№370 2012年4月1日 発 行 :岡山県勤労者山岳連盟 〒700-0026 岡山市北区奉還町 1-13-12 HP http://okayamakenren.web.fc2.com/ 編 集 :県連盟機関紙委員会 編集者 :岡野忠史 河野 誠 加治郷子 道広静子 労山 『個人会員制度』 可決 Okayama1 Workers’ 11Alpine Federation =全国総会報告= 2月18~19日の2日間、東京晴海で第30回の全国総会が開催された。 今回の最大の関心事は過去数年間にわたり導入について論議されてきた第2号議案「個人会員 制度の導入と組織強化の具体的提案」が採決されることである。 「会員の減少と高齢化の現状を打破するため には個人会員制度を導入する以外に労山の未 来はない」とする執行部側提案に対し、反対 派からは「現在までの組織強化に対する真の 総括がなされていない」 、「団体と個人という 相反する制度を併用することは組織論として 矛盾だらけであり、内部分裂の危機である」 等々今まで同様のどこまでも噛み合わない議 論の応酬で、一向に溝が埋まっていない印象 を強く受けた。 またこのような重大な議案を採決するため の準備資料や情報の伝達が充分でなく、「後 日配布された「安全登山サポートシステム規 出しジャンケン」的な執行部の姿勢について 定」等は既存団体会員も利用可能との内容で 初めて出席した私をも含めて不信感を増大さ あるが、この通り運用した場合は混乱を増幅 せているように感じられた。 させることになる。 例えば 等々矛盾が矛盾を生むような事象が多く、 ・当日配布された議案書と事前に届いていた このような泥縄的な対応では執行部不信と同 ものとの相違点が多々あった。 時に今後の運用が非常に危惧されるように感 ・予算案は当日初めて見るものであり、しか じられた。 も「個人会員制度」のための予算が既存会計 より貸付又は支出されることになっている。 【次頁へ続く】 ・ 「個人会員制度」のための追加資料として当 $$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ 4 月号のご案内 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 「個人会員制度」可決 …………………… 1 THD・リーダー講習会 ……………… 3 救助隊雪山搬出技術交流会報告 …… 4 播磨アルプス縦走 ……………………… 5 自然保護委員会報告 …………………… 6 和高山植物に憧れ …………………… 7 3 ○ ○ ○ ○ ○ -1- 花暦 4月 ……………………………… 8 登山時報から ………………………… 9 里山を守ること こそが ………………… 10 理事会記録 ………………………… 11 行事予定・FROMEDITOR ………… 12 追加資料の中には「個人会員規定(案) 」も 磋琢磨して云々」というような美辞麗句を 入っていたが、連盟規約第5条の「この連 並べるばかりでなく、地道で複合的な組織 盟の基礎組織は加盟団体である」との整合 強化の提案が何故もっと成されないのかと 性をどう求めていくのか明確な説明もなく いうことにも疑問が残る。現に我県連内に 議論もされなかった。というよりも議論は も登山教室を経由して一大勢力になった会 どこまでも入り口論で終始するばかりの も存在し、さらにそのような活動が次の実 堂々巡りの感が否めず、更に掘り下げた内 績に繋がっている現実もある。「個人会員 容を期待できるものとか、前向きなものと 制度なくして今後の労山はあり得ない」と かは少なかったように感じられた。 いう単視眼的な考え方に馴染めないのは私 終了時間も迫り平行線をたどる議論の中、 だけではないと思うが。 強行に採決して更に深手を負うより先延ば 五木寛之の「下山の思想」が今ブームに しにすべきとの意見が複数提案され、2号 なっているそうである。我々も、我々の組 議案を今回採決するかのどうかの動議が出 織も更なる頂上を目指す登山ばかりでなく、 された後、これをまず最初に採決するこ とになった。結果は「今回採決する」と いうことに決し、1号議案より順次採決 に移った。我々県連より出席した代議員 2名は岡山での理事会決定に従い、2号 議案に対しては反対の立場を表明したが、 採決結果は賛成=39、反対=19、保 留=7と予想外の大差で可決となった。 この結果についての印象としては雰囲 気的なものも含めて、「数年間平行線の 議論を繰り返した結果が今日の内容であ り、さらに結論を先延ばしにしても得られ 地味ながらも減少減速社会に即応した充実 るものは少ない」と云うような厭戦的気分 した下山スタイルに目を向けても良い時期 の蔓延、更には「地方の県連の関与程度も ではなかろうか。我々は上りよりも下りが 薄らぎ、直接的には関係はないから全国連 より重要であると云う事を人並み以上に知 盟としてやりたいのなら勝手にやったら」 っているはずであるから。 ともいうべき消極的な賛成派が多かったの 今後は「2年後に1万人の個人会員」と ではないかと思われた。今回可決された「個 いう一人歩きしている数字が夢物語に終わ 人会員制度」が救世主の如く我々の組織強 らないことを願うだけである。しかし、そ 化につながれば申し分ないが、現在の全国 れが非現実となった場合に生じるであろう 連盟や執行部の対応力、下部組織の協力度 組織の更なる疲弊が現実のものとならない 合、社会情勢等々からすると大いに疑問の ように、様々な意味で活性化した組織であ 残るところである。 り続けるための模索と行動を継続して行か また議案そのものは「個人会員制度の導 なければならないものと考えている。 入と組織強化の具体的提案」とあるが、 「登 (県連事務局長 高田一馬) 山文化の継承」とか「車の両輪のごとく切 -2-
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