実験編

8
実験編
−3
6−
実験部品について
実験は必ず先生の指示に従って行ってください。
実験用の部材は、一部キットに入っていないものがあります。
同梱されていない部材は、実験を始める前に先生から配られます。
はじめに
ソーラーエナジーは、太陽電池や発電機によって得られた電気エネルギーをEDLC(キャパシタ)へ蓄電し、その電力を使っ
てラジオを鳴らしたり、ライトをつける事ができます。この「ソーラーエナジー実験編」では、「1.電気エネルギーを作り
出し利用する方法を学ぶ」「2.エネルギーの現状の理解によってエネルギ−問題への関心を持ち、省エネルギ−を実行する
姿勢を育成する」「3.電気の安全な利用法を学ぶ」これらの3つをテ−マに実験・考察などを行います。
(1)実験の用意
実験は、キットの部品と「グループで使用する部品」を使用します。
●部品を実験中に紛失しないように注意しましょう。
●「グループで使用する部品」は、特に大切にしましょう。
● 実験時、発電機のハンドル回転数は5秒間で5∼8回転を目安にして下さい。
■グループで使用する部品(予備部品と一緒に、30入ケースに1セット入っています)
モータ(直流)
豆球
LED
みの虫クリップ付きリード線 赤2本・黒1本
ダイオード IN4001
茶黒茶金
豆球ソケット
固定抵抗器 100Ω
−3
7−
1.電気をつくってみよう(発電のしくみ)
実験(1)太陽電池の電力を測定しよう。
回路図
この実験では、太陽電池の発電能力(電力)をLEDと回路計を使
用して目で確認します。
※電力の公式は W(電力)=A(電流)×V(電圧)です。
実体図を参考に、テストリード線で接続します。
屋内と屋外で試してみましょう。
電圧計
V
A
電流計
A
K
実体配線図
P7
電圧計
黒棒
P7
A(アノード)
P8
K(カソード)
黒棒
電流計
P8
赤棒
赤棒
問1 屋内での測定の結果は何ワットでしたか。
約 5∼7m
) (参考値)
値は5月の晴天の日、明るい室内です→( W
問2 屋外での測定の結果は何ワットでしたか。
値は5月の直射日光をあてたものです→( W
約 150∼180m ) (参考値)
問3 LEDの光りかたは屋外では(明るく・暗く)、屋内では(明るく・暗く)、発生する電圧と電流に(比例・反比例)している
ことがわかる。
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−3
8−
実験(2)太陽電池の電力でモータを回そう
この実験では、太陽電池の電力でモータを回転させ
ます。
先に測定した電力をもとに何枚の太陽電池(と光)
があれば直流モータRE-140を回すことができるかを
実験によって確認します。
P7
P7
回路図
P7
P8
P7
P8
実体配線図
P8
P8
A(アノード)
K(カソード)
P7
直流モータ
P7
P8
P8
A(アノード)
3.2±0.5V
K(カソード)
40∼50m
3.2 )、電流は( A
45m )だった。
問1 先の実験で、晴天のとき太陽電池の発電する電圧は( V
3
問2 ここから、( 枚)の太陽電池を( 直列 並列 )に接続し、( 晴天 曇り )の条件下で実験を行った結果、
モータは回転した。 太陽光の照射条件がよいときは、2枚の太陽電池でも回転することがあります。
−3
9−
実験(3)三相交流電圧を測定しよう
【重要】
回路図
交流測定電圧は、一応の
目安であり回転速度に
よって変化します。
この実験では三相交流発電による電気エネルギーの発生を目で
確認します。
発電機にハンドルを取り付けます。(実験が終わったら外します。
ビスを紛失しないように注意しましょう)
発電機からの3ピンコネクタをジャックMTに接続します。
実体配線図を参考にテストリード線で接続します。
回路計の測定レンジをACVの30Vにセットしてハンドルを回して
みましょう。
回路計の針が振れることで電気エネルギーの発生を確認できます。
回路計1 回路計2
GS
3
早く回しますと、もっと
高い電圧を測定すること
ができます。
三相交流
発電機
それにこだわり、発電機
を壊すことのないように
ご指導下さい。
回路計3
10秒間に早くても20回転
くらいまでにとどめるよ
うにご指導下さい。
実体配線図
黒棒
赤棒
C
0
5
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
赤棒
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
M
T
D
0
8
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
Z
D
0
1
−
+
C
0
1
赤棒
黒棒
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
P
3
P
2
D
6
D
3
足の長い方
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
黒棒
問1 発電機のハンドルを右に回すと、回路計は何ボルトを示しますか。
5
( V
)
問2 発電機のハンドルを左に回したときは何ボルトを示しますか。
( V
)
5
問3 発電機のハンドルを回したとき、回路計1∼3の指示値は何ボルトを示しますか。
( 1 )(
2 )(
3 )
5
5
5
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
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0−
実験(4)交流を体験しよう
回路図
この実験では、直流モータを使って交流と直流の違いを体験し
ます。
まず、ボール紙で回転確認用羽根を作ります。
押しピンやコンパスの針で穴をあけ、直流モータのシャフトに
差し込みます。
GS
3
三相交流
発電機
基板にコネクタM
T
を接続し、P
1
・P
2
・P
3
のどれか2
つにテストリー
ド線をつなぎます。
回転確認用羽根
実体配線図
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
−
+
C
0
1
足の長い方
14mm
8mm
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
問1 発電機のハンドルを右に回すとモータはどのように動きますか。
A=回転した B=回転せず、振動した
( )
B
問2 発電機のハンドルを左に回すとモータはどのように動きますか。
A=回転した B=回転せず、振動した
( )
B
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
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1−
実験(5)直流に変換しよう
回路図
この実験では、ダイオードの整流作用を使って交流の電気エネ
ルギーを直流に変換したのち、動力に変換します。
A
実験(4)の回路の間にダイオードを取り付けます。
ダイオードは発電機側をA(アノード)とします。
K
GS
3
実体配線図
三相交流
発電機
−
+
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
−
C
0
5
L
4
D
0
7
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
M
T
D
0
8
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
Z
D
0
1
−
+
C
0
1
足の長い方
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
K(カソード)
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
A(アノード)
問1 発電機のハンドルを右に回すと直流モータはどのように動きますか。A=回転した B=回転せず、振動した ( )
A
問2 発電機のハンドルを左に回すと直流モータはどのように動きますか。A=回転した B=回転せず、振動した ( )
A
問3 クリップのアノードとカソードを入れ替えてハンドルを回すと直流モータはどのように動きますか。
A=同じ方向に回転した B=回転せず、振動した C=回転方向が逆になった ( )
C
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
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2−
2.電気回路のしくみ
(1)電気回路の構成
電気回路は一般的に右の図のように電源、導線、負荷、
スイッチの四つの要素で構成されています。
導線
電流の通り道
電源
白熱球、蛍光灯
F
負 荷
0
ジャンパ線、リード線
1
導 線
F
V
発電機、ニカド電池
0
3
.
2
負荷に電流を流
そうとする部分
・リード線・スライドスイッチ・蛍光灯
電 源
1
V
発電機・白熱球・ジャンパ線・ニカド電池
3
【語句】
.
2
問 次の電気部品は電気回路の中でどの構成要素に含
まれるでしょうか。
右図を参考にして、下表の空欄に書き込みましょ
う。
負荷
電流のはたらきで
仕事をする部分
スイッチ
電流の流れを制御する部分
スイッチ
スライドスイッチ
電気の流れについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/denki/flash.htmをご覧下さい。
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3−
(2)電気の流れる道すじと回路図
先の実験(5)でどこかのクリップを外した(=スイッチの代わり)場合は電気の流れる道筋がさえぎられるため、電流は
流れず、発電機の負荷(モータの電気抵抗)がなくなり、ハンドルは軽く回ります。
このクリップを使って接続し、ハンドルを回すと重くなります(注)。
このように、電流が流れ負荷が仕事する状態になるには電源の一方の端子から、もう一方の端子まで電流の流れる道すじが
必要です。この道すじを電気回路といいます。
電気は電源の片側から出て、もう片側に戻るように流れると約束されています。
(注)
これは車が坂道を下るときに利用するエンジンブレーキに似ています。
エンジンブレーキとはブレーキそのものではなく、ピストンの上下やクランクシャフトの摩擦抵抗などが車の速度を落
とすことをいいます。エンジン自体がブレーキの役目をするのです。
ここでスイッチにあたるのはクラッチです。クラッチを切るとエンジン
内の負荷がなくなり、車の降下速度は早くなります。
A
実験(5)
K
問 実験(4)の回路図に電流の流れる方向を矢印で書きこんでみましょう。
GS
3
電気回路を図記号を用いて表したものを回路図といいます。
回路図を表すための図記号には主に下図のようなものがあります。
コンセント
電池または直流電源
LED
三相交流発電機
電源プラグ
スイッチ(単極単投)
抵抗器
図記号にはその他にも色々な表現があります。図記号の新旧の比較についてはナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/zukigo/pdf/zukigo.pdfをご覧下さい。
−4
4−
(3)電圧と電流の関係
●電流を流そうとする力を電圧といい、記号はE、単位にはV(ボルト)が使われます。
●電流の記号は I、単位にはA(アンペア)が使われます。
●電流の「流れにくさ」を電気抵抗または抵抗といい、記号は R、単位にはΩ(オーム)が使われます。
オームの法則
(電気の流れ略図)
抵抗器
抵抗 R[Ω]
電流を水の流れに例えると
R〔Ω〕の抵抗に、電池などによって
E〔V〕の電圧を与えたとき、流れる
電流I
〔A〕のそれぞれには次のよう
な関係があります。
これをオ−ムの法則といいます。
水位の差
バルブ
電圧(E)
電流(I)=ーーーーーーー
抵抗(R)
水の流れでは
電流 I[A]
この式を変形すると、
電圧 E[V]
電池
問
電圧(E)=抵抗(R)×電流(I)
電圧(E)
抵抗(R)=ーーーーーーー
電流(I)
整流後の直流5Vのとき、回路に流れる電流は
何アンペアでしょうか。
(ダイオードは整流用で、挿入損失は無視
するものとします)
0.05
(答)( A
)
A
電気を流そうとする
力は電圧
水の流れている
量は水量
電気の流れている
量は電流
バルブは水の流れを
じゃまして水量をかえる。
抵抗は電気の流れを
じゃまして電流をかえる。
K
GS
3
100Ω
A
※整流後に5Vになるのは半波整流を行っているからです。半波整流についてはP52をご覧下さい。
−4
5−
電気回路では
水を流そうとする力は
水位の差(=水圧)
電気がどのように流れるかについて、
わかりやすいアニメーション教材を
ご用意しています。
ナガタックのホームページ
www.nagatac.co.jp/denki/flash.htm
をご覧下さい。
(4)抵抗のはたらき
電気回路には負荷(抵抗)がないと短絡し、一瞬のうちに大量の電流が流れてしまいます。また負荷のある場合でも、その負
荷の仕事量以上の電力が供給されると、負荷にあたる部品が破損することがあります。負荷にあった電力を供給するために
は抵抗を回路内に接続して電流を調整します。
その調整用の抵抗値は、 抵抗値=電源電圧÷ 負荷に必要な電流 で求められます。
問 右の回路に20Vの電圧をかけ、50mAの電流を流して、
LEDを正常に(破損しないように)点灯させるためには、
何Ωの抵抗が必要になるでしょうか。
(Ω)
R
20V
50mA
400
(答)( Ω)
覚えておこう
+
−
電源
電流測定と電圧測定の方法
回路中の電流や電圧を測定するときには回路計(テスタ)を使用します。
このとき、回路計で測定するのが電圧なのか、電流なのかで回路計の接続
方法が異なるので注意が必要です。
+
−
電圧計
電圧を測定するときには負荷と並列に接続します。
電流を測定するときには負荷と直列に接続します。
+
電圧は「電位差」、電流は「量」を測るのだと覚えておきましょう。
−
電流計
負荷
※抵抗器についてはP5をご覧下さい。
−4
6−
3.直流と交流について
(1)電池のしくみと種類
電池は直流電源です。電池は使い捨ての「一次電池」と繰り返し使える「二
次電池」に大別されます。いずれも電気を蓄えておくのではなく内部の化学
反応によって電力を供給します。
一次電池の代表的なものとしてマンガン電池・アルカリ電池・リチウム電池
があります。
二次電池にはニッケルカドミウム蓄電池(ニカド電池)、ニッケル水素蓄電池、
リチウムイオン蓄電池などがあります。
ニカド電池の構造は、プラス極にオキシ水酸化ニッケル、マイナス極に金属
カドミウム、電解液に水酸化カリウム水溶液を用いたもので、大量放電に強
く、繰り返し充電可能で長寿命、ランニングコストも低いという利点があり、
広く利用されています。なお構造の特性上、40℃以上での使用、充電および、
5℃以下での充電は破裂の危険があるので避けて下さい。形状は円筒形のも
のが一般的です。
マンガン乾電池の構造
キャップ
(+)
絶縁リング
鉄のケース
亜鉛缶
(一)
電解液+減極剤
炭素棒
(+)
底板
(−)
また最近では負極にカドミウムではなく水素吸蔵合金を使用した、より高性
能なニッケル水素蓄電池や二重層コンデンサ(EDLC)も利用されるようにな
りました。【EDLCについてはP10をご覧下さい】
電池の種類(一次電池)
名 称
一次電池
(使い切る
電池)
電池の種類(二次電池)
公称電圧
用 途
名 称
マンガン乾電池
1.5V
懐中電灯、トランジスタラジオ
アルカリ乾電池
1.5V
ラジカセ、ヘッドホンステレオ
リチウム電池
3V
カメラ、電子手帳
酸化銀電池
1.4V
電子式腕時計、露出計
空気電池
1.4V
補聴器、ポケットベル
ニッケルカドミ
ウム蓄電池
二次電池
ニッケル水素
蓄電池
(繰り返し
使える電池) 鉛蓄電池
リチウムイオン
蓄電池
公称電圧
用 途
1.2V
ラジコン、コードレス電話
ヘッドホンステレオ
1.2V
ビデオカメラ、
ポータブル CDプレーヤ
12V
3.6V
自動車
ノートパソコン、携帯電話、
ビデオカメラ
電気の流れについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/denki/flash.htmをご覧下さい。
−4
7−
覚えておこう
電池の容量
同じ1
.
5
V
の起電力をもつ乾電池でも、単1
乾電池(R
2
0
P
/UM-1)と単3乾電池(R6P/UM-3)とでは取り出せる
電流の総量がちがいます。この取り出せる電流の総量
を電池の容量といい、電流(A)×時間(h)で表わすこと
ができます。
豆電球
左と同じ
豆電球
電池の電力量
電池の電力量は取り出せる電力の総量のことをいい、
(電池の容量×電圧)で求められます。
短時間しかつかない
長時間ついている
ニカド電池を長持ちさせるひけつ
電池と環境
ニカド電池は中途半端な充放電を繰り返すと、電池の中
で金属原素が合金を作って、放電のときに反応を阻害し、
放電電圧が下がり容量が低下します。これをメモリ効果
といいます。
できるだけ完全充電・完全放電を繰り返すように使用す
るのが長持ちさせるひけつです。
パソコンや携帯電話など利用されるリチウムイオン蓄電
池はメモリ効果がない電池です。
今後電池をめぐるわたしたちの課題としては、一次電池の
大量使用をおさえ、二次電池の比率を高くして補うことと、
電池の回収とリサイクルを促進することによって省資源化
をはかることがあげられます。
特にニカド電池は重金属のカドミウムを含み、廃棄すると
環境への影響が大きいのでリサイクルを心がけて下さい。
ソーラーエナジーに使用しているEDLCは、主材料にプロピ
レンカーボネイトを使用し、毒性がなく、燃性が低いので
安全です。
また、使用回数や寿命の面でも一次電池や二次電池(ニカ
ドや鉛電池)などと比較して優れています。一度作ると物
理的に故障しない限り半永久的に使用できるので、環境に
優しい新エネルギー源といえます。
なお、EDLCにメモリ効果はありません。
電気を蓄えて利用するしくみや電子部品については、新電源、EDLC、LEDのアニメーションをご用意しています。下記アドレスをご覧下さい。
【新電源について】www.nagatac.co.jp/shindengen/flash.htm 【EDLCのしくみ】www.nagatac.co.jp/edlc/flash.htm 【LEDのしくみ】www.nagatac.co.jp/
L
ed/flash.htm
−4
8−
(2)交流
交流発電機のつくる交流電流では、電圧は+側と−側を交互に入れ替わります。
この電流と電圧の関係はオシロスコープで見ることができます。
覚えておこう
日本の家庭では100ボルトの交流が使われています(注)。
c
+V
日本では1秒間に60(または50)回、+と−が入れ替わります。
これを周波数60Hz(50Hz)の交流といいます。
a
時間(電流)
0V
Hzとは交流の周期の単位でヘルツと読み、
周波数の単位となります。
b
−V
a: +の最大電圧 b:−の最大電圧
c: 周期
日本では家庭に送電されている電気が
60Hz交流の地域と
50Hz交流の地域があります。
5
0
H
z
地区
5
0
H
z
・6
0
H
z
混在地区
6
0
H
z
地区
(注) 工業用としては2
00Vも供給されています。
−4
9−
(3)発電機のしくみ
ソーラーエナジーに搭載している発電機の原理
三相交流発電機のしくみ
ソーラーエナジーの発電機は、磁石間のコイルを回転させるという従来の方法ではなく、コイルを固定して磁石を回
転させる方法で発電しています。(図1)この方式は、コイル電極の整流子端子が必要ないため、ノイズが発生せずラ
ジオに妨害を与えません。また、発電機の中でもっとも消耗の激しい整流端子をなくすことで、寿命を延ばすことが
できます。
簡易の手回し式発電機は、コイルを単相(2相ともいいます)に巻いた方法が多いのですが、ソーラーエナジーは発電
効率を上げるため、三相に巻いた方式をとっています。(図2)
コイルが三つの相に巻いているため、交流は3つの波が120°ずつ遅れて発生していきます。(図3)
これを三相交流といい、単相に比べて効率よく発電ができます。
(図1) コイルを固定して磁石を回転
させる方法で発電している。
S
(図2) 三方向のコイルに
回路がつながっている。
N
L1 L2 L3
L1
S
N
L3
(図3) 交流は3つの波が120°ずつ
遅れて発生している。
+V
L2
0V
−V
S
L1
L2
N
L3
磁石(永久磁石)は導線とつながる必要がないので、
可動接点(整流端子)がありません。
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−5
0−
(4)太陽電池の仕組みと種類
太陽電池の構造
電極
反射防止膜
n
型シリコン
p
型シリコン
電極
負 荷
太陽電池には、大きく分けて、1)単結晶型、2)多結晶型、3)アモルファス型、
4)ハイブリッド(単結晶・アモルファス結合型)があります。それぞれに特徴を持っ
ており、変換効率(太陽電池面積と出力に関係)、重量、価格等が異なっています。
ソーラエナジーは、効率の良い「多結晶シリコン型太陽電池」を使用しています。
シリコン結晶系太陽電池の例
覚えておこう
太陽エネルギーは、2
4
%∼3
0
%程度の変換効率しかなく、
しかも天候によって、さらに悪化するという効率の悪さ
があります。しかし、無限の光エネルギーと天候の変化
による発電量の低下があっても、それを補う充電装置と
組み合わせることで、実用性の高いものが出来ます。
それが、ソーラーエナジーの採用している太陽電池とキャ
パシタの組み合わせなのです。
キャパシタ(EDLC)は、ニカドやニッケル水素電地など
とは異なり、電圧が低くても、その電圧まで充電するこ
とが可能なのです。最近の太陽電池は、曇りの日でも電
流量は少ないものの規定電圧まで発電します。
それは、時間さえかければ曇りの日でも規定の電圧まで
充電できるということになります。
例えば、ソーラーエナジーの場合、キャパシタの充電容
量は2.3Vまで可能です。
2.3Vまで可能ということは、充電電圧が1.5Vであった場
合、キャパシタは1.5Vまで充電します。
つまり充電電圧0V∼2.3Vの間であれば、その途中の電圧
であっても充電が可能です。回路に逆流防止用のダイオー
ドさえ入れておけば、例えば充電電圧が1.8Vに電圧が上
昇した場合1.8−1.5=0.3V分を追加充電することが出来
ます。規定電圧の2.3Vまでであれば何回に分けても追加
充電が出来るのです。ニカドやニッケル水素電池の場合は、
充電電圧が規定電圧より高くなければならず、しかも充
電中に充電を止めるか、充電電圧が規定電圧より下がると、
それらは充電回数に加算され、寿命がどんどん短くなる
のです。それに対してキャパシタは物理的に故障しない
限り寿命はありません。
太陽電池のような不安定な発電を繰り返す発電素子の蓄
電装置として、キャパシタは最適なのです。
※この組み合わせは世界特許となっています。ソーラー
エナジーは、教材用にこの特許の使用権を得た上で製作
され、さらに用途による特許を申請中です。
太陽電池については、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/animation/swf/solar.htmをご覧下さい。
−5
1−
(5)ダイオードの整流作用のしくみと半波整流
回路図のように接続し、オシロスコープでa-c間の波形を見
るとプラスとマイナスを交互に行き来する波のような形状を
確認することができます(図1=サイン波といいます)。
b-c間の波形を見ると、マイナス側の波がなくなって、プラ
ス側だけの波になっています(図2)。
ダイオードは交流のプラス部分を通し、マイナス部分を通さ
ないので、プラス側の波だけが表示されるのです。
(図 1 a-c間の波形)
a
b
+V
0V
負荷
交流
電源
−V
c
(図 2 b-c間の波形)
+V
これをダイオードの整流作用といいます。また、交流の半分
を整流することから、これを半波整流と呼びます。
0V
−V
(6)全波整流と平滑コンデンサ
(図 3 d-e間の波形)
d
全波整流
回路図のように接続してd-e間の波形を見るとプラ
ス側に連続する山のようになっています(図3)
+V
負荷
0V
−V
交流電源は、プラスとマイナスが交互に入れ替わ
ります。図Aでは交流電源の上がプラス側、図Bで
は上がマイナス側になっています。
このようにダイオードを複数個(この図では4個、
エナジー君では6個)使用して全部の電圧をプラス
側にすることを全波整流といいます。
e
(図A 時計回り、 の部分)
半波整流では電圧は半分程度に下がりますが、全
波整流では電圧低下が少ないので、有利になります。
(図B 反対回り、 の部分)
+
−
−
+
※コンデンサについてはP6を参照して下さい。
ダイオードについてはP7を参照して下さい。
−5
2−
平滑コンデンサ
図2の半波整流は脈流です。図3の全波整流も脈流
成分が残ります。単にモーターを回転させたり、
LEDを点灯させるだけなら脈流や脈流成分があって
も使用上問題はありません。
しかし、ラジオやステレオに使用すると、音や信
号に混ざって「ブーン」というノイズが聞こえて
きます(ハム音といいます)。
これを軽減するには、コンデンサの充放電する性
質を利用します。
(図 4−1)
+
+
C
−
(図 5 コンデンサが谷を埋める)
+
V
−
+V
(a)
0V
(図 4−2)
−V
+
+
(図4−1)や(図4−2)のように直流側にコンデ
+
−
V
ンサを並列に接続します。このコンデンサは、図1
C
−
や図2の山の部分で充電し、谷の部分で放電します。
結果的に電圧の谷(a)の部分をうめる働きをする
ことになり、脈流・脈流成分を軽減し完全な直流に近づけることができます(図6)。
このような使い方をしたコンデンサを「平滑コンデンサ」と呼びます。
(図 6 平坦化した)
+V
0V
−V
(7)電圧安定化回路
(図 7 完全直流化)
より完全な直流を求める場合は、電圧安定化回路を使用します。
電圧安定か回路とは、規定電圧以上の入力電圧が加わったときに対して、常に出力
電圧を一定に保つ回路のことです。回路はトランジスタとツェナーダイオードの組
み合わせで構成されています。
ソーラエナジーの電圧安定化回路は、5V以上の電圧を常に5Vに保ちますが、5V以下
の時は入力に対して変動します。
+V
0V
−V
【交流を直流に変更して利用する理由】家庭で使用される機器は制御回路に半導体を使用しています。半導体は直流でしか動作しない
ので、変換が必要になります。一方、発電する側は交流発電機の方が発電効率と送電時の効率がいいのです。
−5
3−
4.電気を光に変換するしくみ
実験(6)電気を光に変換する仕組み(LED)
回路図
100Ω
実体図を参考にテストリードを使って配線します。
ハンドルの回転速度を変化させてみましょう。この実験で発
電機が作り出した電気エネルギーを光に変換したことがわか
ります。
A
GS
3
※ LEDは直流で点灯するはずなのに、なぜ抵抗とH.B.LEDだ
けの回路に交流を流したとき点灯するのでしょう。考えてみ
ましょう!ヒント:回路記号をよく見ましょう。
H.B.LEDまたは
φ5赤色LED
K
三相交流
発電機
【ライトユニットの仕様】
ソーラーエナジーのライトユニットには高輝度L
EDが5個
搭載されていますが、実験用端子からは1個のLE
Dにしか
接続されていません。
実体配線図
A
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
5
+
P
4
C
0
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
K
+
L
4
D
0
7
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
M
T
D
0
8
D
0
9
R
0
3
R
0
2
+
C
0
1
C
0
2
Z
D
0
1
−
D
3
足の長い方
A(アノード)
K
(カソード)
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
茶 黒 茶 金
問1 発電機のハンドルをゆっくり回転させたときと、少し早く回転させたときとH.B.LEDの明るさはどのように変化
しましたか?( ) 問2 正しい語句を選び記号に○を入れましょう。ハンドルの回転方向を反対にしたときは、(点灯した・点灯しなかった)
電気を光に変換するしくみについては、LED、白熱球、蛍光灯のそれぞれをアニメーションでご用意しています。下記アドレスをご覧下さい。
【白熱球のしくみ】www.nagatac.co.jp/bulb/flash.htm 【LEDのしくみ】www.na
gatac.co.jp/Led/flash.htm 【蛍光灯のしくみ】www.nagatac.co.jp/fl/flash.htm
−5
4−
実験(7)電気を光と熱に変換する仕組み(豆球-1)
回路図
1
)光に変換するしくみ
実体図を参考に、豆球をテストリード線で接続します。
P1・P2・P3のいずれか2つを使用します。極性はありません。
ハンドルをゆっくり回転して、光りかたを見ながら少しずつ
早く回転させてみましょう。
この実験で発電機が作り出した電気エネルギーを光に変換し
たことがわかります。
GS
3
三相交流
発電機
【注意】
極端に明るく(光が白く)なるまで早く回転させないで下さ
い。豆球が切れてしまいます。
実体配線図
P1 P2 P3
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
−
+
C
0
1
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
−5
5−
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
足の長い方
3.8V
豆球
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
4.電気を光に変換するしくみ
実験(8)電気を光と熱に変換する仕組み(豆球-2)
2)熱に変換するしくみ
先の光に変換するしくみの実験と同じ回路を使います。
今度は、2人で組を作って、回転させる側と体験する側に分
かれて行います。
回転させる側の人は、出来るだけ一定の速度で回転させて、
明るい光の時と暗い光の時とを持続させます。
体験する側の人は、豆球を指先でつまんでいて下さい。
実体配線図
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
−
+
C
0
1
足の長い方
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
問1 正しい語句を選び記号に○を入れましょう。
発電機をゆっくり回転させると豆球は(A:明るく B:暗く)光り、指先に感じる温度は(C:低く D:高く)、早く回転させ
ると(E:明るく F:暗く)なり、明るさと指先に感じる温度は、ハンドルの回転する早さに(A:反比例 B:比例)する。
問2 正しい語句を選び記号に○を入れましょう。
発電機のハンドルを回転させたとき、実験(4)のLEDのときと比べてハンドルの重さは(A:重くなった B:変わらない C:軽
かった)。※理由を考えてみましょう。 豆電球の方が大きな電流を必要とするから。
−5
6−
◆電気を光に変換するしくみ、電球やLED
(H.B.LED)の性質について下記の文章の( )内の適当な語句を⃝で囲もう。
我々の生活に身近な光には太陽光や、たき火のように物質を(燃焼・発光)させてつくる光がある。現在では電気エ
ネルギーを利用して、明るい光を得ることができる。電流を白熱球や豆電球のガラス球内の(フィラメント・ソケッ
ト)に流し、その発熱によって発光させている。
また、その他の電気を光に変換する機器として(蛍光灯・アイロン・電気スト−ブ)がある。
豆電球には極性がなく、どちらから電流が流れても点灯する。
LEDは、(電流・熱)を流すと発光するという半導体の性質を利用した発光体である。逆に光を電気に変換させる部材
もある。代表的なものは(発電機・太陽電池)である。
LEDには極性が(なく・あり)、(どちらから電流が流れても・順方向に電流が流れた時のみ)点灯することがわかる。
◆教科書を参考にしながら電気を光に変換する機器や仕組みについて学習してみよう。
−5
7−
ソーラーエナジーに搭載されているギヤボックスにはギヤが3
枚内蔵されています。ここではハンドル側から第1、第2、第3
ギヤと呼ぶことにします。
呼称
第1ギヤ
枚数(歯数) 1枚式(45)
第2ギヤ
2枚式(10、45)
(ギヤの歯数と回転数の関係)
歯数が45のギヤとは、1周に45の歯がついているわけですから、
逆に考えると45枚歯が動いて1回転する、ということになります。
これを式で表すと、回転数=1/歯数となります。
第3ギヤ
1枚式(10)
先ほどの「歯数10、45」のギヤでは、小さい側のギヤは10枚、
大きい方のギヤは45枚、歯が動いて1回転します。2枚のギヤは
一体になっているのだから、このギヤは1枚で回転速度を4.5倍
に変換することができると考えられます。
(各ギヤの仕様)
第1ギヤと第3ギヤは1枚式、第2ギヤは2枚式です。速度調節の
ために使用するギヤは、中間ギヤ(ここでは第2ギヤ)が2枚式
である必要があります。
仮に、中間ギヤに1枚式のものが使用されていれば、そのギヤ
は回転方向を逆転させる目的に使われているものと想像できま
す。また、ギヤの枚数が奇数(3枚)なので、第1ギヤを回すと、
第3ギヤは同じ方向に回転します。この場合はギヤが何枚式か、
ということは関係しません。
ダイナモ側
ハンドル側
(ギヤの歯数について)
第2ギヤの歯数は「10、45」の2枚式です。
これは歯数の異なる2枚のギヤを一体にした構造になっていて、
小さい方のギヤは10枚(10歯、ともいいます)分、大きい方の
ギヤでは45枚分動くと1回転することを意味します。
第1ギヤ 第2ギヤ 第3ギヤ
動力伝達の方向
(内蔵ギヤボックスのギヤ比)
45を10に、45を10に、動かす歯数の変化をさせているので、式
で表すと、10/45×10/45(歯数の変化)となります。これを速
度からみると、45/10×45/10(速度の変化)、計算すると
20.25となり、このギヤボックスのギヤ比は1対20.25というこ
とになります。
動力を変化させる方法については、わかりやすい
アニメーション教材をご用意しています。
ナガタックのホームページ
www.nagatac.co.jp/move/flash.htmをご覧下さい。
ダイナモ側ギヤの歯数が10だとすると、ハンドル側は歯数200のギヤが必要になります。
周囲長比=直径比なので、ダイナモ側ギヤの20倍という、大きなギヤになります。
「大きなギヤが内蔵できないから」ギヤを3枚使っているのです。
6.動力を変化させるしくみ
※ギヤを2枚だけ使ってギヤ比 1対20を出そうとすると、どのような形状のギヤになるか考えてみましょう。
−5
8−
6.電気を蓄えよう(充電のしくみ)
(1)電気を蓄えよう
太陽電池の電力をキャパシタ(EDLC)に直接充電します。ここではダイオードの電気を一方向へしか流さない性質を利用して、逆流防止装
置に使用します。【逆流防止装置】発電側の電圧がEDLCより高いと充電しますが、発電側の電圧が充電されたEDLCの電圧以下になると、今
度は逆にEDLC側から発電側に電気が流れてしまいます。これを逆流といい、逆流を防止するための装置を逆流防止装置といいます。
実験(9)EDLCへ充電する様子を確認する
IN4001
A
K
回路計
+ EDLC
2.3V
10F
EDLCについてはP10を
参照して下さい。
実体配線図
K(カソード)
0
問1 充電を始める前のキャパシタは、回路計で何V指しているか確認しましょう。 ( V)
10
条件によって異なります。
問2 晴天時何分で回路計の指針は3Vになりましたか。 ( 分)
問3 太陽電池に手をかざして影を作ると、充電電圧の上昇は(A:早く B:遅く)なる。
電気を蓄えて利用するしくみや電子部品については、新電源、EDLCのアニメーションをご用意しています。下記アドレスをご覧下さい。
【新電源について】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
s
h
i
n
d
e
n
g
e
n
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
【E
D
L
C
のしくみ】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
e
d
l
c
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
−5
9−
F
A(アノード)
0
赤棒
1
+
P8
F
−
P8
0
V
3
黒棒
1
.
V
2
3
P7
.
P7
2
実体図を参考にテストリード線を使って配線します。
太陽電池を直射日光に当てます。曇天でも、よほど暗
くない限り実験することができます。
日光が照射したとき、充電が開始し回路計の指針が電
圧の上昇(充電されていく)状態を確認します。
太陽電池の上に手を置いたりして、状態の変化を確認
しましょう。
【注意】
電圧計を見ながら実験を行い、3Vになったら太陽電池
のリードを外して下さい。3Vを越え、長時間実験を続
けるとEDLCが破損することがあります。
この実験が終わったら、(2
)蓄えた電気を使おうの(光
に変換する)か(動力に変化する)の実験を行って
EDLCの電圧を下げて下さい。ショートしたりして急激
に電圧を下げるとEDLCが異常に発熱したり、破損する
ことがあります。
回路図
(2)蓄えた電気を使おう(光に変換する)
◆電気が、どのように変換され利用されているかを調べてみよう。
◆電気を光に変化する機器によって、我々の生活はどのように便利になったか考えよう。
実験(10)蓄えた電気を光に変換する
回路図
A
+
高輝度L
E
D
は、電圧が3
V
以上ないと点灯しません。この実験は、
2人で協力して行って下さい。
+
K
実験(9)で充電したEDLCを使って実験をします。実験中放
電して電気がなくなった場合は(9
)に戻って充電して下さい。
注意:EDLCを充電した状態でショートさせる
ようなことは絶対しないで下さい。
EDLCが破損することがあります。
EDLCとH.B.LEDをリ−ド線で接続してみましょう。
EDLCが1個の状態と2個の状態で試してみましょう。
実体配線図
F
0
F
1
0
1
3
V
3
.
−
V
.
2
+
2
F
1
0
3
F
.
0
2
V
3
1
.
V
2
−
+
ここでいう点灯とは、明るく点灯し、ライトとし
ての機能を有することであり、「かすかに点灯」
は「点灯」を意味していません(かすかに点灯し
ます)。
問
正しい語句に○を書き入れましょう。
高輝度LEDは、EDLCが1個のとき(点灯した・点灯しなかった)。EDLCが2個のとき(点灯しなかった・点灯した)。
電気を蓄えて利用するしくみや電子部品については、新電源、EDLC、LEDのアニメーションをご用意しています。下記アドレスをご覧下さい。
【新電源について】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
s
h
i
n
d
e
n
g
e
n
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
【E
D
L
C
のしくみ】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
e
d
l
c
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
【L
E
D
のしくみ】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
L
e
d
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
−6
0−
(3)蓄えた電気を使おう(動力に変換)
◆電気を動力に変換する機器にどのようなものがあるか考えてみよう。
◆電気を動力に変換する機器によって、我々の生活がどのように変化したか考えてみよう。
実験(11)蓄えた電気を動力に変換するしくみ
+
EDLC
直流モータ
実体配線図
F
1
0
F
3
0
.
V
2
1
3
V
.
−
2
羽根付きの直流モータとEDLCを図のように接続します。
回転方向を確認したのち、EDLCのプラスとマイナスを入れ
替えてみましょう。
実験(9)で充電したEDLCを使って実験をします。実験中
放電して電気がなくなった場合は(9)に戻って充電して
下さい。
回路図
+
また、電気部品には極性(+、−)を逆にすると、
1. 動作しなくなるもの
2. 逆の動作をするようになるもの
3. 変わらずに動作するもの
があります。それぞれに属するものを探してみよう。
問1 正しい語句を選び○を入れましょう。
実体配線図のように接続し、EDLCの接続を入れ替えたとき、
モータの動作は(回転方向は変わらない・反対方向に回転した・回転しなかった)
問2 極性によって「1.動作しなくなるもの」「2.逆の動作をするようになるもの」「3.変わらずに動作するもの」を探してみよう。
LED、ダイオード
モータ
抵抗、リード線
1.( ) 2
.( ) 3
.( ) ※実験(10)および実験(11)で学習したように、H.B.LEDや直流モータは直流でしか動作しません。
他に交流電源で動作する機器もあります。どのようなものがあるか調べてみましょう。 交流モータ、電球、蛍光灯
発電機(モータ)のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−6
1−
8.電気を情報伝達に利用するしくみ
◆身近な電気を「情報を伝えるしくみ」に利用する機器にはどのようなものがあるか考えてみましょう。
◆電気を「情報を伝えるしくみ」に利用する機器によって、我々の生活がどのように便利になったか考えてみましょう。
◆教科書を参考にしながら電気を「情報を伝えるしくみ」に利用する機器やしくみについて学習しましょう。
実験(12)
この実験は配線を完成させてから行います。
切りかえスイッチやボリューム・チューニングダイヤルなどを操作し、ラジオの音を出して、電気を情報伝達に利用する実験を行いま
す。電源は乾電池を使います。
結果と考察
ラジオ(AM/FMとも)は鳴りましたか。
ラジオはどのような仕組みで鳴っているのでしょうか。
電気と情報伝達との関係を考えてみよう。
「電気を使わない情報伝達」について考えてみよう。
−6
2−
【完成後の実験】モータを使ってラジオを聴く
◆モータはコイルと永久磁石で構成されているという点でスピーカに似ています。
モータをスピーカ代わりにしてラジオを聴く実験をしてみましょう。
P7
モータを使ってラジオを聴く
この実験を行う前に組み立てと動作を確認して下さい。
この実験は、テストポイントP6とP7を利用します。
P7
実体配線図
最初に放送を受信します。受信確認後、一度スイッ
チを切りスピーカのコネクターを外します。
次に赤のテストリードの片側をテストポイントP6に、
もう一方をモータの端子に接続します。
黒のテストリードの片側をテストポイントP7に、も
う一方をモータの片側の端子に接続します。
P6
P7
P6
AN
T
ボリュームスイッチを右方向最大にします。
P6
P8
P6
【疑似骨伝導の実験】
ひたいやほお骨など、堅いところにモータのボディー
をあてます(空いた手で耳をふさぐと聞こえやすく
なります)。
+
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
8
5
5
0
2
S
C
8
0
5
0
−
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
−
+
C
0
1
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
0
0
6
.
0
1
.
1
2
Z
D
0
2 2
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
2
−6
3−
足の長い方
【完成後の実験】スピーカに交流を流して音を出す
◆スピーカも永久磁石とコイルで構成されていますから、モータと似ています。
スピーカに交流を加えると今度は音が聞こえます。
交流の音を聞いてみよう。
回路図
【注意】
この実験は10秒以上連続して行ったり、極
端に早く回したりしないで下さい。スピ−
カが壊れることがあります。
GS
3
P7
実体配線図
P6
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
−
+
C
0
1
足の長い方
C
0
5
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
実体図を参考に接続して、発電機ユニット
のハンドルを回します。ゆっくり回転させ
ると低い音が、速く回転させると高い音が
出ます。
ハンドルの回転がゆっくりの時は周波数が
低く、回転が速い時周波数が高いからです。
スピーカの原理は、交流の交互に発生する
プラスとマイナスの電力を利用しています。
磁石にコイルを近づけてコイルに交流電流
を流すと、交流のプラスとマイナスよって
コイルの極性がNとSに交互に変わり磁石に
反発したり引き寄せられたりします。その
現象を利用して、コーン紙という振動板を
振動させて音を出るようにしたものがス
ピーカです。
三相交流
発電機
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−6
4−