JST(独)科学技術振興機構 東京理科大学新技術説明会 2010年10月5日 JSTホール(東京・市ヶ谷) 気泡微細化沸騰を用いる高発熱密度機器 の高熱流束冷却技術 High Heat Flux Cooling Technology for High Thermal Emission Device using Microbubble Emission Boiling 平成12年 NEDO 平成14∼16年 平成14∼16年 平成18年 JST 国際共同研究プログラム NEDO エネルギー利用合理化技術戦略的開発プログラム JSPS 科学研究費補助金 シーズ発掘プログラム 山口東京理科大学工学部機械工学科 (山口県山陽小野田市) 鈴木康一 1 目次 講演者の紹介 Key words 除熱 熱輸送 地域産業 省エネ 地球環境 技術開発の背景 沸騰冷却と気泡微細化沸騰 長もの冷却面の高熱流束冷却 冷却デバイスのモデル:CHCD, PHCDとプール沸騰型超音波デバイス 実用化に向けて:用途,従来技術との比較,製品化にむけて 問合せ先など 2 経歴 1967東京理科大学理学部応用物理学科 1968~1986 東京理科大学理工学部機械工学科 助手; 燃焼工学の研究 1987 工学博士(東京理科大学);旋回乱流拡散火炎に関する研究 1987~ 沸騰熱伝達の研究 1988 東京理科大学理工学部 講師 1998 東京理科大学理工学部 助教授 2002 東京理科大学理工学部 教授 2009 山口東京理科大学 教授 , 2010 同大学院基礎工学研究科 教授 高発熱密度電子機器の高熱流束沸騰冷却技術の開発 (NEDO,JST,JSPS) 微小重力環境における沸騰熱伝達(JSF・JAXA) マイクロチャンネルの熱と物質移動 3 技術開発の背景 大気汚染・環境汚染 化石燃料の 大量消費 化石燃料の枯渇 過剰CO2・地球温暖化 Microsoft clip art インバータ(ICパック)の発熱密度 ≈ 300W/cm2 電子素子の性能向上、微小化による 発熱密度の増加 … >100W/cm2 4 Thermal Emission from Electronic Devices presented by Prof. S. Nishio 5 100000 10 Rocket Nozzle FCV, EV, FC-Plant 4 10000 10 Power IC, SiC 3 Heat flux [W/cm2] 1000 10 Advanced Cooling Technology LSI, IGBT 新冷却技術? Nuclear reactor 1002 10 Cooling limit, Conventional 101 沸騰冷却 ・核沸騰 10 Kitchen hot plate 10 CPU 10 単相流冷却 空冷 / 液冷 Solar heating 0.1-1 10 Air conditioning 0.01-2 10 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 Temperature [K] 5 6 高発熱密度電子機器の冷却 自然対流で冷却 (空冷) : 携帯電話 ∼ 5W/cm2 強制対流で冷却 (空冷) : PC (Note, Desk Top) サーバー ∼10W/cm2 強制対流で冷却 (液冷) : PC, サーバー 大型コンピュータ ∼ 80W/cm2 処理する情報量の増大→消費電力の増大 そして・・・・・ 電子機器のますます小型軽量化 (ミニチア化,マイクロ化) 放熱面積が小さくなる→発熱密度 Watt/cm2の増大 100W/cm2を超えるものは? その冷却技術は? パワーエレクトロニクス サーバーstation 7 沸騰冷却と気泡微細化沸騰 水の飽和蒸気表 0 ℃ 1 リットル(1kg) 沸騰熱伝達(相変化)は大量の熱を輸送 1気圧(0.1013MPa) 100 ℃ 100 ℃ 1(kg)×4.2(kJ/kgK)×(100-0)(K)=420kJ 2256.94(kJ/kg)×1(kg)=2256.94kJ 潜熱輸送 =顕熱輸送の数倍 ! なぜエレクトロニクスに沸騰冷却が使われないのか? 8 沸騰冷却 冷却限界の向上 気泡微細化沸騰 ここまで使える 気泡微細化沸騰安全余裕 熱流束[W/cm ] 従来技術の限界 従来安全余裕 常用除熱限界 100W/cm2 冷却面が急速に乾く 400~1000W/cm2 限界熱流束 Heat Flux q2 [W/m2] 新技術 Burnout 焼切れ・焼損 核沸騰 遷移沸騰 膜沸騰 Superheat ΔTsat [K] 伝熱過熱度=壁面温度ー液飽和温度[K] 沸騰曲線 現象が速く制御不能 9 Fundamentals; What is Microbubble Emission Boiling ? Water Ethanol , 10mass% Propanol , 7.5mass% CHF → Transition Boiling → Burn-out Very difficult to control ! Subcooled quasi-pool boiling Liquid subcooling = 40K Heating surface = 10mm dia, Cu 10 長ものの冷却(ICパッケージ): 伝熱面下流が冷えない! 高温 冷却液 最大除熱熱流束 液温60℃ 冷える 下流が乾く 単一流路では伝熱面の長さは5cmが限界! 伝熱面長さが5cm ~ 30cm ; Passive-Active Cooling Device Sub-channel Main-channel Impinging jets 主流路+副流路 副流路から冷却液を ノズルを介して吹き 付ける Heating surface 最大500W/cm2 11 小型高熱流束冷却デバイス(Compact High flux Cooling Device;CHCD) 単一流路では伝熱面の長さ は 5cmが限界! 2 Heat flux q [W/m ] コンポ型で高発熱に対応 高熱流束、低振動、低騒音 最大500W/cm2 沸騰振動の低減 冷却液入 800 kPa → 200kPa Up stream section Center Down stream section 7 10 MEB Max 500W/cm2 6 10 冷却液出 熱伝達率 ∼60000W/m2K 5 10 1 10 100 Superheat 1000 Tsat [K] 公開番号JP2008-244495, PCT2007/102496 A1 12 CHCD(小型高熱流束沸冷却器)流体ループ 冷却液流路 高熱流束除熱による 冷却面積の縮小 →省スペイス 発熱体 ポンプ 気泡微細化沸騰によるポンプ 動力の軽減 → 省エネルギー 排熱利用 気液分離器 凝縮熱交換機 液タンク 13 Passive-Active Cooling Device for Power Electronics PHCD 特許第4464914号 H22.2.26 PCT:WO2006/075493 A1 Slits 1CH寸法:伝熱面(冷却面)長さ10~30cm、幅1~2cm Needle nozzle 1mm Dia. 熱熱流束:500W/cm2 (伝熱面温度140~150℃ 水,0.5m/s) NEDO作品(H14-H16):鈴木康一(東京理大),河村 洋(東京理大) 大田治彦(九州大), 阿部宜之(産総研) 14 Passive-Active Cooling Device 300kW級の模型 (平成18年度JSTプログラム) EV, FCVのインバー 10cmL×2cmW×5CH×6 Units タを想定した冷却性能 熱伝達率(max)= 60000~70000W/m2K 15 この図間違い 新聞発表と雑誌で紹介 日経ものづくり 16 超音波加振式プール沸騰型高熱流束冷却機概念 送液ループ不要・密閉型 超音波により合体気泡が微細 気泡崩壊して気泡微細化沸騰 が促進される 17 新技術の特徴・従来(競合)技術との比較 18 気泡微細化沸騰冷却の用途の例 航空機・船舶の電力制御 高速昇降機 電力制御用電子機器 (インバーター) 高熱流束冷却 電気鉄道車両 省スペイス 省エネルギー サーバー ステーション ハイブリッド自動車 電気自動車 自家発電溶接機 燃料電池電源 19 市場性:どのような分野に有効か 自動車関連 : 石油燃料の内燃機関に代わって電気動力の自動車の普及が加速さ れる. 小型軽量・省スペースの電力制御用電子機(インバータ,etc.) の高熱流束冷却装置が用いられる.・・・・大きな需要 建造物関連 : 都市部では高層ビル,超高層ビルの建設がすすみ,高速昇降機が 設置される.搭載用小型軽量・省スペースの電力制御用電子機(イン バータ,etc.)の高熱流束冷却装置が用いられる. 従来設置されている 高速昇降機の架け替え,改造にも利用度が高い. 航空宇宙関連: 大型航空機の電気・電子システムの冷却.従来の強制空冷方式に 比してはるかに省スペース生が高く,コックピット周りの騒音低減が 改善.扱うエネルギー量が増加する宇宙施設の熱輸送に必須の技術. 改善 分散型電源 : 小規模施設,家庭用の電力供給は,電力会社から供給される方式に 代わり,燃料電池+太陽電池の個別分散方式に進んでゆくと予想され 燃料電池+太陽電池の個別分散方式に進んでゆく る.このような個別電源の電力制御用電子機器の冷却に用いられる. 大型サーバーシステム・大型コンピュータ関連 : 沸騰冷却により,スペースをはるか に小さくすることができ,冷却のための 電力,騒音を低減することがで に小さくする 電力,騒音を低減 きる.排熱は周辺構造物の環境制御に利用可能 その他,鉄道関連,電源装置.自家発電式溶接機など電力設備,機械の小型軽量化 に有効 高除熱密度→省スペース,省エネルギー,環境負荷の低減 20 本技術に関する知的財産権 “Passive-active High heat flux Cooling Device ; PHCD” ・ 特許第4464914号 平成22年2月26日 ・PCT国際公開番号 : WO2006/075493 A1 ・発明者 : 鈴木康一(理科大)、 河村洋(理科大)、 大田治彦(九州大)、 阿部宣之(産総研) “Compact High heat flux Cooling Device : CHCD” ・PCT国際公開番号 : WO2007/102498 A1 (日本出願公開番号 : 2008−244495 ) ・発明者 : 鈴木康一(理科大)、 後藤洋介(デンソー) 21 技術を世の中 に出す構想 世界に向けて All理科大+企業+官(地・国) 製品化・システムDelv. 地域企業 地域産業活性 知財管理 TLO 市場情報開発 産・官・学 グリーンエネルギー 総合開発プロジェクト 電気・電子 分野 熱エネルギー輸送・有効 利用技術総合研究開発 パワエレ 材料分野 適正材料熱 変形対策 加工分野 低コスト加工 MEMS 熱流体分野 基礎研究 基本技術開発 都市・建築・環 境分野 産・官・学 22 NEXT STEP CHCD(小型高熱流束沸冷却器)流体ループ 冷却液流路 高熱流束除熱による 冷却面積の縮小 →省スペイス 発熱体 ポンプ 気泡微細化沸騰によるポンプ 動力の軽減 → 省エネルギー 排熱利用 気液分離器 凝縮熱交換機 液タンク プロトタイプ開発プロジェクト ¾冷却部開発 東京理科大学 ¾冷却液開発 協力企業募集中 ¾熱交換器開発 協力企業募集中 ¾ポンプ開発 協力企業募集中 ¾装置の小型化 協力企業募集中 23 お問い合わせ先 東京理科大学科学技術交流センター(承認TLO) 住所: 〒162-8601東京都新宿区神楽坂1丁目3番地 TEL : 03(5225)1365 FAX : 03(5228)7924 受付時間: 平日9:30∼18:00 E-mail: [email protected] コーディネーター: 田丸 威(たまる たけし) E-mail : [email protected] 24
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