[PDF] Sustainability Report 2013 - トヨタ自動車

いい町・いい社会
いい町・いい社会
環境への取り組み
環境への取り組み
環境への取り組み
グローバルな環境経営の推進
環境理念・方針と環境取組プラン
全世界の連結環境マネジメント対象会社カバー率
全世界の生産・販売台数に対する連結EMS対象会社のカバー率は、
グローバルな事業展開に合わせて環境への
取り組みを推進するため、連結子会社と一体
第5次「トヨタ環境取組プラン」
(2011-2015年度)
生産分野で
99%、販売分野で 90 %です。
となった連結環境マネジメント
(連結EMS)を
第5次「トヨタ環境取組プラン」は、
これからのトヨタの環境活動の方向性とあるべき姿を示し、2011年度からの5ヵ年の活動計画と目標
導入しています。
トヨタは、連結EMS対象会社
を定めたものです。新プラン策定にあたり、企業活動における環境問題リスクとビジネス機会(環境対応車の普及促進等)
という2つの観
に環境方針の立案、環境対応ガイドラインを
点から活動を整理。2020∼2030年に向けて企業に求められる環境活動の方向性を「低炭素社会の構築」
「 循環型社会の構築」
「 環境保
示し、
「 環境5ヵ年取組プラン」の策定と推進、
全と自然共生社会の構築」の3大重要テーマに分類し、地球環境と調和したモノづくり、
クルマづくりと商品およびサービスの提供を通じ
環境マネジメントシステムの構築、各国・各地
て、社会、地球の持続可能な発展に寄与します。
域でトップレベルの環境対応を要請。また、優
グローバルな環境経営の推進体制
北米環境委員会(2004∼)
欧州環境委員会(2002∼)
中国環境委員会
(2007∼)
トヨタ環境委員会
(1992∼)
秀事例の展開や情報交換を通じ相互関係を
強化しています。
3Rを通じた資源循環の推進
温室効果ガス排出量の大幅な削減
低炭素社会の構築
豪亜環境委員会(2007∼)
循環型社会の構築
南ア環境委員会(2008∼)
第5次「トヨタ環境取組プラン」
南米環境委員会(2006∼)
環境保全と自然共生社会の構築
自然の恵みの享受と継承
社会貢献活動
環境マネジメント
トヨタ環境活動助成プログラム ケニアの環境保全活動
「トヨタ環境活動助成プログラム」では、NPO法人「道普請
環境についての理念と方針は、1992年に制定された「トヨタ基本理念」
(1997年改訂)のもと、環境に対する取り組み方針を「トヨタ地球環境
2011年に発表した
「トヨタ グローバルビジョン」の中で環境については、
「地球環境に寄り添う意識を持ち続けること」
としています。
こうした理念・
再資源化業者
廃棄 リユース
廃棄物
(シュレッダー
ダスト、
原材料
バッテリー等の
廃部品、
廃油等)
方針に基づき、2015年度には、グローバルでのトヨタ車の平均燃費を
2005年度比25%向上を目指し、併せて2015年末までに21車種のハイ
ブリッド車の新型・モデルチェンジ車を市場に投入します。また、PHV、
温暖化
(CO2)
省資源
(梱包材等)
調達 環境負荷物質
リサイクル
憲章」
( 1992年策定、2000年改定)として定め、全世界の連結事業体
562社で共有しています。
部品・資材サプライヤー
開発
設計
使用
温暖化
(CO2、HFC)
大気への排出
(HC、
CO、
NOx、PM等)
EV、FCVについても並行して開発を進め、お客様にとって最適なエコ
物流
資源
採取
生産
燃料 エネルギー
お客様
水
温暖化
(CO2)
大気・水域への
排出、
騒音、
臭気、
廃棄物等
物流 温暖化
(CO2)
省資源
(梱包材等)
山系の森林再生への草の根農民からのアプローチ」への助
成を行いました。
このプロジェクトは、ケニア西部の山間地に
おいて、農民グループを苗木生産業者とし水源地になってい
る天然林を再生させるとともに、
「 土のう」を使ったテラシン
雨季に泥濘化していた道
「土のう」
で改修された道
サンバラットグループ
(低地)
での
樹木苗生産
テラシングトレーニングの実施
村で手に入る素材を使って設置された
樹木苗床
農民グループが自主的に開催したアソシエー
ション結成のためのミーティングの様子
グ(段々畑化)技術を習得させることで農地の崩壊、表土の
流出を防ぎ、環境と調和した安定的な農業が営めるようにす
るものです。
雨季に泥濘化していた道も「土のう」で改修し通年通行性を
販売店
温暖化
(CO2)
廃棄物
(メンテナンスに伴う廃オイル・部品等)
カーを選んでいただけるよう、幅広い技術開発に取り組んでいきます。
人」が行うプロジェクト、
「ケニア五大水源地のチェランガニ
確保、収穫した農作物や苗木も安定的に市場に運べるように
なりました。
このプロジェクトをきっかけに、今まで小規模で樹木苗の生
取り組み体制
産を行っていた農民グループがまとまり、組織が拡大しまし
組織・体制図(2013年6月末現在)
トヨタ環境取り組みの体系
社長を委員長とした
「トヨタ環境
●1992年制定、
1997年改訂
委員会」のもと、
「 製品環境委員
トヨタ環境委員会
会」
「 生産環境委員会」
「 資源循
委員長:豊田 社長
製品環境
委員会
生産環境
委員会
方針を検討します。関係するす
地域別環境委員会
べての部署が連携し、全社的な
資源循環
委員会
オールトヨタ
生産環境会議 など
トヨタ地球環境憲章
(環境の基本方針) トヨタグローバル
ビジョン
●1992年制定、
2000年改訂
個別年度方針、
計画(PDCA)
Sustainability Report 2013
作成審議
減、植林による水源地保全などの活動を展開する予定です。
これまでの助成実績
各種環境政策・指針
活動対象地域
アジア・太平洋
北米・中南米
アフリカ
欧州
日本
その他
合計
2012年度
8
1
0
0
10
0
19
77
19
22
7
107
1
233
トヨタ環境取組プラン
(5ヵ年)
展開
2006∼2010 第4次プラン
2011∼2015 第5次プラン
取り組みを推進します。
34
体制を強化し、自立した組織運営を目指します。 さらに薪や家畜飼料を自給することで山系への環境負荷軽
承 認
環委員会」の3つの右記委員会
を設置し、各分野の課題や対応
た。今後はさらに、年間10万本の樹木苗を安定的に販売する
トヨタ基本理念
トヨタ環境取組プラン
(5ヵ年)
各環境委員会
(製品・生産・資源循環)
年度方針、計画
*
累計
* 2000∼2012年度
Sustainability Report 2013
35
いい町・いい社会
いい町・いい社会
環境への取り組み
環境への取り組み
低炭素社会の構築に向けた取り組み
生産・物流
コラム
排出低減目標を達成、CO2排出量30.2万t
SCOPE3への対応
への深刻な影響が懸念されています。
2012年度は、積載率向上活動、モーダルシフト、物流パートナーと一体となった燃費
SCOPE3は、企業のサプライチェーン(製造、輸送、出張、通勤等)
トヨタは温暖化問題への対応を経営上の最重要課題の一つと位置づけ、エネルギー消費抑制によるCO 2 削減に、
クルマの開発・設計、
向上活動の継続等の改善により、CO2排出量0.5万tを低減し目標を達成しました。
の温室効果ガスを、直接的な排出量だけでなく、バリューチェーン
生産、物流、販売のあらゆる段階、すべての事業領域において取り組んでいます。
さらに、当初計画からの生産台数減の影響もあり、排出量は30.2万tとなりました。
を含めた企業活動全体で発生する温室効果ガスの量を見える化
仕事量(トンキロ)当たりのCO2排出量は、104.8g-CO2/t・kmとなりました。
するために設けられた新しい算定基準です。
トヨタはカテゴリー6
世界のエネルギー消費および、温暖化の原因であるCO 2 排出量は増加し続けており、気候変動とそれによる人類の生活環境や生態系
エネルギー/気候変動・温暖化に対するトヨタの基本的スタンス
開 発・設 計
生 産
物 流
の「出張」およびカテゴリー9の「輸送・配送」の2項目について
TMC物流CO2排出量の推移(国内)
販 売
(万t)
45
把握するとともに、把握するカテゴリーの拡大を検討中です。
44.0
40
35
30
27.9
26.4
26.8
’
10
’
11
当初見込み
32.1
物流量減等 ▲1.4
30.2 改善分 ▲0.5
25
0
●
燃費改善、HV、PHVを核とした
次世代車の開発
低CO2生産技術の開発・導入と日常
改善活動によるCO2低減活動の推進
● 各国、各地域の特性を考慮した
再生可能エネルギーの活用
● エネルギー起源以外の温室効果ガスの管理
●
●
輸送効率の一層の向上による
CO2低減活動の推進
●
省エネ法への確実な対応
年率1%以上の計画的なエネルギー
原単位の低減
マネジメント
’
09
’
90
’
12(年度)
(注1)CO 2換算係数は、
「ロジスティクス分野におけるCO 2排出量算定方法 共同ガイドライン
ver3.
0」
( 経済産業省・国土交通省)等を使用しています。
(換算係数はhttp://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/data/
index.htmlをご覧ください(9月末公開予定))
仕事量(トンキロ)当たりのTMC物流CO 2排出量の推移(国内)
120
2015年度燃費基準を15区分中14区分で達成
目標
実績
130
生産・物流
CO2の低減
117.6
への関心の高さから、取り組みをさらに加速させる必要があると考え、
110
CO2排出量(エネルギー起源)
と生産台数当たりの
CO2排出量の推移(工場・オフィス等固定発生源)
(グローバル)
燃費基準をクリア
113.2
108.8
800
2012年度燃費基準達成状況とトヨタ車の燃費実績
30
701
700
104.9
104.8
三者による環境マネジメントシステム
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10
’
11
’
12(年度)
認証の取得を推進することにしました。
708
718
723
759
2
アジア、豪州、
中近東、
南アフリカ、
中南米
欧州
1.5
中国
500
300
0.84
0.85
200
20
100
15
0
0.77
0.5
日本
(除くTMC)
TMC
’
01
10
0.83
’
09
’
10
’
11
0
’
12(年度)
※TMC(Toyota Motor Corporation)、国内外連結会社等 119社
(注1)2001年度の排出量を把握できない拠点は、それ以降で把握できた最も古いデータを使用
(注2)CO2換算係数は、GHGプロトコルを使用して算定
(換算係数はhttp://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/data/
index.htmlをご覧ください(9月末公開予定))
(注3)2011年度の数値に誤りがあったため訂正しました
5
601∼ 741∼ 856∼ 971∼ 1,081∼ 1,196∼ 1,311∼ 1,421∼ 1,531∼ 1,651∼ 1,761∼ 1,871∼ 1,991∼ 2,101∼ 2,271∼
(重量区分:kg)
平均燃費の向上
認証取得に向け、2012年度は全国で
コラム
14社が取り組みを行っています。
自動車生産工程で、塗装工程のCO2排出量はトヨタ全体の約20%
を占めます。特に塗装工程では送気ロスの大きい蒸気の消費量が
と位置づけ、低減活動を推進しています。具体的には、ブース空調
広瀬工場では、従来からインバータを生産していますが、2011年
で加湿冷却実施や蒸気コイルプレヒーターをガス燃焼式に転換
からはこの冷却器の製造も開始しました。
するなど脱蒸気設備化を計画的に進めています。これらの改善効
従来は、約700gの冷却器の溶接のために、6kgの治具を同時に
果を確認後、他の工場へ水平展開中です。田原第一塗装工場では、
真空中で高温に加熱しており、多大なエネルギーを必要としてい
この活動により、CO2の排出量を2009年比25%低減しています。
ました。そのため広瀬工場では、治具を使わず、大気圧下で溶接が
可能な、高速・均一加熱工法を開発しました。その結果、設備の
蒸気吸収式冷凍機を
スプレー加湿温調
電動冷凍機へ更新
導入
前処理電着工程
プレヒーター
の温水加温化
ガス燃焼方式化
1
水性プレヒート
ヒートポンプ適用
(技術開発中)
+43%
1.00
1.00
+87%
36
Sustainability Report 2013
’
97 ’
98 ’
99 ’
00 ’
01 ’
02 ’
03 ’
04 ’
05 ’
07 ’
11 ’
12(年度)
06 ’
08 ’
09 ’
10 ’
2009年度
インバータ
低減により、さらなる省エネル
0
’
97 ’
98 ’
99 ’
00 ’
01 ’
02 ’
03 ’
04 ’
05 ’
07 ’
10 ’
11 ’
12(年度)
09 ’
06 ’
08 ’
排出量を半減することができました。本工程の立ち上がり後も、
溶接時間の短縮や加工不良の
CO2
1.10
スリム化、加工時間の短縮が可能となり、冷却器製造時のCO 2
▲35%減
排出量
1.20
ハイブリッド部品 省エネ生産ラインの取り組み
の蒸気吸収式冷凍機を電動式に変更、蒸気加湿をやめ水スプレー
1.40
1.50
コラム
多いため、2011年より田原第一塗装工場を蒸気レスモデルライン
塗装工程におけるCO 2低減の取り組み
(指数)
2.00
1.30
ネッツ中京における
キックオフミーティングの様子
塗装工程でのCO2低減活動
トヨタの日本における乗用車平均燃費の推移
トヨタの日本米国欧州における乗用車平均燃費の推移
(指数)
1.50
そのうちエコアクション21については
北米
1
1.18
400
25
0
生産台数当たり原単位
(t/台)
600
トヨタ車の2012年度平均燃費
2015年度燃費基準
各区分でトヨタ車トップの燃費値
35
ISO14001やエコアクション21など第
110.1
(注1)過年度の数値に誤りがあったため修正しました。
CO2総量(万t)
900
● ガソリン乗用車の燃費基準達成車の生産台数比率は、86%
(km/L)
0
売店協会CSR研究会では、次世代環境車の販売状況や企業の環境対策
116.5
100
● 2012年度の新型車、
フルモデルチェンジ車7車種で2015年度
販売店については、2005年12月に制定した「トヨタ販売店CSRガイドラ
イン」に基づく、自主的な取り組みを推進してきました。
トヨタ自動車販
(g-CO2/t・km)
開発・設計
販売店による環境マネジメントシステム認証取得推進
蒸気レス達成時
ギー活動を継続しています。
Sustainability Report 2013
37
いい町・いい社会
いい町・いい社会
環境への取り組み
環境への取り組み
水使用量の低減
循環型社会の構築に向けた取り組み
地球上の限りある資源をどのように有効活用していくかという問題は、製造業にとって大きな課題です。
トヨタでは、40年以上前から使用
済み自動車のリサイクルを行うバリューチェーンを構築するなど、資源生産性を念頭に、生産拠点・非生産拠点における資源有効活用や
水使用量低減活動の推進を通して循環型社会の構築にいち早く取り組んできました。現在では、開発・設計、生産・物流、販売、廃棄の4
水使用量(車両組立工場)
と生産台数当たりの水使用量の推移
(グローバル)
水使用量
(百万m3)
35
30
28.5
28.1
27.3
ステージで資源循環、
リサイクルに取り組んでいます。
29.2
27.6
25
使用済み車を中心としたクルマの中長期3R活動
過去
現在
Stage 3
トヨタ生産工場の潤滑油等の処理・再生会社
1973年
「豊田ケミカルエンジニアリング㈱」
設立
クルマの触媒(貴金属)回収会社
1985年
「豊通リサイクル(株)」設立
中国
北米
4.0
未来へ向けた先駆け
レアメタル等の3R活動への進化、
そして日本から世界へ
バリューチェーン構築による
社会システムのモデルへ
廃棄段階
自動車リサイクル法対応
レアメタル・レアアース
リサイクル
開発・設計段階
販売段階
生産・物流段階
2013年
梱包容器スリム化・
リターナブル化
3.4
3.2
3.0
TMMCにおける水使用量低減
自動車生産では水使用量の大部分は塗装工程が占めています。塗装工程で
は主に洗浄のために水を利用します。カナダの生産拠点TMMCでは近年、
水使用量を低減させるため、様々な改善に取り組んできました。2012年度
はさらなる改善を目指し、各部署のチームメンバーが協力して電着塗装と
前処理工程の水使用箇所をすべて見直しました。その結果14項目ものカイ
ゼンに取り組むことができました。たとえば、pH調整、沈殿処理、フィルター
TMC
処理により、一部の洗浄水を再利用する事が可能となりました。このカイゼン
10
2.0
5
1.0
により、必要な洗浄水量の確保が可能となり、品質維持に役立っています。
この事例の他にも、スプレー洗浄用ノズルの変更による水使用量最適化、
工程内清掃頻度の最適化等の改善を継続しています。これらの改善により、
廃ハイブリッドモーターのレアアース磁石
2012年
のリサイクル
トヨタリサイクルビジョン
バンパーリサイクル
中古部品販売システム
廃バッテリーのニッケル等を抽出、
バッテリーtoバッテリー(世界初)
2010年
エコプラスチック
解体性向上マーク
日本
(除くTMC)
3.7
3.6
15
クルマのシュレッダー会社
1970年
「豊田メタル(株)」設立(世界初)
欧州
4.8
Stage 2
クルマの大量生産・廃棄時代を見据え、
世界に先駆け取り組みを開始
6.0
5.0
20
Stage 1
7.0
アジア、
豪州、
中近東、
南アフリカ、
中南米
生産台数当たり原単位
(m3/台)
コラム
同バッテリーを定置用蓄電池にリユース、
トヨタ販売店への提供開始(世界初)
0
’
01
’
09
’
10
’
11
0
’
12(年度)
この工程の生産台数あたり水使用量を35%以上低減することができました。
※TMC、国内外連結会社等 34社
※2011年度より対象会社を追加したため2011年度データを訂正
環境改善に寄与する新規事業の推進
社会との連携
花卉事業
事業会社:
(株)
トヨタフローリテック
花卉園芸総合商社の(株)ハクサンと共同で、青森県六ヶ所村に設立。
トリ
ジェネレーションシステム等、環境に配慮した大規模温室で鉢物植物(ミニ
バラ・観葉)を生産、販売。
緑化事業①
生産・物流
開発・設計
事業会社:トヨタルーフガーデン
(株)
都市のヒートアイランド現象の緩和を目的に、屋上緑化のほか、壁面緑化、駐
解体重機の導入による、
さらなる解体性向上への取り組み開始
ワイヤーハーネスなどの取り外しに広く使われるようになった解体
廃棄物の低減
車場緑化資材を活用した事業を展開。
また、省管理型コウライ芝(TM9)な
ど、
トヨタ自動車が開発した新品種を生産・販売。
廃棄物量の推移(グローバル)
廃棄物量 500
(千t)
400
重機を、自動車メーカーとしては初めて*社内開発部門へ導入し、
464
新型車両の開発段階からの評価・設計フィードバックを開始しま
200
した。
これにより、
さらなる車両解体性の向上を追求していきます。
100
0
*社内独自調査
中国
北米
成長の早いユーカリの植林事業
日本
(除くTMC)
に取り組み、2006年度までに約
TMC
’
12(年度)
(左)
壁面緑化、
(右)
TM9と在来品種比較
緑化事業②
埋立廃棄物
焼却廃棄物
逆有償リサイクル
29.5
43.4
40
39.4
36.0
事業会社:トヨタサントリーミドリエ(上海)
(有)
33.8
35
16.5
入を通して、中国の都市緑化事業を推進。
10
14.1
0
’
01
解体重機を導入し、
ワイヤーハーネス等の取りやすさを検証
38
Sustainability Report 2013
’
09
’
10
’
11
三重宮川山林プロジェクト
三重県多気郡の山林約1,700haを
25
2007年10月に取得し、50年山林
20
再生プログラムに着手。2013年
3月までに1,060haの山林で間伐
12.1
等の整備を実施。
0
’
12(年度)
(注1)廃棄物量は、生産部門、非生産部門(福利厚生施設除く)
を対象としています。
(注2)生産部門における廃棄物の集計は生産活動に伴うものを対象にしています。
(注3)逆有償リサイクル:費用を支払いリサイクルするもの。
国内の山林再生事業
30
15
15.8
植林5年経過
弁で設立し、両社保有の緑化資材・植物を販売。将来は、共同開発商品の投
30
20
として日本に出荷。
土に代わる新素材を開発・販売しているサントリーミドリエ
(株)
とトヨタが合
生産台数当たり原単位
(kg/台)
70
1,700haの植林を完了。2009年
から伐採を開始し、紙パルプ用材
TMC廃棄物量と生産台数当たり廃棄物量の推移
廃棄物量
(千t)
78.4
80
50
45」
を開発。2013年3月時点、大規模農場を中心に、約90農場で継続利用。
2011年には「豚レスキュー」を追加。2013年1月には、鶏・牛用に
「新特別
事業会社:オーストラリアン・アフォレステーション(株)
海外の
植林事業 (豪州植林事業体)
欧州
※TMC、
国内外連結会社等 119社
※対象会社で一部集計に誤りがあったため2011年度データを訂正
* 逆有償リサイクル:費用を支払いリサイクルするもの。
60
(株)
メニコンと共同で、畜産向けたい肥化促進システム
「resQ(レスキュー)
アジア、豪州、中近東、
南アフリカ、中南米
5次プランからの
新たな廃棄物指標
逆有償リサイクル*+
焼却+埋立
’
11
事業会社:トヨタルーフガーデン
(株)
急酵」を発売。
487
300
畜産バイオマス事業
(左)
花の壁、
(右)
駐車場緑化
(北京モーターショー)
適正に整備された森林
Sustainability Report 2013
39
いい町・いい社会
いい町・いい社会
環境への取り組み
環境への取り組み
TOPICS
修理交換用のプリウスバッテリーとしてリユース
「限りある資源を有効に 明日のために今日」を
合言葉にリユース・リサイクル
●
●
プリウスの発売から16年、
トヨタは、独自の回収ネットワークを構築して、
初
世界
初
オリジナル充放電装置を開発
寿命がきたセルを入替え再び交換バッテリーで再利用
再利用可能なセルを組み込み
リビルト
使用済みバッテリーのリサイクルに取り組み、3万台を回収・全量リサイクル
世界
してきました。
安価な修理交換用バッテリーとして供給
TOYOTA
ハイブリッドバッテリーには、
ニッケル・コバルト・レアアースなどの貴重な資源
が含まれています。
トヨタは、世界初のリサイクル技術を開発し、貴重な資源を
もう一度新しいバッテリーに戻して使っています。その使用済みバッテリーは
ハイブリッド車用
バッテリー
2020年代には数万個の発生が見込まれています。
トヨタは、使用済みバッテ
リーを再利用する世界初の技術も開発しました。修理交換用バッテリーとして
再利用する技術、
また太陽光発電用の定置式畜電池への再利用です。廃車の
ピークカット用の蓄電池システムにリユース
バッテリーを上手に再利用し、
エコな再生エネルギー活用も進めていきます。
また、再利用が終わった後は、金属素材リサイクルで もう一度新しいバッ
オリジナル測定器を使い、検査基準をクリアした電池を蓄電池システムにビルトインし、
エネルギーマネジメントシステムとつないで、販売店で使用する電力のピークカットを実施
● 非常時に蓄電システムから指定した器具やコンセントに給電可能
●
リユース
(再利用)
リサイクル(資源循環)
テリーに使います。
トヨタは、限りある資源を有効に使うことの大切さを常に考え、その取り組み
HV使用済み車 HVバッテリー回収
の輪を欧米ほか世界にも広げています。
そのまま組み込み
スマートグリーン
バッテリーへ
2013年度(株)
トヨタタービンアンドシステムを通じ販売開始
(活用例)
トヨタ販売店の省エネピークカット
LED照明
システム
監視/制御
空調
スマートグリーン
BEMS Pro
’
97年以降、
太陽光発電
システム
トヨタ独自の回収ネットワークを構築
国内3万台を回収・全量リサイクル
監視/制御
スマートグリーンバッテリー10
監視/制御
解体業者発生分HVバッテリー回収量予測
(千個/年)
80
70
60
スマートグリーン
カーポート
50
30
10
グループ会社の触媒回収に混載
レアメタル・レアアースへリサイクル
3万台回収
0
∼2009年 2011年
2020年
2025年
●
ハイブリッド車を販売する 海外での回収リサイクル
修理
交換
還元・粉砕・選別
回収指示
トヨタHV引取受付センター
Sustainability Report 2013
初
2010年より
新バッテリー原料として活用中
製錬抽出
水酸化
ニッケル
バッテリー
引取依頼
世界
リユースされないもの、
リユース後の使用済み電池をオリジナルのリサイクル工法で金属還元し、
もう一度新しいバッテリー製造用に資源として循環
部品供給便の帰り便で輸送
40
(2013年秋以降発売予定)
20年以降
年間数万個の回収へ
40
20
スマートグリーンバッテリー4
集荷・検査
廃車
今後 大幅増加
見える化
豊田ケミカル
エンジニアリング
(株)
検査依頼
コバルト
バッテリー
レアアース
化合物
(24時間受付)
住友金属鉱山(株)
Sustainability Report 2013
41
いい町・いい社会
いい町・いい社会
環境への取り組み
環境への取り組み
地域・社会の基盤である森づくり
環境保全と自然共生社会の構築に向けた取り組み
森は、CO2の固定、
リサイクル可能な資源で
トヨタの森づくりに関する活動
美しい地球を我々の子孫に伝えてゆくため、
トヨタは排出ガス低減や化学物質管理など環境保全に努めています。現在、全世界では約10万
ある木材の提供、生物多様性保全や水土保
日本での活動
種類の化学物質が製造・販売されていると言われ、近年では各企業が使用する化学物質の危険性を評価し、適切な管理のもとで使用する
全などの機能を持っています。
トヨタが事業
という考え方が主流です。企業には、
「 使用している化学物質の把握とリスク」
「 評価、
リスクに対する適切な対応」
「 行政や社会への情報
を通じて、また、社会貢献活動として森づくり
提供」が求められています。
トヨタはPRTR法のもと、工場からの化学物質の排出を継続的に削減。併せてサプライチェーンの方々と協力し、
に取り組むのは、こうした森の機能が、
「 低炭
製品に含有する環境負荷物質の削減に取り組んでいます。
素社会の構築」
「 循環型社会の構築」
「自然共
また、
自然保護や生物多様性の重要性を認識し、
自動車事業や社会課題への貢献等において、
自然共生社会の構築に取り組んでいます。
生社会の構築」に貢献するのはもとより、森
〈課 題〉
中山間地域における里山・奥山や人工林など森林の荒廃
トヨタ白川郷自然學校
奥 山
トヨタ三重宮川山林プロジェクト
人工林
トヨタの森
サステイナブル・プラント
∼工場の森づくり活動∼
は地域・社会の重要な基盤であると考えるか
里 山
らです。
工場
生産・物流
開発・設計
トヨタでは、1992年の「トヨタの森」計画策定
を起点にして、森が抱える課題や背景に向き
国内低排出ガス車認定制度適合車の推移
ボデー塗装のVOC*排出量は20g/m2
国土交通省「低排出ガス車認定制度」の超-低排出ガスレベル(U-LEV)
2012年度は、前年度に引き続き洗浄シンナーの使用量削減・回収率
する仕組みの構築」を通じて、持続的な森づ
以上の2012年度の生産台数比率は、ほぼ100%を達成しています。
の向上、水性用洗浄シンナーの純水化などの取り組みを実施しました。
くりに向けて様々な活動を展開しています。
平成17年基準低排出ガス車生産台数比率(2012年度)
区分
低減レベル
生産台数比率
新☆☆☆
U-LEV
平成17年基準排出ガス
50%低減レベル
2.3%
(17)
☆☆☆☆
SU-LEV
平成17年基準排出ガス
75%低減レベル
97.4%
(139)
( )内は型式数
国内低排出ガス車の生産台数比率の推移
(%)
100
新☆☆☆
U-LEV
平成17年基準
50%低減レベル
80
60
40
☆☆☆☆
SU-LEV
平成17年基準
75%低減レベル
20
0
’
08
’
09
’
10
’
11
’
12(年度)
「REACH」
をはじめとする
世界の化学物質規制への確実な対応
*1
*2
2000年代に入り、欧州のELV 指令やREACH 規制をはじめ、
世界各国で化学物質への規制が強化されています。このような
化学物質の規制では、企業に対して化学物質の含有情報収集と、
サプライチェーンの管理を求めています。
こうした国際的な化学
合い、
「 人づくりや地域との連携」
「 森と共生
都 市
海
宅地
トヨタ環境活動助成プログラム
TMC ボデー塗装のVOC排出量(全ライン平均)推移
原単位
(g/m2)
70
60
64
50
40
30
20
10
0
’98
23
20
21
’09
’10
’11
20
社会貢献活動
里山再生で環境を学ぶ「トヨタの森」
’12(年度)
*VOC
(Volatile Organic Compounds)
:揮発性有機化合物
豊田市内の社有林を、かつて人々の暮らしとともにあった
2012年度は、
「森の整備」
「環境教育プログラムの充実」
「ムサ
「里山」
として整備するとともに、自然体験学習等のフィール
サビの生態系」の3つのテーマを中心に活動を進めました。
ドとして活用しています。
新研究開発施設の
自然・地域との共生に向けた取り組み
2012年度の主な活動内容
「トヨタの森」は1997年に一般公開を始め、ファミリー向け
の森あそびイベントも開催するほか、2001年より地域の小
持続可能な次世代モビリティの開発のため、豊田市と岡崎市にまた
学生を対象に自然ふれあい体験プログラムを実施し、現在
がる地域に新しい研究開発施設の建設計画を進めています。計画の
では年間およそ7,000人の児童が参加しています。
推進にあたっては、開発と環境保全の両立を目指し、地域の皆様ととも
こうした活動により、
2011年には(財)都市緑化基金による
に様々な活動に取り組むとともに、積極的に情報を公開しています。
「社会・環境貢献緑地評価システム」の最高位である「スパ
森の整備
新5ヵ年計画の1年目としてエコの森ハウスの周辺の伐採
を行い、環境教育に適した明るい森づくりを進めました
環境教育
プログラムの
充実
来客層を広げるために石窯でピザを焼くなど、若者向け
のプログラムを導入しました
ムササビの
生態系
ムササビをテーマにした活動を始めるにあたり、全国の
研究者等を集め情報交換を行いました。
ラティブ・ステージ」
に認定され、企業緑地として高い評価を
事業計画で目指す姿
VOICE
開発と生物多様性の保全の両立
生物多様性や保水機能の低下など
参加者の声(イベント参加者へのアンケートから)
獲得しています。
・普段体験できないことばかりで楽しかった
里山の荒廃
・森を楽しむスタートとして、良い体験ができた
・目を閉じると感覚が変わり、いつもいかに視覚に頼っているか実感した
ています。2012年度は、地域統轄会社(欧州、
健全な里山、
生態系・生物多様性の向上
・寒くても鳥がさえずっていたり日光が温かいことを、五感を通して感じられた
・街中では感じない、森の匂いや空気を感じた
地域コミュニティー・にぎわいの復活
・森には無駄なものはないと聞いて、森や命の大切さを再認識した
北米、南米、中国、
アジア、南アなど)
において、
持続可能な開発と
生物多様性の保全のモデル
グリーン調達ガイドラインの改訂、
およびサプ
ライヤー向けの説明会を実施し、化学物質
アジア版環境負荷物質
ガイドライン
*1 ELV
(End of Life Vehicles)
*2 REACH
(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)
Sustainability Report 2013
豊 森
全ボデー塗装ラインVOC排出量は、面積当たり20g/m2となりました。
企業の積極的な寄与と地域住民の参加による里山の活性化
力のうえ化学物質管理の仕組みを構築、運営し
42
集落・水田・畑・川
砂浜
従業員によるボランティア活動
砂浜保全
物質規制を受け、
トヨタではサプライヤーと協
管理の仕組みをグローバルに展開しました。
従業員によるボランティア活動
市有林の間伐
トヨタ自動車(株)
愛知県企業庁
積極的な
情報発信
他地域への波及
2012年度来訪者数
しもやま
里山協議会
累計来訪者数
インタープリター
(人と自然をつなぐ案内人)
が里山の魅力や役割を伝えます
1万2,101人
11万3,004人
「社会貢献」
(P52∼55)も併せてご覧ください。
恊働
Sustainability Report 2013
43