学校法人 国際学園 - 国際短期大学

学校法人 国際学園
国際短期大学
平成24年度 事業報告書
平成25年5月
Ⅰ 法人の概要
1.設置する学校、学科
(1)名称
国際短期大学
(2)設置学科 国際コミュニケーション学科
2.役員の状況(平成 25 年 3 月 31 日現在)
理事長
高木 千明
理 事
高木 明郎(国際短期大学 学長)
鈴木 俊二(国際短期大学 副学長)
島本 浩(事務局長)
堀 雄介(非常勤)
監 事
上杉 秀樹(非常勤)
葛田 芳史(非常勤)
3.教員の状況
学
科
合
計
4.入学定員、学生数の状況
学 科
国際コミュニケーション学科
合
計
教授
専任
講師
准教授
5人
入学定員
3人
入学者数
平成 24 年 5 月 1 日現在
助教
計
助手
3人
0人
11 人
平成 24 年 5 月 1 日現在
収容定員
在籍者数
200 人
126 人
400 人
251 人
200 人
126 人
400 人
251 人
5.法人の沿革
昭和 8年 中野高等無線学校を設立
昭和16年 財団法人中野学園設立
昭和21年 国際短期大学の前身となる国際外語学校を設立
昭和23年 財団法人中野学園を財団法人国際学園に改称
昭和25年 国際外語学校を母体として国際短期大学を設立し、「英語科」を設置
昭和26年 財団法人国際学園を学校法人国際学園に組織変更
昭和37年 国際短期大学に「電気通信科」を設置
平成 6年 「電気通信科」を「情報通信科」に改称
平成13年 「英語科」を「英語コミュニケーション学科」に改称
「電気通信科」を「情報ネットワーク学科」に改称
平成22年 「国際コミュニケーション学科」の1学科に改組
Ⅱ.平成24年度事業報告概要
平成 22 年度入学者から国際コミュニケーション学科 1 学科制の短期大学へと転換し、平成
24 年度末に国際コミュニケーション学科第 2 期生の卒業生を輩出したところである。小規模校
の強みを活かし、初年次教育を更に充実させつつ、学生に就職への意欲を喚起し、社会人への
興味を高め、必要とされるスキルを確認し、そのスキルを目標に修得させるというサイクルを
目指した。それによって効果的に就職に結びつけるという視点で教育施策の総点検を行ってき
たところである。特に教員と職員の連携・情報の共有化を高めることを基本に「目標を学生と
一緒に設定し、トライする教育」「社会人への興味や関心を高める教育」「一人ひとりと向き
合った個人別指導」を重点的に行ってきた。その効果もあり、卒業生の進路決定率は対前年比
で増加して推移しており、
本学の教育成果が徐々に企業に評価されてきている証である。また、
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その成果として平成 24 年度のオープンキャンパス参加者数は前年比 120%を達成して大きな回
復の兆しを見せたものの、オープンキャンパスにおける本学の取り組みのPR浸透度が不十分
だったこともあり、その後の出願に上手く結びつけることができず、平成 25 年度も入学定員未
達の状況が継続することとなったことは新たな課題を残すこととなった。
また、老朽化した校舎を一新し、耐震性能を満たした校舎施設への建て替えを目的として、
平成 20 年 12 月の旧校舎の解体工事をスタートしたキャンパス再開発事業であるが、第 1 期工
事は平成 21 年 8 月に新本館が竣工し、第 2 期工事は平成 24 年 9 月に別館学生ホールが竣工、
平成 25 年 3 月末に人工芝運動場がほぼ完成した。また、キャンパス再開発事業の関連事業とし
て取り組んできた遊休固定資産の売却も平成 24 年 10 月に狭山総合グラウンドを売却し、キャ
ンパス再開発事業もスケジュール通りに順調に完了したところである。今後は、既に竣工して
いる本館とともに各施設の利用計画を高め、効果的に活用することで学生サービスの向上を目
指していきたい。
Ⅲ.平成24年度の主要な事業報告
1.入学定員 150 名に向けた体制づくり
平成 25 年度入学者より、入学定員 150 名、収容定員 300 名とし、下記の施策展開によりコ
ンパクトな短期大学を目指した。
(1) 3コース・8アドバイザー制による専任教員体制の定着
本学の伝統である英語キャリアコース、今後の成長産業と言われる分野である国際観光コー
ス、幅広い進路に向けた総合ビジネスコースの 3 コース制・8 アドバイザー制で学生の志向に
応じたコース制により、各コースの特徴を更に充実させつつ、各アドバイザーからの積極的な
提案により、各種研修や資格取得などの充実に積極的に取り組んできた。
(2) 150 名体制における収入・支出の総点検
150 名体制における収入・支出の総点検を行い、収支バランスを確認すると共に、タイ
ムリーな予算執行状況の把握を可能な体制を確立した。
2.キャンパス再開発事業の完了
これまで中野区江古田キャンパスの再開発事業に取り組んできたが、第 2 期計画が完了し、
全ての再開発事業が完了したところである。
(1) 別館学生ホール
平成 24 年度 9 月に新しい別館学生ホールが完成し、学友会室を併設した。館内の食事エ
リア、休息エリア、テラスエリア、販売機エリアと学生は日々利用している。本館ととも
に新たな短大生活の場として定着しつつある。
(2) 人工芝運動場
引き渡しは若干年度をまたぎ、平成 25 年 4 月 5 日になったが、平成 25 年 3 月末にはキ
ャンパス北側に人工芝運動場がほぼ完成した。これに伴い新たなフットサルやテニスなど
の屋外の運動系サークルの結成も期待される。別館学生ホールテラスエリアと人工芝運動
場が隣接しており、学生のコミュニケーションがより活発化することが期待される。
(3) 狭山総合グラウンドの売却
本学との距離が遠く、かねてより学生の利用頻度が低くなっていた狭山総合グラウンド
に関しては、平成 22 年 3 月から公募により売却を計画していた。平成 24 年 10 月に幼児の
体操教室を経営する株式会社ジャクパに 2 億 6 千万円で売却した。尚、狭山総合グラウン
ドの用地取得時期が平成 3 年のバブル期であったため、高騰した土地の影響により施設全
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体の取得価格が約 14 億 8000 万円と膨らんでしまった。結果として平成 23 年度末の土地と
建物・構築物の会計上の簿価は 12 億 9800 万円であり、現状地価と比較して大変高額であ
ったことから、売却の結果として学校法人会計上は平成 24 年度決算にて 10 億 3800 万円の
売却損を計上することとなった。しかしながら、売却損は資金流出を伴わない会計上の支
出であり、逆に 2 億 6 千万円の流動資金を確保することができたことは本学園にとって大
きな展開となった。
3.一人ひとりの個性を大切にした個人別サポートの充実
小規模校だからこそできる学生一人ひとりの個性に応じたきめの細かな指導を行っていくため、
コンパクトかつ教育の短期大学にしかできない教育施策を展開してきた。学生一人ひとりと
向き合いながら着実に社会人へと成長させる教員となるべく、併せて FD 活動により教員の指
導力向上も図ってきた。
(1) 初年次教育の一層の充実
入学当初実施のフレッシュマンキャンプから基礎ゼミナール、1年次 2 月実施のフォローア
ップキャンプまでの初年次教育において、フレッシュマンキャンプでの学生の行動計画立案か
らフォローアップキャンプでの計画振り返りまでを本学独自の行動計画書『キャンパスノート』
を利用してより効果的に行うことができた。キャリア視点での教育・指導の充実を図られ、今
後更なる早期の就職意識、就職率向上に結びつけていく。
(2) アドバイザー制度の充実と全学生個人面談
この数年取り組んできた出欠情報の効果的な共有化を図ることにより指導を必要とする
学生の絞り込みを行うことでアドバイザー制度をより充実させるとともに、毎学期末にア
ドバイザーと全学生の個人面談を実施した。全学生の個人面談を各学期 1 回実施すること
で日常の相談に加えて学生の「いま」を理解し、より丁寧かつ細かなサポートを実施した。
(3) 出欠管理の合理化と活用
昨年度まで紙ベースで行われてきた出欠管理業務を合理化し、インターネット入力に移
行するとともに、データ変換の効率化により、出欠情報の活用幅を広げることで学生指導
により効果的に反映させることができた。
4.教員組織における役割の明確化(担当制)
これまでも教育改革検討において活発な意見が交わされてきたところであるが、専任教員
組織がコンパクトな本学においては、なお一層、教員一人ひとりが重点課題を共有化してリ
ーダーシップを発揮することが不可欠である。重点課題を 6 つのグループに分け准教授や講
師をメイン担当として役割を明確にした教員担当制を実施した。
(1) 大学協議会の実施と重点課題の共有化推進
全学一丸となって諸施策を効果的に展開するために、理事長、学長を初めとした経営ト
ップと全専任教員、事務職員の組織責任者が参加する大学協議会を実施した。これにより、
課題の共有化及び検討プロセスの共有化が推進された。
(2) 重点課題別教員担当制の導入
教員組織においてはこれまで委員会制度で一定の成果を上げてきたところであるが、よ
り役割と責任の明確化を図るために教員担当制を導入し、各グループが重点課題実施項目
と検討項目を提案し、教員一人ひとりが教育改革に責任を持って取り組む体制となった。
各グループにおける提案に関しては、大学協議会にて意見が交わされ、より充実して課題
解決を図ることができた。
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5.学生の意欲喚起と社会人に向けた転換点創り
本学では、学生がより早期に就職活動に積極的に取り組むようにすることが課題であると
認識している。この課題解決の為、就職への意欲喚起や社会人に向けた転換点創りに力点を
おき、教育施策を展開した。
(1) コース別研修の充実と就職活動への積極的な取り組み
意欲喚起や転換点を創るきっかけとして、既存アクティビテイーを総点検した。全学一
斉に大きな研修を実施するという考え方から、コースやゼミナール別に全員参加で実施す
る目的別研修をより回数多く実施するという考え方に移行した。学校暦において、特別授
業日とした通常授業を実施しない日を各学期に設定し、イベントがより実施しやすい体制
とし、また夏季休暇、学園祭等も利用し、研修をより効果的に展開した。結果として、就
職活動の早期開始、就職活動への積極的な取り組み、難関企業への就職等へ繋げる一因と
なった。
(2) インターンシップの更なる拡充
これまでもインターンシップは就職意識向上に大きな効果を出しており、更なる拡充を
図った結果、より多くの学生がインターンシップを履修することとなった。また、受入れ
企業の開拓、派遣学生訪問フォローはアドバイザー教員が主体的に行い、教員自らが企業
との接点となることでアドバイザーの指導力向上、就職に対する意識向上も醸成された。
6.ゼミナールを中心としたカリキュラム改革
キャリア視点での教育改革の一つとして必修科目であるゼミナールにおいて社会人基礎力
をテーマに取り組んできたところである。更なる発展として、ゼミナールを次の2つに分け
より効果的に拡充を図った。
(1) 基礎ゼミナール
必修科目として1年次春学期から2年次秋学期まで各学期(4セメスター)に1コマ配
当した。人間力養成をテーマとし、キャリア教育やキャリア支援と連動した展開とし、就職
意識の向上と意欲喚起を図った。
(2) 専門ゼミナール
社会人基礎力を養う専門ゼミナールは、選択科目としたことで学習意欲の高い学生による主
体的な学習効果を目指す。配当は1年次秋学期から2年次秋学期までの各学期
(3セメスター)
に1コマ配当した。また、専門コース科目と必修選択科目構成を見直し、学生一人ひとりの選
択幅を広げることができるカリキュラムに変更した。
7.他校と差別化を図れる優れた教育の特長づくり
本学が今後教育の短期大学として生き残る為には、これまで蓄積した教育経験・財産を更
に発展させ、他校と差別化を図れる教育の特長づくりが不可欠であるとの認識を改めて強く
し、次の内容を中心に特長づくりを実施した。
(1) 使える英語
中等教育の文法中心の学習から会話・コミュニケーション中心の学習へ転換を図った。
また本学オリジナルの10段階『級別英会話テスト』を開発・導入した。ハイレベルの学
生は TOEIC スコアを習熟の目安とし、中位以下の学生については、本学独自の習熟級別テ
ストを習熟の目安とする体制となった。
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(2) 使えるIT
ワードやエクセルなどのビジネスソフトの習得においては、単なるスキルの習得を超え、
実社会での利用場面を想定した習得を目指した授業内容とした。また、一つのソフトにと
どまらず、ソフト間の連携により大きな効果を出すことが出来ることを授業および授業以
外のイベントで体験できることを目指した。
8.学生募集活動基本戦略の総点検
学生募集活動方法については、より効果的な施策について改革を進めてきているが、平成
24 年度を入学定員 150 名とした学生募集活動元年と位置付け、基本戦略を総点検し、入学定
員確保を目指した。
(1) オープンキャンパスの開催時期変更
学生の大学選びは年々早期化しており、他大学や専門学校のオープンキャンパスも年々
早期化している。本学においてもオープンキャンパスの開催を早期化し、学生に対し早期
PRを行った。結果、オープンキャンパス参加者数は、前年度対比 120%で推移し、学生
へのPRは効果があったところである。
(2) 学校別重点化の展開と高校教員との情報共有方法総点検
スリム化した職員で効果的に学生募集活動を行うためには訪問する高校を過去の実績や
資料請求状況により重点化する必要があると判断し、入学実績、オープンキャンパス参加
実績、資料請求状況などをデータ化し、訪問する高校の重点化を図った。尚、重点校に関
しては、基本的に年 3 回訪問し、4 月~7 月に 1 回(オープンキャンパス日程のPR)、9
月~11 月に 1 回(入試情報と学生情報の情報交換)、12 月~2 月(入試情報と学生情報の
情報交換)に 1 回訪問して訪問状況をフォローすることで各担当者の業務を標準化し、業
務の見える化を図ることができた。
(3) オープンキャンパス運営方法点検と体験レッスンリニューアル
オープンキャンパスの運営方法を全面的に見直し、学校紹介ビデオでの紹介だけでなく、
直接学長以下教職員が直接本学の教育の特長を説明する場面を増やし、より丁寧な説明で
入学希望者を迎えた。入学希望者と本学学生とのコミュニケーションの場も増やし、身近
な質問などにも対応できる運営とした。また、オープンキャンパスが本学学生にとって成
長の場となるよう事前研修の充実と学生主体の運営の方向へと変更した。
以
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上