シメオン 後藤正史神父 「四旬節をどのように過 ごしています - 幟町教会

「平和の鐘」2009 年 3 月号(1)
編集・発行
カトリック幟町教会(宣教企画部 広報係)
主任司祭 後藤正史神父
協力司祭 アルベルト神父
〒730-0016 広島市中区幟町 4 番 42 号
TEL (082)221-0621 FAX (082)221-8486
2009 年 3 月号 №405
http://www.nobori-cho-catholic.com
シメオン
後藤正史神父
「 四旬 節 をどのように過
もっと神様のお望みに
ごしていますか」と問われ
従って歩んでいこうと
たら、大きく答えは二つに
することにあります。そ
分 かれ る のではないでし
こにまことの平和が生
ょうか。一つのグループは
まれると。
「自分の罪(弱さ)を思い、
自らの歩みを振り返
犠牲を捧げる」ということ
り、神様のところに立ち
よりも、「歯をくいしばっ
帰る季節である四旬節
て我慢する季節」ととらえ
をどう過ごすか、一つ提
ます。その対極には、四旬
案をしてみたい。ありき
節を、わたしたちキリスト
たりのことと言われれ
者 の一 番 の大きなお祝い
ば、それまでですが、ま
日 であ る 復活祭を迎える
ずは家族に対し、友人に
準 備を す る特別な季節と
対し、心から喜ぶこと
い う感 覚 が希薄なグルー
(小さなことでいい)を
プがあります。おおざっぱ過ぎる分け方で
もっともっと進んで行うことです。さらに
すが、この両者の格差というか、溝はとて
は、苦しみや悲しみや孤独の中にある人々
も深いものがあります。
に寄り添うことです。それは決して相手を
二月は「過去を振り返ること、覚えてお
かわいそうな人として見下ろし、あわれむ
くことは未来に向けて歩みを起こすこと」
ことではありません。
≪平和アピール 1981≫(ヨハネ・パウロ二
「自分の罪の部分」を見つめる、悔い改め
世教皇広島訪問、2 月 25 日)をわたしたち
ることも自分をみじめに思うどころか、し
広島教区に生きる民は毎年、記念する集い
がらみから解放された、まったき自由な世
を持っています。このメッセージの核心は
界に入っていくという喜びにつながってい
過去、つまりこれまでのあり方を振り返る
きます。四旬節を過ごしながら、神様と共
ことは決して過去を否定することにではな
に、隣人と共に生きる喜びを分かち合う道
く、過去の反省の上に、これからをもっと
を切に求めていきましょう。
「平和の鐘」2009 年 3 月号(2)
日曜学校について皆様とともに考える特集
第3回。日曜学校の課題と現状について、
日曜学校リーダー(5名)と教会の運営に関
わる皆さん(後藤神父、運営委員長、幹事長)
に話し合っていただきました。(司会:広報
係)
司会
少子化社会に対して、どう対処する
かということを共同体として考えてみま
しょう。
小学校低学年リーダー
本日参加できない
日曜学校関係者からも意見を預かってき
ました。
初聖体を受けるにあたってダブルの子
ども(日本人親と他民族・他国籍・他人種の親との間
に生まれた子)たちも、日曜学校で準備段階
から一緒に活動しますが、日本人と外国
人のミサの時間が違うため、初聖体後は
接点が無くなってしまいがちです。初聖
体を受けるためだけの日曜学校になって
しまっていて、初聖体が終わったら も
ういいや みたいな感じで、来られなく
なる子がかなりいます。
ダブルの子の活動については、フィリ
ピン側の保護者が合唱団を作ってみよう
という動きがあります。ダブルの子ども
は、ママが外国人で、パパは日本人のケ
ースが多く、たいていの場合は、パパは
信者ではありません。そうすると、パパ
は、ママが子どもを連れて教会へ行くく
らいまではゆるせるけど、初聖体は仕方
がないとしても、日曜学校ともなると自
分がひとりという疎外感を持たれるんで
す。それで、午後のミサにあずかってい
るダブルの子どもたちについては、合唱
団を作って活動しますという名目で、ま
ず教会に通わせることができるようにな
ればと考えられているようです。
日曜学校メンバーは登録上では外国人
を親にもつ子が半分ですが、実際の参加
は 3 分の1です。
司会 運営の状況をお聞かせください。
小学校低学年リーダー 小学校1年生を担
当しています。
初聖体は2年生主体で、担当リーダー
がいます(本日不在)。
2年生は初聖体の準備があるのでその
時期は熱心に参加しています。
小学校中学年リーダー 小学校3・4年生を
担当しています。参加者は3∼8名です。
子どもだけが教会に来るのではなく、
親と一緒に来ているので、どうしても日
曜学校に定期的に来るのは、親がミサに
あずかっている子どもになります。
クリスマスの聖劇を担当している学年
なので、それに向けてはモチベーション
があります。目標を立てて協力していく
中で、仲間意識が生まれてくるようです。
行事があると子どもの集まりも良いよう
です。
「平和の鐘」2009 年 3 月号(3)
小学校高学年リーダー
小学校5・6年生を
担当しています。参加者は1∼5名です。
典礼についてなど、教会の教えに対し
て熱心に興味を持っていて、
「僕はこんな
ことを知っているよ」ということから、
他の子が「え、どういうこと」というこ
とで話が広がって、とても仲間としてま
とまっています。
仲間作りがうまくいけば、ミサに行け
ば友達に会う楽しみもあり、教会離れも
少なくなるのではないでしょうか?
中学生会リーダー 中学生を担当していま
す。参加者は1∼3名です。
中学生になると、学校の部活動や塾が
あり、日曜日に集まることが難しいです。
活動はバザーの準備や、合宿の際には
サブリーダーとして小学生のお世話をし
ていますが、来る人数があまりに少なく、
入れ替わりが多いので、テーマを持って
何かに取り組むまではいっていません。
高校生会リーダー 高校生を担当していま
す。参加者は3∼4名です。
中ブロの運営という大きな仕事を任さ
れているため、準備段階から熱心に活動
しています。幟以外の高校生と集まって
準備をしていくことができるのは高校生
にとって大きな財産だと思います。それ
が青年になっても、一緒に中ブロ(卒業間
司会
家庭では、親から子へどう宗教を継
承しているでしょう。
後藤神父 子どもに対して他人事になって
いませんか?「子どもを真ん中に位置づ
けてみなさい」というイエス様の言葉に
もありますが、子どもが小さいときには
関心があっても、大きくなると子どもへ
の関心が薄くなっているようです。家庭
が一番の信仰教育の場です。ミサの前に
一通りみことばを読んでいますか?家で
聖書を開いたこともないなんてことはあ
りませんか?忙しくてミサに参加できな
いときは、家庭で祈りの時間を一緒に持
っているでしょうか?
親であれ、リーダーであれ、司祭であ
れ、信仰について語れるものがなければ
子どもには伝わりません。
最近では、召命の一番の抵抗勢力は親だ
とも言われています。
・・・●・・・・・・●・・・・・・●・・・・・・●・・・
この話し合いは、家庭での信仰生活な
どより深いテーマにまで及びましたので、
次号で続きをお伝えします。
近の中三から高三の生徒が身近なテーマについて分か
ち合う、3月末に開催される広島教区主催の集い)を
作っていった仲間というのはつながりが
あります。幟の高校生としての活動はあ
編集後記
まりできていないかもしれませんが。
日曜学校の取材を通じて、
いろい
ろな問題が見えてきます。何から手
それまでに教会に対してブランクがあ
を付けて良いものやら・・・。教会
っても、再び友達に誘われて参加したこ
共同体の中では「ああすれば良い」
「こうすれば良い」だけではなく、
とで教会復帰の良い機会になっています。
実際に心と体を張って実行しなければ解決にはなり
ですから、高校生たちには友だちへの声
ません。感心するのは、関わるリーダーと親御さん
達です。どんな時でも逃げ出さないで、子供達と共
掛けを呼びかけています。
に生きて下さっています。感謝!です。 (の)