全米数学教師協議会による Data Processing and Probability

全米数学教師協議会による
Data Processing and Probability
に関する教育理念と教育指針
宮崎大学教育文化学部
藤井良宜
Principles and Standard
for School Mathematics
• 2000年4月に全米数学教師
協議会(National Council of
Teachers of Mathematics)
が発表したガイドライン
• 各州が設定するカリキュラム
の枠組みや各学校区が定め
るカリキュラムとその実行を
評価するための基準あるい
訳本 「新世紀をひらく学校数学」
は拠り所となる
筑波大学数学教育学研究室
概要
1. 学校数学のためのビジョン
2. 学校数学のための原則
3. 学校数学のスタンダード:幼稚園入学前から第12
学年まで
4. 幼稚園入学前から第2学年のためのスタンダード
5. 第3学年から第5学年のためのスタンダード
6. 第6学年から第8学年のためのスタンダード
7. 第9学年から第12学年のためのスタンダート
8. ビジョンを達成するためにともに働く(?)
10項目のスタンダード
• 内容スタンダード
–
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–
–
数と演算
代数
幾何
測定
– データ解析と確率
• 過程スタンダード
–
–
–
–
–
問題解決
推論と証明
コミュニケーション
つながり
表現
データ解析と確率で目指すもの
• データを使って答えることができるように問い
を定式化すること
• データを集めて、それを賢く使うこと
• データ解析の方法のいくつかを知ること
• データから推測し、結論を引き出す方法
• 確率の基礎概念
• 確率と統計の関係
カリキュラムの特徴
• すべての学年にカリキュラムを配置する
• 高等学校が修了するまでに、初等統計のある程度の
知識を身につけるために、段階を追って概念や方法
を洗練されたものにしていく。
• 生徒がデータを直接取り扱うことを強調している。
• 確率や統計を学ぶことによって、そのほかの数学の
概念をその他の教科と結びつけたり、日常生活と結
びつけたりすることができる。
1989年版で、指導教材の開発や教師のための教育プ
ログラムなどのある程度の基礎作りはできている。
第12学年までに
次のことを身につける
1. データを用いて扱いうる問いを定式化する。
それに答えるために、関連するデータを収
集し、整理し、表示する。
2. 適切な統計的方法を選択し、使う。
3. データに基づく推測と予測を立て、評価する。
4. 確率の基礎的概念を理解し、応用する。
Students need to know about data analysis and related aspects of
probability in order to reason statistically—skills necessary to
becoming informed citizens and intelligent consumers.
1の内容について(抜粋)
• 小学校2年まで
– 身の回りのものに関して、問題を設定し、データを集める
• 小学校3-5年
– 問題に取り組むための調査を計画し、データの収集方法
がデータの本質にどれくらい影響するかを考えること
• 小学校6年ー中学校2年
– 2つの母集団に共通の特徴や1つの母集団内での異なる
特徴についての問題の定式化、調査の計画、データの収
集を行う。
• 中学校3年ー高校3年
– さまざまな調査の種類における相違や、そこからどのよう
な妥当な推測が得られるかを理解すること
小学校2年生まで
• 生徒の服装のポケットの数を調べる。
– 自分のポケットの数を数える。
– クラスの生徒の名簿を作り、いくつポケットがある
のかを尋ね、それぞれの名前の横に数を記す。
– すべての生徒のポケットの数をグラフで表す。
– ポケットの数とその人数をグラフとしてまとめる。
小学校3-5年
• 生徒自身あるいはその環境、学校や地域社
会の論点、いろいろな教科で勉強している内
容に対しての問いを考える。
観察または測定を
• データの収集方法
行うことが適当か
どうかを調べる。
– 生徒自身でデータを集める
– 学校や市町村がすでに集めたデータを用いる
– 公的な調査などの現存する他のデータを用いる
– インターネットでアクセス可能なデータを集める
データが集められた方法
を考慮し、評価する
小学校6年~中学校2年
• 2つの母集団の比較、1つの母集団内でのあ
る特徴と別の因子の関係を調べる。
• 例 紙飛行機の飛行距離
– 鼻先に紙クリップを1つつけた場合と、2つつけた
場合で飛行距離にどう影響するか?
比較可能性を確保するために必要なことを考慮させる。
飛行機の投げ方の違い
風の状態
など
中学校3年~高校3年
• 次のような問いを考慮して、調査、観察研究や実験
をデザインできることを目指す。
–
–
–
–
–
課題や問いは明確で、あいまいではないか?
母集団は何か?
標本はどのように選ばれるべきか?
標本は層別して選択されたほうが良いのか?
標本の大きさはどれくらいにすべきか?
• 調査におけるバイアスを理解し、無作為化などによ
るバイアスを減らす方法について理解しておくべき
である。
主な統計的手法
• 小学校2年以前
– 具体物、絵グラフ
• 小学校3年から5年
– 棒グラフ、折れ線グラフ、中央値
• 小学校6年から中学校2年
– ヒストグラム、箱ひげ図、散布図、平均、四分位
偏差、幹葉表現
• 中学校3年から高校3年
– 平行箱ひげ図、基本統計量、回帰分析
データに基づく推測と予測を立て、
評価する。
• 小学校2年まで
– クラスによって結果が違うことを認識させるなど、この概念の準備を行う。
• 小学校3-5年
– データに基づいて議論をしたり、仮説を立てさらにデータを集めるなどの経験
を積ませる。
– データセットがより大きな母集団の標本であることを意識させる。
• 小学校6年ー中学校2年
– 観察ー>推測ー>予想ー>新しい問題の開発
– 頻度を意識させる 約○%は○○である。
– 多くのデータセットを図に表し、関係を探る。(散布図の活用を強調)
• 中学校3年ー高校3年
– モデルのよる予測を行い、その限界を認識する
– 標本誤差を意識する。
– 標本の数と統計量のばらつきの関係を認識する。
まとめ
• 内容的には、日本の学校の中でも行われて
いる内容かもしれない。
• しかし・・・
– 調査を計画したり、実際に実施してはいるが、そ
こで到達すべき目標を教師側がしっかり把握でき
ているのか疑問である。
– どのようなアドバイスをすると良いのか、などが十
分に検討されているのか?
今後について
• 日本版を作るには
– 学年をどのように分けたらよいのか?
– 他教科との関係をどうするのか?
– 母集団と標本の関係をどのように組み込むのか。
まずは、教師側の教育が必要
教師側の意識を変える
調査事例や調査のアイデアの蓄積