、消費者トラブルを抱えた町民を適切に消費生活センター
へ案内できる連携体制を整備する必要がある。
(消費者教育の充実)
・ 消費生活に関する知識の普及や理解を深めるため、講座・講演会などを開催し、教育
の充実を図る必要がある。
70
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
【基本方針】
町消費生活センターの充実化により、複雑化・多様化する消費者トラブルの未然防止及び
消費者トラブルに巻き込まれた際の公正な立場で処理などを行う必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
消費者相談件数
消費生活講座実
施数
指標の説明
算出方法
消費生活センターの認知 消費生活センター相
度向上に伴い、その処理 談年間件数
状況を示す指標
高齢者などへの消費者 消費生活講座実施数
トラブルを未然防止す
るための取り組み状況
を示す指標
現況値 目標値
(年度) (H27)
67
120
(H21)
12
(H21)
40
【施策の方向】
(1)
(2)
(3)
消費生活の充実
消費者への情報提供等の充実
消費者の相談体制の充実
消費者教育の充実
⑴ 消費者への情報提供等の充実
○ 消費者が的確な判断でより良い選択をするため、消費生活に関する情情報提供や相談
窓口の充実を図る必要がある。
⑵ 消費者の相談体制の充実
○ 消費者が抱える不安やトラブルに対し、適切な相談やあっせんを行うことが必要であ
る。
○ また、町の様々な窓口から、消費者トラブルを抱えた町民を適切に消費生活センター
へ案内できる連携体制を整備する必要がある。
⑶ 消費者教育の充実
○ 消費生活に関する知識と理解を一層深めるため、消費者教育の充実を図る必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
消費者行政事業
町消費生活センターにより、相談窓口の強化を図り、消費者
トラブルへの対応、消費生活相談や消費者教育の充実を図る。
71
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
Ⅱ 安心して暮らせる福祉のまちづくり
1 児童福祉の充実
【現状と課題】
(子育て家族の応援)
・ こども園(保育所)
、私立保育園、児童クラブ職員、保健師及び公民館職員の協力で子
育て支援事業推進に取り組んでいるほか、現在、本町内では地域子育てグループ 5 団体が
活動し、保護者間の交流、自由あそびなどの活動を行っている。
・ 離婚などによるひとり親家庭や乳幼児への虐待などが増加していることから、子育てや
要保護児童に関する相談体制を強化し、それぞれの家庭の安定を図ることが課題となって
いる。
(仕事と子育ての両立の応援)
・ 働く女性が増加している一方で、核家族化の進行、就業形態の変化などによって、仕事
と子育ての両立に悩む保護者が増えている。保育サービス及び放課後対策に対するニーズ
は多様化しているため、今後もそれらの拡充に取り組む必要がある。
(子どもにやさしい地域環境の整備)
・ 家族がゆとりや豊かさを感じながら、子育てを楽しむことができる環境の整備や地域で
子どもがのびのび育つことができる地域環境づくりが課題となっている。
・ 近年、子どもが犯罪に巻き込まれる事件が全国的に発生しており、子どもの地域活動に
不安を感じている保護者が増えている状況にある。
(子どもの豊かな人間性と社会性の育成)
・ 少子化、核家族化などの進行により、地域における子ども同士の心のつながりや、高齢
者及び地域の人とのふれあいの機会が少なくなり、豊かな心を育む人間関係が希薄になっ
ていることから、子どもが社会性を培えるよう、地域一体となった施策の推進が必要であ
る。
(子育て活動の支援体制の充実)
・ 地域の子育てサークルや自主的な文化・スポーツ活動などへの支援体制を拡充し、地域
が一体となった施策に取り組むことで、自主的活動の情報普及機能やボランティアでの助
け合い機能、孤立した子育ての予防機能の強化を図る必要がある。
72
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
(町民参加の子育て支援の情報提供)
・ 町民一人ひとりが子育てに関する問題について関心を高め、家庭、地域がそれぞれの立
場で子育てを支援する役割が担えるよう、子育てに関する情報を提供することが必要であ
る。
【基本方針】
「子ども のびのび、親 いきいき、安心のまちづくり」をめざす必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
保育所(園)入所
(園)率
0 歳児~2 歳児に占める
保育所(園)入所(園)
状況を示す指標
現況値 目標値
(年度) (H27)
(入所(園)者数/0 歳児 32.0% 38.2%
~2 歳児人口)×100
(H21)
算出方法
【施策の方向】
児童福祉の充実
⑴
⑵
⑶
⑷
⑸
⑹
子育て家族の応援
仕事と子育ての両立の応援
子どもにやさしい地域環境の整備
子どもの豊かな人間性と社会性の育成
子育て活動の支援体制の充実
町民参加の子育て支援の情報提供
⑴ 子育て家族の応援
○ 若い世代が安心して子どもを産み、ゆとりを持って健やかに育てていくことができる
よう育児サークル活動の支援を行うなど、子育て親子のつながりを充実させる事業を推
進する必要がある。
○ 親子の交流の場や小学生の放課後対策など世代間のネットワーク化を図れる施設の
建設について検討する必要がある。
○ 地域、保育所(園)
、幼稚園、職場などと連携した母子保健事業や、小児保健医療水
準の維持・向上をめざす環境づくりを引き続き推進する必要がある。
○ 心身に障がいのある子どもやひとり親家庭の親子が安心して生活できる施策の充実
を図る必要がある。
○ 虐待に関する相談やこころのケアなどを行う相談窓口の設置を図り、相談に適切に対
応する事業を推進する必要がある。
73
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
⑵ 仕事と子育ての両立の応援
○ 多様化する保育ニーズを踏まえ、子育てしながら働きやすい環境づくりを推進するた
め、障がい児を含む保育サービス及び放課後対策の充実を図るとともに、職場環境など
の整備に努める必要がある。
⑶ 子どもにやさしい地域環境の整備
○ ゆとりある居住環境、子どもにやさしい地域環境を整備し、町民同士のふれあいの機
会、子どもが安心して遊べる場の確保に努める必要がある。
⑷ 子どもの豊かな人間性と社会性の育成
○ 子どもが自己を確立し、豊かな心を持ち、社会の一員としてたくましく成長するため、
家庭・地域・学校が連携し、子ども一人ひとりの学力の向上や心身の健全な育成、社会
参加意識の向上を図る必要がある。
⑸ 子育て活動の支援体制の充実
○ 町民や子育て活動を行っている団体と行政の保健、福祉、教育の各分野が協働し、情
報の一元化やネットワーク機能の強化を図り、町民ニーズや必要な保育サービスについ
て随時検討し、町民の主体的な取り組みを支援していく体制を整える必要がある。
⑹ 町民参加の子育て支援の情報提供
○ 町民一人ひとりが子育てなどに関する問題について関心を高め、家庭、地域がそれぞ
れの立場で子育てを支援する役割が担えるよう町民に関係情報を提供し、子どもの人権
擁護や、地域社会全体による子どもの健全育成を推進する必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
チャイルドシート購入
費助成事業
健やか子育て支援事業
子ども手当支給事業
就学前乳幼児が利用するためのチャイルドシートの購入に
対して助成する。
出産祝金及び就学前までの第4子以降に支援金を支給する。
次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援する。
私立保育園運営費補助
事業
保育業務委託事業
私立保育園が適正運営できるよう補助する。
保育に欠ける家庭の児童の保育を社会福祉法人に委託す
る。
74
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
2 障がい者福祉の充実
【現状と課題】
(地域でともに生活するための施策の推進)
・ すべての町民一人ひとりの人権が尊重され、差別のない平等な社会を築くため、地域住
民の誰もが各自の生き方を尊重し、理解しあえるよう、相互交流や地域連帯の意識の醸成
を図る必要がある。
・ 障がい者が気兼ねなく参加でき、障がい者や障がいに対する理解を深めるうえでも、地
域住民同士が交流できる場や機会づくりが必要である。
(健康で自立した生活を実現するための体制整備)
・ 心身の障がいは、ライフステージのあらゆる時期での発生が想定されることから、各時
期において予防、早期発見・治療のための施策を推進する必要がある。
・ 障がい児の教育施策の推進については、こども園(保育所・幼稚園)
、学校などの教育
機関が連携を保ち、地域社会との関わりを深めながら、状況に応じた保育、教育を行うこ
とが大切である。
・ 自立生活への支援については、障がい者が住みなれた家庭や地域で、いきいきと安心し
て生活が送れるよう様々な活動の場を確保するとともに、サービスの提供体制と相談支援
体制の整備が必要である。
(自立と社会参加への支援)
・ 障がい者の就労を通じた自立や社会参加を支援するためハローワークや商工会と連携を
図りながらの取り組みが必要である。
・ 杉の子の家福祉作業所のように、地域における自治活動、経済活動、文化活動など幅広
い分野にわたって障がい者が参加できるような支援がさらに必要である。
・ 建築物や道路などの物理的バリア、情報伝達に関するバリア、理解不足や偏見など心の
バリアを取り除き、障がい者一人ひとりが自ら関心のある活動に積極的に参加できるよう
な支援やきっかけづくりが必要である。
【基本方針】
「だれもがその人らしく自立し、ともに生きるまちづくり」を推進する必要がある。
75
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
障がい福祉サー
ビス利用率
障害者手帳所持者におけ
るサービス利用状況を示
す指標
障害者手帳所持者におけ
る地域生活支援事業の利
用状況を示す指標
地域生活支援事
業利用率
現況値 目標値
(年度) (H27)
(利用者数/手帳所持者 8.5%
10%
数)×100
(H21)
算出方法
(利用者数/手帳所持者
数)×100
3.5%
(H21)
4.4%
【施策の方向】
障がい者福祉の充実
⑴ 地域でともに生活するための施策の推進
⑵ 健康で自立した生活を実現するための体制整備
⑶ 自立と社会参加への支援
⑴ 地域でともに生活するための施策の推進
○ 町民すべての共通認識として人権尊重を基本としたきめ細かな情報提供を行い、障が
い特性の理解や障がい者に対する正しい理解と認識を深めていく必要がある。
○ 福祉教育を積極的に推進し、ボランティア活動への参加や自主的な福祉活動の普及を
推進する必要がある。
○ 町、社会福祉協議会が主体となって障がい者や家族の当事者グループに対する相談、
支援を行う必要がある。
○ 地域の自治活動などに障がい者が参加できるよう、交流及び学びあいを促進し、情報
提供や活動の場の提供に努める必要がある。
○ ボランティアの自主性や自立性を尊重し、地域住民と障がい者自身が、ボランティア
活動へ気軽に参加できるよう人材の育成などの活動支援策の推進に努める必要がある。
⑵ 健康で自立した生活を実現するための体制整備
○ 乳幼児健康診査事業などと連携し、乳幼児から安心して治療やリハビリテーションが
受けられる広域体制と関係機関との連携を強化する必要がある。
○ 教育機関や関係機関との連携を図り、障がい児の能力を最大限に伸ばし、自立と社会
参加を進めるとともに多様な進路の確保に努める必要がある。
○ 障害者自立支援法の施行による相談支援事業や町自立支援協議会による連絡調整や
生活全般にわたる相談体制の整備を進める必要がある。
○ ホームページ、広報紙、民生委員児童委員などを通じて情報提供に努める必要がある。
○ 年金・手当制度、医療費助成制度、税の減免制度、また障害者自立支援法に基づく障
がい福祉サービスなどの周知及び活用の促進を図りながら経済的支援の充実に努める
必要がある。
76
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
⑶ 自立と社会参加への支援
○ 能力や障がいの状況に応じた職業能力の開発の機会を提供するとともに、福祉的就労、
企業への就労の促進に努め、障がい者の雇用機会の拡大を図る必要がある。
○ 自主的文化活動などを通して多様な学習の場や機会の確保に努める必要がある。また、
世代に応じたスポーツ・レクリエーション活動を促進し、スポーツ観戦や体験する機会
の拡大を図ることやそのための移動支援を整える必要がある。
○ 障がい者などの安全で快適な移動手段として町循環バスとの連携を図り、福祉タクシ
ー利用扶助事業などの周知及び利用促進に努め、障がい者の積極的な社会参加を促進す
る必要がある。また、道路、歩道、公共施設のバリアフリー化を推進する必要がある。
○ 障がいのある子どもを介護している親の高齢化や予期せぬ生活変化に備えて、体験型
の宿泊を可能とする一時預かりの支援や緊急一時入所の具体化など、将来の新しい居住
形態の開設を見通した取り組みが必要である。
○ 災害発生時に自力で避難できない障がい者に対して、近隣住民、民生委員児童委員、
消防団などの関係機関と連携し、避難誘導、救助体制づくりを進める必要がある。また、
防犯知識の周知徹底や悪質商法などの消費者被害防止に向けた情報を提供するなど、障
がい者の防犯・防災対策の充実を図る必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
社会復帰支援事業
障がい者住宅整備助成
事業
知的障がい者施設運営
支援事業
障がい者助成事業
総合相談窓口の設置
精神障がい者を対象に社会復帰のための訓練を支援し、就
労に結びつける。
障がい者の専用居室などを増改築するために必要な資金の
貸付を行う。
町の知的障がい者が入所する施設に対する運営経費を支援
する。
障がい者の日常生活用具、通所交通費、医療費、入院費な
どを助成する。
障がい者や当事者グループに対する相談、支援を行う。
◎療育手帳保持者(児)状況
各年度末/単位:人
区分
年度
17
18
19
20
21
A(重度)
認
定
37(3)
37(3)
38(3)
39(3)
40(4)
B(中・軽度)
認
定
37(10)
37(8)
41(7)
49(9)
52(10)
77
計
74(13)
74(11)
79(10)
88(12)
92(14)
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
※( )内は 18 歳未満
◎身体障害者手帳保持者(児)の状況
各年度末/単位:人
区分
年度
視覚障がい
17
18
19
20
21
聴覚・平衡障
がい
音声・言語
機能障がい
肢 体
不自由
内部障がい
計
35(1)
35(1)
33(1)
36(1)
37(4)
39(4)
40(4)
44(4)
6
7
7
7
321(1)
318(1)
315(1)
325(1)
75
78
81
78
474(6)
477(6)
476(6)
490(6)
34(1)
40(3)
7
321(1)
81
483(5)
※( )内は 18 歳未満
3 高齢者福祉の充実
【現状と課題】
(いきいき活動の応援)
・ 高齢者の孤立を防ぎ、社会と交流のある人間らしい生活を支援する必要がある。また、
自立した生活が維持できるように、高齢者の地域活動への参加を促進するとともに、身体
や認知能力の機能低下を予防する施策を推進する必要がある。
(要介護であってもその人らしく)
・ 寝たきりや認知症になってもその人が望むその人らしい生活ができるように、
「聖籠町
高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に沿った高齢者福祉の基盤整備を進めてきた結
果、在宅福祉、施設福祉のサービス水準が向上した。他方、介護保険料の負担も大きくな
ったことから、今後のサービス基盤整備にあたっては、現状を検証しつつ、より効果的な
あり方を追求する必要がある。
(地域包括支援センターの充実)
・ 住みなれた地域、在宅での生活をできるだけ継続し、上記計画・課題を実現させるため、
地域包括支援センターの体制整備をさらに推進する必要がある。
【基本方針】
誰もがその人らしく健康で自立した生活を実現するため、地域住民が育てる保健福祉のシ
ステム化を図り、ともに生きるまちづくりを推進する必要がある。
78
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
<施策目標(分野別目標)>
指標名
現況値 目標値
(年度) (H27)
(65 歳以上の介護認定 16.5% 17.0%
者数/65 歳以上人口)× (H21)
100
指標の説明
算出方法
高齢者における介護認定
状況を示す指標
介護認定率
【施策の方向】
⑴ いきいき活動の応援
⑵ 要介護であってもその人らしく
⑶ 地域包括支援センターの充実
高齢者福祉の充実
⑴ いきいき活動の応援
○ できるだけ元気で暮らせるように、ふれあい交流事業などへの高齢者の参加を促進し
つつ、高齢者の働き、学び、交流したいニーズに応えられるような活動を、関係課と連
携しながら推進する必要がある。
⑵ 要介護であってもその人らしく
○ 寝たきりや認知症になっても住み慣れた地域でその人らしく自立した生活ができる
よう、
「聖籠町高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に沿ってケアプランや介護保
険財政の現状を検証しつつ、居宅優先の原則にたって基盤整備及び事業を展開していく
必要がある。
高齢者人口
各年度末/単位:人
12 年度
13 年度
14 年度
15 年度
16 年度
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
人口
13,729
13,670
13,740
13,855
13,884
13,899
13,887
13,871
14,006
14,055
65 歳以上
2,525
2,542
2,604
2,669
2,664
2,735
2,763
2,802
2,849
2,897
65~74 歳
1,434
1,405
1,399
1,400
1,397
1,360
1,351
1,333
1,364
1,373
75 歳以上
1,091
1,137
1,205
1,269
1,267
1,375
1,412
1,469
1,485
1,524
高齢者世帯
各年度末/単位:世帯
12 年度
13 年度
14 年度
15 年度
16 年度
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
一人暮らし
81
98
109
117
113
126
130
152
170
170
高齢者のみ
128
122
123
123
139
133
136
159
173
182
3,543
3,556
3,626
3,771
3,832
3,908
3,952
3,934
4,017
4,106
全世帯
79
第 4 次聖籠町総合計画
要支援・要介護認定者数(1 号被保険者:65 歳以上)
最終答申
各年度末/単位:人
12 年度
13 年度
14 年度
15 年度
16 年度
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
介護認定者
247
278
316
358
373
397
389
437
464
480
要支援
15
18
15
21
26
52
87
107
123
116
要介護
232
260
301
337
347
345
302
330
341
364
介護認定率
認定率
各年度末/単位:%
12 年度
13 年度
14 年度
15 年度
16 年度
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
9.8
10.9
12.1
13.4
14.0
14.5
14.1
15.6
16.3
16.6
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
老人クラブ活動費補助
事業
生きがい型デイサービ
ス事業
高齢者保健福祉計画・介
護保険事業計画見直し
施設維持管理事業(聖海
荘・なごみの家等)
地域包括支援センター
の充実
単位老人クラブ、老人クラブ連合会に対し活動費助成を行
う。
高齢者の閉じこもり・寝たきりや認知症の予防を図り、生
きがいを持って充実した生活を送ってもらう。
高齢者の医療の確保に関する法律、介護保険町関連計画、
県計画の整合を図り、計画の見直しを行う。
聖海荘・なごみの家など高齢者福祉施設の維持管理を行う。
総合的介護予防システムの確立に向け専門職員の確保など
を行う。
4 地域福祉の充実
【現状と課題】
(ともに生きる地域づくりの推進)
・ 住んで安心の地域社会となるためには、福祉サービスの提供だけでなく、住民同士の支
え合いが不可欠である。身近な地域で気兼ねなくつきあえる人間関係をつくることができ
るよう、子どもから高齢者にいたるライフステージに応じて、仲間づくりを進めることが
必要である。
80
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
(地域福祉計画の策定)
・ 少子高齢化が進む中で、ひとり暮らし高齢者世帯などの増加もあり、また、社会構造の
変化や町民意識の多様化により、地域の福祉課題の把握を踏まえた地域福祉計画の策定
が課題となっている。
(ボランティア活動の育成及び地域福祉専門職の確保)
・ 現在、社会福祉協議会がボランティアセンター的機能を担っているが、ボランティア活
動の育成や地域のグループ活動の組織化や支援を行う専任の地域福祉専門職の確保が必
要である。
【基本方針】
福祉関係団体などのネットワーク活動の促進、地域福祉計画の策定、ボランティア活動の
育成などを通じ、誰もがともに生きる地域づくりを推進する必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
福祉ボランティ
ア数(団体)
福祉ボランティ
ア数(個人)
地域福祉活動の取り組み
状況を示す指標
現況値 目標値
(年度) (H27)
社会福祉協議会登録団体 11 団体 15 団体
数
(H21)
社会福祉協議会登録者数
7人
20 人
(H21)
算出方法
【施策の方向】
地域福祉の充実
⑴ ともに生きる地域づくりの推進
⑵ 地域福祉計画の策定
⑶ ボランティア活動の育成及び地域福祉
専門職の確保
⑴ ともに生きる地域づくりの推進
○ 誰もがともに生きる地域づくりを推進するという観点から、民生委員児童委員や福祉
関係団体などのネットワーク活動を促進する必要がある。
⑵ 地域福祉計画の策定
○ 地域社会の変化、住民意識の多様化に伴い、様々な福祉課題が発生しており、福祉の
まちづくりを総合的に推進するため地域福祉計画を策定する必要がある。
81
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
⑶ ボランティア活動の育成及び地域福祉専門職の確保
○ 町民による福祉のまちづくり支援のためには、ボランティア活動が重要となっている。
そのためには、社会福祉協議会と連携し、ボランティア活動の育成に努める必要がある。
○ 町民や当事者主体の活動を側面から支援する専任の地域福祉専門職を確保する必要
がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
地域福祉計画の策定
町社会福祉協議会助成
事業
地域福祉の向上と推進を理念として明確にするため社会福
祉法第 107 条の規定により、地域福祉計画を策定する。
町社会福祉協議会が行う高齢者福祉事業の充実、拡大を目
的に助成事業を行う。
82
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
Ⅲ 生涯健康に暮らせるまちづくり
1 健康づくりの充実
【現状と課題】
(生涯を通じた健康づくり)
・ 高齢化や自己の健康管理不足などから、がん、心臓病、脳血管疾患が死因の大きな割合
を占め、長期にわたって糖尿病をはじめとする循環器疾患やがんの治療を受けている人も
増えている。そのため、町民が健康的な生活習慣を身につけられるよう、一次予防(疾病
の発生予防健康づくり)に重点を置いた対策を進めていく必要がある。
(こころの健康づくり)
・ 社会環境の変化に伴い、こころに病気を持つ人が増えている。また、新しく町民になる
人も多く、地域社会の交流も希薄となり、一人ひとりが生き生きとした生活ができるよう、
啓発活動が必要である。
(健康づくり推進組織の活動強化)
・ 聖籠町健康づくり推進協議会は、昭和53年より設置され、本町の健康づくりの指針な
どに沿った対策に取り組んでいる。今後は、より幅広く地域での運動が展開できるようネ
ットワークの確立が課題となっている。
(マンパワーの確保)
・ 保健部門での相談ごとについては、現在保健師及び栄養士が対応している。これまで、
介護保険や各種支援制度など福祉分野での相談の増加に対応するため、福祉分野にも保健
師を配置してきたが、今後は、町民からの相談に迅速に応じることができるよう、地区活
動に配慮した保健師の確保が必要である。
(感染症対策の充実)
・ 町民を取り巻く環境が大きく変わり、人の移動が激しくなったことから、新型インフル
エンザなど海外で発生した感染症が容易に国内で発生する時代となった。このことから、
町民の健康を守るため予防対策及び拡大防止などの感染症対策を充実させる必要がある。
【基本方針】
町民一人ひとりが生涯にわたり健康的な生活習慣を身につけ、生き生きとした生活ができ
るよう対策を進める必要がある。
83
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
算出方法
保健推進員事業
参加延べ数
保健推進員事業
開催回数
健康の維持・増進活動の
状況を示す指標
参加延べ数
実数
現況値 目標値
(年度) (H27)
50 人
90 人
(H21)
3回
5回
(H21)
【施策の方向】
健康づくりの充実
⑴
⑵
⑶
⑷
⑸
生涯を通じた健康づくり
こころの健康づくり
健康づくり推進組織の活動強化
マンパワーの確保
感染症対策の充実
⑴ 生涯を通じた健康づくり
○ 子どもの時に身についた生活習慣は生涯の健康に結びつくため、生活習慣病の予防に
は早い時期からの意識づけが大切であることから、乳幼児期から高齢期にわたって、そ
の対象者の課題に合わせた健康づくりを他機関と連携しながら事業を推進する必要が
あります。
⑵ こころの健康づくり
○ 社会構造や価値観の変化に伴い、こころに病気を持つ人が増加している。また、自殺
が増えたことも問題となっている。ストレスと上手に付き合い、こころの健康を保つこ
とが大切であり、その対策として、病気に対する知識とその対処法についての啓発活動
や相談体制の整備に努める必要がある。
⑶ 健康づくり推進組織の活動強化
○ 「保健推進員」をはじめとして各組織に協力を得ながら、本町の保健行政の方向づけ
の推進に努める必要がある。
⑷ マンパワーの確保
○ 保健福祉活動の基本となる地区活動を重視するために保健師の確保に努める必要が
ある。
また相談内容が多岐にわたることから、そのニーズに応えるため、専門職種(社会福
祉士など)の確保に努める必要がある。
84
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
⑸ 感染症対策の充実
○ 対策マニュアル、業務継続計画の策定など感染症発生に備えた対策を充実させる必要
がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
地域保健対策事業
予防接種事業
基本・特定健診事後指導
健康づくり協議会委員、保健推進員とともに、町民の総合
的な健康づくりの方策と実践について審議するとともに、
組織の力で健康づくり対策を推進する。
第1種疾病予防接種などについては、集団接種、個別接種
を実施。おたふく風邪、水ぼうそう、細菌性髄膜炎(Hib
ワクチン)
、インフルエンザ、子宮頸がんなどの予防接種に
ついて、対象者の接種料の一部を助成する。
健診結果で保健指導の必要となった者に指導を行う。
2 母子保健の充実
【現状と課題】
(母子保健事業の充実)
・ 本町の出生率は国県よりは高い状況にあり、年間出生数は 130 人~140 人と微増してい
るものの、人口に占める児童の割合は減少しており少子化傾向にあると言える。
その要因として、婚姻率の低下や子育てに対する経済面や心理面の負担が大きいと考え
られる。
(子育ての不安を解消)
・ 育児環境をみると、核家族化が進み家庭養育機能が低下している。また、本町は離婚率
が県下でも高い状況にあり、それぞれの家庭における子育て不安を解消する必要がある。
(食育の強化)
・ 今、子どもを取り巻く環境が大きく変わり、いつでもどこでも好きなものを食べること
ができる時代となっており、食への関心も薄くなってきている。小中学校の肥満児童が県
平均を上回っていることからも、乳幼児期から食への関心を持たせ、基本的な生活改善が
必要である。
85
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
【基本方針】
多様化した町民ニーズに対応できる事業づくりを推進する必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
2ヵ月児訪問率
乳児健診率
1歳6ヵ月児健
診率
指標の説明
現況値 目標値
(年度) (H27)
(訪問実人数/対象者実
99%
100%
人数)×100
(H21)
(受診延べ人数/対象者 100%
100%
延べ人数)×100
(H21)
(受診実人数/対象者実 95.8%
100%
人数)×100
(H21)
算出方法
育児相談の取り組み状況
を示す指標
乳幼児の病気や障がいの
早期発見活動の状況を示
す指標
3歳児健診率
(受診実人数/対象者実
人数)×100
97.8%
(H21)
100%
【施策の方向】
母子保健の充実
⑴ 母子保健事業の充実
⑵ 子育ての不安を解消
⑶ 食育の強化
⑴ 母子保健事業の充実
○ 妊娠、出産、育児の考え方や多様な町民ニーズに対応できる経済支援や心のケアなど
の事業づくりを推進する必要がある。
⑵ 子育ての不安を解消
○ 妊娠、出産、産じょく、育児期をとおして各母子保健事業における相談機能を充実さ
せ、仲間づくりを意識した活動を展開することで、母親が育児を楽しめる環境の整備が
必要である。
⑶ 食育の強化
○ 望ましい食生活を送る能力を幼少期から身につけるために食育に関する事業を推進
する必要がある。
86
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
妊産婦・子ども医療費助
成事業
妊娠届出、訪問事業、妊
婦学級、育児学級、乳幼
児健診等の事業
こども園児やその他保
護者を対象とした食育
事業
予防接種費助成事業
妊産婦及び乳幼児、小中学生の医療費を助成する。
妊婦及び乳幼児とその保護者などを対象に各種の支援事業
を実施する。
町内団体と協力し、こども園(保育所)児及び保護者を対
象に食育教室を実施する。
任意接種の予防接種について、接種料の一部を助成する。
3 成人・老人保健の充実
【現状と課題】
(検診受診率の向上)
・ 本町の死亡者は年間 100~120 人で推移している。その死因は、がん、脳血管疾患、心
臓病で総数の 60%を占めている。特に、生産年齢人口の 65 歳未満では圧倒的にがんが多
く、部位的には、上位から肺、胃、大腸となっている。また、近年、糖尿病が急増してい
る。
このことから、若年層の検診受診率をさらに向上させ、がんの早期発見、生活習慣の見
直しが課題である。
(健康教育の充実)
・ 生活習慣病が脳血管疾患、心臓病などを誘発しており、これらの疾病を予防するため、
町民に広く知識を啓発し、生活習慣を見直すことが課題といえる。
【基本方針】
町民自らが病気の予防に主体的、積極的に取り組むことができるように支援する必要があ
る。
87
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
算出方法
基本・特定健診受
診者数
各種がん検診受
診者数
健康の維持・増進活動の
状況を示す指標
受診者数
受診者数
現況値 目標値
(年度) (H27)
1,793 人 2,000 人
(H21)
4,581 人 5,000 人
(H21)
【施策の方向】
成人・老人保健の充
実
⑴ 健診受診率の向上
⑵ 健康教育の充実
⑴ 健診受診率の向上
○ 新規受診者の掘り起こしをして、がん検診の受診率を 50%以上、基本・特定健診の
受診者数を 2,000 人以上にすることを目標とする必要がある。
⑵ 健康教育の充実
○ 生活習慣病は食事、運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣の積み重ねにより、発生・
進行するため、町民自らが病気の予防に主体的、積極的に取り組むことができるように
支援する必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
検診対策事業
各種がん検診などの受診率向上及び健康教育に取り組む。
総合検診の充実事業
総合健診の受診率向上のため対策を講じる。
88
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
死 因 割 合
20年
39
21
21
10
7 3
35
悪性新生物
19年
40
22
16
8
5 7
21
脳血管疾患
心疾患
18年
41
26
17
6 5 7
31
肺炎
不慮の事故
17年
35
21
18
11
52
28
自殺
その他
0%
20%
40%
60%
80%
100%
4 精神保健の充実
【現状と課題】
(精神保健の充実)
・ 本町では精神保健福祉手帳の交付を受けている者が 50 人、自立支援医療(精神通院医
療)を受けている者が 120 人、入院医療費助成を受けているものが 59 人となっている。
疾病分類を国保の診療報酬(レセプト)からみると、以前は多かった統合失調症のほか
にうつ病、神経症、パニック障害、人格障害、アルコール依存症など様々な疾病が増え、
患者数も増えている。また、近年では自殺者の増加が問題となっている。自殺の背景には
うつ病が隠れているといわれているため、周りが早期に発見し、適切に対処できるように
啓発活動に努める必要がある。
【基本方針】
心の病気の知識やその対処に関する啓発活動を推進し、相談体制の整備に努める必要があ
る。
89
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
<施策目標(分野別目標)>
指標名
訪問件数
指標の説明
現況値 目標値
(年度) (H27)
精神に関する保健師の家 351 件
450 件
庭訪問実施延べ件数
(H21)
算出方法
心の病気に関する取り組
み状況を示す指標
精神に関する保健師の相 94 件
談(面談・電話相談など) (H21)
実施延べ件数
相談件数
150 件
【施策の方向】
⑴ 精神保健の充実
精神保健の充実
⑴ 精神保健の充実
○ 心の病気の知識やその対処に関する啓発活動を推進する必要があるとともに、身近な
相談機関として、保健所との連携を深め、相談体制の整備に努める必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
障がい者助成事業
社会復帰支援事業
精神保健相談窓口の開
設
障がい者の日常生活用具、通院交通費、医療費、入院費な
どを助成する。
精神障がい者を対象に社会復帰のための訓練を支援し、就
労に結びつける。
障がい者が相談しやすい環境を整備する。
5 歯科保健の充実
【現状と課題】
(歯科保健サービスの充実)
・ 本町の歯科保健対策は、歯磨きと食生活指導の継続により、乳幼児、こども園(保育所・
幼稚園)、小・中学校でもむし歯有病率、一人平均むし歯数は年々下がっているものの、
県平均よりは高い状況である。また、児童・生徒に歯肉炎を有する者が増えていることか
90
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
ら、さらに歯磨きと食生活指導の強化を図る必要がある。
成人に対しては、成人歯科検診を、高齢者に対しては特定高齢者予防事業を実施してい
るが、いずれも受診者、参加者が少なく、受診率、参加率の向上を図る必要がある。
【基本方針】
すべての町民が豊かな食生活を楽しみ、歯と口腔の健康に関心を高め、むし歯や歯周病の
予防に取り組めるよう、行政、関係機関、町民が一体となって歯科保健の向上をめざす必要
がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
3 歳児むし歯有病
率
幼児における歯の健康状
況を示す指標
成人歯科検診受
診率
成人における歯の健康の
維持・増進活動の状況を
示す指標
現況値 目標値
(年度) (H27)
(むし歯有病者数/受診者 23.9%
20%
数)×100
(H21)
算出方法
(受診者数/計画人数)
×
100
6.8%
(H21)
12%
【施策の方向】
⑴ 歯科保健サービスの充実
歯科保健の充実
⑴ 歯科保健サービスの充実
○ 80 歳になっても 20 本以上の歯を残す「8020 運動」を推進するため、各年代に合わせ
たむし歯予防と歯周病予防対策を推進する必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
乳幼児歯科検診事業
訪問歯科相談事業
成人歯科検診事業
乳幼児の歯科検診を実施する。
要介護者に対し訪問歯科相談事業を実施する。
節目年齢者を対象に歯科検診を実施する。
91
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
6 健康増進施設の整備充実
【現状と課題】
(健康増進施設の整備充実)
・ 健康増進の休養施設「聖籠町観音の湯ざぶ~ん館」は日帰り棟、宿泊棟とも完備された。
今後は、利用者へのサービスと施設の有効的・効率的な利用を促進するという観点から、
健康づくりを目的とした多機能型施設の整備が課題である。
【基本方針】
子どもから高齢者まで、気軽に健康増進と町民相互の交流を図ることのできる多機能型の
施設整備と、施設の安全性確保に努める必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
「ざぶ~ん館」年
間利用者数
健康増進施設の利用状況
を示す指標
現況値
目標値
(年度) (H27)
年間利用者数(延べ数) 182,341 200,000
人
人
(H21)
算出方法
【施策の方向】
⑴ 健康増進施設の整備充実
健康増進施設の整備
充実
⑴
健康増進施設の整備充実
「聖籠町観音の湯ざぶ~ん館」の利用者を確保し、子どもから高齢者まで、気軽に健康増
進と町民相互の交流を図ることのできる多機能型の施設整備と、一層の施設管理の安全性
確保に努める必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
施設整備事業
利用環境の改善及び機能回復など施設整備の充実を図る。
92
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
7 医療体制の確立
【現状と課題】
(国保診療所及び救急医療体制の充実)
・ 本町の医療施設は、国保診療所 1 ヶ所を含む 8 ヶ所(うち歯科 5 ヶ所を含む)が設置さ
れているが、多様化する疾病に対して入院設備を有する医療機関がないため、現状は町外
に頼っている。
・ 救急医療面では、新発田保健医療圏第一次救急医療体制として県立新発田病院など近隣
市の総合病院で対応している。また、休日などの重症救急患者については、第二次救急医
療体制を取っている三市北蒲の病院が、病院群輪番制で対応している。今後ますます高ま
る保健医療の需要に対し、医療施設の充実と広域医療体制の拡充を図る必要がある。
【基本方針】
今後ますます高まる保健医療の需要に対し、医療施設の充実と広域医療体制の拡充を図
る必要がある。
<施策目標(分野別目標)>
指標名
指標の説明
算出方法
国保診療所受診
者数
町有診療施設の利用状況
を示す指標
年間延べ受診者数
現況値 目標値
(年度) (H27)
14,102 人 15,000
(H21)
人
【施策の方向】
医療体制の確立
⑴ 国保診療所及び救急医療体制の充実
⑴ 国保診療所及び救急医療体制の充実
○ 高齢化が進む状況下で、町民に身近で医療が提供できる診療所の役割は大きく、町国
保診療所の一層の施設整備などの内容の充実を図る必要がある。
○ 町民が緊急医療を必要とする際、適正で迅速な救急医療が受けられるよう、関係医療
機関の協力のもと充実した救急医療体制の確立を図る必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
国保診療所の充実
診療所の機能拡大と整備充実を図る。
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第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
8 国民健康保険事業の充実
【現状と課題】
(国保の広域化対策)
・ 後期高齢者医療制度の平成 24 年度廃止に伴い、高齢者医療を含めた国民健康保険制度
全般にわたる広域化などの制度改革が進められている。
・ 各市町村保険者によって、保険税(料)や医療費の抑制を目的とした保健事業の取り組
みにも大きな違いがある。
(保険税の収納率向上対策)
・ 国保の安定した運営を行うには国保財政の 23%を占める保険税収入は極めて重要であ
る。目的税という観点からも、被保険者間の公平感を維持するためにも収納率向上は重
要な課題である。
・ 徴収に係る事務負担軽減を図ることからも、また、納税者の利便性を向上させるうえ
からも、口座振替による納入を奨励することが重要である。
(医療費の適正化対策)
・ 平成 21 年 3 月に策定した「健康せいろう21」の策定趣旨に従い、健康な時から健康
づくりに関心をもって、健康維持・増進を図っていく一次予防対策の推進が大切である。
・ 日本人の死亡原因の2/3,医療費の1/3を占めるといわれる生活習慣病の罹患率
は拡大する傾向が続いており、医療費の抑制を図るうえで早期の発見、治療が必要であ
る。
【基本方針】
誰もが等しい負担で安心して医療を受けることができる医療保険制度をめざす必要があ
る。
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第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
<施策目標(分野別目標)>
指標名
国保税収納率
特定健診受診率
指標の説明
現況値 目標値
(年度) (H27)
(収入額/調定額)
×100
94%
95%
(H21)
算出方法
現年一般分の調整交付金
基準の確保状況を示す指
標
保健事業の充実の状況を
示す指標
特定保健指導率
(受診者数/特定健診対
象者数)×100
50.1%
(H21)
65%
(特定保健指導実施者数
/特定保健指導該当者
数)×100
24.1%
(H21)
50%
【施策の方向】
国民健康保険事業の
充実
⑴ 国保の広域化対策
⑵ 保険税の収納率向上対策
⑶ 医療費の適正化対策
⑴ 国保の広域化対策
○ 高齢者の医療制度を見直すことを目的とした「高齢者医療改革会議」は、平成 22 年
末に最終案を取りまとめ、平成 23 年 3 月までに法案を成立させる見込みであり、平成
24 年末までに政令省令の制定及びシステムの改修などの準備期間とし、平成 25 年 4 月
から新制度を施行するというスケジュールとなっている。このことから、国の動向を注
視し、県及び下越地区の市町村保険者と連携を図る必要がある。
○ 広域化に備えるため、保険税の適正賦課や保険給付費の抑制に努めるとともに、高額
医療費共同事業の交付金と拠出金の収支状況などを注視し、医療費抑制につながる保健
事業を展開し、周辺市町村の実施水準達成に努める必要がある。
⑵ 保険税の収納率向上対策
○ 収納率の向上対策は納税対策室との連携、協力により、納税相談に応じない場合は、
資格証審査委員会に諮り、適正な対応を行う必要がある。また、納税相談を行い、気軽
に納税相談が受けられる体制を作り、納税が困難な被保険者には免除規定の適用も考慮
する必要がある。
○ 資格取得などの届出時の窓口対応では、
必ず、
保険税の口座振替を勧める必要がある。
また、広報紙に掲載し、口座振替への加入促進を図る必要がある。
⑶ 医療費の適正化対策
○ 日頃から健康の大切さを認識してもらうために、
「健康せいろう21」における一次
予防運動などの取り組みを充実拡大し、保健師、栄養士やスポーツインストラクターな
どと連携し、魅力ある取り組みの実現に努める必要がある。また、
「人間ドック」に対
95
第 4 次聖籠町総合計画
最終答申
する補助を充実させて受診率の向上を図り、一次予防と併せ二次予防にも取り組み、医
療費の抑制、適正化に努める必要がある。
○ 平成 20 年 3 月に策定した特定健康診査等実施計画に定められている数値目標や基本
事項に従い、受診率の向上を図るための広報活動や保健事業の機会を通じて健康診査の
意義や有用性の理解を求める必要がある。また、特定健診後の要指導対象者の特定保健
指導の実施は、個別訪問などあらゆる方法で対象者と接触を図り、早期の治療や身体状
態の回復、改善の保健指導を実施する必要がある。
○ 国保資格の取得、喪失などの届出は速やかに行われるよう広報するとともに、過誤給
付の事務処理を適正に行い、医療費の適正給付に努める必要がある。
【主要事業】
事業の説明
主要事業名
特定健康診査事業
総合健康診断助成事業
40 歳から 74 歳を対象に内臓脂肪型肥満に着目した生活習
慣病予防のための特定健康診査。並びに、受診後の指導が
必要な人を対象とした特定保健指導事業を行う。
30 歳から 74 歳の国民健康保険被保険者のうち、人間ドック
並びに肺がん健診の受診希望者に対し、7割相当額を国保
(町)が費用負担する。
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