愛 知 学 院 大 学 心 身 科 学 部 紀 要 第 4号 ( 4 9 5 4 )( 2 0 0 8 ) 補聴器に関する認識 一一言語聴覚科学コースに在 籍する学生アンケート ( 1 )より一一 北 村 洋 子* わが国は,平均寿命の伸長と少 子化によって,高齢化率がいま や世界第 l位 の 国 と な っ た そ の 結 果,加齢に伴う難聴である老人性 難聴の患者はますます増加するも のと予測される.老人性難聴によ る聴力低下は,補聴器を装用することで補うことが可能である. しかしながら,わが国の補聴器の年 間販売台数は欧米と比較して低 く,また補聴器に関する社会全 体の認識も大変低いのが実情で ある 本研究は,心身科学部言語聴覚 コースに在籍する学生における 補聴器に関する認識について検 討を行 ったその結果,補聴器を装用し ている人が身近にいない学生が 多く,また 補聴器は安価で比較的 耐久性にもすぐれていると認識している学生が多かった. しかし,実際には補聴器は高価であり,ま た,永続的に使用できるもので もない.補聴器に関する正しい 認識が広く社会全体に普及する ことが 急務であると考える キーワード:h e a r i n ga i d, p r e s b y c u s i s, e l d e r l yp e o p l e 1. 目 的 I I .方法 わが国は,平均寿命の伸長と少 子化によって,高齢 化率世界第 l位の国となった 対象は,心身科学部言語聴覚科学コースに在籍する 2007年のわが国の総 3年次大学生 29人(男性 6人,女性 23人)とし,補 人口に占める 65歳以上の高齢者人口は,過去最 高の 聴器についての認識に関する調 査を行った.言語聴覚 2, 667万人となり,その割合は総人口 の 21 .5%,つま 科学コースでは必修科目として 「補聴器」の講義が開 り 5人に 1人が高齢者ということになる.高 齢者人口 講されている.アンケート調査 は は今後もさらに増加し続け 受講する前に実施した 2050年には高齢化率 3 5 . 7 %,つまり 3人に 1人が高齢者という超高齢社会の 到 i 補聴器」講義を まず,「身近に補聴器を装用し ている人がいます 来が予測されている 1-2) このような高齢化社会にお か ?J という設問で,「はい,いいえ」で回答を求めた. いては,加齢に伴う難聴である老人性難聴の患者数も 次に,「補聴器を購入したい場合 まずどこへいきま 今後ますます増加するものと予測される .それに伴っ す か ?J i補聴器の耐周年数はどれぐらい と思います て,聴力低下を補うための補聴器 の需要も今後一層伸 か ?J i補聴器 1台あたりの価格はいくらぐらい と思 びるものと考えられる. しかし いますか わが国における補聴 ?Jという各設問に対しては,「自由記入 J, i 複 器の年間販売台数は欧米と比較 して低く,社会全体の 数回答可」とし,回答を求めた .補聴器の価格に関す 補聴器に関する認識も低いとさ れる.本研究は,心身 る設問で,金額に幅がある回答の場合は,便宜上,分 科学部言語聴覚コースに在籍す る学生の補聴器に関す 類した価格項目に該当していれば ,各項目に l人を計 る認識について,検討を行った. 上して集計を行った. *愛知学院大学心身科学部健康科学科 (連絡先)干 4 7 0 0 1 9 5 愛知県日進市岩崎町阿良池 1 2 E m a i l :k y o k o v @ d p c . a g u . a c . j p -49- 村 子 北 洋 果 皿.結 ( 人) 25 身近に補聴器を装用している人の有無については, 20 補聴器を装用する者が身近にいない学生が 8割を超え た(図 1) . 1 5 1 0 お万円以上 初万円以上 お万 円未満 日万円以上 初万円未満 回万 円未満 ω万円以上 5万円以上 ω万円未満 図 1 身近に補聴器を装用している人がいますか? 5万円未満 。 図 3 補聴器の価格(自由記入) 補聴器を購入する際の行き先を問う設問では,耳鼻 科や病院と回答した学生が最も多かった一方で,約 補聴器の耐用年数についての設問では 半数に近い 1 2人 の 学 生 が 眼 鏡 屈 と 回 答 し た そ の う るいは ち 5人は,眼鏡庖以外にも,耳鼻科,病院,補聴器専 められた 門屈を併せて回答していたが,残りの 7人は眼鏡庖単 1 0年以上と回答した(図 4). 独の回答であった補聴器専門庖・補聴器センターな i5年 J,あ i6年以上」と回答した学生が 1 9人と i6年以上」と回答した学生うち, 多 く認 6人は (人) どを回答した学生も 7人あった.このうち 1人以外は, 1 2 補聴器装用者が身近にいない学生であった(図 2). 1 0 (人) 1 6 1 4 1 2 1 0 2 1人であった 4 年 6年以 上 -年 未 満 福祉 センター 市役所 電気底 補 聴 器専 門 庖 補聴器セ ンター 眼鏡庖 耳 鼻 咽喉 科 病院 多 くの学生にとって 補聴器は身近な医療機器では ない.また,補聴器は安くて長持ちである, 補聴器 1台あたりの価格を問う設問に対しては, 以上 1 0万円未満は 3 年 図 4 補聴器の耐周年数(自由記入) と誤って 理解している学生が多いようであった.アンケート 実 図 2 補聴器を購入する際の行き先( 複数回答可) 万円未満と回答した学生は 2 年 年 施後の「補聴器」の講義において 5 今回の結果やわが 国の補聴器事情について詳細な解説を行った. 5万円 4名全員が 5万円との回答であ I V .考 察 った.また, 1 0万円以上 1 5万円未満は 3人であったが, そのうち 2人は 1 0万円との回答であった 1 0万円以 加齢に伴う生理的な難聴を老人性難聴という.本来, 内で補聴器が購入できると回答した 学生は,延べ人数 ヒトの聞こえの能力は 20歳ごろをピークに,その後 にして 27人であった(図 3) . は加齢とともに, しだいに低下する.老人性難聴は, はじめは高音域から障害され, - 50- しだいに中音域,低音 補聴器に関する認識 域にもおよび,両側性,左右対称性にゆっくりと進行 万台ほどと推定されている 13, 1 6 ) 通信販売による補聴 する 3) 難聴を自覚する年齢には個人差があるが, 50 歳台あたりから高い音 が聞こえにくくなる 3-4) 近年 器販売台数の増加の原因には,通信販売の補聴器が大 では,社会環境や生活環境の急速な変化によって,す べての年代において聴力低下が指摘されているの.ま られるだろう. しかし,聴力評価も調整もない通信販 売による補聴器を購入し装用したとしても,十分な効 た,生活習慣病である糖尿病や高脂血症,虚血性心疾 患や腎臓病などと老人性難聴との関連も報告されてい 果が得られるはずがない.その結果,「よく聞こえない」 「耳に入れる前から雑音がひどくて, とても使えない」 る6 ) ことに糖尿病に関して は 栄養調査報告によれば 「使いこなせない J i大変革且悪品である」などの多くの 苦情が寄せられ,さらには「補聴器は使っても役に立 らなる増加が予測されている 7) 加速する社会の高齢 たない」などの補聴器に対する不信感さえ聞かれる事 態となっている 15-16) 化,社会・生活環境の急速な変化,生活習慣病患者の わが国で補聴器を扱う販売屈の数は大変多く,実に 平成 1 8年国民健康・ 成人の糖尿病患者と予備軍の 総数は 1 , 8 70万人と近年増加し続け ており,今後もさ 変安価であることが もっとも大きな要因として挙げ 増加によって,老人性難聴はますます増加するものと 6, 000庖から 1 0, 000屈とも推定されている 13) 予測されるのである. 聴器販売居協会は 老人性難聴で聞きとりが悪くなると,話の内容を聞 き間違えたり,会話が理解できないなど,日常生活に 日本補 補聴器技能者の育成や販売庄の技 術向上,補聴器の適正供給と社会普及に取り組む団体 こえにくさは,精神的健康にも負の影響を与えること であるが,日本補聴器販売庖協会に加盟する庖舗数は 現在のところ 971J 吉舗と ( 2 0 0 8年 4月 20日時点),補 聴器販売庖総数のわず か 6分の l以下にすぎない 13) がすでに報告されており 社会全体で老人性難聴に 補聴器の販売においては,「認定補聴器専門店 J, i認 適切に対応していくことが必要 定補聴器技能者」の 2種類の資格制度があるが,法律 も支障をきたすこととなる 8-9) 老人性難聴による聞 ついて正しく理解し 1 0 ) であろう.難聴が進行した場合は 個人の聴力の程度 的な規制ではないた め,現状では無資格 者であって に合わせた適切な補 聴器を装用すること が必要であ も補聴器の販売や調整 などの業務を行うこと ができ る. しかし,補聴器を装用すれば何でもよく聞こえる る17-18) このような状況のなか ようになるわけではない.周囲の人は,補聴器を装用 聴器技能者」の認定制度が,そして, 1 9 9 5年より「認 定補聴器専門庖」の認定制度が始まった i認定補聴器 している人に対して,適切な配慮が必要である.時に, 補聴器のそばで大きな声で話しかける人があるが,そ の必要はない .できるだけ静かな場所で,正面から普 通の声の大きさで ゆっくり,はっきり話すことが必 要である 11) また 口形をはっきりと表現したり,身 振りや手振りを加えるなどの視覚的情報も会話を理解 するうえでの一助とな るので上手に活用する とよい. 1 9 9 3年より「認定補 専門庖」とは,財団法人テクノエイド協会によって認 定された庖舗で,要約すると以下のような認定基準を 満たす底舗である.①補聴器適合のための必要な設備 や環境が完備されている.②認定補聴器技能者が常時 従事している.③適正な補聴器販売業務が行われてお また,会話をすすめる際には,一方的に話をすすめる り,補聴器の調整記録の保存や管理が整備され,また 医療機関との連携も確保されている 13, 17-20) ( 2 0 0 7年 のではなく,内容を理解できたかどうかを確認しなが 3月 3 1日までは全国補聴器専 門庖認定協会が認定業 らすすめると,よりよい 11) 加齢によって,言葉や 会 話,文章を理解すること自体にも時間を要するように 務を実施.) 2008年 3月 3 1日時点、では 506庖舗が認定 補聴器専門庖として認定を受けているが 18),補聴器を なるため,会話の際には音の大きさだけでなく,話す 扱う販売屈の総数と比べれば 速さや話し方についても十分留意し,また視覚的情報 い.なお も有効に活用することが大切である. の場合,庖内に認定証書や認定プレート,ステッカー などが掲示されているため,容易に確認することが可 圏内の補聴器製造業者や輸入販売業者が加盟する日 本補聴器工業会によ れば補聴器の年間国 内出荷台数 は45万台ほどである .補聴器販売台数の 多くは高齢 その数ははるかに少な i認定補聴器専門庖」の 資格を有する庖舗 能である i認定補聴器技能者」は ,少なくとも 5年 の販売実務経験,および,指定講習会の修得を経て, 者の購入によるもので,公的給付制度による購入は, わずかに約 1割程度にすぎないのが 実態である 12-15) 験に合格した補聴器販売従事者に与えられる資格 この 45万台とは別に で 17),近年では年平均 1 0 0人ほどが合格しており,現 財団法人テクノエイド協会が行う認定補聴器技能者試 近年では通信販売など による 補聴器販売が増加し ており,その数は 1 0万台から 1 5 在累計で 1 , 5 6 3人 が 認 定 を 受 け て い る ( 2 0 0 8年 度 時 -51- 北村洋子 点)13, 1 8 ). このような適正な補聴器販売・ 供給システ ムの構築を目指す自主的な取り組みが着実にすすめら る補聴器の主流は 小型のデジタル補聴器で、ある . し かし,多様なオプション機能を搭載した小型のデジ、 タ れているにもかかわらず,現状では,補聴器に関する ル補聴器は,高額なものになると 1台 30万円以上にも 知識が不十分な従業員でも補聴器販売業務に従事して なる .耳内に収まり外から見えにくい,あるいは,ほと いる庖舗や,補聴器は特定管理医療機器であるにもか んど見えないような小型の耳あな形補聴器は大変人気 かわらず,医療機関との連携が 全くない販売屈があ が高く,園内では補聴器販売台数全体の半数以上を占 る16) めている 12) し か し 平 成 17年 4月の薬事法の改正により, 補聴器販売を行う営業所に対し 補聴器販売に関する しかし小型の補聴器の場合,音の増幅に 限界があり,高度な難聴に対しては十分な補聴が得ら 安全管理者の設置が義務付けられた 15) 今後も法令を れないという欠点も生じる .一方 もって,適正な補聴器の販売・供給システムが着実に 体をかけて装用するタイプの耳かけ形補聴器は,耳あ 確立されていくことが期待される.今回の結果では, な形補聴器と比較して本体のサイズが大きく外観は目 補聴器を購入する際の行き先として眼鏡庖という回答 立つが,高出力も可能で,高度な難聴の方にも適応で も多くみられた勿論 眼鏡屈のなかにも補聴器の適 きる.また,購入価格も比較的おさえられ,国内販売台 正な販売を行う庖舗もあるが, そうではない庖舗も少 数全体の 3分の l程度を占めている .補聴器を選択す なからずあるということが大変懸念される . また,補 る際には, ことに外観が重視されがちであるが,個人 聴器センターや補聴器専門屈などの認定補聴器専門屈 の聴力の程度に合わせて選択することが何よりも優先 を意識した回答もあったが,現状ではその数が大変少 されなければならない.言葉の聞き取りやすさと快適 ないことが最大の問題といえよう .補聴器について相 な装用感を目指した多様なデジタル処理の開発によっ 談・購入する場合は 専門的な知識や技能を有する販 て,デジタル補聴器は飛躍的にその販売台数を伸ばし, 売員や有資格者が在籍し,補聴器適合のための必要な いまや国内におけるデジタル補 聴器出荷台数は実に 設備が完備され,補聴器の機種選択,調整,装用効果 75.6%( 2 0 0 6年時点)までに上昇した 13-14) しかし,デ の判定,評価が適切に行われる補聴器販売庖を選ぶこ 耳介に補聴器の本 とが重要である .相談先に迷う場合は,近隣の耳鼻咽 ジタル技術開発には多大な費用がかかるため,デジタ ル補聴器は必然的に高価なものとなっている 13 14) デ 喉科を受診しでもよい.耳疾患の有無や現状の聴力に ジタル補聴器はアナログ補聴器に比較して,言葉の聞 ついて正しい評価・診断をうけることは,補聴器を装 き取りにおいてより細やかな調整が可能となり,多様 ー 用するにあたり何よりも重要である.耳鼻咽喉科で補 なオプション機能を搭載することも可能になった.そ 聴器が必要であると診断された場合,次の 2つの方法 によって,適切な補聴器の購入にいたることが可能で の代表的な機能のひとつとして 騒音抑制処理がある 言葉の聞き取りを阻害するような環境騒音,たとえば, ある.①認定補聴器専門庖,あるいは適正な補聴器販 乗り物内の走行音や 売を行う補聴器販売庖協会加盟屈に紹介状を記載し, 補聴器の機種選択や調整を依頼する.②耳鼻咽喉科に などを低減させる機能で,言葉の聞き取りやすさの改 善に大変有効であるとされている 13-14) そのほかにも 補聴器外来がある場合は,認定補聴器専門庖,あるい 様々なオプション機能があり 人が多い広い空間での雑踏騒音 多くの機能が付加され は適正な補聴器販売を行う補聴器販売底協会加盟庄の た補聴器であるほど高額になる.しかし,高機能で高価 販売員が補聴器外来に出向し 医師と協力して補聴器 なものほどよい補聴器というわけではない.個人の聴 の機種選択や調整・相談を行う.補聴器は個人の難聴 力や生活環境,必要性に応じた補聴効果が得られるこ の程度に合わせた補聴器を適切に調整して,はじめて とが何よりももっとも重要であり,効果が得られるの 十分な補聴効果を発揮することができる.耳鼻咽喉科 であれば,決して高額な補聴器を選択する必要はない. 医師や認定補聴器技能者 認定補聴器専門庖などが関 補聴器は耐久性にもすぐれ長期間使用できる, と理 わる適正な補聴器の販売供給システムが,早期に広く 解する学生が多かった補聴器の 耐周年数は,公的交 社会全体に認識されることが必要である . 付制度における補聴器の再交付期間を参考にして,お 補聴器の価格は,機種(外観),信号処理方法(デジ およそ 5年ぐらいとされている.ただし,使用状況に タル,アナログ),多様なオプション機能によって,大 よっては,数年で故障してしまうこともあれば,逆に 変様々である.今回の結果では 1 0年以上にわたって使用できることもある. しかし, 5万円未満と回答し た学生が延べ人数で 2 1人 と 大 変 多 か っ た し か し , 近年の補聴器製造における技術 開発は大変めざまし 実際には補聴器は大変高価である.現在販売されてい , く -52- 5年先には,より一層言葉が聞き取りやすく,装 補聴器に関する認識 用感にもすぐれた高機能な補聴器が現在より安く購入 できることだろう. しかし 社会白書 2)共生社会政策統括官 国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(平成 1 8年 1 2月推計)• 3)伊藤蕎ー,中川隆之 ( 2 0 0 8 ) 発達期から老年まで 600 万人が悩む一難聴 Q&A ミネルヴァ書房. 4) UchidaY, NomuraH,I t ohA,NakashimaT, AndoF, N i i n o N, S h i m o k a t aH.( 2 0 0 0 ).Thee 町民t so fa g eonh e a r i n ga n d Middlee a rf u n c t i o n .JEpidemio . l1 0 .S 2 6 S 3 2 . 5)下方浩史 ( 2 0 0 8 ) 高齢者の聴力に個人差が大きいのは 何故か 一全身 の老化との関係において - A u d i o l o g y J a p a n5 1,1 7 7 1 8 4 . 6) UchidaY,NakashimaT,N i i n oN,AndoF ,ShimokataH . 補聴器の需給が現状と変 わらなければ,補聴器の価格はまだまだ高価なもので あるのかもしれない.補聴器は決して一生ものではな いので,必要性に応じた補聴効果 が得られる補聴器を, 適正な販売ルートで購入し正しく使用すると同時に 定期的な聴力検査によって聴力の変動の有無を確認し ていくことも非常に重要である . 今回の補聴器に関する認識調査は,言語聴覚士をめ ざ す 言 語 聴 覚 科 学 コー ス に 在 籍 す る 学 生 に お い て 実 施 された しかし , 言 語 聴 覚 士 は 補 聴 器 の 販 売 や 調 整 が ( 2 0 0 4 ).Thei n f l u e n c eo fa g i n ga n dg e n e r a l i z e dd i s e a s e son h e a r i n gl o s s .O t o l o g yJ a p a n,1 4( 5 ), 7 0 8 1 3 . 7)厚生労働省健康局総務課生活習 慣病対策室 平成 1 8 年国民健康・栄養調査結果の概要. 8)小寺一興 ( 2 0 0 6 ) 補聴器フィッティングの考え方 改 認められた職種であり,学生の中には,すでに補聴器 について興味をもって意識的に自学自習している学生 も含まれているものと思われる. したがって,追加調 査として,言語聴覚コース以外の大学生においても, 訂第 2版 診 断 と 治 療 社 . 9)山田弘幸,佐場野優一 ( 2 0 0 7 ) 聴覚障害 I 基礎編 補聴器に関しての認識調査を行い,その結果について 比較検討する必要があろう. 建吊社. わが国の高齢化率はいまや世界第一位となり,老人 1 0 ) 矢嶋裕樹,間三千夫,中嶋和夫,他 ( 2 0 0 4 ) 難聴高齢 者の聴力低下が精神的健康に及ぼ す影響 A u d i o l o g y J a p a n47,1 4 9 1 5 6 . 1 1 ) 神埼仁,安野友博,古賀次郎 ( 2 0 0 1)補聴器 Q&A一よ り良いフィッティングのために 金原出版. 1 2 ) 有限責任 中間法人日本補聴器工業会 ホームページ. 1 3 ) I補聴器供給システムの在り方に関 する研究 I I J 報告 書 「補聴器供給における QOL向上策に関する提言 に 性難聴の増加,補聴器の需要の増加は,もはや避けが たい状況である.しかし 社会全体に広く早急に正し い補聴器に関する認識が普及されることが望まれる状 況でありながら,老人性難聴や補 聴器というテーマは, 生活習慣病である糖尿病や高血圧,高脂血症などと比 較すれば,マス・メディア等で取り上げられることが はるかに少ないのが現状である.だが,必要性が生じ 向けて J ( 2 0 0 7 ) 補聴器供給システム在り方研究会. 1 4 ) 河村ちひろ,河野康徳 ( 2 0 0 7 ) 福祉用具の供給システ ムに関する研究 一 補聴器供給における QOL向上策 を中心として 新潟青陵大学紀要第 7号 , 8 7 9 9 . 1 5 ) 小寺一興 ( 2 0 0 6 ) 補聴の進歩と社会的応用 診断と治 て初めて補聴器について学び理解するのではなく,高 齢者を支える家族や周囲の人,また,地域全体,社会 全体が,必要な知識として正しく補聴器について理解 しておくことが大切である.より多くの人が補聴器や 療社. 1 6 ) 国民生活センター ( 2 0 0 7 ) 通信販売の補聴器等の安全 性や補聴効果-販売サービスに関 する調査も含めて その販売供給システムについて正しい認識を持つこと によって,適正な補聴器販売や供 給体制が確立され, また,補聴器への信頼回復にもつ ながるものと考える. 1 7 ) 田内光 ( 2 0 0 3 ) 補聴器の供給体制 -補聴器に関する 資格や法律にはどのようなものが あるか- ENTONI No.30,すぐに役立つ補聴器装用の実際, 6 5 7 0 . 個人の生活環境や必要性に応じて適切に補聴器を装用 することは,身体的,精神的 q u a l i t yの改善のみならず, 社 会 経 済 的 発 展 に も つ な が る と 報 告 さ れ て い る 13 14) ー 1 8 ) 財団法人テクノエイド協会平成 1 9年度事業報告書. 適正な補聴器販売供給システムの確立,そして,補聴 1 9 ) 有限責任中間法人日本補聴器販売庖協会 器に関する正しい認識の普及が,早急に望まれる 2 0 ) 小寺一興編 の選択と評価 引用文献 1)共生社会政策統括官高齢社会対 策 ホームペー ン 平成 20年版高齢 - 5 3- 図説耳鼻咽喉科 Newapproach1 補聴器 M e d i c a lview社. 最終版平成 20年 9月 30日受理 B u l l e t i no f T h eF a c u l t yo f P s y c h o l o g i c a l& P h y s i c a lS c i e n c e, N o .4,49-5 4, 2 0 0 8 H e a r i n gAidAwareness - AQuestionnaire( 1 )givent oS t u d e n t softheSpeech-Language-HearingScienceCourse- YokoKIT 品1URA Abstract I nJ a p a n, t h ea v e r a g el i f ee x p e c t a n c yh a sb e e ne x t e n d e d, a n dt h er a t eo fb i r t hh a sb e e nont h ed e c l i n e. The p e r c e n t a g eo fe l d e r l yw i t h i nt h eo v e r a l lg e n e r a lp o p u l a t i o nh a sb e e na tt h et o po ft h ew o r l d .I th a sb e e np r e d i c t e d t h a tt h ep r e s b y c u s i sp a t i e n t sw i l li n c r e a s e.H e a r i n ga i d sc a ni m p r o v eh e a r i n gl o s sc a u s e dbyt h ep r e s b y c u s i s . However ,t h es a l e so fh e a r i n ga i d sp e ry e a ri nt h eJ a p a n e s em a r k e th a v eb e e ns m a l lcomparedw i t ht h o s ei n Ame r i c aa n dE u r o p e .T h e r ei sa l s oal a c ko fa w a r e n e s sa b o u th e a r i n ga i d si nJ a p a n. T h i ss t u d yf i r s t l ye x a m i n e d a w a r e n e s sa b o u th e a r i n ga i d samongt h es t u d e n t swhoa r er e g i s t e r e di nt h es p e e c h l a n g u a g e h e a r i n gs c i e n c e c o u r s ei nt h ef a c u l t yo fp h y s i o l o g i c a la n dp h y s i c a ls c i e n c e. T h e r ea r eafews t u d e n t swhosef r i e n d so rr e l a t i v e s h a v ewomh e a r i n ga i d s,a n dmanys t u d e n t su n d e r s t a n dt h a th e a r i n ga i d sa r er e a s o n a b l ea n dc o m p a r a t i v e l y d u r a b l e .However , h e a r i n ga i d sa r ee x p e n s i v ea n di m p o s s i b l et ou s ef o ra ne x t e n d e dp e r i o do ft i m e .Thedemand f o rh e a r i n ga i d sw i l lb ei n c r e a s i n gw i t ht h ea g i n gp o p u l a t i o n .I tw i l lb en e c e s s o r yt os p r e a da na w a r e n e s sa b o u t h e a r i n ga i d si nJ a p a n . K e y w o r d s :h e a r i n ga i d, p r e s b y c u s i s, e l d e r l yp e o p l e -5 4-
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