事業番号 9 10 事業名 整備補給施設整備 庁舎整備 【6 月 10 日(木)】 ◇担当局 時間:16:10-17:10(60 分) 経理装備局 施設整備課 【出席者(敬称略)】 ◆行政刷新会議外部有識者 井上 東 公認会計士 近藤 早利 弁護士 永久 寿夫 株式会社 PHP 総合研究所常務取締役 ◆防衛省予算監視・効率化チーム外部有識者 清水 涼子 関西大学会計専門職大学院教授、公認会計士 松村 昌廣 桃山学院大学法学部教授 村田 晃嗣 同志社大学法学部教授 ◆コーディネーター 小村 雄大 行政刷新会議事務局 榛葉 賀津也 防衛副大臣 ◆取りまとめ役 ◆防衛省予算監視・効率化チーム事務局 西 正典 経理装備局長 鎌田 昭良 大臣官房審議官 1 小村:そうしましたら時間、少し早いんですが、皆さんお揃いのようですので、本日5つ目の時 間帯の事業レビューについて今から入っていきたいと思います。 今日唯一2つの事業が入っておりますが、整備補給施設整備、ちょっとダブるような感じの名 前ですけど、それでよろしいですよね。と、庁舎整備の事業につきまして、担当部局お分かれに なりますか。2つ、分かれてますか。分かれてらっしゃるかもしれませんが、それぞれ5分ずつ ぐらいでご説明のほうをお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。 説明者:担当の施設整備課長の中田です。よろしくお願いいたします。 まず、整備補給施設の整備でございますが、レビューシートの 80 ページをお開けください。事 業の目的でございますけども、新装備の導入に伴い関連する施設の整備。部隊行動の基盤を確保 するため、老朽・狭隘な施設を改善。即応態勢を維持向上させるとともに装備品の適切な管理及 び維持を図るために整備場・倉庫を整備。装備品等を適切に管理するとともに、老朽・狭隘・機 能不備な施設を改善ということで、事業の概要としましては、整備する施設としては大きく分け て2つございまして、1つは車両整備や航空機整備場等の整備施設、もう1つは補給倉庫等の補 給施設です。 これらの整備場補給施設については、下の実施状況にも書いてあります通り、陸海空の各自衛 隊で整備を行っております。 予算の状況につきましては、平成 21 年度が 175 億円でございます。 自己点検のほうでごさいますけども、支出先、使途の把握水準、状況についてでございますけ ども、支出先は各防衛局、地方防衛局が工事を契約しておりまして、その工事を請け負う業者で ございます。原則として、全事業において一般競争入札により請負業者を決定しております。 管理のほうですけども、各地方防衛局等において、支出負担行為担当官の補助者に任命された 職員が、契約の適正な履行を確保するための監督及び工事の完了の確認をするための必要な検査 を適切に実施しております。 見直しの余地でございますけども、コスト縮減については政府全体として平成9年度から行動 計画を作成して実施しているところであり、防衛省も同じようなスタンスで実施しておりまして、 引き続きコスト縮減施策を着実に推進することとしております。 支出先となる工事請負者の決定については、原則として全て一般競争入札により決定している ところでありますけども、入札情報の幅広い周知等についてはさらに進めさせていただいて、よ り競争性のある環境づくりに努力していきたいというふうに考えております。 続きまして、81 ページですけども、資金の流れでございますけども、先程説明しましたように、 北海道から沖縄までの各地方防衛局が工事の発注を行っておりまして、各地方防衛局から工事を 請け負った建設会社に資金が流れることになります。たとえば、81 ページの左のほうですけども、 北海道防衛局として予算が 12 億円ございますけども、それを一般競争入札で民間会社 20 社が請 け負いまして、一部工事については下請けの業者が履行していると。これは各局とも同じような 流れでございます。 続きまして 83 ページでございますけども、各局における最大の金額を支出した業者ということ で、Aということで田中組と書いてありますけども、このAについては、先程の 81 ページに戻っ 2 ていただいて、北海道防衛局の下のA民間会社ということで、順番に北海道であればA、帯広で あればBというような形で、順番にアルファベットを綴らせていただいておりますけども、Aの 北海道防衛局で一番大きな契約をしたのが田中組さんでございまして、そこでの施設整備として の使途の内容と金額を掲載させていただいております。 続いて 86 ページになりますけども、資金の流れの、A、先程の北海道防衛局のことになります けども、そのうち、主な資金の流れとしまして、元請け業者さんが 20 社ほどございますけども、 そこの 10 社は会社の名前を記載させていただいて、支出金額ということで表をまとめさせていた だいております。以下、同じような形でまとめさせていただいております。 説明者:続きまして、庁舎整備のほうに移らさせていただきたいと思います。 98 ページをお開けください。庁舎については、部隊の運用にかかわる指揮命令の中枢となる拠 点施設であるとともに、大規模災害等が発生した場合においても、地域災害派遣における自衛隊 の活動拠点として重要な役割を担う施設であることから、事業目的に書いてあります「地震の振 動及び衝撃に対して、倒壊し、または崩壊する可能性が高い」と評価された耐震性の低い庁舎を 整備することにより、部隊の即応性の確保及び部隊活動基盤の改善を図ることを目的に整備して いる。それと、組織改編に合わせて老朽・狭隘・機能不備となっている庁舎の改善も図っており ます。 実施状況でごさいますけども、陸海空合わせまして 13 地域で整備を行っております。 予算としましては、21 年度 100 億円の予算でございました。 自己点検でございますけども、これについては整備補給施設整備と同じ記載となっております。 以下、99 ページ以降、資金の流れ等については、同じ建設工事でございますので、各地方防衛 局が契約をして、そこでの元請けさん、下請けさんへ資金が流れているということでございます。 以上、簡単ですが、説明を終わらせていただきます。 小村:引き続き、この事業の論点につきまして、副大臣からお願いいたします。 榛葉:はい。この整備補給施設と庁舎整備ですが、2つにまたがって共通で言えるところは、恐 らく、真の必要性というか緊要性ですね。それについての議論と、コスト削減に向けた具体的な 取り組みというか、どんな努力をしているのかといったようなところになるのかなというふうに 思っていますが、先生からのまたご議論願いたいと思います。 小村:ありがとうございます。私、最初に非常に言いにくく「整備補給施設整備」と申しました。 整備施設と補給施設の整備を行う事業だというふうに言っちゃえば簡単なんですね。すみません。 失礼しました。 それでは、この事業の予定する時間が 17 時 10 分まで。ここでちょうど、今日初めて 60 分の 時間帯のコマになりますが、17 時 10 分までということでさせていただきます。あと、新しく評 価者の方も加わりまして、さん付けで呼ばせていただきますので、申し訳ございません、よろし くお願いいたします。 それでは、どなたからでも。井上さん。 井上:両方のテーマにかかわる話なんですが、執行率のところなんですが、整備補給施設整備の 3 ほうが、過去3年度ありますが、86.3、84.1、86.7 と。金額で言うと 24 億ほど使い、まだ予算 が残っていると。 一方で、庁舎のほうも同様に、先程のご説明の中の数字を見せていただくと、21 年度は 90.3%、 約 10 億円使い残しがあると。で、現状のほうの分析ですと、かなり老朽の設備、施設があるとい うことで、そこらへんから判断すると、老朽建物の割合ですね、かなり多数にのぼるんですが、 そういった意味でいうと、基本的に予算の使い残しというのはどういうことなんだろうという疑 問があるんですが、そこら辺のお答えをお聞かせいただければと思います。 説明者:今のご質問でございますけども、建設工事の場合、気候とか設計変更で工事が遅れる場 合がございまして、ここで予算額と書いておりますけども、実際に支払っているのが 151 億とい うことで、残りの多くの金が、その年度に建設ができなくて次年度に繰り越したと。繰り越して るということで、実際お金が余っているという状況ではございません。 小村:井上さん。 井上:そうしますと、私さっき、過去の話を申し上げた、19、20、21 年度と、どこかのタイミン グで切れば予算が余るということなんですが、それが翌年に持ち越されると、平準化されるとい う…… 説明者:すみません。説明が十分でないと思いますけど、たとえば 19 年度でこの予算があって、 そこで 300 億ですか、300 億繰り越した場合には、20 年度の予算にもプラスしてその予算を予算 額として計上しております。で、その繰り越した予算をきちんと執行して、次の 20 年度の正規の ものも使ってるということで、これを見ると、繰り返し 19、20、21 年度と、その工事が一部次 年度に延びて完成しているということになります。 井上:その工事の遅れといいますか、要は使い残しというか、予算に計上されたものが、要は工 事が完成まで終わらないというのは、ある程度、事前に見積もれるものなんでしょうか。 説明者:予算……事前に見積もれるかどうかというところは、実際問題、契約した時点では「大 丈夫」という判断で進んでいるんですけども、そこの内容によっていろいろ出てきているという のが実情だと思っております。だから、当初にそれが分かったかというと、実際問題としてはな かなか分かりづらいのかなと思っています。 井上:すみません。じゃあ、もうひとつ。要は、私はスピード感の話を申し上げました。これだ け老朽化が進んでいるものがたくさんあって、その中で工事を発注して。で、基本的には遅れて はいけないという現状だと思うんですが、そこら辺の工事の管理のあり方とか、防衛省としての そこら辺、要は、予算的には使い残しという説明でいいと思うんですが、実態、それが、修理が 終わらなければいけないものが終わってないというそのこと自体については、どういうご評価を されているんでしょうか。 説明者:建設工事については、契約制度がここ数年ガラッと変わりまして、非常に入札時の、入 札までの手続きが長期化してきていることもありまして、そういう面で多少繰り越す案件が増え てきているのかなというところで考えています。 小村:すみません。もうひとつ、今の数字だけだと誤解を受けるかもしれないので、期ずれでど うしても設計変更とかがあって、翌年に繰り越されて、21 年度の予算については 90%ですが、 最終的には 155 億になりますよというお話なんですけども、この辺とですね、コスト縮減みたい 4 な話で、じゃあ、1点、いきなり 10 億、90 億のものが 150 億になったんですかっていう印象を 受けるんですけど、この辺はどういう説明になりますか。 説明者:今のご質問だと、契約した時点、契約と実際にお金を支払うのが違うということですね。 契約した時には予算と大体同規模の契約をしてると。ただ、支出をした時が当該年度と次の年度 にわたってるということでございます。 小村:次年度にわたってると。 説明者:はい。 小村:要するに、予算の当初の期ずれだけの話だということですかね。 説明者:はい。そういうふうに認識しています。 小村:単純にそれでいいということですか。 説明者:はい。 小村:村田さん。 村田:今後の見直しの余地というところで、 「原則として全て一般競争入札により決定していると ころであるが、入札情報の幅広い周知に努めるなど競争性を高める努力を継続する」というふう に書いていらっしゃるんですけれども、具体的にいうと、どういうふうによりこの一般入札の周 知を徹底する、どういう方途が検討されているんでしょうか。 説明者:論点のほうでも少し書かせていただいてるんですけども、防衛省の工事というのは、た とえば県の工事の中でも非常に工事量が少ないというところもありまして、みなさんの注目度が 少ない点もございます。沖縄の場合は結構、県の工事の中でも建設工事が占める場合が多いんで すけども、その際よく言われるのは、 「いつ工事が発注されて、いつそうなったんですか」という 建設業者からのご不満というか、もう少し情報を流してほしいというご要望もございまして、今 は防衛省のホームページで「こういう工事についてはこういう、いついつ入札します」というの を出してるほか、日刊の業界紙にも「こういう工事が発注を予定しています」というのを出して もらうことにしてますし、地元の工業会にも集まっていただいて、 「今年度こういう工事がありま すよ」ということを宣伝させていただいて、これまで情報がないことによって参加してこれてい なかった業者さんが、そういう情報を得ることによってより参加していただいて、それで適切な 競争性というか、競争性を高めてるということで、それがコスト縮減にもつながるんだろうとい うことで考えております。 小村:引き続き村田さん。 村田:すると、今までは地元の業者の方集まっていただいて説明会みたいなこと、あまり積極的 にはなさってなかったということですか。 説明者:積極的にやってる局もありましたけども、全体として見ればあまりなかったというふう に認識しています。 村田:つまり、取り組みが局によって割と、それぞれに委ねられていたということですか。それ を割と一律の方法で広報を周知徹底するおつもりだということですか。 説明者:それは、そういう要望があるということで、局に対して積極的にやってくれということ で指示するようにしております。 小村:清水さん。 5 清水:ご協力いただいて落札率等の一覧もいただいたんですけれども、局によってちょっとバラ ツキはあったにしても、比較的競争性は働いているのかなというふうな印象は持ちました。ただ、 工事の内容自体がどうなのかなという点がちょっと疑問に思うところがありまして。ひとつは論 点のほうの、これ、24 ページですかね、老朽化の割合の円グラフがありますけれども、この老朽 建物の割合というのが、1年間で 100 何十億支出されたとしても、1%しか改善してないと思い ます。ですので、それ本当に老朽化が対策必要だというふうに喫緊な課題だというふうにおっし ゃってる割には、そこに本当に支出額のほとんどがこの老朽化対策に用いられたのかなというふ うな疑問がございます。 それと、全部建て替えをすると。集約化ということはあっても、建て替えは全てするんだとい うことですね。廃止ということはないというふうなことのようなんですけれども、いろいろ装備 品の内容も変わってくる中で、本当に全て存続というのが必要なのかと。中にはそういった統廃 合っていうんですかね、廃止も含めて検討すべきような施設もあるのではないかというふうなこ とが疑問として、ふたつ目としてございます。 あと3点目は、本当にコストの削減、工事の内容が工法の変更等で、非常にそのコストの改善 が図られたというふうに書いてあるんですが、実際それ、本当にどのようにはじかれているのか というの、非常に疑問に思うところでして。私、拝見したのは、政策評価表などを拝見したんで すけれども、確かにA案、B案って比較はされているんですけれども、ほとんど工法の比較とか 全くされていないわけですよね。たとえば、もとあったところに建て替えるのと、新しいところ に新築するのと、どちらが経済的かというふうな比較しかされてないような状況で、ほんと、果 たしてこういった工法等の改善によっての削減というのが、合理的な形で適切に把握されている のかという疑問がございます。すみません、その3点について教えていただけますか。 説明者:はい。まず、1点目の老朽建物の建て替えを推進するということを謳っているのに全然 進んでないというお話ですけれども、実際、私共も進んでないということは実感しております。 で、謳ってはいるものの、その論点のグラフの中で見ていただきたいんですけれども、非常に実 際、各年度の予算編成過程においては、まず第一に部隊編成や装備品にからむ整備をどうしても 優先しなければならないという中で、このように施設整備の枠が限られてきますと、それに当て れる、老朽化建物に当てれる費用が少ないというような状況で、現状としてはあまり進んでない というのが状況で、なんとかこういう状況を改善できないかということでは思ってはおりますけ れども、昨今の非常に厳しい情勢を踏まえると、 小村:ごめんなさい。お答え、簡潔にお願いできますか。 説明者:はい、はい。なかなか難しいのかなと。ただ、この努力は続けていかなければならない と思っております。 それと、全部の建物について整備する必要がないんじゃないかと。更新時という…… 清水:更新ですね。 説明者:はい。で、基本的には、現在所有している施設自体は部隊運用に必要な施設として今所 有しているわけで、その中でもなかなか整備が少ないということで、明治とか大正とか、そうい う老朽化した施設も使いながらやっているのが現状ということで、倉庫のような施設については 一部所要がまだ足りないような状況でございます。今、そういうような状況の中で老朽化更新を 6 しながらも、使用に耐えないものを解体しているというのが現状でございます。 小村:3つ目のコスト改善ですね。 説明者:コスト改善については、建物の集約化等のところしか出てないというお話でございまし たけども、それ以外にも細かいものでかなり我々としても取り入れているところがありまして、 たとえば今、建築工事あたりでは、従来であれば型枠を使って、その後、鉄筋コンクリートとい うような形で、一つひとつ現場でつくっていたものをプレキャスト化にするとかですね、あと、 長寿命化が図れる材料を使うとか、あと、発生材等の有効利用ということで、これまでは何かあ れば残土捨て場にお金を払って捨てたのを、各省庁、各自治体も含めて情報の共有化をして、土 がほしいところに、 小村:じゃあいったん、具体例はそこで。清水さん…… 清水:すみません。2点目のことについては、老朽化対策が必要なのにもかかわらず、やっぱり 優先される施設があるので、そちらのほうに優先的に回しがちだから、老朽化対策に用いられる 施設が少ないということは、それだけ新しい施設を整備する必要があるというふうなことだと思 うんですよね。となると、やっぱりいらないものも出てくるのではないかなと、常識的にはそう いうように思うわけなんですけれども、そこのところが全く廃止がないというのがまだよく理解 できないところですね。でも、そこの辺は説明していただければいいんだろうと思います。必要 性っていうものを。 で、2点目は、そういったコスト削減の部分は契約のたとえば合理化、調達方法の合理化とい うふうな工事請負額以外の要素も含めた算式になっているようですけれども、そうではなくて、 やはり工事の請け負う金額の削減率というものをしっかり把握して、それがどういう要因によっ てそれが達成できたのかということを明確に把握すべきだと。それをたとえば政策評価などでシ ートをお書きになる際でも、そこをちゃんと代替方策と比較して、最も経済的なことも配慮して、 いい方を選んだというような記載にしていただかないと、あまりにもラフな比較がされてあって、 ここのところが本当にやられてるのかしらというふうな疑問が湧くところですので、今後、注意 していただきたいと思います。 小村:じゃあ、松村さん。 松村:限られた条件の中でこういう形になるのかなと思うんですが、少しアウト・オブ・ボック スというか、視線を変えてみるといくつか疑問がありまして、清水さんもおっしゃってましたけ ども、本当に緊要性はあるのかなと。本当にお尻に火がついた状態だったら、今みたいなお話に はならないわけで。本当に緊要性があるのかということで、そうなのか、もしくは、もうひとつ の発想、僕は聞いてて思ったのは、割とハコモノというか、モノに固執してるというのがあるの かなと。従来、これまでずっと私も自衛隊の軍事的な機能というのは非常に重視していろいろ発 言をしてきましたけども、ことここに関しては、必ずしも補給整備というのは、自衛隊の基地に、 自衛隊の所有で持つ必要はないわけですね。もちろん場所にもよるでしょうけども、どれぐらい 基地と近接してるかとか、ほかの条件もあるでしょうが、ここに出てきている、写真が出ている トラックの整備なんていうのは、必ず自衛隊の駐屯地の中に建物を持って、その中でやらなけれ ばいけないというふうにも必ずしも思えない。そういう形で、民間の施設を使ってもいいし、い ろんな考え方があると思うんですが、そういうオプションというのを考えられたのかと。で、本 7 当に緊要性があるならそこまでやらないといけないと思うんですが、そのあたりが非常に僕はク エスチョンマークですね。 小村:じゃあ、ここでいったんお答えとして、緊急性の話で数字とか示してもらえるならそれは それでいいと思うんですけども。 説明者:その緊急性を数字で表すのはなかなか難しいところがありまして。今、松村先生がおっ しゃった整備施設を持つ必要があるのかというところでございますけども、自衛隊が整備能力を 保持するということは、部隊の能力の根幹にかかわるものだというふうに思っておりまして、有 事においても部隊運用が適切にできるよう、整備等のノウハウも含めて、その機能も保持する必 要があるというふうに考えています。 で、整備の現状について陸上自衛隊の例で説明させていただくと、整備について三段階に区分 しているということで…… 小村:じゃあ、質問そこまで及んでないんで、ちょっと副大臣から。 榛葉:関連ですけど、老朽化した施設の写真があるんですが、これ、カラーで見るともっとみす ぼらしく見えてですね。これ、多分、③、25 ページの木更津のやつですけど、昭和 13 年、築 72 年ですよね。で、めくって、(2)の②番のこれは姫路のやつだと思うんですが、これ明治、大正時 代ですか。今、説明者が補給であるとか整備大切だと言うんですが、これは災害含めて、当然耐 震基準外れてますから、一発でアウトになると思うんですよね。その辺のですね、装備が先に整 備してこちらが後回しになっているという先程の円グラフの表ですけども、その幕との話し合い というか、その辺はどういうふうになっているんですか。だって、いいものつくったって、そう いう補給したり整備するものが真っ先に潰れたら意味ないですよね。 説明者:どうしても、新しく入った装備品の整備を重視する中で、我々も従来のそういう施設に ついて、もう少し予算化をお願いするんですけども、最終的にはどうしても優先順位が低くなっ ているというのは現状でございます。 小村:永久さん。 永久:伺おうと思っていたこと、皆さんの中で出てきたんですけども、要は老朽化等の判断の客 観的な基準というのはないということなんでしょうか。あとは、耐震に関しては、耐震診断をし てるというような話がありますけど、これは一般的なスペックと同じようなあれですか。それと も、特に高いスペックがあるというようなことなのか。それともうひとつなんですが、たとえば 学校の建物とかなんかも耐震工事しなきゃいけないというような時に、建て替えてしまうか、あ るいは耐震改修にするかというのはいろいろ議論があって、ひとつ建て替えるんだったら 10 個ぐ らい耐震で工事でできちゃうというようなことがありますね。で、そういうような工夫さまざま でやっていますけど、そういうような工夫とかもされているんでしょうか。 説明者:後ろから順番にいきますと、新設と改修ということであれば、耐用年数とか老朽度の状 況踏まえながら、新設した場合と改修した場合の経済比較もしながらやっておりまして、ここで の庁舎でも習志野、仙台、小平、呉については改修工事のほうが経済性があるということで採用 しております。 それと、耐用年数の考え方がしっかりしたものがないんではないかというご指摘なんですけど も、ここでの老朽化建物というところの判断のところで、耐用年数を超えたものというふうに書 8 いてますけども、この指標は財務省で定めてます「減価償却資産の耐用年数等に関する政令」で 定めた数字を使っています。それはやっぱりあくまでもひとつの一般的な指標で、ひとつの目安 だというふうに判断しておりまして、そういう状況、耐用年数が超えたものについて本当に改修 が必要なのかどうなのかということで、クラックの状況とかコンクリートの中性化とか、実際に その建物がまだ持つのか持たないのかというところは調査させてもらって、その中で判断してい るというのが実情でございます。 小村:松村さん。 松村:さっきの自衛隊が補給整備の能力を持つことは大事であると。それはもちろんそうなんで すが、これ、オール・オア・ナッシングの議論ではないと思うんですよね。つまり、民間の補給 ……その建物の中で自衛隊員が補給するということもあるだろうし、10 台のうち、その能力を保 持することが大事だから半分とか3分の1とかやるけれども、ほかは民間にやってもらうという 手もあると思うんですね。実際、もっと極端な話は、イラクにおけるアメリカの輸送なんかを見 てると、今、輸送トラック、ロジスティックな話をしているわけですけれども、その辺の部分だ と、もう民間に全部投げてしまう場合もあるわけで、これだけ老朽化が進んで、本当に緊要だっ たらそこまで考えないとダメじゃないかなと。で、 「いや、そこまでは考えないんです」と言うと、 「緊要」という表現自身に僕はクエスチョンマークが付くと思うんですが、どの程度本当に大変 なんですか。なんか、お話を聞いてると、 「大変なんやけど、とりあえずお金が今のやり方で出せ る範囲でしかやっていけないので仕方がないですね」というふうにしか聞こえない。 説明者:基本的には、有事においても、民間企業とか住民の方々が避難されたあとも引き続き独 力で故障したものとか、そういうものを整備する能力が必要だというふうに考えていて、それで あると、民間委託は非常に難しいところがあると。 それで、これ、PFIでちょっと調査した時も、有事において民間が業務支援なりそういうも のができますかということでアンケートをとってみたんですけども、有事であれば、今、日本の 業者の方々は、その維持とかはできないというご回答もいただいている状況の中で、暗に平時に おいてそういうものができるから、そこにみんな任せましょうと。コスト的に安いから任せまし ょうというところは非常に難しいところがあるのかなというふうに考えております。 ただ、装軌車等のオーバーホールとか、そういう定期的というか、高度な技術を要するものに ついては民間のほうに委託しているということで、そういう面では今後も検討する余地はあるも のも、あるとは思いますけども、今、我々が考えているところは、やはりその能力は自衛隊とし ても保持していく必要があるのではないかと思っております。 小村:井上さん。 井上:そういった意味で、今、ご回答あった内容で理解すると、やはり有事の時には自らの力で いろんな補修もするという能力的な部分も保持するということであれば、ひとつのコスト削減の 観点からの選択肢の中に、ひとつ、一回全部内製化して、自分たちでやったらどのぐらいのコス トになるのかと。そういったようなご検討はされたことがありますか。 小村:ごめんなさい。その前にもう一回、多くが外注というか一般競争入札で民間企業は参画さ れてますよね。今の現状でいいんですけど、みなさんが要するにスキルとして残されている部分 と外に出されている部分という部分はどういうふうにお考えなんですかね。その上でお答えいた 9 だければと思うんですけど。 説明者:整備の話でしょうか。 小村:ああ、そうか。こちらとはやり方が違うのか。ちょっと待って下さいね。ああ、すみませ ん。じゃあ、先にお答えいただいて。どちらも請負契約としての工事監督、検査はされますよね。 で、残りの施工部分については民間企業に入札されているわけですね。 説明者:はい、はい。 小村:で、戦時、平時という話で、必ず皆さんがっていう部分をおっしゃるわけですけど、 説明者:今の私の説明させていただいたのは建設工事の建物の部分のところでございますんで、 これは建物が建っていればいいという話ですから、別に有事に急に建物建てるわけじゃございま せんから、常日頃の施設として整備するということで、ここに記載させていただいているもので す。これ、建物の建設です。 小村:で、戦時に皆さん方にノウハウを残しておかなければいけないという部分は、じゃあ、逆 に言うとどこの部分を今お話しされてますか。 説明者:それは車両の整備とか、そういうものは部隊外注、民間でもいいんじゃないかというの が松村先生のご質問だというふうに認識してしゃべらせていただいたわけです。 松村:2つあって、建物は民間のもの、自衛隊の駐屯地の近くにあるんだけど、そこに自衛隊員 が行ってやると。1キロ離れているか 500 メートル離れているか分かりませんけれども、あまり 遠過ぎるとダメでしょうけど。それから、作業自身も部分的にはやってしまう。もちろん、残し ておかないといけない部分とそうでない部分とがあるんでしょうけど、トラックなんかはどこで もいいけど、逆に、よく考えるとそうなんですけれども、特殊な戦車なんかは最初から外に出し ているというような状況なんでしょう。 そのへんの仕分けを考えると、要するに、我々が必要なのは、実は建物そのものではなくて、 そこにメンテナンスをやるとか、そういう機能のほうが大事なのであって、なんかハコモノのほ うに神経がいっているのが、ちょっとそこは発想の転換かなと思うんですけれども。 小村:その建物の部分を松村さんは外に、もっと民間側は参入させてということですよね。ええ、 分かりました。 じゃあ、村田さん。 村田:今、松村先生がケースバイケースとおっしゃったし、その前にも程度の問題ということを おっしゃった。まさにその通りだと思うんですけど、今のご議論を聞いていても、説明の側の方、 「有事」という言葉を使われた、すみません、私、お名前言えないです。司会の方は「戦時」と いう言葉を使いました。たとえば、有事と言った時にも、やはり相当程度の幅があることじゃな いかと思うんですね。従って、非常に極端な有事でもって、民間がすべて機能しないような極端 な有事のことを想定して、その時どうだというのと、かなりの程度もっとゆるやかな状況とか、 幅のある概念ではないかと思うんですね。それによってどの程度民間に依存できるかどうかとい うのが違ってくると思うんですが、お話では平時か有事かって、かなり dichotomous な二分法の 議論をされているんじゃないかという気がするんですが、いかがでしょうか。 説明者:この能力の保持というのは、常日頃からもっていかなければならないということで考え ておりまして、ここまでであれば大した、たとえば地震の一部壊れたとか、そういうところであ 10 れば大丈夫じゃないのというところの議論をしても、実際にはそこで全然整備にタッチしてない と、全く部隊員としてはその能力を保持ずっとできないということになるんではないかなという ふうに思っております。 榛葉:ちょっと整理だけしときますけど、説明者はいわゆる整備補給施設、それから庁舎整備の 建物のほうなんで、整備の話になると、また違う説明者に来ていただかなければならいことは把 握しておいていただいて、それでも説明者、今、しっかり説明してくれたことは評価いたします。 小村:先程、私、井上さん遮っちゃったんで、もう一回…… 井上:すみません、もうちょっと分かりやすく言いますと、今、自衛隊さん、いろいろな災害の 時に、外へ出ていろんなご活躍されていると思うんですが、そういうときのスキルにもこういっ た施設整備ですとか庁舎整備に必要なスキルっていうのはやはり身につける必要があると思いま すし、そういったことからしても、あとコストの話からしても、自らおやりになられたらどれぐ らいの金額でできるのかと。それは当然そういった研修とか、さっき言った災害対策のいろんな ご準備とかのコストも含めて、トータルコストとして計算された時に、アウトソーシング、それ のほうがよいのか、それとも内製化してしまったほうがよいのか、そういうご議論っていうのは されたことがあるのかっていうのが先程の質問です。 説明者:陸上自衛隊施設課長の池田です。陸上自衛隊では今ハイチに行って、部隊が活動してお りますように、施設科部隊というのをかなりな大きな規模で持っております。で、平素の整備工 場あるいは補給施設、あるいは倉庫等の建物に対して、2つのことをやっています。1つは補修 というような概念で、本体自体は大きくいじらないんですけれども、雨漏りがしてるのは雨漏り 直すとか、壁がちょっと破れているのを直すとかといった補修関係の事業は、部隊でなるべくや るようにしております。 どれぐらいの規模かと言うのを一例で申し上げますと、昨年、ある一個方面隊が民間でやるよ りはどれぐらい浮いたかというと、300 万円から 500 万円ぐらいのオーダーで一個方面隊、全部 で5個ありますから、1千万とか2千万というオーダーを、部隊でやることによって、自ら直す ことによって、直轄で民間に頼むよりは安くあげたと。材料費だけで抑えたというような状況が ひとつあります。 もうひとつは、国際任務にも役に立ちますので、21 年度から簡単な倉庫ぐらいは建てようとい うことで、まだヨチヨチ歩きなんですが、新設ものに今チャレンジをしようとしております。多 分、来年ぐらいには1千万、2千万ぐらいのオーダーで効果が出てきて、数年後に私は億の単位 で民間に頼むよりは安くあげれると。しかも、我々の能力も、国際活動で役に立つだろうと思わ れる能力もついてくるんだろうということで事業化を進めております。以上です。 井上:その時に、使う資材とか材料の共有化っていうんですかね、これは陸海空、もしかして共 通で使うようなものもあるかもしれませんけども、そのようなお考えで何かコスト削減進められ ているような事実がございますか。 説明者:使う資材で今、陸海空で共通にというのは、私承知している限りはありません。今のと ころまだありません。陸の中では当然機材の貸し借り、駐屯地単位で整備したり、施設部隊単位 で整備を命じたりしておりますので、必要な機材はお互いに貸し借りをして整備をすると。モノ は当然使いますから、外から買ってきて材料は使うと。機材、使える機械は貸し借りでやってま 11 す。 小村:今、現地でのご活躍の話から、もう一回、今の事業のほうに戻して議論をお願いしたいと 思います。 近藤さん。 近藤:今までの話と違う角度から、レビューシートの 80 ページを拝見すると、予算の状況という ところで、毎年予算額が結構大きく変動しているように思うんですけども、これはどういう理由 に基づいて。たとえば、19 年度の 229 億に対して翌年は 119 億というように半減し、翌年また 175 億というように増えているというのはどういうあたりに起因するのか、長期的に計画して標 準化してるということはないのかとか、そのあたりをお聞かせいただけますでしょうか。 説明者:我々、施設の整備のあり方を見る時に、経費の状況を見る時に、歳出ベースと契約ベー スと2つの見方がありまして、事業を執行する側にとっては契約ベースでとらえるところがあり ます。ただ、建物のたとえば3年国債とか2年国債とか、その流れの中で多少違うところもある ところがありますけども、実際、補給整備施設の歳出、契約ベースの話をさせていただきますと、 18、19、20 については 140 億円ほどでほとんど変わってはいません。そういう面で、事業の後 年度負担とかそういうところと、先程の繰り越した予算とかですね、そういうものが多少複合し てこういうような数字になったのではないかと思っております。 小村:清水さん。 清水:コスト削減のことについてもうちょっとお伺いしたいんですが、先程PFIの話が出まし たけれども、何例かやってらっしゃると思うんですけれども、最初にVFMが見込まれるという ふうなことでスタートされますよね。その後、それが実際実現しているのかどうかっていうこと ですね。事後のフォローというのは非常に重要だと思うんですが、そこら辺の体制はどうなって いますでしょうか。 説明者:PFIを実施したのは立川公務員宿舎と呉の史料館の整備でございますけども、立川は 公務員宿舎で 10 年で終わりなんですけども、呉の史料館については、史料館としての今後の維 持・管理というところもありまして、実際にどれだけ、どういうことになっているのか、今、把 握しているところで、引き続きPFI事業として推進できるかどうか、今、検討してるところで ございます。 清水:立川のほうは 10 年ということですが、まだ終わってませんよね。最初にはじいて、計算上 VFMが出るということであっても、なかなかうまくいかないケースっていうのは地方自治体の 中でもありますので、そこはしっかりその辺、最初に予定していたものが実現しているのかどう かというふうなことをフォローしていただかないと、最初にこれだけ節減できましたっていう説 明で終わってしまうと、後々、それがその通りでなかったというようなことになってしまいます ので、フォローをしっかりしていただきたいというふうに思います。 説明者:はい、分かりました。 小村:近藤さん。 近藤:すみません、聞いているところでは、施設整備について平成 20 年7月策定の「防衛施設整 備コスト構造改善プログラム」というものがあって、それによりますと、平成 20 年度から 24 年 度までの5年間で、19 年度と比較して 15%の総合コスト改善率を達成するという数値目標が出 12 されているようなのですが、これから見て、現在の取り組みが目標達成に向けて順調に進んでい るかどうかというようなあたりについてお聞かせていただけますか。 説明者:単純に言えば、15%を5年間でやれば1年に3%という数字になると思います。それで、 20 年度のこの部分について1.2%縮減と書いておりますけども、この対象にしているのは、先程 から少し話している内容とからむんですけども、20 年度に支出があるものと支出がないものとい うことで、支出があるものについての削減率を記載させていただいています。で、支出がなかっ た、たとえば年度末に契約をして、その年度にはお金は一切払わずに次年度以降払う、21 年度以 降払うものについては計上していません。それの部分を計上しますと、今、3.9%ぐらいになっ ていまして、一応、年割的にはカバーできてるのかなと思っていますけども、非常に 15%という 数字も大きいものですから、どんどん前倒ししてやっていきたいと思っております。 小村:永久さん。 永久:こんなこと言っていいのかどうかなと思っているんですけれども、こうして一方で非常に 老朽化とか耐震工事が必要なところというのはたくさん抱えていて、一方でこの建物とかこのあ たり、ものすごく素晴らしい建物で、そうしてチグハグ感が感じるわけですね。で、いや、もち ろん防衛省の本部がみすぼらしい状況であってはいけないと思いますけども、そうした全体の装 備とか建物とかそうしたものも全部含めた全体最適というか、計画というのは、どういうふうに して調整されてるのか。省内の中で、ここの部分はこの予算の中でこれだけで頑張れみたいな、 そんな感じに見えてしまうんですね。本当に必要なところはどこなのか、そうした優先順位とか 全体最適とかいうところをきっちりとされてるのかどうか、ちょっと不思議な感じがするんです が、いかがでしょうか。 小村:すみません、評価シート書きながらでお願いします。 説明者:この市ヶ谷の庁舎を議論するとなかなか説明しづらいところがありますけども、他の駐 屯地、一般の自衛隊の駐屯地というのは、標準的な設計を持っておりますので、それほど差が出 てくるとは思っておりません。あと、じゃあ、何を優先的にやっていくかというところの判断は、 内局の今、施設整備課長をやってますけども、そこはまずは運用サイドの各自衛隊が今一番必要 な施設が何かということを基準に判断させていただくこととしておりまして、そこは各自衛隊の 中で一番必要、優先順位の高いものから今整備しているというのが実情だというふうに認識して おります。 永久:企業でたとえると、大会社で中央の本社が立派になってて、本当に一生懸命やってる支店 というか、そのあたりが限られた中で本当に一生懸命努力していってるような、そんな風景に見 えてしまうんですね。もし、実際にどちらの機能も十分必要なわけですし、あれですけども、一 方で先程のセッションの中で、たとえば 60 年、40 年、50 年経ったような建物の中で自衛隊の方 が暮らしているようなところもあるわけですよね。そうした資源配分がうまくできてないような 気がしてしょうがないんですね。これは皆さんにお話してもしょうがない話なんですけども、そ んな印象を受けます。 小村:清水さん。 清水:話が行ったり来たりで恐縮なんですが、先程の数値目標の話なんですけど、数値目標立て られる限りは、どちらのベースで比較するのかっていうの、最初から明確にしておかないといけ 13 ないと思うんですよ。支出額ベースなのか、契約額ベースなのか。要するに、数年間にわたる工 事があるわけですから、契約額ベースだと、最初にそれが集約されてしまうわけですよね。立て られる限りは、それはハッキリしておかなきゃいけないということと、申し上げたかったのは、 最初にも申し上げたんですけれども、工事以外の要素も含めてどうも 15%というのが定義されて いるという、すごく曖昧な目標になっていると思います。それも、ちょっと以前はまた違った書 き方がされていると。そういうことではなくて、やはり、工事のコストがそれだけで一体いくら 安価にするのかというふうなことをしっかり立てた上で、しかもそれがどういうベースで計算す るのかというふうなことを立てた上で、実績と比較して、それをフィードバックすべきだと思う んですね。数値目標というのは、それを立てる限りはそこまでしっかりしておかないといけいな ものだと思いますので、その辺の再検討をお願いしたいと思います。 小村:いくらかちょっと公共工事のコスト縮減行動計画全体みたいな話にはなりますけども、ち ょっとあれば。 説明者:はい。今、政府が進めてるコスト構造改善計画と同一な歩調でやってるわけですけども、 そこの中でも、数値的には細かく分かれておりまして、今、清水先生がおっしゃった部分、工事 コストとしてどれだけ落ちたかというのを把握できるようなシートとして今整理させていただい てますんで、全体として、じゃあ、工事コストとしてどれだけ落ちた、計画面でどれだけ落ちた、 たとえば環境面の配慮でどれだけ落ちたということを把握できるような形で今、整理させていた だいてはいます。 清水:ぜひ、じゃあ、そのような形でお願いしたいと思います。ベースについてもきちっと定義 してやっていただきたいと思います。 小村:結果についてはあれですか、情報公開みたいに出されてますか。ホームページ上とかに。 説明者:国土交通省が取りまとめて、年度の終わりに出すことになっております。 小村:分かりました。 説明者:私共の各省庁のホームページでも出すことになっています。 小村:はい。松村さん。 松村:評価というよりも感想なんですけど、やっぱりこの老朽施設のパーセンテージとか数の大 きさ、施設全体だったら1万 3600、57%、補給でも 5400 で 64%。これもう茫然とする数値で。 担当部署の方はそれなりの制約の中で頑張ってらっしゃるとは思うんですけど、これ、今やられ る部分的な改善全部なされたとしても、問題の本質の解決に全くならないというか。これは私が 申し上げた発想の転換も含めて、やっぱり政務三役のリーダーシップでなんかやらないと、ほん まに地震がグラッときたら、一番先に死んだのは自衛隊員だったみたいな話になりかねないわけ でしょ、これ。なんとかしていただきたいなと思います。 小村:そういう意味で言うと、どういうふうに、どういう建物を対象にして、順番に改築なり改 良なりしていきますかっていう部分について、少しお答えいただいてないような気もするんです が、そのあたりいかがですか。 説明者:論点ペーパーのほうには、資料としては添付させていただいたんですけども、基本的に 耐震化については、3つの要件を重視して対応してます。まず所在地については、大地震発生の 切迫性が高いと指摘される地域で、東海地震とか東南海等の地域に所在する駐屯地を優先的に対 14 応していこうと。で、建物等については庁舎、隊舎、および病院ということで、隊員が継続的に 集中する施設や、地震時に指揮所なり行動の活動のベースとなるところの施設を中心にやってい こうと。規模としては、階数の低い建物は地震にもそれほど影響は少ない、高いものに比べて影 響は少ないので、これは耐震改修の促進に関する法律の中でも学校等の例で定められているんで すけれども、3階建て以上で、床面積千平米以上ということで、そういう所在地、建物用途、規 模等を勘案の上、対応していこうということで進めておりまして、我々も当初、東海地震が先に 指定されているところもありまして、東海地震のほうを先に優先順位をもって進めてきてはいま すけども、ほかのところも引き続き、非常に切迫性が高い地域でございますので、できる限りの 対応はしていきたいと思っております。 小村:じゃあ、清水さん。 清水:すみません、また話が飛ぶんですけれども、契約に関して電子入札化を進めてらっしゃる というお話があったと思うんですが、これは 100%になったんでしょうか。 説明者:基本的には 100%ですけども、業者さんで能力のない方は紙での入札も認めてる世界は あります。 小村:清水先生、よろしいですか。そうしましたら、結果が取りまとめられておりますので、副 大臣のほうから講評いただきます。 榛葉:はい。本事業のまとめをいたします。レビューシートの説明を受けて、概ね把握できてい るが5、把握できていないが1という結果でございました。議論の結果、本事業は抜本的改善3、 一部改善3という結果でございます。一部改善3という結果踏まえて「見直し」というふうにさ せていただきますが、と言いますのも、レビューシートが若干分かりにくかったというご指摘が 非常に多うございます。少しこの辺の工夫を今後お願いをしたいというふうに思いますが、中身 的には喫緊性や優先順位を明確にするべきであると。施設更新の必要性を再検討して統廃合すべ きであると。PFIをもっと活用すべきであると。さらなるコスト削減を検討すべきである、施 設の全体的な最適を考えた計画が必要であるというふうにまとめさせていただきたいと思います。 小村:ありがとうございました。そうしましたら、本日5番目の事業、2つの事業でございまし たが、整備補給施設整備、庁舎整備につきましては以上の結果とさせていただきます。 ここで5分間休憩をとりまして、17 時 15 分から次の事業レビューに入らさせていただきます。 いったん休憩させていただきます。 (終了) 15
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