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専門科目(午後)
化学環境学
17 大修
午後 1 時 30 分~4 時
注意事項
1.
2.
3.
4.
5.
次の 11 題の中から 4 題を選んで解答せよ。解答する問題は 4
題を超えてはならない。
解答は 1 題毎に別々の解答用紙に記入せよ。解答用紙の最初の
2 行を空け、3 行めから記入すること。
解答用紙には 1 枚毎に受験番号と問題番号を記入せよ。
空欄を埋める形式の問題に解答する場合には、答案用紙に欄の
記号または番号とそれに対応する答えを共に記入せよ。
答案用紙の裏側を使用する場合には、上 1/3 は余白とすること。
1.
反応温度が充分高い場合、分子 A は式 (1) に従って分解し、その反応速度は式
(2)で近似できるとする([A]は分子 A の濃度、k は速度定数)。
A(gas)→ B (gas) + 1/2 C (gas)
(1)
d[A]/dt = -k[A]2
(2)
以下の問に答えよ。なお、必要があれば、気体定数 R = 8.31 J mol-1 K-1、ln 0.721 =
-3.27、ln 2.25 = 0.81、ln 4.35 = 1.47、ln 7.85 = 2.06、(0.231)1/2 = 0.481 を用いてもよ
い。
[1] ある条件でこの反応を行ったところ、A の濃度が半分になるのに3時間かかった。
同じ条件下で A の濃度が1/4になるのは反応開始から何時間後か。
[2] ある条件でこの反応の活性化エネルギーを測定したところ、166 kJ mol-1 であっ
た。同じ条件下で、反応温度が 800K から 850K に上昇すると、この反応速度は何
倍になるか。
[3] この反応を 500K、1気圧の条件下で行ったところ、充分長い時間の後に平衡に
達した。この時の A の反応率は 60.0%であった。この温度における反応の自由エ
ネルギー変化(∆G)を求めよ。
2.
下に示した二酸化炭素の相図を参考にして、二酸化炭素の性質に関する以下の
問[1] − [8]に答えよ。
臨界点
圧力, p/atm
72.9
液相
固相
67
5.11
三重点
気相
1.0
T/K
194.7 216.8
298.15
304.2
温度, T/K
[1] 圧力を増大させると、この物質の融点は 1)上昇する、2)下降する、3)
変化しない、4)この図からでは分からない、のうちどれか。また、その理由
を2-3行で述べよ。
[2] 大気圧(1atm)下では、この物質は液体として、1)存在できる、2)存在
できない、3)その存在は温度に依存する、4)この図からでは分からない、
のうちどれか。また、その理由を2-3行で述べよ。
[3] この物質を固体状態で大気圧下に放置したときの状態変化を、この図を用いて
2-3行で説明せよ。また、この変化は一般に何と呼ばれているか。
[4] この物質を液体として得るには、少なくとも何 atm の圧力を加える必要がある
か。
[5] この物質が液体としてボンベに詰められているとき、室温(298 K)ではおよ
そ何 atm の圧力を示すと考えられるか。
[6] 上記問[5]のボンベの弁を開いてこの物質を大気中に噴出させると、断熱膨張を
起こして温度が下がり(ジュール-トムソン効果)、この物質は固体に変化する。
断熱膨張が起こると温度が低下する理由を、10行程度以内で述べよ。
また、日常生活のなかで用いられている機械の中で、ジュール-トムソン効
果を利用している例を一つ挙げよ。
[7] 図に示された三重点について、5行程度で説明せよ。
[8] 図には臨界点が示されているが、臨界温度以上の温度での相図が描かれていな
い。この理由2-3行で述べよ。
3.
[1]
次の問に答えよ。
分子量 186.21 のジヒドロキシビフェニルの結晶について、密度は 1.380×106
g m-3、単位格子の体積は 0.446×10-27 m3 であった。この単位格子中に含まれる
分子数を求めよ。ただし、アボガドロ定数を 6.022×1023 とする。
[2]
Mn(CN)63-, Cr(H2O)62+は共に正八面体錯体として知られている。Mn3+, Cr2+の d
電子の数を答えよ。
[3]
Mn(CN)63-, Cr(H2O)62+の不対電子の数をそれぞれ答えよ。
[4]
Cr(H2O)63+, Cr(CN)63-の水溶液の電子スペクトルは 17,400 cm-1, 26,600 cm-1 に
それぞれ吸収極大を示した。前者の吸収極大波長が後者の場合よりも大きい理
由を述べよ。
[5]
チオシアネ―トイオン NCS-の電子構造を二つの共鳴構造からなると考える場
合、C-N, C-S 結合の結合次数が分かるようにこれらの共鳴構造を書け。
4.
Fe2+を含む酸性水溶液(温度 298 K)について、以下[1]~[3]の問に答えよ。必
要に応じて次のデータや数値を用いよ。E0 は標準水素電極に対する電位を表す。
Fe3+ + e- ' Fe2+
Ce4+ + e- ' Ce3+
Sn4+ + 2e- ' Sn2+
O2 + 4H+ + 4e- ' 2H2O
気体定数 8.31 J・K-1・mol-1
ファラデー定数 9.65×104 C・mol-1
ln10=2.303, log2= 0.301, log3= 0.477,
E0 = +0.771 V
E0 = +1.61 V
E0 = +0.15 V
E0 = +1.229 V
log5= 0.699
Fe2+は空気中の酸素との反応により、徐々に Fe3+に変化する。この反応式を書け。
また、この反応の Fe2+ 1 mol あたりの自由エネルギー変化(J・mol-1)を求め、
反応が進行することを示せ。
[2]
[1] の溶液を空気に触れないようにした後、Sn2+を含む溶液を加えると Fe3+を
Fe2+に還元できる。この反応式を書け。また、この反応の平衡定数 K の対数値
(logK)を求め、反応が進行することを示せ。
[3]
FeSO4 と Fe2(SO4)3 を含む溶液 50 ml に 0.1 mol・l-1 の SnCl2 溶液を 10 ml 加え、次
に 0.2 mol・l-1 の Ce(SO4)2 溶液を一定量ずつ滴下して電位差滴定を行ったところ、
下図のような滴定曲線が得られた。ここで縦軸は電極電位の正方向を、●は当量
点を表す。
(a) 滴定曲線のデータから当量点を
決定する方法を具体的に説明せ
よ。
(b) 図中 A,B の範囲で主に起こる
反応式をそれぞれ書け。
(c) も と の 溶 液 中 に 存 在 し て い た
Fe2+と Fe3+ の濃度をそれぞれ求
めよ。
電極電位 (V)
[1]
A
B
0 5
35
Ce(SO4)2溶液量 (ml)
5.
次の問に答えよ。
[1]
C, H, O 原子からなる一置換芳香族化合物 X に対して、無水プロピオン酸
(CH3CH2CO)2O を用いてフリーデル-クラフツ(Friedel-Crafts)アシル化反応を
おこなったところ、位置異性体である炭素数 10 の化合物1,2を混合物とし
て得た。化合物1の 1H NMR を測定したところ図1のようなスペクトルが得
られ、それぞれのシグナル A~E の強度比(積分比)は2:2:3:2:3で
あった。
(a) フリーデル-クラフツアシル化反応が進行するにはルイス酸の添加が必要で
ある。この反応におけるルイス酸として適当な化合物を具体的にひとつ挙げ、
その化学式、日本語名、英語名を記せ(例:AlCl3、塩化アルミニウム、Aluminum
Chloride、例以外のルイス酸を解答すること)
。
(b) 図1の D および E 部分のシグナルの形を図示せよ(本数や強度比がわかるよ
うに示すこと)。
(c) 化合物 X、1、2の構造式を示し、化合物1における 1H NMR スペクトルの
シグナル A~E がどの水素原子に帰属されるか図示せよ。
D
C
E
A B
図1 化合物Aについての 1H NMR スペクトル
次の反応式の空欄にあてはまる構造式を示せ。
[2]
(a)
C2H5MgBr
A
MgBr
1) (CH2O)n
2) H3O+
B
(C2H5)2O
Br
C
KOH, (CH3)2SO
O
(b)
H+
1) NaH
2) CH3CH2I
HN
D
E
ベックマン転位
CH3
6.
次の問に答えよ。
[1] 下図に平面構造式で示した化合物(A)-(E)について、鏡像異性体(エナンチオマ
ー)が存在するものをすべて選び、それぞれの鏡像異性体を区別して描け。
(C)
(B)
(A)
H
H
C C C
Ph
Et
(D)
O
H
(E)
Me
P
Me
OMe
[2] 工業原料として官能基を有する有機化合物を大規模かつ安価に合成するために、
均一系の遷移金属触媒を用いて酸素原子を含む小分子と炭化水素との反応が行な
われている。これらの反応によく用いられる上記の酸素原子を含む小分子を2つ
選び、それぞれの分子式を示せ。
また、これらの小分子を原料に用いる上記の工業反応(過去に行なわれていた
ものも可)を1つ選び、原料、生成物の化学式と触媒に含まれる主な金属とを示
せ。
[3] メタクリル酸メチルを重合することによってポリメタクリル酸エステルを得るこ
とができる。これについて次の問に答えよ。
(a) ポリメタクリル酸メチルの一般的な物性の特徴とこれに基づく用途を書け。
(b) 過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)を開始剤に用いて、メタクリル酸メチル
のラジカル付加重合を行なった。この重合の開始段階、成長段階、停止段階の
それぞれを反応式で表わせ。
(c) (b) で合成したポリメタクリル酸メチルの分子量を測定するためにどのような
手段があるか。可能なもの2つをあげよ。そのうちの1つについて原理と方法
を3行程度で述べよ。
7.
以下の問[1]-[7]に答えよ。
対流圏のオゾンは、大気汚染物質である(
(
ウ
ア
)の分解で生成する(
イ
)が
)と反応して生成し、光化学スモッグと称される酸化性物質の主成分である。
一方、成層圏のオゾンは、成層圏にある(
作用して生成する(
イ
)が( ウ
ウ
)に(
エ
)波長領域の太陽光が
)と反応して生成する。成層圏でのオゾン生
成反応は、人工化学物質による成層圏オゾンの破壊が問題視されるようになるまでは、
何種類かの分解反応とバランスし、おおよそ一定濃度のオゾンが維持されていた(A)
と考えられる。
1980 年代に入って、南極上空でそれまでは見られなかった大幅な成層圏オゾン濃度
減少が観測されるようになり、オゾンホールと呼ばれるようになった。その原因とし
て、当初はオゾン濃度の低い(
オ
)の流入や(
カ
)活動の変動、ならびに化
学反応説などが提唱されたが、次第に化学反応説が支持されるようになった。とりわ
け、成層圏オゾンの濃度の減少に対応してある化合物の濃度が増加するという飛行機
観測の結果が決め手になって、特定の化合物群(B)がオゾンホール発生の原因物質と結
論されるに至った。
オゾンホールが南極で春先に限って生成することについては、南極の冬期に特有な
極域成層圏雲(PSC)(C)が関与していることが次第に明らかになった。
[1] (
ア
)-(
カ
)にあてはまる語句や化学式を書け。
[2] 下線部(A)の、成層圏オゾンの分解反応式を 3 種類書け。
[3] 下線部(B)の化合物群の一般名称とその構成元素を書け。
[4] 上記の飛行機観測において、成層圏オゾンの濃度の減少に対応してその濃度が増
加した化学種は何か、名称と化学式を書け。
[5] 問[4] の化学種が引き起こすオゾン層破壊の連鎖反応を終了に導き、この化学種
を一時的に貯えるとみなせる反応式を書け。
[6] 下線部(C)の極域成層圏雲の中で冬季間に、水や塩酸の氷の表面で進行する反応式
を書け。
[7] 南極が春になり太陽光が射し始めるときに進行する、Cl 原子生成反応式を書け。
8.
以下の問に答えよ。
[1] 下記の選択肢の中から適する語句を選び、
(
)内を埋めよ。
生物の体内にはいくつかの多糖が存在している。セルロースは植物の( A )に
存在し、地球上で最も多い多糖である。セルロースの構造は、
( B )が( C )
で、( D )につながっている。デンプンは高等植物が栄養を貯蔵するために合
成する多糖で、
( E )と( F )からできている。動物が貯蔵する多糖は( G )
である。
( G )の合成は( H )がリン酸化され( I )ができ、次に、
( J )
となりプライマーが合成されて糖鎖が延びていく。
A.細胞膜、細胞壁、細胞質、細胞核、細胞骨格
B.スクロース、フルクトース、グルコース、マンノース、キシロース
C.α-1,4 結合、α-へリックス、α-1,6 結合、β-1,4 結合、β-構造
D.分枝状、直鎖状、らせん状、環状、ランダムコイル状
E.イソマルトース、ラクトース、グリコプロテイン、ラムノース、アミロース
F.グルコピラノース、アミロペクチン、アラビノース、アルトロース、
フラノース
G.グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヘミセルロース、キチン
H.スクロース、フルクトース、グルコース、マンノース、キシロース
I. グルコース 6-リン酸、グルコース 1-リン酸、ピルビン酸、
フルクトース 1-リン酸、フルクトース 6-リン酸
J. グルコース 6-リン酸、グルコース 1-リン酸、ピルビン酸、
フルクトース 1-リン酸、フルクトース 6-リン酸
[2] デンプンを分解する酵素としてアミラーゼ、マルターゼがある。これらの酵素の
分解作用についてそれぞれ1、2 行程度で説明せよ。
[3] 多糖を分解する方法として、加熱して酸で分解する化学的方法と酵素による方法
がある。両者の長所と欠点をあげよ。
9.
以下の問に答えよ。
[1] 次の文章の(ア)~(セ)に適当な語を下から選び番号で記せ。同一語を何度使
用してもよい。
1953 年ミラーは原始大気の成分と考えられる水蒸気、メタン、
( ア )、水素
の混合気体から加熱と放電により各種の( イ )と有機酸ができることを示し
た。
原始生物は( ウ )という代謝により有機物を利用してエネルギーを獲得し
ていたであろう。この種の生物を( エ )型の生物とよぶ。後に光エネルギー
を利用する独立栄養型の生物が出現した。この生物の代謝により( オ )が次
第に蓄積し、生物は( カ )という飛躍的に効率の高い代謝を獲得した。
生物は進化の初期段階で遺伝物質として( キ )ではなく( ク )を用い
た可能性がある。その根拠として、以下のような事実が見出されている。原始地
球を模した条件で糖の合成を行うとリボースのみができ、
( ケ )はほとんど合
成されない。また、現在地球に存在する生物においても、まずリボヌクレオチド
を合成し、次に( コ )基を( サ )して( シ )をつくる。さらに細胞
の( ス )複製にも( セ )プライマーが必要である。
《 選択肢 》
1. 窒素
2. アンモニア
6. 従属栄養
7. 酸素
11. デオキシリボース
15. 酸化
16. 還元
19. タンパク質 20. 脂質
3. 二酸化炭素
4. アミノ酸
5. 発酵
8. 呼吸
9. DNA
10. RNA
12. 2’ 水酸
13. 3’ 水酸
14. 付加
17. 重合
18. デオキシリボヌクレオチド
[2] 生命は原始の海洋で誕生したと考えられている。地球上に大量に存在し、生命の
発展にとって重要な役割を果たした物質のひとつが水である。しかし、周期表第
VI 族元素の水素化合物、H2S、H2Se、H2Te などと比べて、H2O は変わった性質を
示す。水の沸点、融点、蒸発熱は、H2S、H2Se などの値よりもはるかに大きい。
(a)
上の文中で、下線を引いた性質が生じる理由について1行程度で説明せよ。
(b)
氷河期のような時代にも、水中生物が生き残ったと考えられる。水のどのよ
うな性質が生き残りの原因となったと考えられるか。それを2つ挙げ、それぞ
れ2行程度で説明せよ。
(c)
生物重量の約 70%は水である。細胞中の水の役割について膜構造に注目して
2行程度で説明せよ。
10.
下図のような触媒反応装置がある。反応装置の断面を通過する流体の流速を U
[m s−1]、断面積を S [m2]、流体中の物質 A の拡散係数を DA[m2 s−1]とする。触媒に
より、物質 A は一次不可逆反応(反応速度 RA [mol m−3 s−1]= −kACA、kA[s−1] :速度
定数)に従って消失する。以下の問に答えよ。
[1] 物質 A の移動は流体の流れ(対流)と拡散の両方によって起こる。反応器内の位
置 x [m]における物質 A の濃度を CA [mol m−3]とするとき、位置 x における物質 A
の物質移動流束 NA [mol m−2s−1]を U、DA、CA、x を用いて表せ。
[2] 物質移動が対流によって支配される場合を考える。図に示した位置 x と x+dx の
間の体積要素における定常状態での物質 A の物質収支は、
(位置 x に流入する物質 A のモル流量)-(位置 x+dx から流出する物質 A のモル流量)
-(体積要素において反応で失われる物質 A のモル流量)=0
で記述できる。位置 x と x+dx における物質 A の濃度をそれぞれ CA, x と CA,
x+dx
とするとき、体積要素内における定常状態での物質 A の物質収支式を示せ。また、
この区間の距離 dx を dx→0 とすると、この物質収支式は
U
dC A
+ kC A = 0
dx
となることを示せ。
[3] (a) 装置内の物質移動が対流のみによって支配される場合、定常状態における物質
A の x 方向の濃度変化はどのようになるか図示せよ。
(b) 装置内の物質移動において対流と拡散の両方が重要である場合、定常状態にお
ける物質 A の x 方向の濃度変化はどのようになるか図示せよ。また、その理由
を 3 行程度で述べよ。
CA,x
CA,x+dx
x=0
x=L
体積要素
11.3 本の河川(1、2、3)が湖に流入している。調査の結果、物質 A が河川 3 にの
み存在していた。湖に流入する河川水は、湖水内で完全に混合された後、河川 4
に流出する。下記の記号を用いて各設問に答えよ。
[1] 湖の水量が増大する条件および湖水中に存在する物質 A の物質量の経時変化を
示せ。なお、河川および湖においていかなる反応も起こっていないとする。また、
水の蒸発および地下への浸透は無視できる。
河川、湖
1
Q1
流 量[m s ]
-3
水の密度[kg m ]
ρ1
-3
0
物質 A の濃度[mol m ]
3
V:湖の水量[m ]、t:時間[s]
3 -1
2
Q2
3
Q3
4
Q4
湖
―
ρ2
ρ3
ρ4
ρ
0
CA,3
CA,4
CA,4
[2] 湖に微生物が存在しているとする。微生物は湖水に溶存している酸素を消費して
棲息している。大気中の酸素は下図の経路を経て微生物の細胞表面で吸収される。
細胞表面における酸素の消費速度は k C C O2 ,C で表されるとする。なお、全ての過
程は定常状態下で起こっている。
(a) 大気と湖水の界面における酸素分圧と溶存酸素濃度の関係を示せ。
(b) 境膜Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ内の酸素の移動速度 (rO2 ) を示せ。
(c) 酸素の移動速度 (rO2 ) と大気中の酸素分圧 ( pO2 ) との関係を示せ。
(d) 酸素の移動速度に影響を与える要因を 3 行程度で述べよ。
大気
pO2
界面
pO2 ,i
湖 水
微生物の細胞
●
●
CO2 ,i
●
C O2 ,l
●
境膜 境膜
Ⅰ Ⅱ
CO2 ,C
境膜
Ⅲ
pO2 :大気中の酸素分圧[Pa]
k O2 , I :境膜Ⅰ内の酸素の物質移動容量係数
[mol m-3 s-1 Pa-1]
pO2 ,i :界面における酸素分圧[Pa]
k O2 , II :境膜Ⅱ内の酸素の物質移動容量係数[s-1]
C O2 ,i :界面における酸素濃度[mol m-3] k O2 , III :境膜Ⅲ内の酸素の物質移動容量係数[s-1]
C O2 ,l :湖水の酸素濃度[mol m-3]
k C :細胞表面での酸素消費の速度定数[s-1]
C O2 ,C :細胞表面の酸素濃度[mol m-3]
Hi :ヘンリー定数[Pa m3 mol-1]