平成26年度稲作情報第2号 [PDFファイル/371KB] - 宮城県

仙台稲作情報 第2号 平成26年4月7日
2014・04・07 育苗管理編
宮城県仙台農業改良普及センター
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[今回のお知らせ]
1 播種から田植えまでのポイントを確かめましょう。
2 育苗期の病害について
3 春の農作業安全確認運動実施中です!
◆育苗のポイントは・・・
適切な 温度管理 と 水管理 です!
◆事故は起きてからでは遅いです。農作業を行
う前に,危険なポイントを確認して,農作業
事故防止を徹底しましょう!
1 播種から田植えまでのポイントを確かめましょう。
(1)ハウス育苗のポイント
播 種
○播種量の目安
稚 苗 : 乾籾120~160g ,催芽籾150~200g
中 苗 : 乾籾 80~110g ,催芽籾100~130g
○床土の量は,厚さ2cm程度
○床土へのかん水の量は,育苗箱の底から水が滴る程度
○覆土の量は,種籾が見えなくなる程度
○粘土質の強い土は,覆土として使用しない。
加温する場合(育苗器使用)
出 芽
加温しない場合(ハウスに平並べ)
○育苗器の温度は30℃とし,
芽が覆土上1cm程度出たら
ハウスに並べる。
○育苗箱をハウスに並べ,
保温シートを掛ける。
○保温シートを2~3日掛ける。
○第2葉が出始めたころに保温
シートを外す。
り よ つ か
緑 化
こう
か
硬 化
◎出芽直後は原則としてかん水は行わない。
◎ハウス内の適正温度は,昼間25℃程度,夜間10℃以上
◎低温(外気温が5℃以下)が予想される場合は保温を徹底する。
◎ハウス内の適正温度は,昼間20~25℃,夜間は10℃程度
◎低温(外気温が5℃以下)が予想される場合は保温を徹底
○かん水は,覆土や葉が乾いたら,朝のうちに行う。
○田植え予定日の5~7日前になったら,低温時を除き,終日
ハウスのサイドビニールを開放し,苗を外気に慣らす。
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仙台稲作情報 第2号 平成26年4月7日
■主な保温シート
■主な保温シート
・ラブシート(ポリエステル繊維布)
適度な遮光性や通気性があり,ある程度の保温性もある。育苗箱の下敷きとしても
利用できる。
・ミラーシート(ポリエステル発泡シート)
温度が上がりやすく,保温性に優れているため,育苗期間中が低温であれば管理
しやすいが,昼間に温度が上がりすぎて苗焼けを起こしやすいため,育苗箱に被せっ
ぱなしにはしない。
・シルバーポリトウ♯80(アルミ粒子をポリエチレン層で挟んだ3層構造シート)
保温性や遮光性が高いことから,地温が急上昇しにくいため,高温時は管理しやすい。
「♯80」とは,遮光率(光を遮る能力)が80%という意味
◆追肥は,葉色にムラが出てきたら施用します。
追肥のタイミング
稚 苗
1.5葉期頃
①1.5葉期頃
中 苗
②2.5葉期頃
施肥量の目安
・1箱分(1箱あたり窒素成分で1g程度)
→液肥2号5mlまたは硫安5gを500mlの水で溶かす。
・100箱分
→液肥2号500mlまたは硫安500gを50㍑の水で溶かす。
(2)保温折衷苗代(中苗)のポイント
作 業 の ポ イ ン ト
苗床づくり
播種時
播種直後
1.5葉期
2葉期
・苗立ち枯れ病予防のため,苗床表面に土壌殺菌剤を散布し,表土を軽くかき
混ぜて平らにならします。
・育苗箱を取りやすくするため,寒冷紗等を敷きます。
・床土に殺菌剤を注ぎかけます。
・雨が降っても水位が育苗箱まで上がらないよう,水尻の高さを調節します。
・芽が出揃うまでは踏切溝だけに水を入れ,箱より上に水が上がらないように
します。
・1枚目のポリのミシン目を切り,肩まで下げて換気します。
・昼間は水温を上げるため浅水,夜間は保温のため箱上2~3cmの深水にします。
・1枚目のポリを下まで下げて横からも換気します。
・2葉期以降は踏切溝だけに水を入れます(低温時は箱上まで水を入れます)。
2.5葉期
・ポリの裾を全開にします。
3葉期以降
・終日ポリを全部巻き上げ,田植えに備えて苗を外気に慣らします。
◆追肥
葉が黄化しかかっていれば,1.5葉期と2.5葉期に,ハウス育苗と同量施用します。
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仙台稲作情報 第2号 平成26年4月7日
2 育苗期の病害について
................
育苗期の病害を防ぐには,適切な温度管理と水管理を行うことが重要です。
育苗期間中の病害には,発生した後からできる有効な対策はありませんので,病害が発生
しにくい環境づくりに努めましょう。
<表
育苗期の主な病害>
病害
発生しやすい条件
主な病害の特徴
ばか苗病
・塩水選の未実施
・浸種時の高温(水温15℃以上)
・催芽時の高温(30℃以上)
・葉が急激に伸び,淡緑~黄色になる。
・根の数が少なく,籾や苗の付け根が暗褐色~
暗紫色となる。
・初期症状は,葉が白色から暗褐色になり,
もみ枯れ細菌病
・塩水選の未実施
・催芽,出芽の高温(30℃以上)
・育苗中の高温(30℃以上)過湿
・地際部(芽と床土が接する辺り)や根が褐変
フザリウム属菌
苗
立
ピシウム属菌
する。
・緑化開始直後の低温
・床土のpHが5.5以上
・育苗中の過湿
・地際部や籾に白~淡紅色のカビが発生する。
・地際部が淡褐色で,水浸し状になり,急激に
枯死する。
(カビ発生しない)
・葉が萎んだ2~3日後に枯死する場合がある。
ち
枯
れ
病
リゾプス属菌
(白~灰白色カビ)
・発生が一部に集中し被害苗は容易に抜ける。
・初期症状は,もみ枯細菌病に酷似している。
・苗の中心が腐敗せず,容易に抜けない。
苗立ち枯れ細菌病
(白~淡紅色カビ)
腐敗・枯死する。
・出芽時の高温(30℃以上)過湿
・緑化期以降の低温(10℃以下)
・育苗中の過湿
・出芽後,箱全体が白いカビで覆われ,やがて
灰白色となる。
・葉や茎が黄緑色に退色し,根は短く,本数が
少ない。
トリコデルマ属菌
(青緑色カビ)
・床土の乾燥(水分不足)
・保菌している床土,施設等の
・葉が激しく黄化し,根は短く,褐変する。
・地際部や籾の周りに青緑色のカビの塊がみら
れる。
使用
3 春の農作業安全確認運動実施中です! (実施期間:4月1日~6月1日)
◎スローガン「あなたの地域から広がる,農作業安全」
慣れた作業ほど,気が緩みやすくなるものです。特にトラクターの運転には細心の注意を払
いましょう。農作業は安全が第一です!
◎農業用機械や農機具の盗難に注意!
トラクターを中心とした農業機械や農機具の盗難が全国的に多発しています。大切な機械
や農機具は,適切に管理をしましょう。万が一,盗難に遭われた場合は,最寄りの警察署,
または110番に連絡してください。
【次号(プール育苗編)と直播情報は4月中旬頃発行予定です。】
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