技術解説

Universal integrated amplifier
UIA5000
技術解説
1
近年オーディオを取り巻く環境は、ピュアオーディオから、
PC オーディオ、高品位 AV 再生へと広範囲化しており、
高音質であることは当然ながら、様々な機器と相互接
続できるプラットフォームであることが望まれています。こう
した状況を踏まえ、UIA5000 は、USB/同 軸 /光 デ
ジタル入 力 の全 てで 192KHz24Bit のハイサン
プリング・ハ イビット音 声 に対 応 す るほ か 、
MC/MM 入 力 、バランス入 力 、専 用 アンプによ
る本 格 的 なヘッドホンアウト、5 台 10 チャンネルま
PureSpeed
で連 動 可 能 なアンプリンクの内 蔵 など、フレキシ
UIA5000
ブルなアンプとして設 計 されました。
ユニバーサルインテグレーテッドアンプ
1. 高性能ユニットアンプPS-UNIT5
増幅回路は、電圧帰還型と電流帰還型の 2 つに分類されます。電流帰還型アンプは、スルーレートが大きく
TIM 歪が発生しない、消費電力が小さい、電源変動抑圧比が高いなど優れた特徴があります。反面、トーンア
ンプ、スムージングフィルタ(
アクティブフィルタ)
、I/V 変換など単純な増幅以外への応用が難しく
、これらの機能を
別の電圧帰還型アンプで実装する場合、アンプ通過数が増えて性能が悪化し、電流帰還型の長所も失われま
す。PS-UNIT5 は、電流帰還トポロジーを有する、電圧帰還型アンプで、これらの問題を解消します。
UIA5000 では、このPS-UNIT5 をDAC∼パワーアンプの全経路に使用し、各種機能と増幅を一体化するこ
とでシンプルな信号経路を実現、電流帰還トポロジを生かした優れた性能を達成しています。
[電流帰還型アンプの基本]
PS-UNIT5 を理解するには、電流帰還トポロジーを理解する必要があります。fig1 は、電流帰還型アンプの基
本回路です。エミッタ接地が 2 段あり、2 段増幅に見えますが、初段(1)と2 段目(2)は、青枠のカレントミラー
回路により結合され、2 段目は初段のGm で変換された電流をコピーしてハイインピーダンスノードZ に伝える機
能しか持っていません。ゆえにfig1 は 1 段増幅で、オープンループゲインは”
Z 部のインピーダンス/CN 部の帰
還系のインピーダンス”
で表されます。Z 部のインピーダンスを高く
、帰還系のインピーダンスを低く
設定すれば、高
ゲイン=高帰還とすることができます。1 段増幅ゆえに、位相遅れは小さく、高速・
広帯域にすることが可能です。
消費電流、コストなどの制約が少ない場合、フォールデッドカスコード型の 1 段増幅(
SP1000、SP2000 のユ
ニットアンプPS-UNIT1)
は優れた性能を発揮しますが、制約がある場合、電流帰還型は優位です。フォールデ
では、A,B,C の3 つの定電流回路が最大電流を制約し、この静止電流とZ 部のインピ
ッドカスコード型(
fig2)
ーダンスで、スルーレートが決まります。よってFIG2 は静止電流範囲内でA 級動作しかできず、これ以上の入力
電圧が印加されると飽和します。一方、fig1 の電流帰還型は、静止電流を超える、高速大振幅の信号が印
加された場合、NPN とPNP で構成されたコンプリメンタリ回路の片側がカットオフすることで A 級動作からB 級
2
動作に遷移し、飽和せずに動作を続けます。この原理によって、静止電流を小さく
しても、スルーレートを大きくす
ることが可能です。
FIG1
FIG2
[帰還インピーダンスが安定性に与える影響]
fig1 の電流帰還型のオープンループゲインは”
Z 部のインピーダンス/CN 部(
帰還系インピーダンス)
”
で表され、
帰還回路がオープンループ特性(
位相余裕)を支配する事を意味します。ゆえに帰還系のインピーダンスが周波
数で変化する場合、予測できない場合、安定性の確保は困難です。これを回避するために CN に直列抵抗を
入れる方法もありますが、GB 積が減少し、本来の能力を生かしきれません。ゆえにトーンアンプ、アクティブフィル
タ、I/V コンバーターなどオーディオに頻繁に使われる用途には電流帰還型は使いにく
く、増幅のみの単純なアン
プにしか応用できません。
[電流帰還トポロジーの電圧帰還型]
単純な増幅にしか使えないオペアンプは売れない為、半導体ベンダは、fig3 の回路構成のアンプを開発します。
電流帰還トポロジーを有する、電圧帰還型アンプで、電流帰還型アンプの−入力部分 CN に、CN-BUF で示
されるダイアモンドバッファを追加しています。fig1 とfig3 はCN-BUF を除き、+入力部分の回路が異極性ダー
リントンになった点以外は電流帰還型としての大きな変更はありません。CN-BUF の追加により、CN 部のインピ
ーダンスが、帰還系のインピーダンスから切り離されオープンループゲインは”
Z 部のインピーダンス/Re”
となります。
スルーレートが静止電流の影響を受けない電流帰還トポロジーは継承していますが、安定性に帰還回路の影
響を受けない点は電圧帰還型と同様で、両者のいいとこ取りをしたアンプです。現在多く
の半導体ベンダが、この
タイプのオペアンプをリリースしています。
3
FIG3
[電圧帰還高速アンプの問題点]
fig1∼fig3 のオペアンプは、数百∼数十 MHz の信号のハンドリングが主であり、オーディオ用途ではありません。
ゆえに半導体ベンダは気にしていませんが、実は fig3 のアンプは歪率が良く
ありません。電流帰還型は-110dB
以下の歪率が簡単に達成できますが、fig3 のオペアンプはゲイン1 倍でも-100dB を切れるかどうかです。信号
経路に複数のアンプが配置され、多く
がゲイン1 倍にする事が困難なプリメインアンプでは、総歪はとても大きくな
ってしまいます。fig3 の歪率が多いのは、回路構成を見れば一目瞭然で、この回路が電流帰還型をベースにし
ている以上、帰還ポイントは CN であり、CN-BUF 部分は帰還ループの外側にあります。ゆえにCN-BUF の歪
は NFB で改善されず、CN-BUF は無帰還バッファなので歪率が多いのです。
[電圧帰還高速アンプの歪率を低減する]
そこでPS-UNIT5 では、fig4 としています。fig4 はfig3 のCN-BUF 部分を無帰還バッファから、電流帰還型
の全帰還バッファアンプに変更しています。考え方は、極めて単純な、電流帰還型アンプのスタック接続です。この
回路は fig3 同様、電流帰還トポロジの(
スルーレートが静止電流に左右されない)
電圧帰還型アンプで、帰還
回路の自由度が高く
、様々な用途に使う事が可能です。PS-UNIT5 の安定性はfig4 の2 つの抵抗 Re、Rb
に依存します。Rb が過剰だと、CN-BUF の伝播時間が増大して、PS-UNIT5 全体の安定性が低下しますか
ら、Rb は電流帰還バッファアンプが安定する範囲以上に、過剰にすべきではありません。PS-UNIT5 は進み位
相補償、トーンアンプ、D/A のアクティブフィルタや I/V コンバータなどに使えるため、UIA5000 では DAC∼コン
トロールアンプ∼パワーアンプの全経路にPS-UNIT5 を導入しています。電流帰還型アンプはモノリシックIC の
組み合わせで実現できますから、小型・
低消費電力で直流性能に優れています。PS-UNIT5 は 2 アンプ1 モ
ジュールで23.5mm×16.8mm のサイズです。
4
Rb
FIG4
[PS-UNIT5 の他のメリット]
fig1 の電流帰還型は+入力と、−入力が完全に対称ではありません。通常、電流帰還型は、−入力の
バイアス電流、電流雑音が大きく、インピーダンスは低く
、差動回路としてみればアンバランスです。しか fig4
は、+入力と−入力の回路構成が同等です。このためバイアス電流のマッチングに優れています。
[上下対称回路の効能]
fig1, fig3, fig4(PS-UNIT5)
はいずれも上下対称回路です。上下“
非”
対称回路の電源変動抑圧比
、
は、fig5の通り正負どちらか一方で20∼40dB程度悪いのですが、上下対称回路は、こうした問題がなく
電源雑音に強く高S/Nにすることが可能です。fig6はアンプ初段に使われる差動増幅回路で、上は、PNP
もしくはNPN単独の回路の特性、下はそれらを合成した、上下対称回路の特性です。fig6上のPNPは立
上りが早く、立上りが遅いのに対し、NPNでは立上りが遅く、立下りが早いため、スルーレートがアンバランス
ですが、fig6下の上下対称回路ではPNPとNPNの動特性の中間となり、スルーレートの対称性が改善され、
歪率を下げるのに効果的です。このほか電圧雑音密度、裸利得が2倍になる、入力バイアス電流が低減す
るなど、様々な恩恵があります。
5
FIG5
FIG6
6
2. 低歪フルロジックコントロール
UIA5000 はボリュームを含め、全機能をCMOS スイッチとリレーによるフルロジックコントロールとし、配線の引き
回しは皆無です。一方、CMOS スイッチにはオン抵抗、オフ抵抗、オフ容量が信号電圧によって変動することで
独特の歪が発生します。fig7 上は、CMOS スイッチをシリーズ接続で使用する場合、fig7 下は CMOS スイッ
チをシャント接続で使用する場合の等価回路です。Ron はオン抵抗、Roff はオフ抵抗、Coff はオフ容量です。
シリーズ接続のゲインは後段のインピーダンス Z があるので“
Z/(Ron+Z)”
となりますが、Ron が信号電圧で変
動するのでゲインが一定にならず、歪が発生します。Z をFET 入力などで大きく
しても、FET は入力容量が大き
いので、高域の歪が悪化します。一方シャント接続のゲインは、Roff とCoff の合成インピーダンスをSIoff とす
ると“
Z+SIoff /SIoff”
で、SIoff が変動するので歪が発生します。Z を小さく
すれば、この歪は小さく
なりますが、
前段から見たスイッチオン状態の負荷が重く
なるので限界があります。仮にRon に関する直線を改善しようとして
オン抵抗を下げると、チップの面積が大きく
なり、特に Roff、Coff すなわちリーク電流が増大し、今度はこちらの
非線形の影響が大きく
なり、半導体スイッチ単体での直線性改善には限界があります。UIA5000 ではこれらの
歪を最小限に留める回路技法を導入しており、PS-UNIT5 の歪率をスポイルしないよう考慮されています。
FIG7
3. プリメインを抜本的に見直す新しいレベルダイアグラム
アナログソースの時代、プリメインアンプは0.15V 程度の小さい入力レベルを前提に設計され、50W のプリメイン
アンプに必要なゲインは42.5dB 以上、余裕を見て50dB 程度とするのが普通でした。しかしCD プレーヤの登
場以降、ラインレベルは 2V に統一され、50W のプリメインアンプに必要なゲインは 20dB あれば十分です。録
音レベルの低いソースを考慮しても30dB あれば十分です。CD プレーヤ登場以降は、他のソースの出力レベル
も大きく
なり、現在の生き残っているソースで 50dB ものゲインが必要な用途はありえません。アンプはゲインが低
いほど、低歪低雑音にすることができるので、現代のアンプは性能を飛躍させることが可能です。そこで
UIA5000 は、標準となった2V 機器を前提とした29.6dB のローゲイン設計で、雑音歪率、ボリュームの分解
能などを改善しています。fig8 は、UIA5000 のレベルダイアグラムです。プリアンプ前段、プリアンプ後段、パワー
アンプのゲインはそれぞれ、5.7dB、8.8dB、15.1dB で、従来のアンプが 1 ステージで20∼30dB のゲインが
あったことを考えるとローゲインで、それだけ雑音歪率が低減します。
7
FIG8
4. 192KHz&USB2.0 対応、高性能 DAC 搭載
UIA5000 は、USB、光デジタル 2 系統、同軸デジタル2 系統の豊富なデジタル入力を持つDAC 搭載型ア
ンプで、全デジタル入 力 において 192KHz24Bit をサポートします。DAC 搭 載 アンプは、陳 腐 化 す
るとの理 由 から抵 抗 も多 いようですが、DAC チップの進 歩 は 10 年 ほど前 から停 滞 しています。
DAC から発生する雑音は、内部インピーダンスと周波数帯域に比例しますが、モノリシックIC である以上、インピ
ーダンス低減には消費電力と直線性の限界があります。従って、サンプリング周波数即ち周波数帯域が決まると、
S/N=分解能がおおよそ決定されます。既にオーディオ用 DAC は 10 年ほど前から性能は行き詰まり、物理限
界に肉薄していると言えます。DAC を乗せて陳腐化する次代は終わったのです。実際の 24∼32BitDAC の
192KHz の性能を並べると以下の通りになります。
メーカー
型番
雑音歪率
S/N
発売時期
AnalogDevices
AD1955
-110dB(18.0bit 精度)
123dB(20.1bit 精度)
2002 年
Texas Instruments
PCM1795
-96.5dB(15.7Bit 精度)
123dB(20.1bit 精度)
2009 年
Texas Instruments
PCM1798
-96.5dB(15.7Bit 精度)
123dB(20.1bit 精度)
2003 年
旭化成
AK4396
-100dB(16.3Bit 精度)
120dB(19.6bit 精度)
2004 年
NPC
SM5865
-110.5dB(18.1bit 精度)
120dB(19.6bit 精度)
2006 年
上はいずれも各メーカーの最高性能品であり、ここから実際の分解能の上限は 16∼20Bit と読み取れます。こ
の中では最も古いAD1955 が、これまでのDAC では最高峰の性能を達成しており、以降 9 年間、これを超え
るDAC は登場していません。こうした背景を踏まえ、UIA5000 は DAC を搭載して利便性を向上することにし
ました。
8
[真のN ビットDAC に必要な性能]
n ビット DAC に必要な雑音歪率は、-(6.02n+1.76)dB となります。ここから 32BitDAC は-194.4dB
(0.00000002%)、24BitDAC は-146.24dB(0.0000005%)
の性能が必要ですが、このような DAC
は現在も、そして今後も存在しないでしょう。DAC の持つ雑音歪率をXdB とすると((X-1.76)/6.02)Bit が、
本当の有効ビット数となり、前述の通り16∼20Bit となり、24∼32BitDAC は言葉遊びにすぎません。
[ハイサンプリングで性能がダウンするDAC は使えない]
サンプリング周波数が高く
なると、雑音歪率が悪化する DAC が多いため、カタログ上の n ビットはアテにせず、
44.1KHz∼192KHz の全帯域で実効性能に優れたデバイスを探しました。採用された AD1955 の雑音歪
率はサンプリング周波数に依存せず、最高クラスの性能を有します。DAC 回路は fig9 の通りでAD1955 をパ
ラレル駆動し、バックエンドのバランス型 I/V 変換、フィルタ処理に3 つのPS-UNIT5 を導入しています。弊社で
は 10 パラDAC まで実験をしてみましたが、パラレル数が多いとI/V 変換アンプの負荷電流が増えて直線性が
悪化するなど、副作用もあります。副作用以上の効能を得るは物量投入が必要で、規模の割りに性能向上が
微々たる物で効率的な手段とはいえません。そこでステレオDAC をモノ構成にして片チャンネル1 個使う2 パラ
構成としました。これは、むしろクロストークを考慮した設計です。
FIG9
5. 低雑音・高機能を両立するVGAT コントロ−ルアンプ
可変抵抗は経年劣化しやすい、左右のゲインエラーが発生する、インピーダンスが高く
熱雑音が大きい、配線の
引 き回 しが長 いなど諸 問 題 があり、UIA5000 は可 変 抵 抗 を使 わない“VGAT ”(Variable Gain
Amplifier/and/ATtenuator)と称する音量調整機構を搭載しています。fig10 がVGAT のブロック図で、2
つのPS-UNIT5 可変ゲインアンプの間に、低インピーダンスアッテネーターを挟み込む構造です。アッテネータ後の
レベル低下を防いでS/N のS を大きく
し、アッテネータをPS-UNIT5 で駆動することで低インピーダンス化を図り
熱雑音を減らすことがVGAT の目的です。ボリュームは256 ステップ加速度オペレーショ
ンで、信号経路のシンプ
ル化のためにバランス調整を兼ねています。前段の PS-UNIT5 には NF 式のトーンコントロ−ルが埋め込まれ、
信号経路を複雑化せずに、音質調整が可能です。さらにトーンコントロールを切り離せるピュアダイレクトモードを
装備し、歪率を低減することが可能です。
9
FIG10
6. MOS-FET 多重帰還型パワーアンプ
インテグレーテッドアンプでは、歪の大半が、出力の大きなパワーアンプから発生します。歪を減らすには、出力
段のパラレル数増、アイドル電流増・
・
などが一般的です。しかしパラレル数を過剰にすると、出力段の入力抵抗
が低下し前段の負担が増大して歪率が悪化したり(バイポーラ出力段)、入力容量が増えて時定数が増大し
(
MOSFET 出力段)
位相補償を増やさざるをえなく
なるなど副作用があります。アイドル電流を増やしてA 級範
囲を広げると、電源リップルが増大し小振幅時の S/N が悪化します。これは同容量の電源なら、電源リップルの
大きさは、電源電流に比例するからです。これらの副作用を上回る効能を得るには、相当な物量投入が不可
欠で、見た目ばかり凄くなる一方、音質向上は微々たる物で、効率的な性能向上手段といえません。そこで
UIA5000 は、多重帰還と、適度な物量投入を組み合わせ諸特性を向上させることにしました。概要は fig11
の通りで、MOS-FET2 パラレルプッシュプル出力段を、電流帰還型ブースターでドライブし、ローカルフィードバック
をかけて歪を低減します。このブースタを PS-UNIT5 で駆動し、全体で大きなフィードバックをかけて、さらに歪を
低減します。もともとパワーアンプのゲインは 15.1dB と低いうえ、多重帰還により、出力段には、PS-UNIT5 と
ブースタの2 つの膨大な帰還量がかかるため、適度な物量投入でも、驚異的な低歪を達成できます。
FIG11
FIG12
10
実際のブースタの簡略回路は、fig12 の通りで、全段上下対称コンプリメンタリ回路で、FET 入力+ウィルソンカ
レントミラー結合です。多重帰還では、ブースタ部分の伝播遅延時間を小さく
しないと、PS-UNIT5 の位相補
償が増大して多重帰還の意味を喪失させます。そこで低入力容量の高速パワーMOSFET、初段 FET としてい
ます。fig12 一番下の2 つのオペアンプは、ミラー積分型 DC サーボで、高精度、低雑音、低歪のFET オペアン
プAD8512 を使用しています。
7. パワーアンプ低消費電力モード
多重還型パワーアンプは、出力素子の帰還量が大変大きいのでアイドル電流を極端に絞っても歪率の増大が
わずかです。そこで、アイドル電流を絞った、低消費電力モードを追加しました。このモードでは、一般的なリスニン
グレベルなら、何時間経過してもヒートシンクが冷たいままで、消費電力は D 級アンプ並です。fig13 は、ポ−タ
ブル機器などに使用される D 級アンプ 1、プリメインアンプに使用される出力段電源を安定化させたデッドタイム
の大きな D 級アンプ2、UIA5000 低消費電力モード、UIA5000 標準モードの効率の比較です。D 級ア
ンプ1 は効率が良い反面、歪が多く
ピュアオーディオに向きません。D 級アンプ2 は歪率が減少しますが、無効電
流が増大してローパワー時の効率が悪化します。UIA5000 低消費電力モードは、1W 以下ではD 級アンプ2
と同等の効率ですが、それ以上の出力ではD 級アンプ2 との差異が広がり、低消費電力モードの効能が一見す
ると不十分です。ところが、音楽信号の平均出力は、ピークパワーの 1/10 程度であり、最大出力 56W を使っ
ても、平均出力は5.6W 程度です。しかもピークパワー56W を使う事自体、極めてまれで、実際の平均出力は
1∼2W 程度と小さいのです。fig14 は、使用されることが多い、平均 1.8W 出力以下の効率の比較で、
UIA5000 低消費電力モードは D 級アンプ2 と互角の低消費電力と言えます。
FIG13
FIG14
11
8. 7系統の独立の安定化電源
集 積 度 の高 い UIA5000 の電 源 部 は、回 路 間 の干 渉 を防 ぐため、以 下 の 7 系 統 で独 立 した
安 定 化 電 源 となっています。特 に①∼④は、FET 差動入力・
広帯域・
ハイゲイン・
レギュレータ(片 CH の回
路はfig15)により、低雑音で負荷変動への応答も大変高速です。高周波雑音の大きな⑥⑦は①∼⑤とは巻
線から分離された独立電源で、レギュレータ前段に LC フィルタを追加して雑音を遮断します。更 にオペアンプ、
CMOS スイッチ、DAC 毎にローカル電源フィルタを配置して、部品 1 個単位でクロストークと雑音を抑えます。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
Lch-DAC・
コントロール・
パワードライブ段
Lch-DAC デジタル部
Rch-DAC・
コントロール・
パワードライブ段
Rch-DAC デジタル部、
フォノ、ヘッドフォン、バランスレシーバー
デジタル1
デジタル2
FIG15
9. 大容量並列コンデンサによる出力段直結電源
パワーアンプ電 流 帰 還 ブースタ∼ 出 力 段 は、電 流 が大 きく安 定 化 電 源 は適 さないため、大 容 量
巻 き線 、大 容 量 のコンデンサを使 用 した非 安 定 化 電 源 です。大容量の電解コンデンサは高域のインピ
ーダンスが大きいので、UIA5000 では必要容量を得るのに、中容量タイプ6 個、小容量低 ESR タイプ8 個、
高周波特性の優れたセラミックコンデンサを多数接続して、広い範囲で低インピーダンス化を図っています。またコ
ンデンサ、整流回路を出力段と同一基板上に近傍配置することで瞬間電流供給能力を高めていす。電 流 帰
還 ブースタ部分は、出力段とリップルの影響を軽減するため LR 独立の大容量・
低インピーダンスリップルフィルタ
が導入されます。トランスは漏洩磁束の小さい R コアタイプです。瞬間電流供給能力が、EI コア、トロイダルコア
を凌駕するため、小型軽量化にも役立ちます。
10. アンプリンク
UIA5000 はマルチチャンネルサラウンド、AV ユースを視野に入れており、最大 5 台を連動させて10 チャンネル
の一括コントロールが可能です。複数を連動させた場合、マスター設定されたUIA5000 が残りのUIA5000 を
コントロールします。fig16 は 5 台の接続例で、認識用 ID を上から0→1→2→3→4 としています。アンプリン
クケーブルは以下のようにディージーチェーン接続とします。
12
ID=0
マスタ (チャンネル1/2)
ID=1
スレーブ(チャンネル3/4)
ID=2
スレーブ(チャンネル5/6)
ID=3
スレーブ(チャンネル7/8)
ID=4
スレーブ(チャンネル9/10)
FIG16
13
11. MC/MM 独立型イコライザアンプ
UIA5000 は最新のUSB192KHz に対応する一方、レガシーなフォノイコライザも搭載し、アナログディスクの再
生にも力を入れています。フォノイコライザは、D レンジに優れたNF 式 MC、MM 独立型で、1 ステージでラインレ
ベルにまで一気に増幅します。インピーダンスの低いMC カートリッジ用イコライザアンプには、電圧雑音の小さなバ
イポーラ入力オペアンプLM4562(
GB 積 55MHz/DC ゲイン140dB)
を、インピーダンスの高いMM カートリッ
ジ用イコライザアンプには電流雑音の小さなFET 入力オペアンプAD8512(
GB 積 8MHz/DC ゲイン100dB)
を使用し、75.7dB/80.5dB(
MC/MM)
の高 S/N を達成しています。また DAC やラインレベルアンプ、パワー
アンプと独立した安定化電源から供給される電源は、他の箇所の40 倍の大容量ローカルリップルフィルタを組み
合わせ、電源雑音の影響を軽減します。
12. 超高精度ヘッドホンアンプ
振幅の小さいヘッドホンアンプでは、小さな DC 電圧の漏洩でもダイアフ
ラムを偏移させてしまうため、DC 性能が重要です。UIA5000 は FET
入力・
電圧帰還型・
3 段ダーリントンの高精度ヘッドホン専用パワーアン
プを搭載し、出力のカップリングコンデンサなしで DC 漏れ電圧を
450uV 未満に抑えています。fig17 は等価回路です。ヘッドホン使用
時は、パワーアンプをレジュームさせ消費電流を抑えます。
FIG17
13.抵抗の熱変調歪とエクセルノイズ
これまでコンデンサの音質への影響について色々議論がありました。一部のコンデンサは直線性が悪く
、振動を拾
ってしまうので、コンデンサには幾つか注意すべき点がありますが、問題点への対処方法は、十分確立しています。
代表的なポイントは以下の4 点です。
① DC アンプや DC サーボで信号経路のコンデンサを減らす。
② 信号経路のコンデンサを直線性の優れているフィルムコンデンサ、マイカコンデンサにする。
③ 信号経路のセラミックコンデンサは CH や B 特性とし、高周波のバイパスにのみ使う。
④ 信号経路に電解コンデンサが必要な場合(②のコンデンサはコストがかかる)直線性の良い音響用を使
う。性能的には②に劣るので、弊社のアンプでは使わない方針。
一方、抵抗は、音質を劣化させないと信じている方も多く
おられますが、使い方を誤ると、大きな歪や雑音の原
因になります。一般に、厚膜抵抗やカーボン抵抗、酸化金属皮膜抵抗は、温度係数が±200ppm/℃程度
あります。これは 1℃の温度変化で抵抗値が最大 0.02%も変化することを意味しています。抵抗の印加電圧
が、音楽信号などで変化すると、消費電力が変動します。すると発熱量と温度が変化しますから、前述した温
度係数によって抵抗値が変化します。従って、温度係数の悪い抵抗を、利得を左右する場所に使うと、音楽信
号 によって、刻 々 と抵 抗 値 即 ち、利 得 が変 化 することで歪 が発 生 します。fig18 は、温 度 係 数 が
14
+200ppm/℃、熱抵抗 400℃/W の1KΩの抵抗を、温度 35℃で使用し、±10V の低速サイン波(fig18
上段“
電圧(V)”
)を印加した様子です。0∼100mW の電力変動が生じ(
fig18 上段“
電力(mW)”
)
、抵抗
温度は35∼75℃の間を往復します。(
fig18 上段“
温度(℃)”
)
これを温度係数に掛けると、抵抗値が1000
∼1008Ωの間で変動します。(
fig18 中段)グラフ下段は、1KΩ-0ppm/℃の抵抗とfig18 中段の 1KΩ
+200ppm/℃の抵抗で、分圧した場合の誤差(%)を表しています。横軸の周期が、入力電圧(
fig18 上段
“電圧(V)”)の倍なので 0.4%の 2 次歪が発生していることが分かります。スペック上の温度係数が±
200ppm/℃の場合、これは最悪値にすぎず 0ppm/℃の場合もありますから、+200ppm/℃と 0ppm/℃
の組み合わせは現実に起こりえます。最悪のケースは、+200ppm/℃と-200ppm/℃の組み合わせの時で、
歪は倍の 0.8%になります。実際には温度係数が揃っていたり、基板による放熱等により、歪みは軽減されます
が、抵抗は使用数が多いので無視できません。何より抵抗が線形素子ではないことは明白です。
FIG18
fig19 は、fig18 と同じ条件で周波数を10 倍にした様子です。熱時定数により温度変化が積分され、抵抗変
化は 1Ωに軽減、歪が減少します。弊社は、こうした歪を熱変調歪と呼んでいますが、熱変調歪は、熱時定数
に比べ、短い波長を扱うほど小さく
なります。熱変調歪を軽減するには、以下の3 通りが考えられます。
① 放熱経路の時定数を大きく
する。
② 消費電力を軽減する。(
抵抗値を大きく
する)
③ 抵抗温度係数を小さく
する。
このうち①はアンプが大型化する上、インダクタンスが大きく
なる傾向があり、高集積、高速広帯域アンプを目指
すUIA5000 に適しません。②は熱雑音が抵抗値に比例するため、S/N が悪化します。そこでUIA5000 では
③の方法で、これらの問題に対処しています。即ち、ゲインを左右する場所に、温度係数±25ppm/℃の薄膜
抵抗を使っています。±200ppm/℃の厚膜に比べると、熱変調歪が1/8 程度に軽減します。
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FIG19
[エクセルノイズ]
抵抗が発する代表的な雑音としては、抵抗値に比例する熱雑音が有名ですが、これ以外にも大きな雑音源と
なる場合があります。これはエクセルノイズと呼ばれ、電流の通過経路の散乱で発生する雑音で、直流電圧が
大きく、周波数が低いほど増大する雑音です。この雑音はカーボン抵抗や厚膜抵抗だけに発生し、金属皮膜
抵抗、薄膜抵抗、金属箔抵抗では発生しません。UIA5000 に使用している薄膜抵抗なので、こうした雑音は
皆無です。
14. ダンピングファクターコントロール
現 代 のアンプは高 帰 還 半 導 体 アンプが大 半 を占 めています。高 帰 還 半 導 体 アンプの目 的 は、雑
音 歪 率 を低 減 し、ダイナミックレンジを拡 大 して、入 力 信 号 を精 密 に出 力 に伝 送 する点 にあります。
また出 力 抵 抗 を下 げ、スピーカーからの逆 起 電 力 の影 響 をを打 ち消 すことも重 要 な目 的 です。い
わゆる DF(ダンピングファクタ)の向 上 による立 下 り過 度 特 性 の改 善 です。その一 方 で、真 空 管 ア
ンプにも根 強 い人 気 があります。低 歪 ・高 S/N は良 いが、高 DF アンプは、トランジェントがキツイす
ぎて聴 きにくいということです。弊 社 の試 験 装 置 では、DF=10 以 上 では音 質 変 化 は軽 微 で、音
質 の差 異 が明 瞭 になるのは DF=3 以 下 であることがわかりました。真 空 管 アンプユーザにシングル
無 帰 還 嗜 好 が多 い理 由 も理 解 できます。UIA5000 の DF 切 り替 えは、ハイとローの 2 段 切 り
替 えで、ハイはアンプの実 力 そのもの、ローは明 確 に違 いのわかる 1.6 です。DF 切 替 はリモコンで
操 作 でき、DF ハイではハイスピードな原 音 再 生 (正 確 な時 間 応 答 と周 波 数 特 性 )、DF ローでは、
中 低 域 がマイルドで、わずかにエコーも加 わります。ただしスピーカーや曲 の影 響 も大 きく受 けるよう
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になります。低 音 を出 しにくいバックロードホーン向 きの強 力 なフルレンジや、小 型 密 閉 型 スピーカー
などは低 域 不 足 が解 消 する傾 向 が見 られます。DF1.6 を実 現 するのは、出 力 に抵 抗 を入 れる
簡 単 な方 法 ですので、音 量 が変 化 しますが、NFB を切 り替 える方 法 と違 い、雑 音 歪 率 を悪 化 さ
せないため高 音 質 です。尚 DF ローモードは音 楽 信 号 のみで使 用 してください。
15. シングルボード化
従来のプリメインアンプは、右 CH パワーアンプ基板、左 CH パワーアンプ基板、コントロールアンプ基板、入力端
子基板、電源基板、フロントパネル基板など、回路のコアとなる部分が、沢山の基板に分割され、重要な配線
がアチコチに飛び回っていました。これでは単にパワーアンプとコントロールアンプを無理やり一つの筐体に押し込ん
だにすぎず、プリメインアンプ特有のメリットを生かすことは出来ません。セパレ−トアンプでは、パワーアンプとコント
ロールアンプの二つの電源があるため、グラウンドに電位差が生じ、コモンモードノイズが発生します。また両者を接
続する長い外部ケーブルや端子も必要で、後述するトリポ効果の影響を受けやすく
なります。プリメインアンプであ
れば、こうした問題を解消することができます。それは即ち、コントロールアンプとパワーアンプの一体化した設計で
す。UIA5000 は、1 枚のメイン基板(
fig20)
に、DAC、コントロールアンプ、パワーアンプ、入力端子、電源回
路の全てを集積しており、コモンモードノイズはとても少なく
、信号系の配線の引き回しは皆無です。ディスプレイ、
ボリュームエンコーダー、フォーンジャック、スピーカー端子、トランスなど一部の配線は残りますが、内部配線は格
段に少なく
、信頼性の向上とトリポ効果の低減を図ります。トリポ効果とは、配線が振動することで生じる静電気
が、電極間に蓄積され、放電するときに発生する雑音現象です。プリント基板上の配線は自由振動が殆どない
上、電極間容量も小さいので、この現象はまず起こりません。
FIG20
17
16. SUPS・・・筐体と放熱システム
fig21、fig22 は放熱器を上から見た断面で、fig21 のチムニー型と、fig22 の開放型があります。チムニー型は、
煙突効果により強い上昇気流を発生させ、効率的に排熱する考え方ですが、上部ほど高温になる問題があり
ます。開放型は、効率はチムニーに劣るものの、温度分布が少ない点では優れています。そこで UIA5000 は
fig23 のように、開放型ヒートシンクをコの字型の鉄板で覆い2.5cm ほどの隙間を設けて、チムニー型と開放型
の中間的な特性を実現しました。さらに、この放熱ブロックで筐体上下を結合、筐体を放熱器の一部に、放熱
器を構造物の一部に使うことで、小型軽量化に役立てています。
これをSUPS(
Sealing up prop structure)
と呼んでおりますが、注目していただきたいのは fig24 で、ワン
ボード化、放熱器の小型化、配線の削減により、基板上部に大きな空間を確保、熱のこもる小さな隙間を追
放し、ボンネットの放熱孔を追放した点です。放熱孔の多いアンプは内部に埃がたまり、埃が湿気を帯びることで、
アンプの絶縁抵抗が低下、性能劣化や故障を引き起こしますが、UIA5000 は前面・
天板・
左右が密閉型で
あり埃に強い設計です。
FIG21
FIG22
FIG23
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FIG24
17. 充実した機能
現 在 の技 術 では、十 分 な機 能 を持 たせても、音 質 の劣 化 は問 題 になりません。従 って、利 便 性
を犠 牲 にしてまで機 能 を削 る必 要 はなく、UIA5000 は以 下 の通 り豊 富 な機 能 を有 します。いず
れも、機能の状態で、信号経路が変更されないよう、すなわち性能が劣化しないよう設計されています。
◇ ±7 段階トーン
◇ 4 段階ラウドネス
◇ 11 系統入力切替
◇ 10 チャンネルバランス調整
◇ ミュート
◇ モノスイッチ
◇ 5 段階オートディマー
◇ パワーアンプディセーブル
◇ ピュアダイレクト
◇ パワーアンプ省エネモード
◇ ダンピングファクタ切り替え
◇ アンプリンク
◇ サンプリング周波数表示
[力を入れたラウドネス回路]
人の耳は小音量時、低域と高域の感度が鈍りますから、これらを補うラウドネスは重要な機能と考え充実させま
した。一般的なラウドネスは、周波数特性の補正量が、ボリュームの特定の位置から急激に変化しますが、
UIA5000 のラウドネスは音量が小さく
なるほどラウドネスの補正量を増大させていく
自然な方式です。しかもラウ
ドネスの効果は 4 段切替なので、きめ細かな聴感補正が可能です。
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18. ブロック図と性能
ブロック図(FIG25)、周波数特性(FIG26)、歪特性(
THD1-6)
を紹介します。
◇ FIG25 ブロックダイアグラム
◇ FIG26
周波数特性
光入力・ピュアダイレクト・8Ω
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◇ THD1
高調波歪率(f2+f3+f4+f5)
ライン入力・ピュアダイレクト・8Ω
◇ THD2 高調波歪率(f2+f3+f4+f5)
光入力・ピュアダイレクト・8Ω
21
◇ THD3 高調波歪率(f2+f3+f4+f5)
光入力・8Ω
◇ THD4 高調波歪率(f2+f3+f4+f5)
光入力・ピュアダイレクト・低消費電力モード・8Ω
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◇ THD5 高調波歪率(f2+f3+f4+f5)
光入力・低消費電力モード・8Ω
◇ THD6 高調波歪率(f2+f3+f4+f5)
光入力・低消費電力モード・4Ω
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◇ チャンンネルセパレーション(1KHz/1W)
:103.9dB(デジタル入力-3dB∼スピーカー出力)
:105.5dB(デジタル入力-3dB∼スピーカー出力/低消費電力モード)
◇ 位相特性
:20Hz +11.9°以内
◇ S/N 比(A ウェイト)
:94.0dB (1W/標準モード/光デジタル入力-1dB)
:95.7dB (1W/標準モード/ライン入力/Volume178)
:97.6dB (1W/低消費電力モード/ライン入力/Volume178)
:104.0dB (56W/標準モード/光デジタル入力-1dB)
:106.4dB(56W/標準モード/ライン入力/Volume233)
:106.4dB (56W/低消費電力モード/ライン入力/Volume233)
:75.7dB (MC 定格入力∼スピーカー出力 50W)
:80.5dB (MM 定格入力∼スピーカー出力 50W)
◇ ダンピングファクタ(8Ω1KHz1W∼50W)
83(ハイモード)
78(ハイモード・低消費電力モード)
1.6(ローモード)
◇ 最大出力電圧・出力インピーダンス(プリアウト、ヘッドホン)
:8Vrms (プリアウト/出力インピーダンス820Ω)
:8Vrms (ヘッドホンアウト/出力インピーダンス10Ω)
◇ 定格入力
:2Vrms
(ライン)
:10mVrms (MM)
:1mVrms
(MC)
◇ 入力インピーダンス
:47KΩ (ライン)
:47KΩ+1000pF(MM)
:68Ω+100pF (MC)
◇ 負荷インピーダンス
:4∼32Ω
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◇ トーンコントロール及びラウドネスコントロール
:バス
300Hz±4.5dB
:トレブル
3KHz±4.5dB
:ラウドネス
6.3dB/5.8dB/4.15dB/0dB の4 段切替
◇ サンプリング周波数
:44.1KHz,48KHz,88.2KHz,96KHz,176.4KHz,196KHz
(16∼24Bit 2ch PCM、光入力のみ 176.4KHz,196KHz 保証外)
◇ ドライバ対応 OS
:WindowsXP/WindowsVista/Windows7
◇ 消費電力
078W (無入力時)
204W(電気用品安全法)
026W (無入力時/低消費電力モード)
152W(電気用品安全法/低消費電力モード)
◇ 寸法・質量
W467×H178.5×D346.2mm(スピーカー端子、ノブ含まず)
W467×H178.5×D394.5mm (端子・ノブ含む)
16.9Kg
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19. 外観
正面
背面
リモコン
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20. 内部構造
UIA5000 の内部構造
1.アンプ基板直結の入出力端子
3.MM イコライザアンプ(JFET 低雑音)
5.Lch パラレルDAC(AD1955)
7.LchDAC バックエンド∼VGAT 前段(PS-UNIT5)
9.LchVGAT アッテネータ
11.LchVGAT 後段∼パワーアンプ前段(PS-UNIT5)
13.LchMOSFET 出力段とブースター背面にDC サーボ
15.USB2.0 コントローラ、ファームウェアを格納したROM
17.システムコントロールブロック
19.LchDAC∼パワー前段用±16V,+5V レギュレータ
21.制御系デジタル回路用、整流回路∼レギュレータ
23.オーディオ回路、大電力系整流回路
25.ダンピングファクタ制御、ミュート、DC 保護
27.SUPS 放熱ブロック
29.アンプリンク用アイソレーター
31.ヘッドホン、赤外線受光基板
33.蛍光表示モジュール
2.MC イコライザアンプ(バイポーラ超低雑音)
4.バランス入力レシーバー(JFET 低雑音)
6.Rch パラレルDAC(AD1955)
8.RchDAC バックエンド∼トーン付 VGAT 前段(PS-UNIT5)
10.RchVGAT アッテネータ
12.RchVGAT 後段∼パワーアンプ前段(PS-UNIT5)
14.RchMOSFET 出力段とブースター背面にDC サーボ
16.SPDIF レシーバー、同軸デジタル入力レシーバー
18.周辺アナログ回路用±15V レギュレータ
20.RchDAC∼パワー前段用±16V,+5V レギュレータ
22.オーディオ回路、小電力系整流回路
24.電源起動回路
26.ヘッドホンアンプ(回路の大半が背面実装)
28.R コアパワートランス
30.スピーカーターミナル基板
32.ロータリーエンコーダ基板、その下にパワースイッチ
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株式会社サヤ
〒272-0035 千葉県船橋市本中山 4-1-2
TEL 047-335-0644 FAX 047-336-6106
http://www.saya-net.com
http://saya-audio.com
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