フレームリレー/ATM 間インターワーキング(FRF.8)での圧縮サ - Cisco

フレームリレー/ATM 間インターワーキング(FRF.8)での圧縮サ
ポート
目次
概要
圧縮について
フレームリレー ペイロード圧縮
シスコの FRF.9 のサポートについて
FRF.9 の設定例
show コマンド
関連情報
概要
この文書では、シスコ製ルータの ATM インターフェイスにおける圧縮のサポートについて詳しく説明します。
従来、ATM インターフェイスは圧縮をサポートしておらず、高速なインターフェイスに依存していました。 最近、Cisco IOS(R) リ
リース 12.2(2)T から、シスコは Multilink PPP over ATM(MLPoATM)および Multilink PPP over Frame Relay(MLPoFR)での
Compressed Real-Time Transport Protocol(cRTP)をサポートするようになりました。 このサポートは、PPPoA または
MLPPPoA カプセル化(データシートを参照)および PA-A3(White Paper:Cisco 7200VxR を使用した VoIP/VoFR 終端を参照)を
搭載した、次の新しい AIM-ATM ネットワーク モジュールおよび AIM-ATM-VOICE 30 ネットワーク モジュールを含む、さまざま
な ATM ハードウェアで使用できます。さらに、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(8)T では、Distributed Link
Fragmentation and Interleaving(DLFI)での分散型 CRTP が導入されています(CSCdv34013)。LFI は、MLPPP およびサービス
ポリシーを使用して設定されたインターフェイス バーチャル テンプレートに、ppp multilink fragment-delay コマンドおよび
ppp multilink interleave コマンドを追加しています。この設定により、大きなデータグラムを分割し、低遅延のトラフィック パ
ケットの間にフラグメント化データグラムによる小サイズのパケットを交互に挿入することで、低速リンクにおける遅延を減少さ
せます。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(4)T3 では、Cisco 7500 シリーズ用に、この機能の分散バージョンが導入され
ています。この機能の詳細については、ATM およびフレームリレー用の DLFI を参照してください
Cisco ATM ルータ インターフェイスは、Frame Relay Forum(FRF; フレームリレー フォーラム)の FRF.8 実装協定の Annex B
をサポートしていません。 この Annex は、フレームリレー/ATM 間インターワーキング構成で、リモート フレームリレー イン
ターフェイスから圧縮ペイロードを受信する ATM インターフェイスのオプションを指定します。
FRF.9 では、2 つのフレームリレー エンドポイントによって Virtual Circuit(VC; 仮想回線)上での圧縮関連パラメータのや
りとりに使用できる、Data Compression Protocol(DCP; データ圧縮プロトコル)が定義されています。ATM インターフェイスは
FRF.9 を直接サポートしているわけではないので、フレームリレー/ATM 間インターワーキング接続における圧縮をサポートする
には、次の代替設定のいずれかを使用します。
2 つのフレームリレー エンドポイント間のトラフィックが ATM ネットワークを介してトンネル伝送される、FRF.5 を実装
します。 両方のフレームリレー エンドポイントが圧縮をサポートしていることを確認します。
設定が FRF.5 の効果を発揮できるように、(1 つの InterWorking Function(IWF)デバイスからなる標準設定ではな
く)2 つのネットワーク デバイスで FRF.8 IWF デバイスを実装します。つまり、Cisco ATM インターフェイスは Annex B
をサポートしていないため、両方のエンドポイントでフレームリレーを使用します。
圧縮について
データ圧縮は、フレームのサイズを減らし、比較的低速なリンクでのスループットを向上させることを目的として設計されていま
す。詳細な議論はこの文書では扱いませんが、簡単に説明します。詳細については、WAN 圧縮に関する FAQ および圧縮の White
Paper を参照してください。
データに使用される圧縮アルゴリズムでは、元のビット ストリームが正確に再生され、内容の損失や劣化は生じません。Cisco
IOS(R) ソフトウェアでは、優れた圧縮率を実現する STAC(LZS)圧縮アルゴリズムの最適化バージョンがサポートされています
が、圧縮の実行には多くの CPU サイクルを必要とします。ルータのプラットフォームに応じて、次の 3 つのいずれかの方法を用
いて、シスコ製ルータでデータ圧縮を実装できます。
中央のルート プロセッサで実行される、Cisco IOS 機能としてのソフトウェア ベースの圧縮。
Versatile Interface Processor(VIP)での分散型サービスとしての、ソフトウェア ベースの圧縮。VIP 上の CPU は、プ
ロセッサを過度に使用するタスクを実行し、メイン プロセッサを解放して他のサービスに使用できるようにします。 圧縮
などの専門化されたサービスは、ルータ内で利用可能な CPU リソースに大きく依存します。
Advanced Integration Module(AIM)や Compression Service Adapter(CSA; 圧縮サービス アダプタ)などの特定のハー
ドウェアを介したハードウェア ベースの圧縮。専門ハードウェアによるエンジンに、拡張された Cisco IOS サービスのよ
うな圧縮をオフロードすることで、より高いスループットを確保できるようにします。
ルータがすでにプロセッサを過度に使用する機能をいくつか実行していて、圧縮用のクロック サイクルがほとんど残っていない
場合、特別な圧縮ハードウェアをお勧めします。
フレームリレー カプセル化を使用して設定されたシスコのシリアル インターフェイスは、LZS 圧縮をサポートしています。 ま
た、フレームリレー フォーラム により定義された FRF.9 実装協定では、LZS 圧縮アルゴリズムを使用します。 (次の設定例を
参照してください。)
フレームリレー ペイロード圧縮
フレームリレー フォーラム(FRF)は、フレームリレーを使用したネットワークでのベンダー間の相互運用性を確保するため、実
装協定を定義しています。 FRF.9 では、データ圧縮プロトコルを使用したフレームリレーでのデータ圧縮を定義しています。圧
縮メカニズムは、Switched Virtual Circuit(SVC; 相手先選択接続)と Permanent Virtual Circuit(PVC; 相手先固定接続)の
両方に実装可能です。圧縮メカニズムの使用は、フレームリレー Data Link Connection Identifier(DLCI; データリンク接続識
別子)の開始時点でネゴシエートされます。
圧縮されたペイロードは、フレームリレー ネットワーク経由で転送され、終端点で圧縮解除されます。そのため、次の図に示す
ように、FRF.9 はポイントツーポイントまたはエンドツーエンドになります。
>>画像拡大
シスコの FRF.9 のサポートについて
FRF.8 実装協定は、フレームリレー エンドポイント、ATM エンドポイント、および 2 つのプロトコル間の変換を行う(WAN スイ
ッチやシスコ製ルータなどの)ネットワーク デバイスの間でのサービス インターワーキングを定義しています。
FRF.8 の Annex B では、データ圧縮および FRF.9 データ圧縮プロトコルを使用するオプションが使用できます。 FRF.8 リンク
における FRF.8 の圧縮サポートの規定は、次のようになります。
フレームリレーでのデータ圧縮は、次の方法で FR/ATM サービス インターワーキングによる接続と併用できます。 Q.933 Annex E のデータ圧縮
ヘッダー(NLPID = xB0)は、サービス インターワーキング機能で RFC 1483 LLC/NLPID フォーマット(LLC/NLPID = x FE FE 03 B0)にマッピン
グされ、ATM 接続を介して 2 つ目のサービス インターワーキング機能または ATM エンド システムに渡されます。 ATM エンド ステーション
が、上記の LLC/NLPID エンコーディングを使用した RFC 1483 フォーマットのフレームを受信して、しかも FRF.9 データ圧縮プロトコルと
Q.933 Annex E を実装していない場合は、ATM エンド ステーションはフレームを破棄します。 これにより、発信元のフレームリレー デバイスで
の DCP ネゴシエーション手順はタイムアウトになり、その接続のデータ圧縮が無効になります。
次に、Annex の規定内容を検討します。
フレームリレーと ATM は、ネットワーク インターフェイス用のレイヤ 2 プロトコルです。 どちらのプロトコルも、フレームま
たはセルで転送されるプロトコルを示す、上位層プロトコルのカプセル化ヘッダーを使用できます。 このヘッダーは、フレーム
リレー用に FRF 3.2 によって、Request for Comments(RFC; コメント要求)1490 および 2427 で定義されています。
これらの RFC は、Network Layer Protocol ID(NLPID)値の使用法を指定します。ISO/International Electrotechnical
Commission(IEC; 国際電気標準機関)TR 9577 文書は、FRF.9 圧縮用の 0xB0 値を含む、選ばれたプロトコルの NLPID 値を定義
しています。
値
説明
0x00
Null のネットワーク レイヤまたは非アクティブのセット(フレームリレーでは使
用しせず)
0x80 SNAP
0x81 ISO CLNP
0x82 ISO ESIS
0x83 ISO ISIS
0xB0 FRF.9 圧縮
0xB1 FRF.12 フラグメンテーション
0xB2 フレームリレー OAM
0xCC インターネット IP
Cisco ATM ルータ インターフェイスは、デフォルトで RFC 1483 AAL5SNAP カプセル化を使用します。ただし Cisco ATM ルータ
インターフェイスは、encapsulation コマンドで NLPID 値を使用するように設定可能です。
注:!-- コメントは青色の斜体で表記され、直前の行について説明しています。
7200(config)#interface atm 4/0.50
7200(config-subif)#pvc 5/50
7200(config-if-atm-vc)#encapsulation ?
aal5ciscoppp Cisco PPP over AAL5 Encapsulation
aal5mux AAL5+MUX Encapsulation
aal5nlpid AAL5+NLPID Encapsulation
! -- aal5nlpid を選択します。
aal5snap AAL5+LLC/SNAP Encapsulation
次の出力は、debug atm packet interface atm コマンドから生成されたものです。 encapsulation aal5nplid コマンドを使用し
て設定された ATM ルータ インターフェイスが、どのようにして "NLPID: 0x03CC" を持つカプセル化 IP パケットを受信できる
かを示しています。0x03 は制御フィールドで、0xCC は IP に対して定義されている NLPID 値です。
7200#
1w3d: ATM4/0.50(I):
VCD:0xD VPI:0x5 VCI:0x32 Type:0x2 NLPID:0x03CC Length:0x6A
1w3d: 4500 0064 0054 0000 FE01 942E 0A0A 0A01 0A0A
1w3d: 0000 B1F5 9460 ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD
1w3d: ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD
1w3d: ABCD ABCD ABCD ABCD ABCD
Cisco ATM ルータ インターフェイスは FRF.9 を実装しておらず、0xB0 の NLPID 値を持つフレームを破棄します。ただし、次の
代替設定のいずれかを使用して、FRF.9 データ圧縮を使用できます。
2 つのフレームリレー エンドポイント間のユーザ トラフィックが ATM ネットワークを介してトンネル伝送される、FRF.5
を実装します。 両方のフレームリレー エンドポイントが FRF.9 をサポートしていることを確認します。
設定が FRF.5 の効果を発揮できるように、2 つの FRF.8 IWF を実装します。 つまり、次の設定例に示すトポロジを構築し
ます。Cisco ATM インターフェイスは Annex B をサポートしていないため、両側をフレームリレーにする必要があります。
FRF.9 の設定例
この設定例は、次のネットワーク ダイヤグラムを前提としています。
>>画像拡大
3640(フレームリレー エンドポイント #1)
interface Serial3/0
ip address 10.10.10.1 255.255.255.192
no ip directed-broadcast
encapsulation frame-relay ietf
no keepalive
frame-relay map ip 10.10.10.2 300 IETF payload-compression
! -- ペイロード圧縮 FRF9 スタック を指定します。
frame-relay interface-dlci 300
IWF #1
interface Serial3/0
no ip address
encapsulation frame-relay ietf
no keepalive
clockrate 64000
frame-relay interface-dlci 300 switched
!
interface ATM 2/0
pvc 0/33
encapsulation aal5mux fr-atm-srv
!
connect fr-atm Serial3/0 300 ATM2/0 0/33 service-interworking
IWF #2
interface Serial3/0
no ip address
encapsulation frame-relay ietf
no keepalive
clockrate 64000
frame-relay interface-dlci 300 switched
!
interface atm 2/0
pvc 0/33
encapsulation aal5mux fr-atm-srv
!
connect fr-atm Serial3/0 300 ATM2/0 0/33 service-interworking
3620(フレームリレー エンドポイント #2)
interface Serial1/0
ip address 10.10.10.2 255.255.255.192
encapsulation frame-relay ietf
frame-relay map ip 10.10.10.1 300 IETF payload-compression
! -- ペイロード圧縮 FRF9 スタック を指定します。
frame-relay interface-dlci 300
show コマンド
次の debug コマンドを試行する前に、debug コマンドに関する重要な情報を参照してください。
show frame-relay map
3640-1.1#sh frame-relay map
Serial3/0 (up): ip 10.10.10.2 dlci 300(0x12C,0x48C0), static,
IETF
Payload Compression FRF9
3620-1.9#sh frame map
Serial1/0 (up): ip 10.10.10.1 dlci 300(0x12C,0x48C0), static,
IETF
Payload Compression FRF9
show compress : show compress コマンドの概要、およびその出力の説明については、show compress コマンドのテ
クニカル ノートを参照してください。
3640#show compress
Serial3/0 - DLCI: 300
Software compression
uncompressed bytes
1 min avg
5 min avg
10 min avg ratio
no bufs xmt 0
resyncs 0
Additional Stacker Stats:
Transmit bytes: Uncompressed = 0 Compressed = 229
Received bytes: Compressed = 228 Uncompressed = 0
show connect
3620#sh connect name fr-atm
FR/ATM Service Interworking Connection: fr-atm
Status - UP
Segment 1 - Serial3/0 DLCI 300
Segment 2 - ATM2/0 VPI 0 VCI 33
Interworking Parameters no service translation
efci-bit 0
de-bit map-clp
clp-bit map-de
関連情報
技術情報:ATM
ATM テクノロジーに関するサポートページ
ATM に関するその他の情報
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Updated: February 13,2003
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