(政策4) [1699KB pdfファイル] - 取手市

(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-1
有効な土地利用の推進
【現状と課題】
(1)現状
本市の土地利用は、全市域 6,996ha の内 1,809ha を、既成の市街地あるいは計
画的に市街化を図るべき区域である市街化区域に、5,187ha を、市街化を抑制す
べき区域である市街化調整区域に指定しています。また、市街化区域には用途地
域を指定し、良好な市街地環境の形成や、住居、商業、工業などの適正な配置の
誘導を行っています。
市街化区域は、JR 取手駅周辺の既成市街地と西部に位置する戸頭団地からなる
取手地域、JR 藤代駅を中心とした既成市街地からなる藤代地域で形成されており、
両地域間は、国道 6 号沿線に工場等が立地しているものの、その周辺には水田地
帯が広がり、二極化した市街地が形成されています。平成 17 年に合併し、ひと
つの都市としてのスタートを切った本市では、土地利用においても、市全体の一
体的な発展が望まれています。そのため、各地域の特性を活かしつつ、取手市と
して目指す将来像の実現に向けた規制・誘導等を図る必要があります。
一方、中心市街地として合併前の旧市町の発展の中心を担ってきた取手駅周辺
及び藤代駅周辺は、今後も本市及び地域の発展を牽引する拠点としての役割が期
待されます。しかしながら、取手駅周辺では大規模商業施設の撤退等による活力
の低下、藤代駅周辺では未利用地が多く都市的土地利用が進んでいない状況など
がみられます。近年の社会経済情勢の変化なども踏まえながら、両駅周辺の拠点
としての役割も含めて土地利用を見直し、その実現を推進していく必要がありま
す。
本市の都市基盤整備水準については、既成市街地と計画的に開発された新市街
地等では、インフラ整備に格差が見られることから、さまざまな課題を抱えてい
ます。また、市街化区域には、宅地化を促進すべき未利用地が多く残されており、
都市基盤整備の推進を図ることで無秩序な開発を防止するとともに、景観等に配
慮した良好な住宅供給の促進を図っていく必要があります。
市街化調整区域については、緑や優良農地の保全と周辺の集落との調和を図り
ながら、計画的な土地利用を推進しています。
自然的土地利用では、利根川、小貝川などの多くの水辺を有し、その多くは緑
と一体的な自然環境を形成しており、保全を基本としたスポーツ、レクリエーシ
ョン、散策など市民に潤いややすらぎを与える公園として整備しています。また、
市街化調整区域の山林、市街化区域の斜面林についても保全を図っています。
(2)課題
59
①自然環境と調和した地域開発と都市環境の整備促進
②中心市街地の活性化
③計画的な土地利用の推進
【施策の基本方針】
①良好な住環境の整備
都市計画制度の適切な運用による無秩序な開発を防止します。また、良好な住
環境の形成を図るため、良好な景観を保全、整備するとともに、市民の参画によ
るアートのあるまちづくりを推進します。
さらに、公共施設等へのバリアフリー化の推進と、市営住宅の集約を図るとと
もに入居者への家賃補助制度等を含めた公営住宅施策の再構築を図ります。
②魅力ある中心市街地の整備
取手駅周辺地区については、土地区画整理事業にあわせた土地利用の高度化と
さらなる交通利便性の向上を図り、あわせて、取手駅東西市街地の一体的な回遊
環境の整備により、本市の拠点としての魅力向上を図ります。また、商業・業務
の集積に加え今後の少子高齢化など社会の変化に対応した、健康・福祉・医療機
能、芸術・文化機能、そして行政機能等の多様な都市機能の集積による交流人口
の拡大により、中心市街地としての環境づくりに取り組みます。
一方、藤代駅周辺地区については、取手駅周辺地区の中心市街地としての機能
を補完する市民の生活交流拠点とします。また、小貝川などの自然環境の活用に
よる来街者を迎え入れる交流拠点として、その充実を図ります。
③未利用地の有効活用と新たな土地利用の創出
市街化区域については、都市基盤整備水準の維持向上を図り、緑地保全や景観
等に配慮した未利用地の計画的な宅地化の促進を図ります。また、市街化調整区
域においては、優良農地の保全とともに、市街化区域の二極間を埋めるため、特
に、国道6号の沿道については、取手地区と藤代地区の連携を強化するとともに
市の新たな活力・雇用を創出する拠点としての計画的な土地利用を図ります。
60
【施策の体系】 (施策と基本事業)
良好な住環境の整備
有効な土地利用の推進
魅力ある中心市街地の整備
未利用地の有効活用と新たな土地利用の
創出
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・良好な住環境の整備、保全
・公共施設へのバリアフリー化
市
・都市基盤の整備
・計画的な土地利用の推進
市民
・地域整備への協力
協働で行うこと
・公営住宅政策への協力
・アートのあるまちづくりの推進
【まちづくり指標】
(施策の対象)土地の有効利用面積
(施策の意図)有効な土地利用により活性化される。
指
標
名
宅地面積(住宅・商業・工業用地等)
市街化区域内の未利用地率
現状値
(H22)
目標値
(H28)
13.29k㎡
13.79k㎡
5.01%
4.05%
61
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-2
緑地・公園の充実
【現状と課題】
(1)現状
昭和 44 年頃からの多くの宅地開発により、小規模の公園が市内各所に設置さ
れました。昭和 53 年には戸頭地区において 130.6ha の土地区画整理事業が行わ
れ、約 5.3ha のゆとりある都市公園としてとがしら公園が整備されました。さら
に平成 15 年には戸頭地区に 5ha の宮ノ前ふれあい公園が整備され、また、椚木
地区には 9.9ha の総合公園が整備されました。
現在、下高井地区の区画整理事業の中で、4.6ha の近隣公園と4か所の街区公
園の整備が進みつつありますが、平成 21 年度末の時点では、取手市の1人当た
り公園面積は、6.80 ㎡となっています。近隣の守谷市(9.10 ㎡)、龍ケ崎市(10.38
㎡)と比べて、約 3 ㎡少ない状況です。また茨城県の県民 1 人当たりの公園面積
は 8.41 ㎡となっています。
平成 21 年末現在、取手市の都市公園(市が管理している県営公園 2 箇所含む)
は、117 箇所ありますが、そのうち完成後 20 年以上を経過した公園が 79 箇所あ
ります。これらの公園の大半の遊具等は老朽化が進んでいるため、順次修繕・補
修を進めていますが、市街化の進展や住民の年齢構成・家族構成・生活様式の変
化などに伴い、市民からは全体的な施設内容等も含めた再整備の要望も寄せられ
ていることから、地域の状況を踏まえて、いろいろなテーマ・特徴等を考慮しな
がら公園全体の改修をしていく計画です。
維持管理については、これらの公園を計画的に、また地区の要望に添って、樹
木の剪定・刈込、伐採、消毒や除草等を実施しています。作業の内容により、業
者委託、自治会委託、地区ボランティア活動、市の直営等の方法で、公園の利用
者にできるだけ支障がないように配慮しながら実施しています。
平成 22 年 10 月に市内の巨木と名木の現況調査をまとめた「取手市の巨木と名
木」本を発刊し、販売を開始しました。併せてこの本を利活用した「巨木・名木
めぐりツアー」や「巨木・名木写真展」等を開催し、緑の保全の大切さを多くの
市民に周知することができました。
(2)課題
①緑地・公園を憩いの場や学習の場として利用
②市街化の進展や住民の年齢構成・家族構成・生活様式の変化など、地域の実情に
合わせた公園の整備充実
③公園施設の安全対策
62
【施策の基本方針】 (施策の基本的方向)
①憩いの場の適正規模・適正配置
行政区域の地形及び土地利用状況、人口構成等を把握し、その地区の公園や緑
地等の現在の整備状況をふまえて、将来の公園、緑地の適正な規模の設定と配置
を図ります。
②地域の状況に合わせた改修と再整備
それぞれの地域の公園・緑地の整備については、市街化の進展や住民の年齢構
成・家族構成・生活様式の変化など地域の状況をふまえ、管理・運営も含めて市
民の意見・要望等を反映する仕組みを取り入れ、それぞれ特徴を備えた公園の改
修、再整備を実施します。
③地域住民と連携した維持管理の推進
公園・緑地の維持管理については、業者委託、自治会委託、地区ボランティア
活動、市の直営等により実施していますが、公共施設の里親制度の活用に加えて
指定管理者制度※の導入も検討するなど、地域住民との協働により地域に密着し
た公園管理に努めます。
④緑地の保全と自然環境の維持
今後も市内の巨木や名木の保存と共に、保存緑地や保存樹木の指定を行い緑の
保全及び良好な自然環境の維持を図っていきます。
※
指定管理者制度:地方公共団体やその外郭団体に限定していた公の施設の管理を株式会社、
民間業者などの団体にもさせることができるというもの
【施策の体系】 (施策と基本事業)
憩いの場の適正規模・適正配置
地域の状況に合わせた改修と再整備
緑地・公園の充実
地域住民と連携した維持管理の推進
緑地の保全と自然環境の維持
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
市
地域・団体
市民
協働で行うこと
・公園、緑地等の整備基本計画の策定
・民間業者への業務委託、直営による公園緑地の維持管理業務
・自治会との協力による公園の除草委託等の維持管理業務の推進
・公園の清掃、遊具異常の通報等のボランティアによる里親制度
に基づく協力
・市民による公園の除草、ごみ拾い、遊具の安全確認連絡等の維
持管理業務
63
【まちづくり指標】
(施策の対象)・市民
・都市公園等
(施策の意図)憩いのひとときを過ごしてもらう。
指
標
名
一人当たりの都市公園等面積
身近な公園が充実していると感じる市民の割合
64
現状値
(H22)
目標値
(H28)
6.80㎡
7.46㎡
22.8%
30.0%
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-3
消防体制の充実
【現状と課題】
(1)現状
取手市における現在の消防体制は、人的なものについては、消防職員数 164 名
(条例定数 195 名)、消防団員数 534 名(条例定数 649 名)で組織されています。
しかし、消防団員については全国的に年々団員数が減少し続けてきており、当
市においても同様傾向にあり、大規模災害に備え地域の実情を熟知する団員の確
保が急務とされています。
消防署所については、平成22年度の消防体制の再編により、1本部4消防署
(取手・戸頭・吉田・椚木)1出張所(宮和田)体制となっており、火災及び救
急等の災害に対し迅速な対応がなされている状況です。
消防団は 37 個分団で構成され、火災や地震、風水害などの各種災害活動はも
ちろんのこと、火災予防のための巡回広報や催事開催における警戒活動など、地
域に密着した消防活動を積極的に実施しています。
また、台風襲来時や集中豪雨発生時には、利根川及び小貝川の水位上昇による
災害発生が心配されることから、早期からの河川警戒活動と併せ内水災害防止の
ための樋管管理なども実施しており、市民の安心・安全の確保するために欠かす
ことのできない重要な組織となっています。
車両については、消防車、救急車及び指令車等も含めて 29 車両を運用し、そ
れに消防団の 37 車両を加えて計 66 車両が消防業務にあたっています。
また、市民の防火意識が高いことにより、当市の火災件数は他に比して少ない
傾向にある一方、救急件数は市内居住者の高齢化と相まって年々増加傾向にあり、
より高度な救命処置を行える資格を有する救急救命士の養成も急務となってい
ます。
一般市民も自動体外式除細動器(以下「AED」という。)を使用できることに伴
い、心疾患(心室細動、無脈性心室頻脈)を原因とする心肺停止傷病者に対する
処置の迅速化を図り救命効果を高めるため、当市では平成 17 年度から公共施設
への AED 設置が開始、現在では 72 施設に設置されており、AED の取扱いを含めた
救急講習会についても、救命率向上に向け、継続的に推し進めていく必要があり
ます。
(2)課題
① 消防組織及び施設・装備等の充実強化
② 火災予防広報の推進と市民の防火意識の向上
③ 救急活動における救命率の向上
65
【施策の基本方針】 (施策の基本的方向)
①消防力の強化
消防庁舎をはじめとする消防施設装備及び消防車両等の適正な維持管理、及び
計画的な整備更新を図るとともに、消防職員及び消防団員の資質の向上を推進し、
消防組織の充実強化を図ります。また、消火栓及び防火水槽等の消防水利の整備
と併せ、消防通信指令の円滑な業務を推進します。
②火災予防の推進
火災予防のための消防職員による定期的な立入検査を通して、防火対象物及び
危険物施設等の関係者に対して防火管理体制の徹底を図ります。また、一般市民
には防火ポスターの掲示や防火チラシ等による PR を通じて防火意識の高揚を推
進するとともに、平成 22 年 6 月に火災発生をいち早く知らせるための住宅用火
災警報器の一般住宅への設置が義務化されたのを契機として、住宅用火災警報器
の設置促進を図り、火災による死傷者の発生を防止します。
精度の高い火災調査を目指し、その調査結果が生かされた予防広報を推進しま
す。
③救急・救助体制の強化
市内で発生する多種多様な救急・救助事案に適正に対応するため、装備品等の
充実はもとより、各種研修等を通して隊員の資質の向上を図り、傷病者に対して
の迅速的確な救護と併せ、救命率のさらなる向上に努めます。
また、高度な救急を実現するために、新たな救急救命士の養成とすでに救急救
命士として救急業務に携わっている者に対しての気管挿管講習や薬剤投与追加
講習など、救急救命士のさらなる育成を推進します。
併せて、心疾患(心室細動、無脈性心室頻脈)を原因とする心肺停止傷病者に
対する救急処置の迅速化を図り、救命効果を高めるため市民や企業などを対象と
した講習会等を継続的に開催し、AED を操作できる者を数多く養成し、救命率の
向上を図ります。
【施策の体系】 (施策と基本事業)
消防力の強化
消防体制の充実
火災予防の推進
救急・救助体制の強化
66
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・消防活動
市
・消防本部及び消防団の整備
地域・団体
・管轄する消防分団への支援及び協力
・管轄する消防分団への支援及び協力
市民
・救命講習会等の受講
・住宅用火災警報器の設置
・火災の予防
協働で行うこと
・救命処置の実施
【まちづくり指標】
(施策の対象)・市民
・消防職員
・消防団員
(施策の意図)火災やその他の災害による被害を最小限にとどめる。
火災による死傷者をなくす。
救急体制の整備並びに救命講習会の実施により、救命率を高め
る。
現状値
(H22)
目標値
(H28)
2.9件
2.0件
住宅用火災警報器の設置率
48.2%
100%
救命率(CPR 対象者※の1箇月後の生存率)
10.0%
15.0%
指
標
名
出火率(人口1万人あたりの出火件数)
CPR 対象者:救急隊が心肺蘇生を実施し病院へ搬送した傷病者のこと。
※
67
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-4
防災対策の充実
【現状と課題】
(1)現状
地震災害については、平成 17 年7月における首都直下地震対策専門調査会の
報告及び同年9月の中央防災会議の首都直下地震対策大綱によると、相模湾から
南東方向に伸びる相模トラフ沿いのプレート境界では、大正 12 年の関東地震と
同様のマグニチュード 8 クラスの地震が 200 年から 300 年間隔で発生していて、
次のマグニチュード 8 クラスの地震は今後 100 年から 200 年程度先と考えられて
います。
その間に南関東地域でマグニチュード7クラスの地震が数回発生することが
予想されており、首都中枢機能障害と膨大な人的・物的被害の軽減対策が盛り込
まれています。
本市はマグニチュード 6 弱以上の地震動が予想される 18 の想定区域のうち、
4つの区域内に含まれることになり、これに対する対策が求められています。
平成23年3月11日に発生した東日本大地震では、国内観測史上最大規模の
マグニチュード9.0を記録しました。本市の震度は6弱を記録し、小貝川の堤
防亀裂の他、市内各地において道路陥没・家屋の損壊などの被害が発生しました。
市では東日本大震災の対応を踏まえ、災害時における更なる情報収集・伝達手段
の確保を進めてまいります。
さらに、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を原因として発生した
放射性物質による汚染により、多くの市民は不安な日常生活を強いられています。
この放射性物質による汚染を一日でも早く解消するため、国・県と連携しながら
様々な情報提供や除染などの対策を進めており、今後も状況の変化に応じて対策
に取り組みます。
また、風水害ですが、本市には利根川と小貝川が流れており、河川による影響
を受けやすい状況にあります。特に利根川は下流の利根町栄橋地点で幅員が半分
になっているため、長雨、豪雨の際は流水が悪く、増水時には小貝川高須橋付近
まで逆流します。
近年、国土交通省による河川改修が進み災害発生の危険性が少なくなっていま
すが、一方、降雨が短時間に限られた地域に集中的に降る傾向にあり、これによ
る内水が排除しきれず、低地では家屋の床上、床下浸水、道路の冠水などの被害
が発生しています。
大規模災害に対する当市の取り組み状況については、取手市地域防災計画に基
づき、平時における備え、発災時の対応、災害後の復旧時に行うべき行動を市民
(自助)、地域社会(共助)、市や国・県(公助)、それぞれの役割を明らかにし
て、取手市地域防災計画の見直しを行いながら、災害の被害を少しでも少なくす
る、いわゆる減災に努めることとしています。
68
(2)課題
①災害危険箇所の未然防止
②地域防災力の強化
③災害時における情報収集・伝達手段の確保
【施策の基本方針】 (施策の基本的方向)
①災害危険箇所の未然防止
公共施設の耐震化の推進と木造住宅の耐震補強を促進し地震災害に備える。
②地域防災力の強化
既存の自主防災会については防災活動の活性化を図るとともに、未結成
地区の組織結成を促進します。
③情報収集・伝達手段の確保
同報系防災行政無線を有効に活用し情報伝達を行い、災害時の避難誘導に万全
を期するとともに、災害時優先電話や災害時優先携帯電話の導入により通信手段
の確保に努めます。
【施策の体系】 (施策と基本事業)
災害危険箇所の未然防止
防災対策の充実
地域防災力の強化
情報収集・伝達手段の確保
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・災害に強いまちづくりの推進
市
・地域防災計画に基づく体制づくり
・防災思想の普及と啓発の実施
地域・団体
・自主防災組織の活動
・初期行動の確認と備え
市民
・訓練への積極的参加
・災害時の避難経路、場所の確認
・自らの命は自ら守るとの考えの普及
協働で行うこと
・合同訓練の実施
69
【まちづくり指標】
(施策の対象)・行政区域
・市民
(施策の意図)地震・風水害から市民の生命と財産を守る。
現状値
(H22)
目標値
(H28)
避難施設の耐震化率(体育館)
61.8%
76.4%
自主防災組織結成率
76.9%
90.0%
非常持ち出し袋を準備している市民の割合
26.0%
50.0%
指
標
名
70
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-5
市民生活を守る安全対策の充実
【現状と課題】
(1)現状
安心で安全なまちづくりを図るため、平成 13 年 10 月に「取手市安心で安全な
まちづくり条例」を制定しました。
防犯については、凶悪事件や街頭犯罪の多発、高齢者や女性、子どもを狙った
犯罪の増加、犯罪の組織化や低年齢化などにより多くの市民が治安の悪化を感じ
ています。平成 22 年の市内の犯罪発生件数は 1,403 件で、犯罪の内容も多様化・
複雑化するとともに、平成 22 年 12 月取手駅西口で発生した無差別殺人未遂事件
の様に凶悪事件が突発的に発生した状況がありました。平成 23 年に入ってから
は市内で振り込め詐欺の被害が急増し、茨城県内で発生した被害件数の約 10%に
あたる 11 件が市内で発生しています。被害額は、実質被害で約 2,100 万円に及
んでいます。
(9 月末現在)このような犯罪情勢の中、市では街頭での啓発活動や
青色防犯パトロールを強化するとともに、自主防犯意識の向上を図り、市民、事
業者との連携・協働による犯罪に強い地域社会づくりを推進しています。
また、平成 22 年の市内の交通事故発生件数は 380 件で、平成 18 年以降 5 年間
連続で減少しているものの、死者数は 9 人と過去 5 年間では最も多い人数となっ
ております。交通事故の特徴を見ると高齢者が関係した交通事故は増加しており、
全体の約 35%を占めております。また、自転車利用者の交通事故も増加していま
す。
市では運転免許人口や高齢者の増加などを踏まえ、交通安全施設の整備や安全
かつ円滑な道路環境の整備を進めるとともに、自転車利用のマナーを含めて事故
の実態に即した交通安全教育などを推進しています。
取手駅周辺及び新取手駅周辺は自転車の放置整理区域の指定をし、緊急時の車
両や歩行者の通行障害を無くすように、監視員を配置し駐輪施設への誘導案内や
放置自転車の撤去指導の実施とともに、自転車利用者のモラルの向上に努めてい
ますが放置自転車が後を絶たない状況にあります。
(2)課題
①防犯意識の高揚
②自主防犯組織の育成推進
③安全かつ円滑な道路環境の整備
④交通事故の実態に即した事故防止対策
⑤自転車駐車場整備と放置自転車対策
71
市内刑法犯発生状況
(単位:件)
件 数
凶悪犯
盗 犯
粗暴犯
知能犯
風俗犯
その他
平成 21 年
1,476
8
1,118
33
27
6
284
平成 22 年
1,403
2
1,061
34
21
4
281
市内の交通事故発生状況(物損事故除く)
(単位:件)
平成 18 年
平成 19 年
平成 20 年
平成 21 年
平成 22 年
交通事故件数(件)
614
577
524
408
380
負傷者(人)
771
760
655
501
482
7
5
4
4
9
死
者(人)
【施策の基本方針】 (施策の基本的方向)
①防犯対策の推進
住民自身が地域の安全を守る自主防犯組織育成事業を推進します。また、行政
と市民が一体となり進める地域防犯活動の取り組みを行います。更に警察からの
「防犯カメラの設置計画に向けた調査依頼の回答について」に基づいて、年次計
画をもって市内に防犯カメラの設置を行う等、地域の安心安全な環境の確保を図
ります。
②交通安全対策の推進
道路交通環境の整備と交通安全運動を警察などと連携して推進し、歩行者を含
めて交通マナーの向上を図り、交通事故を減らします。また、駅周辺の放置自転
車の撤去活動を通じて、自転車利用者の意識啓発を行うとともに、自転車駐車場
を整備し、放置自転車の解消を図ります。
72
【施策の体系】 (施策と基本事業)
防犯対策の推進
市民生活を守る安全対策の充実
交通安全対策の推進
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・自主的な防犯活動への支援
・交通安全運動の普及・啓発
市
・道路交通環境の整備
・放置自転車の対策の推進
・防犯意識の共有と体制づくり
地域・団体
・地域における防犯活動への参加
・交通安全運動の取り組み
・自らの安全の確保
・防犯活動への主体的取り組み
市民
・安全な自転車通行や交通ルールの遵守
・自転車を放置しない意識の向上
協働で行うこと
・防犯と交通事故防止活動の取り組み
【まちづくり指標】
(施策の対象)・市民
(施策の意図)身近な犯罪や事故から守られる。
現状値
(H22)
目標値
(H28)
1,403件
1,100件
防犯パトロール等地域安全活動が行われて
いると感じる市民の割合
36.7%
50.0%
普段から防犯に心がけている市民の割合
93.0%
95.0%
交通事故における死傷事故発生件数
380件
300件
26台
0台
指
標
名
犯罪発生件数
1日当たり放置自転車台数(平均値)
73
(政策)4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)4-6
利用しやすい道路の拡充
【現状と課題】
(1) 現状
市内の生活道路は、都市計画や区画整理等による基盤整備がなされないままに、
自然発生的に発展してきた市街地が多いため、幅員4m未満の狭あい道路が市道
全体(道路実延長 965,521m)の約半分を占めています。
これらの道路は、道路改良事業により道路の拡幅を進め、通学路等については
歩道の設置などを推進していますが、特に取手地域は地形の起伏があり、他市町
村と比較して多くの事業費がかかっています。
都市計画道路の整備状況は、総延長 71,460m(39 路線)のうち平成 21 年度末
で 41,140mを整備完了し、整備率 57.5%となっています。このうち都市計画道
路網の根幹である国道 6 号は全線共用開始していますが、東西を結ぶ国道 294
号は一部改良に着手しているものの整備率は低く、早期完成を図っていく必要が
あります。
また、茨城県施工の片町・白山前線の四ツ谷橋架替事業は平成 20 年 7 月に完
成し、中内・大圦線の常磐線立体交差事業も早期の供用開始に向け整備を進めて
います。市で整備を進める都市計画道路では、上新町環状線(本郷~桑原 1,650m)
が平成 19 年 3 月に開通し、さらに上新町環状線の最終工区となる井野工区を平
成 19 年度から 25 年度を事業期間とする事業認可を取得し、整備を進めています。
また下高井野々井線(野々井の国道 294 号・常総線立体交差~下高井地先 634m)
では平成 23 年 3 月に開通し都市機能の向上が図られています。
本市の近年の道路事情は、交通渋滞や道路環境悪化などの問題が深刻化してお
り、特に高齢化社会・少子化社会に対応して人に優しい道路整備、バリアフリー
化などの方針を定めて推進しています。
都市計画道路の整備により道路網の充実が図られ、通過交通の分散化や通行の
スムーズ化等が期待できることから早期完成が望まれるところですが、道路用地
の取得や家屋などの移転が容易ではなく事業遂行上大きな課題になっています。
(2) 課題
①道路・交通体系の整備
②人に優しい道路整備の促進
③安全な歩行環境づくり
74
【施策の基本方針】(施策の基本的方向)
①幹線道路の整備
都市計画道路の整備によって市内の道路網の充実が図られ、通過交通の
分散化により、主要幹線道路の交通渋滞が緩和され、なおかつ歩車道・街
路樹等の分離等によって人に優しい利用しやすい道路を推進します。
②バリアフリー化の推進
この施策については、「取手市移動円滑化基本構想(交通バリアフリー法
(高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に
関する法律))に基づく重点整備地区として取手駅・藤代駅及び戸頭駅周辺
地区を位置づけし、バリアフリー化を進めてきました。
現在取手駅西口地区の北側において、取手駅北土地区画整理事業が実施されて
いますので、これらの事業の中で推進を図ります。
③生活道路の整備
4m未満の狭あい道路の拡幅改良工事を推進するとともに、拡幅改良ができな
い市道においては車両待避所(交互交通における待合場所)の整備促進を図りま
す。さらに住居の新築時におけるセットバック(道路中心より 2mの後退)地の
協力を得て、生活道路の整備を推進します。
75
【施策の体系】 (施策と基本事業)
幹線道路の整備
バリアフリー化の推進
利用しやすい道路の拡充
生活道路の整備
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・都市計画道路の計画的な事業推進
・計画的な拡幅改良工事の推進
・歩道整備工事の推進
市
・交通安全施設整備の推進
・バリアフリー化の推進
・街路樹・植栽等の維持管理
・道路美化に対する理解
地域・団体
・道路清掃等の推進
・4m未満の狭あい道路セットバック(道路中心より 2mの後退)
の推進
・交通マナーの遵守
市民
・安全運転の励行
・道路整備等公共事業への理解
・里親制度の拡充
協働で行うこと
・違反屋外広告物の撤去
・定期的な「空き缶・ごみ拾い」
【まちづくり指標】
(施策の対象)・道路
・道路利用者
(施策の意図)安心安全で快適に生活空間を移動できる。
現状値
(H22)
目標値
(H28)
都市計画道路の整備率
60.5%
64.5%
バリアフリー化整備率
37.8%
52.0%
指
標
名
76
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-7
公共交通機関の充実
【現状と課題】
(1)現状
本市を走る鉄道は、JR 常磐線(2 駅)、関東鉄道常総線(7駅)、さらに東京メ
トロ千代田線が取手駅に乗り入れており、首都圏などへの通勤・通学や買い物な
ど生活の足として多くの市民に利用されています。
特に、取手駅は、関東鉄道常総線沿線の住宅団地をはじめ、周辺市町からの通
勤・通学者の乗車駅として 1 日平均約 3 万人の乗車人数があります。しかし、近年
では、少子高齢化の影響や労働者人口の減少もあり、利用者も減少傾向にあるとと
もに、平成 17 年 8 月にはつくばエクスプレス(TX)の開業により、鉄道利用者の
うち新たに守谷駅を利用するなど、利用経路の転換により、さらに乗降客の減少に
拍車がかかってきている状況です。
また、藤代駅は、駅南土地区画整理事業などの面整備の完成に加え、周辺市町
からの利用者も多く、1 日平均7千人以上の乗車人数になっています。
今後、少子高齢社会の到来とともに、高齢者や子供たちをはじめ、交通弱者の
方々の生活の足として、鉄道交通の使命はますます高くなることから、更なる利
便性の向上を図るため、運行本数の増便をはじめ、安全対策の強化など関係機関
に要望をしています。
さらに近隣自治体との連携により、JR 東日本に対し常磐線の輸送力増強や東京
駅乗り入れなどの要望活動を行い、一部実現の可能性が出てきていることから、
さらに利用者の利便性の向上を図っています。
一方、市内のバス路線については、取手駅や藤代駅を中心に関東鉄道・大利根
交通のバスが運行されており、通勤・通学をはじめ買い物など身近な交通手段と
して利用されています。
しかし、近年のモータリゼーションの進展や団塊の世代の退職等により、公共
交通機関を交通手段とする利用者が減少しており、バス事業者も赤字路線の廃止
や縮小など見直しを進めていることが課題となっています。
市としても、事業者と連携を図りながら、コミュニティバス運行による交通網
の空白地帯の解消や自家用車からバスへの利用転換などに対する対策など、市民
が利用しやすい環境整備を推進しています。
77
各駅の1日平均乗車人数
人
40,000
30,000
20,000
10,000
0
JR取手駅
JR藤代駅
関鉄取手駅
H19
32,840
7,863
7,465
H20
31,886
7,866
7,465
H21
30,662
7,620
6,565
H22
29,563
7,363
6,125
(2)課題
①公共施設や病院等へのアクセス向上
②民間交通機関の利便性向上
③公共交通機関の利用促進
【施策の基本方針】
①多様なニーズに対応した公営バスの利用増進
バス交通については、民間事業者との連携の下、コミュニティバスの効率的運
行を図り、市民誰もが自由に移動できる利便性の向上に努めます。
②通勤・通学者ニーズに対応した民間交通機関の充実
鉄道は、通勤・通学の重要な交通手段となることから、JR 常磐線及び関東鉄道
常総線の鉄道輸送量の増強、運行ダイヤの改善、駅舎の充実や東京駅乗り入れ等
の輸送サービスの向上を引き続き積極的に要望していきます。
また、路線バス交通に関しては、公共交通機関を交通手段とする利用者が減少
しており、赤字路線の廃止や縮小など見直しなどに対し路線の維持を要望してい
きます。
③公共交通機関の利用促進
輸送サービス向上のため、関係市町村との連携を図りながら鉄道事業者への要
望活動を積極的に実施し、利用者の利便性の向上を図り、市民への利用促進の意
識の啓発に努めます。
さらに、取手市公共交通バリアフリー化設備整備費補助金交付要綱に基づき駅
やバスターミナルなどの旅客施設、バス等の車両に対しバリアフリー化の支援を
図ることで、高齢者、身体障害者等の移動の利便性や安全性の向上を図ります。
78
【施策の体系】 (施策と基本事業)
多様なニーズに対応した公営バスの利用増進
通勤・通学者ニーズに対応した民間交通機関の充実
公共交通機関の充実
公共交通機関の利用促進
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・関係機関との連携強化
市
・コミュニティバスの運行
地域・団体
・交通環境改善への支援
・高齢者、障害者等の移動への理解と支援
市民
・公共交通機関の積極的な利用
・輸送サービスの向上
事業者
・旅客施設や車両へのバリアフリー化
協働で行うこと
・公共交通機関の積極的な利用への啓発
【まちづくり指標】
(施策の対象)・市民
・来街者
・バス利用者
(施策の意図)いつでもどこへでも、気軽に、楽々出かけられる。
指
標
名
コミュニティバスの利用者数
現状値
(H22)
目標値
(H28)
214,988人
220,000人
79
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-8
総合的な雨水対策の充実
【現状と課題】
(1) 現状
近年、都市化が進む中において、異常気象ともいえる集中豪雨が多く見られる
ようになり、また、都市化の影響により、降雨に対する浸透率の低下や流達時間
の短縮により低地部での冠水被害が多く発生するようになりました。
市内の雨水幹線の現状は、築造当時の計画流下能力に対し、近年の都市化の影響に
より流入量が増加しており、また、集中豪雨によって起伏の激しい地形にも影響を受
け、家屋の床上・床下浸水や道路冠水が報告されています。
このような状況の中、既存水路や調整池の能力を確保すべく浚渫や清掃、増補
管の整備、排水ポンプの設置といった事業に取り組んでいます。
取手地方広域下水道組合における下水道事業基本計画の見直しが完了したこ
とから、今後は、この計画をもとに、従来の排水区域等に比べ現在の状況に合っ
た排水区の設定を行ない、より効率的かつ効果的な排水整備計画を立案すること
により、今後の排水整備を進めているところです。
(2) 課題
①雨水に対する浸透及び貯留方法の確立
②雨水による浸水及び冠水被害の緩和
【施策の基本方針】 (施策の基本的方向)
①浸透・貯留施設の充実
集中豪雨時における既存排水施設の負担の軽減を図るため、従来の雨水幹線整
備と併せ、市内の公共施設や民間施設、家庭(各戸)における流出抑制の確立が
急務となっています。
今後、学校・公園等の公共用地を中心に、雨水の浸透施設・貯留施設の設置等
を雨水流出抑制対策事業として進めていきます。
②冠水被害緩和の雨水対策
雨水排水基本計画の見直しにより、既設排水施設を最大限に有効利用できるよ
うな排水区を設定します。
また、現在、県事業で整備を進めている相野谷川・北浦川・西浦川と雨水幹線
の整備の整合を図り、今後は既設施設の能力不足を解消させるための増補管の設
置についても検討を進めてまいります。
80
【施策の体系】 (施策と基本事業)
浸透・貯留施設の充実
総合的な雨水対策の充実
冠水被害緩和の雨水対策
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・道路排水及び雨水枝線の整備及び維持管理
・雨水貯留施設設置要綱の制定
市
・公共施設用地への浸透・貯留施設の設置
・取手地方広域下水道組合を通じた雨水幹線及び準幹線の整備及
び維持管理、下水道計画による貯留施設の整備
・雨季における自治会等での側溝清掃
・浸水時における自主防災組織による土のう設置
・浸透施設の普及・促進活動
<建設業協会・消防団>
・浸水箇所の巡視・伝達・ポンプ設置
地域・団体
・浸透・貯留施設設置の協力
市民
・側溝・グレーチング等の清掃
協働で行うこと
・浸透桝等雨水抑制施設の設置推進
【まちづくり指標】
(施策の対象)・市民
・通過車両
・市域
(施策の意図)台風、大雨時の浸水、冠水を緩和し、安心した生活が送れる。
指
標
名
浸水・冠水箇所数
81
現状値
(H22)
目標値
(H28)
76箇所
66箇所
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-9
公共水域の汚濁防止(水環境)
【現状と課題】
(1)現状
当市の公共下水道については、取手地方広域下水道組合で整備しており、平成
23 年 3 月 31 日現在の公共下水道普及率は 67.9%です。事業認可区域以外の地域
については、市が合併処理浄化槽の設置について補助をして促進しています。浄
化槽は、し尿のみを処理対象とする単独処理浄化槽と生活雑排水(風呂及び台所
等の排水)も併せて処理する合併処理浄化槽があります。従来から普及してきた
単独浄化槽及びし尿くみ取りはし尿の処理のみで、生活雑排水は処理できないた
め、排水路を通じて公共用水域に放流され水質汚濁の原因になっています。また、
合併処理浄化槽であっても適正な管理がなされなければ、公共水域の汚濁をきた
すため問題があります。
一方、水質の現状については、定期的(河川水は 12 箇所を年 2 回、樋管 9 箇
所を年 1 回)な水質検査により監視を行っており、水の汚れの指標とされている
BOD※、COD※については、以前と比べると水質は回復しています。
なお、地下水については市内の一般家庭を対象に各地区から数箇所選定して有
害物質等の検査を行い、井戸水の汚染状況を監視しており、その結果、飲料水と
して好ましくない水質の井戸も確認されていることから、飲料水については上水
道への切り替えを勧めています。
※
BOD:水中の有機物を微生物によって分解するときに消費される酸素量㎎/ℓで表し、
汚れが大きく汚濁有機物質量が多いほど大きな数値を示す。
※
COD:水中の汚濁物質を酸化剤で酸化するときに消費される酸素量㎎/ℓで表し、BOD
同様、数値が大きいほど水中の汚濁物質量が多く汚れていることを示す。
(2)課題
①公共下水道のさらなる普及
②合併処理浄化槽の普及の推進
③浄化槽の適正管理の指導
④河川の水質保全のための監視強化
82
【施策の基本方針】 (施策の基本的方向)
①生活排水の適正処理
快適な生活環境を確保するため、公共下水道事業を推進するとともに、合併処
理浄化槽の普及を推進し、公共水域の汚濁防止など環境衛生の向上を図ります。
②水質の監視と有害化学物質等の排出抑制
今後も定期的な水質検査により監視を行います。また、定期的さらには
必要に応じて、事業所などへの立ち入り調査や指導を行います。
【施策の体系】 (施策と基本事業)
生活排水の適正処理
公共水域の汚濁防止
水質の監視と有害化学物質等の排出抑制
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・取手地方広域下水道組合を通じた公共下水道の整備
・合併処理浄化槽設置費用及び単独浄化槽撤去費用補助制度の広
報及び浄化槽の適正な管理の指導
・定期的な水質検査による監視
市
・県南水道への切り替え要請
市民
・合併処理浄化槽の適正な維持・管理の実施
【まちづくり指標】
(施策の対象)・河川水
・地下水
・公共下水道及び浄化槽
(施策の意図)快適で衛生的な水環境になり、利根川流域の水質保全が図られる。
現状値
(H22)
目標値
(H28)
河川水の BOD 水質基準達成率
83.3%
91.6%
公共下水道普及率
67.9%
75.9%
生活排水処理普及率
82.0%
89.8%
指
標
名
83
(政策)
4
安心して住みやすい魅力あるまちづくり
(施策)
4-10
安心できる消費生活への対応
【現状と課題】
(1)消費者が安全で安心できる消費生活を送ることができる環境を整備するため、
「消費者基本法」では消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進
を図り、国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的としています。こ
の法律は、
「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立」を基本理念としています。
取 手 市 消 費 生 活 セ ン タ ー ( 以 下 「 消 費 生 活 セ ン タ ー 」 と い う 。)
に寄せられる消費生活相談件数は増加の傾向にあり、インターネット利用に伴う
ワンクリック詐欺(※1)、催眠(SF)商法(※2)、点検商法等によるトラブルに
関する相談等、内容は複雑多岐になってきております。
消費生活センターでは、消費者行政において消費者被害の防止、被害の救済に
役立てるために構築された「全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-
NET)」を活用し、消費者トラブルに迅速な対応を行うとともに、出前講座、事
業所での啓発講座、広報紙による PR、消費生活展による啓発等、多面的な情報
提供を通して消費者の意識向上及び消費者被害の未然防止等に取り組んでいま
す。
また、市では家庭用品品質表示法、消費生活用製品安全法、計量法、電気用品
安全法に基づく立ち入り検査や計量器の定期検査を実施し、市民生活の安定を図
っています。
※1.ワンクリック詐欺…ホームページで「無料」と書かれている動画を見るために、ク
リックしながら進んでいくと、
「入会ありがとうございます」などと表示され、高額
な利用料を請求される。
※2.催眠(SF)商法…「景品をプレゼントします」
「健康にいい話をします」と言って
人を集め、閉め切った会場で日用雑貨を無料で配り、雰囲気を盛り上げて興奮状態
にして、最終的に高価な商品を売りつける。
(2)課題
①消費者啓発の充実と情報提供(市民・地域・学校・事業所など世代ごとに)
②消費生活相談員の専門知識の向上
③消費者団体の育成及び支援
④消費者サポーター制度の充実及び活用
84
消費生活の相談件数
問合せ・要望
苦情
1200
1000
985
985
800
件
600
数
658
582
200
459
458
400
410
323
371
326
335
17
18
19
20
21
343
0
22 年度
【施策の基本方針】(施策の基本的方向)
①消費生活センター相談業務の充実
各機関等で開催する研修会に積極的に参加をし、相談業務に関する専門知識の
向上に努めます。また、消費者庁、国民生活センター及び県消費生活センターと
の連携を図りながら、迅速な苦情処理、消費者被害救済体制の充実に努めます。
②消費者啓発及び情報の提供
消費生活展の開催をはじめとして、各種出前講座、消費者サポーター制度の充
実を図り啓発や情報提供に努め、消費者被害の未然防止に努めていきます。
③品質表示、計量の適正化
家庭用品の品質検査等の立入検査や計量器の定期検査を実施し、市民生活の安
定を図っていきます。
85
【施策の体系】 (施策と基本事業)
消費生活センター相談業務の充実
消費者啓発及び情報の提供
安心できる消費生活への対応
品質表示・計量の適正化
【各主体の主な役割】 (協働の基本的方向)
・相談・あっせん、情報提供
市
・品質表示や計量器の検査
・啓発、学習機会の提供(消費者被害未然防止)
地域・団体
・啓発講座の参加、普及活動
市民
・研修会等への参加、情報収集
協働で行うこと
・啓発活動、情報提供
【まちづくり指標】
(施策の対象)・市民
(施策の意図)安心で安定した消費生活ができる。
指
標
名
消費生活相談件数
相談員による助言・あっせん解決率
現状値
(H22)
目標値
(H28)
1,000件
950件
91%
95%
86