石英・長石を試料とした光励起ルミネッセンス 年代測定法の基礎研究

R′
原
′
lυ fO′ Sθ 7('Pど S,50,381-389{2001)
著
lllll!l1111111111111!lllllllllllllllllllll
石英・ 長石 を試料 とした光励起 ル ミネッセンス
年代測定法 の基礎研究
下 岡順 直
*1奈
*1,長
友恒 人
*1
1/¥:研 究室
良教育 入学教育学部古 文化財千
630-8528 奈良市高畑町
2000年 H月
石英 ,長 石 の光励起 ル ミネ ッセ ンス
27卜
1
受理
(OSL)現 象 を年代測定 に応 用す るため の 基礎実験 を行 った
c
4種 類 の石英 と5種 類 の長石 の標 本試料 お よび天然 のlli積 物試料 を用 い て,測 定 温 度 ,励 起光 波長
プ レヒー ト条 件 ,ア ニ ー ルお よび光 ブ リー チの違 い に よる ル ミネ ツセ ンス強度 の 変 fヒ ,ま た 人為的
,
同 一 試 +1
な タ イムゼ ロ イ ングに よる ル ミネ ッセ ンスの線量 依 存 生の 変 化 を実験 的 に調 べ たcさ
',に
に よつて光 ル ミネ ツセ ン スを,11定 した 後 の熱 ル ミネ ツセ ンス測定 を行 ったじこれ らの結 果 か ら,OSL
法 に よる年 代測定条 件 を検 討 した。
1`
Key Words : optically stinrulated luminescence, dating, sedintents. quartz, feldspar
1.は
よ う と した試 み もあ る4).5).
じめ に
1980年 に池 谷 らに よつて 年 代 測 定 へ の 応 用
の可能性 が 示唆 されたOSL(Optically Stimulatcd
熱 ル ミネ ッセ ンス (ThemЮ lumincscence:以
下 TL)年 代測定法 は,熱 に よって タイムゼ ロ イ
Llllnincscencc)現 象 6)は ,1985年 にHuntlyら に
ング された試料 につい て有効 な手段 であ り,本
よって 年 代 測 定 法 と して の 有効 性 が 確認 され
来 ,土 器 な ど閉鎖系 の試料 を対 象 と して 開発 さ
た 7)。 この 方法 は,レ スな ど太 陽光 に よつて タ
れた手法 であ る。 1980年 代 以 降 は,テ フ ラ な ど
イムゼ ロ イン グ され た 試 料 に も適 用 す る こ と
11す る 試 みが な され
開放 系 の 試 料 に も適 り
が可能 で あ
TL年 代 が 古 地磁 気年 代 や フ イッシ ヨン トラ ッ
,遺 跡文 化層 の 年代測定 に も有効
な手法 であ るっ また ,熱 に よって タイムゼ ロ イ
ング された試料 につ い て ,OSL測 定 後 に TL測
ク年代 な どとと もに旧石器 ,特 に前期 ・ 中期 1日
定 す る こ とで 両 方 の 測 定 結 果 か らデ ー タ を 得
石器 の編年 に利 用 され る よ うにな った
る こ とがで きる こ とが 示唆 された8)。
1`
2),
日本 の 旧石 器 遺 跡 か ら検 出 され るテ フ ラ層 の
3)。
しか
│〕
し,旧 石器遺跡 にお い て石器が包 含 されて い る
鉱物 の osL現 象 は光 エ ネ ルギ ー と熱 エ ネ ル
層 (文 化層 )の ほ とん どは風 成 または水 成堆積
ギ ー に よつて 電 子^捕 獲 中心 の 電 子 が 励 起 され
物層 で あ る こ とか い,文 化層 の年代 を直接測定
て 発光 す る と考 え られて い るが ,こ の過程 は試
可 能 な手法 の確 立 が求 め られて きた。地 質試料
料温度 ,励 起光波長 ,励 起光強度 な どに依存 す
にお い て は,堆 積物 の TL測 定 が 試 み られてお
る こ とが 矢
ド ,れ てお │)9),そ の ため ,年 代測定
り,太 陽光 に よる TL信 号 の タイムゼ ロ イ ング
へ の応 用 では種 々の手法 が試 み られて い る.
著者 らは,1994年 よ りosL年 代測定法 を風 成
が不十分 で あ るこ とを考 慮 して ,測 定試 料 を大
陽光 で 人工 的 に タ イムゼ ロ イ ン グ した際 の TL
また は水 成堆 積物試 料 に適 用 す る こ とを試 み
強度 を測 定 し,堆 積物 のTL強 度 か ら これ を残存
TL年 代測 定 と比 較 しなが ら旧石 器遺跡 の 風 成
TLと して差 し引 くこ とに よって 年代 を推 定 し
また は 水 成堆 積物 層 な ど に応 用 で きる こ とを
(3)
,
RADIOISOTOPES
/o1 50,No.9
ヽ
明 らか に した10。 本論 文 で は,石 英 。長石 のosL
励 起 光 波 長 と受 光 波 長 の 関 係 の 他 に鉱 物 の
特 性 に 関す る基 礎 実験 か ら得 られ た デ ー タを
OSL現 象 を年 代 測 定 に応 用 す るた め には最 適
紹 介 し,OSL年 代測定法確 立 へ の 課題 を提 示 し
の測定条件 を決定 す る こ とが必 要 で あ る。著者
た い。
らは,そ のため に,OSL強 度 の温 度依存性 ,OSL
OSL年 代測定法 で は,青 色光 ,緑 色光 また は
強度 と励起光波 長 の 関係 ,プ レヒー ト処理 の効
赤外光 を励起光 とす るが ,本 論 文 で これ らを区
果 , タ イムゼ ロ イ ン グの確認 ,人 為的 にゼ ロ イ
る場 合には,そ れぞれ BLSL,GLRLま たは
ング した試 料 の OSL強 度 の放 射 線 量 依存性 と
Ellす
IRSLと 税1す る。
感度変化 ,OSLI貫 1定 後 の TL年 代測定 の可能性
,
の 6項 日に関 して基礎実験 を行 っ た。
2.実
験
測定 に用 い た試料 は,粒 度 75 150μ mに 細粒
従来 ,著 者 らは石英 を試料 とす る TL測 定 に
化 した標 本 試 料 と天 然 試 料 か ら抽 出 した 微 粒
お い て,受 光波長 350 570nmを 採 用 して きた
子試料 (粒 度約 1 8μ m)で あ る。標本試料 は以
一 方 ,火 山性 起源 の石英 の TLは ,ス ペ ク トル
下 の とお りであ る。
3)。
の 実 測 に基 づ い て 赤 色 で あ る とい う こ とを確
試料 1:石 英 ,福 島県石 川郡石川町地方 産
認 して赤 色 TL測 定 を行 ってい る橋 本 らの報告
試料
もあ る
11)。
2:石 英 ,京 都府 亀岡市稗 田野 町大谷鉱
OSL測 定 で は捕 獲電子 の励起 を光 エ
山産
受 光 波 長 は励 起 光 波 長 を考 慮 に 入れ て 決 定 し
試料 3:石 英 ,ブ ラジ ル産
試料 4:煙 水品 ,ブ ラジ ル産
なけれ ばな らない 。 この点 につい て,1985年 以
試料 5:曹 長石,ブ ラジル産(Gavanador Vdadares,
ネ ルギ ー で行 うので ,TL測 定 の場 合 とは異 な り
来 報 告 され て い る さま ざまな デ ー タをTable l
Minas GcrJs)
に示 した。著者 らが 使用 した DAYBREAK製 お
よび RIS② 製 の TL/OSL測 定装置 の 測 定 の 場 合
試 料 6:曹 灰長石 ,マ ダガ スカル 産
試料 7:亜 灰 長 石, メキシ コ産
試料 8:正 長石 ,ア メ リカ産 (Arizona
,
励起光波 長 と受光波長 は,Table 2の とお りで あ
る。
Country Hillsidc)
Table
Sample
Quartz
1
Excitation and detection wavelensths used in OSL dating
Light Source
Ar laser
Excrtatron Wavelenqth (nm)
Detectron Wavelength (nm)
5145
Kr laser
413,468,531.568,6471753,799
320
320,365
lR drode
420-560
615-684
880
Xe lamp
800-1000
He-Kr laser
Kr laser
633
4131468,531,568、 647,753,799
Lamp+Frlter
Dye laser
Feldspar
At
Calcrte
Blue―
5145
tdScl
2
Sample
Quartz
Excitation and detection wavelengths in the present expcriments
Excitatron Wavelength
(nm)
Detectron Wavelength (nm)
514
300-480 1)
250-400 2)
470
Feldspar
et
300-450
IR dlode
Tabie
∨io
330,400,570
400
330,400,570
330,400,570
330,400,570
880
310-680 1)
250-400 2)
830
lDAYBREAK l150 2'RIS●
TL―
(4)
DA-15
Yavapai
下 岡 ,他 :石 英 ・長石 を試料 と した光励起 ル
Sep.200l
試 料 9:微 余│力 l'長 石 ,福 島県石 川郡石 川町産
標準 的 な手順 は 長友
12)を
参照 された い.
長石試料
m以 下 に粉砕 した後 ,石
英 は 20° O HFl時 間処理 ,長 石 は 5%HF 20分 処
理 後,標 準 飾 で 75-150μ mに 粒 度 を整 えた。
(2)微 粒 子試料
水簸 後 ,懸 濁 液 を 1096H202で
卜 く コ]∝
ヽ
r匡∽z ]卜 z 一コ∽に一Ш> 一
(1)標 準試料 を細粒 化 した石英試 料 お よび
万力 を用 い て 250/∠
︵0〓CD O﹂●︶オL一
∽Z]卜Z一コ∽∝一
各試料 の 前処理 は,以 下 の ように行 ったc天
然 の 堆 積 物 試 料 か ら微 粒 子 試 料 を得 るた め の
0
20 40 60 80
TIME(s)
16時 間処 理
し,ア セ トン中で粒子 の沈 降速 度 の違 い を利 用
して約 1-8μ mに 粒度 を揃 えた後 ,20 96 HCll時
0
20
間処理 に よ り炭酸塩 鉱物 を溶解 した。 これ を直
40
60
80
TIME(s)
径 10mmの アル ミ板 上 に沈着 させ た。
なお, 人工 照射 は60c。 線 源 を用 い,0.3 0.4
Fig I Tcinperaturc dcpcndcnce of OSL intcnsity
(lakC Sedilncnt)
Gy/hの 線量率 で 行 ったc
Rclativc OSL intcnsity is thc ratio of OSL to
that rncasurcd at 30° C
2・
Tcmpcraturc of the hcating platci 0 100° C,
1 0SL強 度 の温度 依存性
10 Gyの γ線 を吸 1又
▽ 80° C,(Э 60° C,□ 40° C
Inscrtis the IRSL shincdown curve at 30° C.
させ た湖底堆積物 の 微粒
子試料 を用 い て ,測 定時 の 試料台温度 を30℃ と
40100℃
まで 20℃ 刻み に設定 してIRSL強 度 の
と赤 色光 は エ ネ ル ギ ー差 が 大 きい (約 l cV)の
温 度依存性 を調 べ た。Fig.1は ,40-100℃ にお
で ,異 な る電 子 捕 獲 中心 の 電 子 が OSLに 寄 与 し
けるIRSLシ ヤ イン ダウ ンを30℃ の IRSL強 度 を
て い る と考 え られ る .こ の こ とを考 慮 して ,産
基 準 と して 示 し た も の で あ る (測 定 に は
地 が 異 な る 石 英 (試 料
,
DAYBREAK製 装置 を使 用 した
IRSL強 度 は,試 料 台 温 度 に依 存 して増 加 す
る。温 度が4080℃ まで のlRSL強 度 は安定 して
)。
8,9)を
1-4)と
長 石 (試 料
7,
耳∫い て ,GLSLお よび IRSLの 発光 を測
定 す る と と もに ,GLSL測 定 後 に IRSL測 定
(り 、
い るの に対 して,100℃ で は IRSL強 度 が測 定 開
下 ,GL-lR測 定 )ま た は lRSL測 定 後 に GLSL測
‐
定 (以 卜,lR― GL沢 1定 )を した場 合 ,OSL強 度
始直後 か ら60秒 まで は 30℃ の IRSLに 対 して比
が どの よ うな 変 化 を示 す か を 調 べ た c500で
夕1性 が な く再現性 も悪 く,不 安定 で あ った。 こ
分 で ア ニ ー ル した 標 本 試 料 に 40 Gyの γ 線 を吸
の結果 は ,TLに お ける HO℃ 付近 の発光 に対応
す る電子 捕 獲 中心 が IRSLに 関与^し て い る こ と
収 させ ,50℃ で 1日 放 置 した も の を 試 料 と し
を示唆 して い る と解釈 す るこ とがで きる。
,5
て ,DAYBREAK製 装 置 で 測 定 した .
石 英 は BLSLま た は GLSL,長 石 は lRSLで 強
く発光 す る 。石 英 の IRSLは 微 弱 で あ りGL-lRの
2・
2 0SL強 度 と励起 光波 長 の 関係
発 光 は きわ め て 弱 い の に 対 して ,GLSLと
IR¨
GL
OSL年 代減1定 で は,電 子捕獲 中心 に捕獲 され
い
を光 に よつて 励 起 させ て 発 光 させ
て る電 了´
の 発光 は 強 い 。一 方 ,正 長 石 と微 斜 長 石 の IRSL
る。通常 ,励 起光源 として使 用 され るのは緑 色
色光 と赤 外 光 であ るが ,緑 色光 。青 色光
光
とが わ か つ た c亜 灰 長 石 は 、正 長 石 や 微 斜 長 石
,青
は 強 く発 光 し,GLSLや
IR―
と 同様 で あ るが ,GLSLと
GLで
IR―
も発光 す る こ
GLの 発 光 が よ り
RAD101SOTOPES
/ol.50,No 9
ヽ
強 い。 この 結 果 か ら,Table lに 示 した llk報 の
デ ー タの よ うに石 英 は IRで 励 起 され る浅 い 電
子捕獲 中心 が ほ とん ど存 在 しな い の に対 して
Preheat ttime
機 10秒
農60秒
熙300秒
,
長 石 類 で は IR励 起 に対 応 す る浅 い 電子 捕 獲 中
> L ∽Z Ш卜 Z 一コ∽コ∞ ]> 一
卜 < コ]∝
心 と緑 色光 で 励 起 され る深 い 電 子 捕 獲 中心 が
あ る こ とが わか る。 また,こ の実験 に よ │),亜
灰 長 石 は IRで 励 起 され る電子 捕 獲 中札、よ 句緑
色光 で 励 起 され る 電子 捕 獲 中心 に捕 獲 され る
電子 の方 が 多 い こ とが わか った。 この現 象 が ど
の よ うな種類 の 不 純 物 また は格 子 欠 陥 に よる
電 子 捕 獲 中心 に 関係 が あ るの か は この 実験 で
は不 llEで ある。
00
2・
3
100
50
150
プ レヒー ト処理 の効果
200
250
TEMPERATURE(℃
プ レヒー トは,osL測 定前 に試料 を一 定時 間
Fig.
加熱す る ことに よ り、熱 的 に不安定 な浅 い電子
2
300
350
)
Preheat plateau test (Quartz,Sample 3).
Relative BLSL intensity is the ratio of BLSL
to that ofnon-preheated quartz.
捕獲 中心 の電子 を除去す るため に行 われる。 こ
こで は,プ レヒー トの温度 と保持 時 間 を変化 さ
せ て,石 英 と長石 の 最適 な プ レヒー ト条件 を決
定 す る こ とを試 み た (測 定 には DAYBREAK製
Preheat ttime
機 10秒
轟60秒
国300秒
装置 を使 用 した ).
と L ∽Z Ш卜 Z 一コ∽∝一]> 一
卜 < コ]に
350℃ で60分 アニー ル し,50 Gyの γ線 を吸収
させ た石英 (試 料 3)と 長石 (試 料 6)を 用 い
,
試料台温 度 を石英 で は40℃ ,長 石 で は60℃ に設
定 して OSL測 定 を した。石 英 の 典 型 的 な TL
ピー クは 1lo℃ ,230℃ お よび 325℃ 付近 に現 れ
るので ,こ れ らの TLピ ー クに関与す る電子捕獲
―
■
、
の 電子 を除 去す る 日的 で ,石 英 は 90-140
亡
中′
品
℃ ,180240℃ お よび280340℃ で プ レヒー ト
を した (い ず れ もlo℃ 間隔 )。 長石 は必ず しも
明瞭 な TLビ ー クが あ らわれ ない こ とが 多 い が
2・
00
120
140
150
160
170
180
190
,
TEMPERAttURE(℃ )
1で 示 した ように微粒子試 料 の IRSL(主 と し
て長石 の 発光 )が 100℃ で不安定 になる現 象 を
考慮 して ,こ こで は 120190℃
130
l
Fig.3 Prchcat plateau tcst(Fcldspar,Sample 6)
Rclative IRSL intcnsity is thc r江 10 0fIRSL to
(lo℃ 間隔 )で
that of non¨ preheatcd fcldspar.
プ レヒー トを行 った。各温度 にお け る保持 時 間
4
は 10秒 ,6()秒 ,300秒 の 3と お りで 行 った。石英
2・
お よび長 石 の結果 につ い て それぞれ Fig.2お よ
Godicy¨ Smithら に よれば,自 然界 での太陽光
タ イムゼ ロ イン グの確認
び Fig.3に 横軸 にプ レヒー ト温度 ,縦 軸 にプ レ
被曝 で 石英 は約 20秒 ,長 石 は約 7分 で
ヒー トしないosL強 度 に対 す るOSL強 度比 を プ
に まで osL強 度 が 減 少 す る と され て い るが 7),
レヒー ト・ プラ トー温度領域 とともに示 した。
自然状 態 で の ゼ ロ イ ン グで は複 雑 な 露 光 条 件
(6)
1%以 下
Sep.2001
下岡 ,他 :石 英 ・ 長石 を試料 と した光励起 ル ミネ ッセ ンス年代測定 法 の 基礎研 究
■BLSL(QuartZ)
●IRSL(Feldspar)
コく Σ に O Z
> L ∽Z ]卜 Z 一コ∽∝一ぬ ШN一
汁 〓 ∽Z ]卜 Z 一コ∽〇 ∩ ]凶 コく Σ ∝O Z
0246810121416
0
50
EXPOUSER TIME(h)
100
150
EXPOUSURE TIME(s)
Fig.4 BIcaching of OSL by sunlight of>2 000 Lx
Fig.5 Blcaching ofIRSL by sunlight Of-6 000 Lx
(QuartZ and FcldspariSamplc 3 and Samplc 5)
(lake SCdilncnt).
OSL intensity is norrllalizcd to that of non―
IRSL intcnsity is nonnalizcd to that of non―
blcached samplc
bleachcd salllplc.
が予想 され るので ,ま ず ,照 度 が強 い季節 の露
光 に よつて タ イ ムゼ ロ イ ングが 完 全 に な され
るか どうか を確 かめ た。350℃ で 60分 アニ ー ル
料 が 完 全 に ゼ ロ イ ン グ され て い るか ど うか に
し,50 Gyの γ線 を吸収 させ た石英 (試 料 3)と
長石 (試 料 5)を 用 い ,7月 の太 陽光 (20 000 Lx
唆 され た。
つ いて ,よ り慎 重 な検討 が必 要 であ る こ とが示
5
人為的 にゼ ロ イ ング した試 料 のOSL
以上 )に 4時 間 ,8時 間 ,12時 間 ,16時 間露光 し
2・
プ レヒー トを石英 の場 合 は 120℃ で 10秒 ,長 石
強度 の放射線量依 存性 と感 度変化
加 熱 (ア ニー ル)ま たは露光 (光 ブ リー チ )に
,
は 160℃ で 60秒 と して RIS② 製装 置 で 測 定 した
(試 料台温 度 は,石 英 40℃
,長 石 60℃ )。
よる人 為 的 タ イムゼ ロ イ ングの 条 件 を変 えて
Fig.4
,
は横軸 に露光時 間 を,縦 軸 にOSL強 度 を露光 さ
500℃ で 60分 間 アニー ル した標本試料 をオ リジ
せ て い ない試料 のOSL強 度 との比 で示 した。長
ナ ル試 料 と してFig.6の よ うな手 順 で 石英 と長
石 の OSL強 度 が 4時 間以 Lの 露光 で
1%以 下 に
石 の OSL強 度 の放射線 量 依存性 をテ ス トした。
減少 す るの に対 して,石 英 は 3-5%程 度 まで し
測定 はRISO製 の装 置 で行 ったが ,石 英 (試 料3)
か減少 しなか った。
につい ては プ レヒー ト120℃ (10秒 )で 試料台温
また ,Fig.5に 示す ように,38.5Gyを 吸収 さ
度 40℃ ,長 石 (試 料 5)に つ い て は プ レヒー ト
せ た 湖 底堆 積 物 の 微粒 子 試 料 を用 い て H月 の
薄曇 り (約 6 000 Lx程 度 )の 下 で 0-180秒 間露
160℃ (60秒 )で 試料台温 度60℃ を採 用 した。測
定結果 をFig.7と Fig.8に 示 す。石英 をアニー ル
光 し,測 定 時 の 試 料 台 温 度 を 80℃ に設 定 して
に よつて ゼ ロ イ ング を した場 合 は直 線 性 を示
DAYBREAK製 装置 で IRSL測 定 を した。 180秒
間露 光 した 試料 の IRSL強 度 は,露 光 して い な
さな い が ,長 石 の IRSLは どの アニ ー ル条 件 で
い試料 と比較 して約25%ま で減少 した。
イ ング操 作 を しなか った 試 料 を基準 と して比
もほ ぼ直線 的 な線量 依存性 を示す。 人為的 ゼ ロ
べ た場 合,石 英 で は空 気 中 または窒素雰 囲気 で
今 回 の結果 か らは,OSL年 代測定 にお い て試
(7)
RAD101SOTOPES
(500℃
ヽ″
ol.50,No.9
60mm)
、
→ 一t コ 五 ﹂●︶ ゝ卜 あ ZШ卜Z コ∽⊆
吻
コ 舶“
In Nrtrogen atmosphere
0SL Measurmenl
0
50
TL Measurment
Fig.
100
150
200
0ose(Gy)
6 Experimental procedure for the test on
dose
ig.8 Dosc dcpcndcnce ofIRSL(Fcldspar,
「
Samplc 5).
dependence of OSL and OSL-TL with different
artificial zeroings.
(A)Original
(B)Bleach i 8 h
(C)Anncal:500° C,10 min in air
(D)Anncal:350° C,6011■ in in air
(E)Anncali 500° C.10
nlin in nitrogcn atI■ o―
sphcrc
(F)Anncali 350° C,60
min in nitrogcn atmo¨
∽
”︶とL∽ZШ卜Z一コ∽コ∞
︵
ピCコ 0﹂
sphcrc.
の場 合 ,空 気 中で 350℃
,60分 の ア ニー ルは感
度変化 が 少 ない が ,線 量 依存性 が オ リジナ ル試
料 の それ とは微妙 に異 なる。 また,ア ニ ール後
のOSLは 低線量域 にお い てス プ ラ リエ ア現象 を
起 こす の に対 して ,光 ブ リーチ 後 のOSLは わず
か にサ ブ リエ ア現 象 を生 じる傾 向 がみ られた。
0
50
100
150
2・
200
Fig,7 Dosc dcpendencc of BLSL(QualtZ,Sample 3).
(A)Original
6 0SL測 定 後 のTL年 代測定 の可能性
一 〇SL測 定後 の TL強 度 の放射線 量
依存性 一
〇SL測 定 した試料 をTL測 定 (以 下 OSL― TL測
Dose(Gy)
(B)BICaCh:8h
(C)Anneali 500° C,10 min in air
定 )し て ,OSL― TL強 度 の放射線量依存性 を,2・
(D)Anncal:350°
と同 じ条 件 で ア ニ ー ル した試 料 と光 ブ リー チ
C,60 nlin in air
(E) Anncal:500° C,1
0 1nin in nitrogcn atlllo―
した試料 につい てRIS② 製装置 で 測定 した。この
spherc
(F) Anneal:350° C,60
5
1nin in nitrogcn atlllo―
実験 は,OSLと TLで は異 なる電 子捕獲 中心 の電
sphcrc.
子 が励起 される こ とか ら,同 一 試料 でOSL年 代
500℃ ,lo分 ,長 石 は窒素雰 囲気 で500℃ ,lo分
または 350℃ ,60分 の ア ニ ー ルが比 較 的再現性
測定 とTL年 代測 定 が 可 能 で あ るか ど うか を確
が よいが ,20-30%の 感度変化 を生 じる。石英
す。
かめ る 目的 で行 った。結果 をFig。 9と Fig.10に 示
(8)
下 岡 ,他 :石 英 ・長 石 を試料 と した光励起 ル ミネ ツセ ンス年 代測定法 の 基礎研究
Sep.2001
387
︵∽t rコ .
0﹂o︶ ´卜一
∽Z]卜Z一コト
3 一E D 五 ﹂こ ゝ卜 あ z]卜z一コト
0
50
100
150
0
200
50
100
150
Dose(Gy)
Fig 10 Dosc dcpcndencc ofIRSL― TL(Fcldspar,Samplc
Fig 9 Dose dependcnce of BLSL― TL(QuartZ.Samplc3)
(A)Original(B)BICaCh:8h
5).
(C)Anncali 500° C,10 min in air
(A)Original
(D)Anncal:350° C,60 min in air
(C)Anncal:500° C,10 min in air
(D)Anncal:350° C,60 min in air
(E)Anncal:500° C,10n■ in in nitrOgcn
(E) Anncal:500° C,10
nlin in nitrogen atlno―
sphcre
(F)Anncal:350° C,60
200
Dose(Gy)
(B)BICaCh:8h
atmo―
sphcrc
min in nitrogell atmo―
(F) Anncali 350° C,60 1nin in nitrogcn atino―
sphere.
sphcrc.
石英 (試 料 3)で は,空 気 中 で500℃ ,10分 ア
ニ ー ル した試 料 は オ リジナ ルの 試 料 と同様 の
プ レヒー ト条 件 につ い て 標準 的 な osL測 定 条
線量 依存性 を示 した。石英 をそ の他 の 条件 で ア
件 をTable 3の よ うに設定 す る こ とが 適 当 で あ
ニ ー ル した試 料 は ア ニ ー ル しな い 試 料 よ り強
る と判 断 した。年代測定 にお い て ,付 加線量法
度 が 小 さ くな る傾 向 を示 す が ,OSL¨ TL測 定 に
で 測 定 して直線 フ イッテ イン グに よる解 析 を
よ って 付 力Π線 量 法 また は 再 現 法 に よる 年 代 測
す る場 合 にはア ニー ルが必 要 であ るが ,ア ニー
定 が可 能 で あ る と考 え られ る。一 方 ,長 石 (試
料 5)を ア ニ ー ル した試料 は強度が大 き くな り
ル に よる感 度変 化 を最 小 にお さえ るため には
石英 で は 500℃
全 体 と してサ ブ リニ アの傾 向 を示 す ので ,再 現
気 )と 長石 で は500℃ ,10分 または350℃ ,60分
法 に よる年代測定 が i直 当 で あ ろ う。
(い ずれ も窒 素雰 囲気 )が 望 ま しいc
,
,lo分
,
(空 気 中 また は窒素雰 囲
一 方 ,光 ブ リーチ した試 料 の OSL― TL測 定 で
年代 測定 の ため に使 用す る遺 跡 の 風 成 また
は,石 英 と長石 のいず れ も γ線照射量 が O Gyに
は 水 成 堆 積物 層 の 鉱物 試 料 は そ の 成 因や 含有
お い て残 存 TLが 確 認 され た こ とか ら (Fig.9お
す る不純物 に よつてOSL感 度 が異 な り,年 代 に
よび Fig.10),年 代測定へ の応 用 には風 成 または
よって吸収線量 に も幅が あ るので ,実 際 の測定
水 成堆 積物 試料 の TL年 代 測 定 と同様 の 追加 実
で は Tablc 3に 示 した条 件 を手直 しす る こ とは
験 を必 要 とす る と考 え られ る。
当然 あ り得 る。 た とえば,前 期 旧石器遺跡 の試
料 の ように吸収線量 が 数 100 Gyと 予想 され る試
2・
7 0SL測 定条件 の設定 と年代
1員
料 の測定 で は OSL強 度が大 きいの で ,試 料 台温
1定 へ の
度 は室温 で測定す る ことがで きるであ ろ う。 タ
応用
以 Lの 実験 結果 か ら,測 定 時 の 試料 台温 度
イム ゼ ロ イ ン グが 完 全 に な され て い るか どう
,
(9)
RADIOISOTOPES
Vo1 50,No.9
Tablc 3 0ptimum condition for OSL dating
Preheat(℃ (S))
Measuring Temperature ('C )
0
4
Sample
120(10)
160(60)
0
6
Quartz
Feldspar
か とい うこ と,お よび osL感 度 の 変 化 に関 して
用 した新 しい 手 法 に よる 第 四 系堆 積 物 の 年 代
は 個 々の 試 料 につ い て チ ェ ックす る こ とが 必
測定」 (平 成 8,9年 度 :課 題 番号 08680188)「 遺
要 で あ る。 また ,テ フラな どの被熱試料 はOSL
跡 の 文 化層 の 絶 対 年 代 を決 定 す る光 ル ミネ ッ
法 と TL法
を併 用す る こ とが で きるが ,風 成 ま
セ ンス年代測定法 の確 立 」(平 成 10,H年 度 :課
たは水 成堆積物試 料 の OSL― TL測 定 で は 従来 と
題番 号 10680175)に よる もので あ り,測 定装置
同様 に残存 TLの 定 量 が必 要 となる。
の設置 には
3.結
(株 )古 環境 研究所 の援 助 を受 けた。
文
論
献
1)Guerin,G.and Valldas,G.:Thcrll101umincsccncc
考 古 遺 跡 にお い て 風 成 また は 水 成堆 積 物 試
dating of volcanic PlagiOClase.Naturc,286,697-699
料 の文化層 の年代測定 を石英 または長石 の OSL
現 象 を利 用 して 決 定 す る こ と を前 提 に して
(1980)
2)Ichikawa,Y.,Hagihara,N.and Nagatomo,T.:Dating
of pyroclastic■ ow dcposits by means ofthe quartz
,
OSL強 度 の温度 依存性 ,OSL強 度 と励起光波長
inclusion lncthod,PACT 6,409-416(1982)
3)Nagatomo,T.,Kttiwara,H.,Fttimura,s,Kamada、 T
の 関係 ,プ レヒー ト処理 の効果 , タイムゼ ロ イ
and Yokoyama,Y. :Lunlincsccncc dating of tcphra
■onl palcolithic sitcs in Japan(fl・ OIn 10ka to 500ka)
ン グ の 確 認 ,人 為 的 に ゼ ロ イ ング した試 料 の
Rα ttα r P7´ θ
′Dθ ∫ノ
777.,84(1-4),489¨ 494(1999)
4)Aitkcn,M.J.:・ `Thcmoluminescence Dating'・ ,Aca―
OSL強 度 の 放 射 線 量 依 存 性 と感 度 変 化 お よび
OSL測 定 後 の TL年 代測 定 の 可 能性 に 関す る基
dcmic Prcss(1985)
5)Tatumi, S.H, Nagatomo、 T., Sengupta, D,
礎 的 な実験 を行 った。そ の結果 に基 づ い て標準
Watanabc, S,, Barcto, A M. F and Suguio, IC i
的 な測 定条件 を決定 した。
Thcl■llolulllincsccncc dating ofcolian scdilncnts fl・
OSL年 代測定法 は,今 まで理化 学 的 な方 法 が
om
α′
ノ
Sao Francisco rivcr,State of Bahia,Brazil,Rα ノノ
θ″
f//を ご
おα″グDcル εおノ
″肋 ′
ノ
お ,146,285-295(1998)
6)UgumOri,T and lleya,M.:Lumincsccncc of CaC03
undcr N2 1aSer excitation,ル ′
,J/4ψ ′Pり 'S,19,459465(1980)
7)Huntly,D J,Godfl・ ey― Smith,D I and Thcwalt,M.
なか っ た風 成 また は水 成堆 積 物 試 料 で あ る考
古 遺 跡 の 文 化層 や 第 四 系 堆 積 物 の 年 代 を直接
決定す る方法 と して有効 であ る と考 え られ る。
L.W. : Optical dating of scdiincnts, Nrrrι ″で、313.
謝
辞
105‐
107(1985)
8)Godicy― Smith,D.I.,Huntly,D.J.and Chcn,ヽ V.H.:
本論 は,奈 良教育大学古 文化財科学研究室 に
Optical datillg studies ofquartz and fcldspar scdiincnt
お ける過去 5年 間 のデ ー タの一 部 をま とめた も
extracts,21′
αr scJ Rcv,7,373-380(1988)
9)McKccvcr.S.W.S.,Bottcr― Jcnscn,L.,Agcrsnap
ので あ る。測定 は小野 佐詠子 ,小 松 久美 ,寺 坂
Larscn,N.and DuHcr,G.A.T.:Tcl■
さ と江 ,西 村 隆之 ,間 谷美 由貴諸氏 に よる もの
pcraturc depcn―
dcncc ofOSL dccay curvcsicxpcriincntal and thcorct―
ical aspccts,Rα ″ノ
α′ル′
θ
αs.,27(2),161-170(1997)
で あ る。 また,測 定 の一 部 は奈良女子大学高 田
10)長 友 恒 人 ,北 代 陽 子 ,佐 野 陽子 ,梶 原 洋 ,藤 村
新 一 ,鎌 田 俊 昭 ,横 山 裕 平 ,柳 田俊 雄 :前 期 ・
将志助教授 に ご協 力 い ただ い た。 これ らの方 々
中期 旧 石 器 遺 跡 の 光 ル ミネ ッセ ンス 年 代 測 定
日本 文 化財 科 学 会第 17回 大 会 ,12-13(2000)
11)HaShil■ oto,T.今 Hayashi,A.l Yokosaka,K.,Koyanagi,
に感謝 申 し上 げ ます 。
本研 究 は科学研 究 費「光励起 に よる ル ミネ ッ
セ ンス年代測定法 の 開発 と応 用」 (平 成 6,7年
,
K.and Kirnura,K.:Rcd and bluc colouration ofthcr―
molunlinrsccncc from natural quartz sands、
度 :課 題 番号 06834004)「 ル ミ ネ ッセ ンス を利
乃・
αξ
た∫α″
,″
(1986)
(10)
ε′・
A几 ′
`ノ
Rα ″
ノ
α′
ノ
θ77 MCα S,″で″
,,′ 71お , 11, 229-235
Scp.2001
下岡,他 :石 英 。長石 を試料 とした 光励起 ル ミネッセ ンス年代測定法 の基礎研究
389
12)長 友恒 人 :“ ル ミネ ツセ ンス法、
考古学 のための
年代漑1定 学 入門",pp 59-76 古今書 院 (1999)
Abstract
Studies on OSL of Quartz and Feldspar for Dating of Sediments
Yorinao SHtr,A.otcA. and Tsuneto NRcRrovo
Department of Archaeological Science, Faculty of Education.
Nara University of Education,
Takabatake-cho, Nara-sh i 63 0-8,5 2 8, J apan
Opticallv stimulated luminescertce (OSL) of'quartz, leldspur untl fine gruin mineruls vtas inve.stigated v'ith the
inteutiort of'estublishing the olttimtun condition .fbr" the OSL dutirtg ol'geologic'al and urchaeological sedintents. Four
quartes, .fire.fbltlspars and nahrrol sediments v'ere usetl lbr the OSL mettsur-ements stirnulatee{ v'ith green ntd inlrttretl lights. The tests were I'ontsetl on the temperature dependeuc'e of'OSL intensitie.s, thc preheut-plutettu te.st.s, the
ellec,ts of- tumealing and hleat'hing on zeroing and sensitit'i4' changes aue{ tlrc thernolunirrcs(elrce itrtensit.t' o./ OSLmeustu-etl suntples.
(Received Novc-mber 27, 2000)
(11)