この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 海外論文 Central arterial pressure and arterial pressure pulse: new views entering the second century after Korotkov. 中心動脈血圧と動脈脈波:コロトコフ後の第2の世紀を迎えての新しい見解 著:O'Rourke MF, Seward JB. 訳:小澤利男( 高知大学名誉教授、東京都老人医療センター名誉院長) 要約 現在繁用されている上腕カフ使用の血圧測定法は、1917 年にその予後推測上の価値が認められてから、 広く臨床に受け入れられた。この方法は脈波記録による橈骨動脈脈波解析にとって代わった。それはまた予 後情報を与えるが、使用上困難な点があった。この時以来、上腕カフ血圧測定は医師の診察室から24 時間 血圧モニタリングと家庭血圧に移行した。収縮期血圧と拡張期血圧の決定では、コロトコフ音法はエレクト ロニクス法に代わった。循環調節下にある身体機能の要請に応えるような詳細な技術開発は、真の動脈内圧 記録に対してすべてのカフ使用法が不正確であることを示した。 左室負荷解析上の不正確度の大きな源泉は、 血圧脈波が中心大動脈から上腕動脈へ移行する際に増幅されることにある。それは1950 年代にミネソタ・ ロチェスターのメーヨークリニックにおけるウッド(Wood EH)によって詳細に研究された。この制約は 通常のカフ血圧測定と橈骨動脈波解析を結合させた新しい方法によって克服することができる。それが非観 血的に中心大動脈圧波形の測定を可能にする。橈骨動脈トノメトリ使用の最近の研究は、これが心血管イベ ントの予測と治療に対する反応を正しく評価する点で、 通常の血圧測定法よりも有効であることを立証した。 中心動脈ならびに末梢動脈の血圧と生理機構の測定は、診療行為や検査手技としてますます多く使用されて いる。Mayo Clin Proc. 2006; 81(8): 1057-68. 略語:ASCOT=Anglo-Scandinavian Cardiac Trial CAFE=Conduit Artery Function Evaluation HOPE=Heart Outcomes Prevention Evaluation LIFE=Losartan Intervention for Endpoint Reduction in Hypertension REASON=pREterax in regression of Arterial Stiffness in a controlled double-blind study ) 上腕カフ使用血圧測定法は、 1896年にリバロッチ1(触 時、晴天の霹靂として新聞に掲載された(図1)4)。 診で収縮期血圧測定)により、1905 年にはコロトコフ2) それにもかかわらず、もしわれわれが患者を十分に解 (聴診で収縮期血圧、拡張期血圧を測定)によって導入 析し、ほとんどの降圧薬を製造し、新しい確立された薬 された。それは臨床医学における画期的業績であった。 物療法で不適切な前提や問題点を避けるべきならば、 臨床医はこれから健康上重大なリスクを抱えながら無症 100 年前から用いられてきたような血圧測定と解釈の方 状ないしは軽微症状のもののなかに、医学的に重要な事 法は再評価し、改正されなければならない5,6)。 態を検出することができるようになった。1917 年の米 その第一の問題点は、広くみられる拡張期血圧につい 3) 10 国保険数理研究所のフィッシャーの講演 後、血圧測定 ての誤解である。フランクリン・ルーズベルトの場合は、 は生命保険の全般的業務と軍入隊における医学的検査の 拡張期血圧が収縮期血圧に伴って増加しているから、拡 通常業務となった。カフ使用血圧測定の重要性を表す最 張期血圧の重要性に疑いはない。80 年前、近代心臓病 も図式的な例は、フランクリン・ルーズベルトが1945 学の父と称せられるサー・マッケンジー(Sir James 年に脳卒中発作で倒れる前の血圧記録である。それは当 Mackenzie)は、収縮期血圧は心臓の力の尺度を与え Translated with permission in 2006, O'Rourke MF, Seward JB. Central arterial pressure and arterial pressure pulse: new views entering the second century after Korotkov. Mayo Clin Proc 2006; 81: 1057-68. Copyright�©�2006 Mayo Foundation for Medical Education and Research. All right reserved. この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 図1 12ヵ月の間の悪性高血圧の進展 縮期血圧と拡張期血圧。1945年4月12日に脳出血で死亡する前1年 の記録。EKG:心電図、LVH:左室肥大。 ノルマンディー 上陸作戦 350 NHANES:National Health and Nutrition Examination Survey。 A:100万人以上を対象とした年齢に伴う収縮期血圧の変化。点線は 大動脈収縮期血圧の変化を表し、年齢とともに直線的に上昇す ヤルタ会談 る。ほかの線はすべてカフ上腕測定で、20∼40歳までは平坦だ 選挙 が、40歳以後になると急速に上昇する。文献11より引用。 250 B:100万以上の対象による脈圧の年齢に伴う変化。 200 Nichols et al,17 1985(大動脈回帰直線) National Heart Foundation of Australia,12 1989 Burt et al,14 1985−白人(US NHANES) Franklin et al,16 1997−フラミンガム心臓研究 Uiterwaal et al,15 1997 Staessen et al,13 1990 Jiang,18 2005(中国) A 150 100 150 EKG:LVH 50 蛋白尿 + 0 ++ 140 1945 1944 1941 1939 1937 1935 MAM J J A S OND J F MA (年/月) 経過 血圧(mmHg) 血圧(mmHg) 300 図2 100万人以上を対象とした年齢に伴う収縮期血圧 および脈圧の変化 海外論文 文献4より引用。フランクリン・ルーズベルト(1935∼1941)の収 130 120 110 7) るものとした 。一方、拡張期血圧はもっぱら末梢血管 100 抵抗に関係し、疾患の原因となるものと想定した5,7)。 5 15 マッケンジーは次のように述べている「収縮期血圧と拡 張期血圧との相対的重要度に関していえば、収縮期血圧 80 9) 8) ル(Kannel)ら や、ダスタン(Dustan) によって 70 血圧(mmHg) るものである。こうした見解はフラミンガム研究のカネ 縮期高血圧研究計画(Systolic Hypertension in the 60 50 30 5 Elderly Program;SHEP)が1991 年 10)に発表される 15 25 35 45 55 65 75 85 年齢(歳) まで存続した。この研究では、高齢者では収縮期血圧上 正常か低い場合でも収縮期血圧の降圧効果があることを 85 40 はじめて疑念を表明されていたにかかわらず、高齢者収 昇が有害で支配的役割を演じていること、拡張期血圧が 75 Burt et al,14 1985(US NHANES) Franklin et al,16 1997−フラミンガム心臓研究 Lakatta,19 2003 Jiang,18 2005(中国) B 。この単純化され すべき抵抗の尺度となるといえよう」 版(1926)8)の編集者であるオー(James Orr)によ 65 年齢(歳) は心臓の最大の収縮力を表し、拡張期血圧は心臓が克服 た概念は、マッケンジーの字義を継承し、彼の本の第 3 55 45 35 25 図3 年齢に対する収縮期血圧(SBP)と拡張期血圧 (DBP)の冠疾患予測における差異 文献20より引用。Cox比例ハザード回帰係数におけるSBPとDBPの差 (縦 拡張期血圧の値が元になっていた。拡張期血圧の上昇が 軸)を年齢に対してプロットした。エラーバーは95%信頼限界を示す。 なければ、高血圧は公的には存在しなかった。 血圧に関するその後の研究は、収縮期血圧と拡張期血 圧についての見解を明らかにしていった。フラミンガム 研究ならびにそのほかのヨーロッパと米国の研究の示す ところでは、成人の収縮期血圧は加齢とともに40 歳ご ろまでは比較的一定に留まるが、その後は次第に上昇す 。一方、拡張期血圧は50 歳までは次第に増 る(図2A) 大するが、その後は低下する。その結果、脈圧(収縮期 血圧̶拡張期血圧)は40 歳までは一定だが、50 歳後に 11-19) 。フラミンガム心臓研 (図2B) 著明に上昇し始める 20,21) 究のフランクリンら のさらなる研究は、冠動脈疾 β(SBP)−β(DBP) 確認した。それまでは高血圧の診断と治験への参加は、 1.0 0.5 0.0 −0.5 −1.0 p=0.008 −1.5 25 35 45 55 65 75 年齢 (歳) 高齢者の低い拡張期血圧がより悪い予後をもたらすこと を示した。それらの研究結果は、一様に受け入れられた わけではないにしても、反復して確認され、支持されて 患のリスクが最もよく予知できるのは、拡張期血圧は きている22)。こうした仕事上の意見の違い23)に対して、 40 歳までにすぎず、40 ∼ 60 歳では収縮期血圧、60 歳 方法論やほかの問題点がこれまで発表された研究業績の 。これらの研究は、 (図3) 以上は脈圧であることを示した なかで提起された5,24,25)。 11 この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 海外論文 技術革新 中心動脈圧の測定 過去 15 年間の血圧に関する見解の変化は、いくつか 血圧は習慣的に上腕で測定されている。それにはその の技術革新によって達成された。 それは診療行為となり、 簡便性と利用しうる技術が関係する。上腕測定法はスタ 実質的にそれを変えることになる。それがこの項目の残 ンダードであるが、手首や指で29)血圧を測定するほか りの焦点である。 の非観血的測定機器が開発されている。指で測定する機 最も初期の革新は、臨床、家庭ならびに24 時間血圧 器(Portapres)は、宇宙計画で使用されてきた33)。 記録に対するオシロメトリック機器の導入であった。こ 実験動物とヒトで観血的血圧記録が得られて以来、圧 の機器導入の一つの動機は、環境上の問題から水銀の使 脈波は上行大動脈から末梢動脈に伝達するに伴ってその 用を除こうという点にあった。 オシロメトリック機器は、 振幅を増すことが知られている5)。これは末梢動脈では さまざまな固有のアルゴリズムによって決定される収縮 脈波反射によって圧が増大する結果として認容されてい 期血圧と拡張期血圧に関係した最大のカフ変動値から、 る。この現象はメーヨークリニックのウッドとその共同 平均血圧を誘導する。この血圧値は通常、コロトコフ法で 研究者によって詳細に研究された。それは50 年以上前、 得られた値と一致し、米国食品医薬品保健局(FDA)での 心臓カテーテル法が確立されたころであった34,35)。彼ら 容認においては、特別の限界内でなければならない26)。 は上行大動脈と上腕動脈あるいは橈骨動脈との間では、 しかし、 この限界はほとんどの臨床家が許容する(平均: 平均血圧がちょうど1mmHgくらい減少すること、拡張 SD:≦ 8mmHg)よりはるかに広い。それは、 ≦ 5mmHg、 期血圧はもう少し多く減ることを認めた34,35)。しかし、 さまざまな機器の正確度に疑いを抱かせるのみでなく、 脈圧の振幅増大は主として収縮期血圧の増加によるもの 27) 通常のコロトコフ法の正確度にも疑念をもたせる 。 である。正常ではそれは末梢圧脈波の先鋭な狭いピーク 同一の広い限界(平均:≦ 5mmHg、SD:≦ 8mmHg) として表される。ウッドらのさらなる研究によって、大 が動脈内圧測定値に対応されてコロトコフ法にも適用さ 動脈と末梢動脈(上腕または橈骨動脈)との間の収縮期 5) れるからである 。この課題の帰結 27) は、血圧計の数値 血圧波の増幅は、高齢成人に比し、若年成人に大きいこ のみに頼るな、標的臓器障害の解析のようなほかの情報 とが認められた(高齢成人の脈波の振幅は大動脈と上肢 確認に努めよという医師に対する警告であった。異常が でほぼ同じである) 。 収縮期血圧の増幅は、 心拍数の変化、 正常として受容されないように、あるいは正常が異常と 体位変換ないしはバルサルバ試験や血管拡張薬のような されないようにするためである。遺憾ながら、 「高血圧 生理学的変化に伴って変動する34,35)。特に血管拡張薬の の予防、発見、診断および治療に関する第 7 次米国合同 硝酸薬で顕著である。それは大動脈と左心室の収縮期血 28,29) 」 委員会報告(JNCⅦ) は、この狭い“数値”に対 圧を20mmHg低下させるから、上腕動脈で記録された するアプローチを強調しているように思われる。一方、 (図4) 。 血圧に頼るのは適当とはいえないであろう36) ヨーロッパ心臓・高血圧協会は一つの広い見解に荷担し 血圧増大現象は、集団における血圧評価の際に実際上 30) た 。しかし、網膜症、アルブミン尿、クレアチニン値 上昇、左室肥大のような“標的臓器障害”は、通常、高 血圧疾患の後期の徴候である。それゆえ高血圧障害のほ かのものより早期徴候が検索されうる。それは心エコー の問題となる。20 歳と40 歳の間で収縮期血圧と脈圧と 図4 上行大動脈と上腕動脈の血圧波形 文献36より引用。高齢者対象でミラーマイクロマノメータにより観 血 的 に 測 定。ニ ト ロ グ リ セ リ ン(NTG)0.3mg舌 下 投 与 の 前 図上の左房増大、微量アルブミン尿、脈波異常あるいは (Control)後の比較。NGTによる反射波(R)振幅の減少が、大動脈と 脈波伝達時間異常などである。それらは動脈壁硬化 クとなっているから、NGTは収縮期最大血圧の低下を起こす。上腕 (arterial stiffness)あるいは内皮機能障害の証拠を示 上腕動脈の波形変化を起こしている。反射波は上行大動脈ではピー 動脈では、反射波は圧波形のピークに続いている;その振幅の減少は 収縮期最大血圧を変えることなしに波形を変える。X=心室駆出によ る最初の血圧上昇部分。 ン検査とはなっていなかったが、これらは理解され、考 A 上行大動脈 圧測定法は、広い支持を得て、使用されるに至っている。 その主たる利点 29)は単に周知の診察時血圧上昇すなわ ち“白衣”効果を除くことにあるのではなく、多数の記 録を得てそれを平均化することで無作為エラーとカフ過 29,32) 程の限界を減らすことにある 。 70 140 R R X X R R 70 1second 12 NGT投与後 コントロール 140 B 上腕動脈 (mmHg) 慮されるべきである。しかし、家庭あるいは24 時間血 (mmHg) す31,32)。一般にこのような変革は心血管解析上のルーチ 1second この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 図5 中心大動脈波形と橈骨動脈波形の同時記録の差異と一般的伝達関数のスペクトラルプロット 文献39より引用。A:中心大動脈波形と橈骨動脈波形の同時記録の差異、B:一般的伝達関数のスペクトラルプロット(影の部分は95%信頼間隔を示 す) 。左は安定期、右は血行動態短期変動期。上はmodulus、下は位相。 A 大動脈 B 血行動態短期変動期 安定期 4 modulus 橈骨動脈 海 外 論 文 3 2 1 0 位相(radians) 0 –2 –4 –6 –8 0 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 10 周波数(Hz) 周波数(Hz) が一見プラトーになるが、それは主として若年成人では 血圧波形あるいは内径波形の非観血的測定を必要とする。 上腕の収縮期血圧と脈圧の増幅が大きいことによるもの 一方、ほかの二つの方法では、単に較正された上肢圧脈 29) 。間接的に大動脈圧を算出(後述) である(図2) す 波を要するのみである。圧波形の質が高く、同一のカフ 、大動脈の収縮 るか、あるいは直接測定すると (図2) 値が使用されるような理想的な状況下では、異なった技 期血圧と脈圧は実際には年齢とともに次第に上昇してい 術間の対応はよい。以下に各方法につき詳述する。 5) 5,37) るのである 。 大動脈と左室の収縮期血圧を測定する最もよい方法は、 1 .伝達関数処理 末梢動脈からカテーテルを挿入するものである。 しかし、 この処理法は橈骨動脈の圧波形の観血的記録測定か、 この方法は心臓あるいは血管の診断手技の際を除けば、 あるいはできればアプラネーション・トノメトリによる 是認することはできない。こうした手技を実施している 橈骨動脈波形の非観血的記録測定を要する。アプラネー 間でさえも、上腕動脈圧に対する大動脈圧をチェックし ション・トノメトリの要件が満たされるならば、この二 たり、記録された大動脈圧波形に何らかの解析をすると つの波形は同じとみなされる42)。上腕動脈と橈骨動脈と いう機会を利用しようとする医師はまれである38)。 の間には、通常ほとんど脈波の増幅はない5,34)。かくし 中心大動脈収縮期血圧を非観血的に評価するには、三 て末梢動脈圧波形は上行大動脈波形へと護送される5,39) つの手法が使用されうる。 そのすべてが圧較正のために、 (図5) 。二つの部位では平均血圧が同じということが想定 上腕動脈、頸動脈あるいは橈骨動脈の圧波形の正確な記 されている。この処理法は少なくとも1 呼吸サイクルの間 5) 録を必要とする 。このようにして各々の非観血的方法 の波形列を平均化し、較正された上行大動脈圧波形をも は、前述のようなカフ利用血圧測定による不正確な較正 。この処理は、心拍数とリズムの変化、血管 たらす(図6) に従うことになる。第一の方法は一般化された数学的伝 作動薬、さまざまな年齢、バルサルバ試験など5,39,41,43,44) 達関数処理(後述)の使用である。それは上腕あるいは に関連しても適用しうることが前向き研究で示された。 5,39) 橈骨部位への伝達の際の圧波形の歪みを修正する またそれは米国FDAによって直接圧測定法と同等なも (図5) 。第二の方法は、大動脈と上肢における平均血圧 のとして容認された。この手法は大動脈圧波形(図6) と拡張期血圧が、上述したようにほぼ等しいということ と血圧値に関してさらなる情報をもたらす。メーヨーク 40) に基盤をおくものである 。第三の方法は、上肢の圧波 リニックの心血管研究者らは過去 3 年、この手法を使用 形に二次的な反射波のピークを認めうるという点を根拠 してきた45-47)。 とする41)。第二の方法では中心動脈(通常は頸動脈)の 13 この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 海外論文 図6 偽性収縮期性高血圧例のSphygmocorによる記録 同等なことに基づく方法 この方法は系統的血管インピーダンスの非観血的算出 のために頸動脈波形を較正するもので、ケリーとフィチ 40) ェット(Kelly and Fitchett) によりはじめて提唱 された。それは頸動脈と橈骨動脈あるいは上腕動脈の圧 A:橈骨動脈脈波(左)と合成された大動脈脈波(右) 。 B:頸動脈波形(左)と合成された大動脈脈波(右) 。 Dp=拡張期血圧、MP=平均血圧、PP=脈圧、Sp=収縮期血圧。 A 波を計測し、それから末梢動脈の拡張期血圧と平均血圧 。 され、収縮期血圧は外挿によって算出される(図7) 筆者らのなかの1 人(M.F.O.)ははじめは本法に疑念を 抱いていたが、ほかの共同研究者により確認され、今で は広く用いられている5,48,49)。それは頸動脈内径波(圧 130 110 90 70 B とほとんど同じ)に適用されてきた50)。 大動脈 Sp 154 Sp 123 Dp 78 Dp 80 PP 76 PP 43 MP 101 MP 101 頸動脈 130 (mmHg) を決めるものである。さらに同一の値が中心動脈に適用 橈骨動脈 150 (mmHg) 2 .末梢動脈の平均血圧と拡張期血圧が中心動脈と 大動脈 110 Sp 127 Sp 123 Dp 80 Dp 80 90 PP 47 PP 43 70 MP 98 MP 98 0 200 400 600 800 1,000 0 200 400 600 800 1,000 (ms) 3 .中心動脈と末梢動脈における広い円形化反射波の 実体に基づく方法 圧波形では、尖鋭な主峰よりもむしろ収縮後期峰が、 ほとんど常に上行大動脈と左室の収縮期最大圧を表す (図7) 。伝達関数処理 (ms) 図7 上行大動脈波計測の二つの方法 A:拡張期圧値は上肢拡張期血圧に対応して設定。収縮期血圧は上肢 の収縮後期の始まりの部分に対応するようにとられている。 B:拡張期血圧値は上肢拡張期血圧に対応するように設定。収縮期血 圧は平均血圧が両部位で同一とした際の値に外挿。 5,39) (図5)は、 脈波の低周波成分(す なわち2ヘルツ未満)が大動脈−上肢間増幅が最小であ A るが、より尖鋭なスパイク(ほぼ3 ∼ 6ヘルツ)は増幅 が最大であることを確認している5,39)。橈骨動脈あるい は上腕動脈圧波で二次波のピークが認められるならば、 B 41) それは大動脈のピーク圧をよく表すものでありうる (図7) 。二次波のピークの証明が形状から無理としても、 中心動脈の収縮期血圧の低下は硝酸薬のような薬剤の使 用で評価しうる。それは上腕動脈あるいは橈骨動脈にお 5,36) ける収縮後期二次波の減少となるからである (図4) 。 2B)。この現象は、上腕における脈波伝達の知識から多 くが説明される5,37,51)。体が充分に成育したとき、上肢 の血圧波は最大に増幅される。それまでは大型動脈はま 中心大動脈血圧測定の意義 だ小児期の弾力性を維持している5,37)。しかし大動脈の 上述のように、中心動脈と末梢動脈の間では平均血圧 収縮期血圧と脈圧とをみると、そこには加齢とともに直 と拡張期血圧に、ほとんど差異がない5,41)。しかしこの (図2) 。 線的に進行する上昇がある5,37,52) 知識の価値は、検者が自信をもって上行大動脈の収縮期 血圧あるいは脈圧を測定する能力に関係する。 2 .若年期の偽性収縮期性高血圧 このことの最も明らかな利点は、中心動脈と末梢動脈 この現象は主として長身の若年男性に起こり、圧増幅 との間に有意差がありうる状況に関与する。それは医学 現象の極度のものを表すといわれてきた53-55)。こうした 的な診断と治療に影響し、あるいは機序の解釈をもたら 個体は通常、医学的検査で医師の注意を引くのだが、そ すことになろう。 の結果は上腕の収縮期血圧と脈圧が高いこと以外に異常 は認められない。不幸にしてこのような患者は、孤立性 14 1 .加齢に伴う血圧の変化 収縮期性高血圧と診断されることがある。そして彼らの 既述のように、上腕動脈では加齢に伴う収縮期血圧と キャリアと生活の機会に関して障壁がおかれることにな 。収縮期血圧は17 歳(成人身 脈圧の変化がある(図2) る。しばしば多くの検査が実施され、 治療が処方される。 長に到達するとき)までは次第に増加する。それから 治療に対しては降圧反応を示すことが比較的多い。 40 歳までは一定となり、45 ∼ 50 歳に再び急速に上昇す 観血的あるいは非観血的技術で大動脈圧を測定すると、 。その結果、上腕動脈の脈圧は17 ∼ 40 歳ま る(図2A) 中心大動脈の収縮期血圧と脈圧は、正常範囲にあるかそ では比較的一定に維持されるかあるいは低下する(図 。拡張期血圧と平均血圧 れに近いところにある(図6) この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. にはマホームド(Mahomed)によって59)はじめて記 期ピーク値は、上肢動脈波の狭い頂点に基づいている。 載された。現代の脈波形状解析は、このような情報が医 大動脈血圧を別個に測定すると、大動脈あるいは頸動脈 師の解析に加わることを許容する。その解析は前に記載 波の記録には狭い尖鋭部分はみられない。 した非観血的技術によって、中心大動脈脈波形の一般化 偽性収縮期血圧上昇は比較的多くみられる所見である。 とその収縮期血圧ならびに脈圧の考慮ということによる MahmudとFeelyの研究 54) によると、それは若年男子 ものである5)。 医学生の約 12%にみられた。機序の根拠からみて、こ 上述の非観血的技術は比較的新しいから、上腕カフ圧 うした人々は元気づけられ、治療が避けられ、医学的制 に関するデータと比較しうるデータはほとんどない。し 約から解放されると信ずるすべての理由がある。このこ かし、中心動脈血圧データは上腕カフで得られるデータ とを確認する決定的証拠となる研究はない。しかし、フ よりも実際には異論が少なく、一様に心血管イベントと ランスのデータは40 歳未満の若年者の数十年の観察か 中心動脈あるいは大動脈波の振幅と形状との間に強い関 3) 海外論文 は正常である。橈骨動脈の脈波を計測すると、高い収縮 ら心血管系リスクは低いことを示した 。またフラミン 係を示している。このような関係は、末梢上腕カフ血圧 ガム心臓研究はその子孫の調査で、冠動脈疾患イベント やほかの慣用的な記録係数にはみられない。2005 年ま は40 歳未満の男性では上腕の脈圧に逆相関するが、50 でのデータを表1に一括した60-85)。それはアメリカンイ 歳を超える高齢者では強い正の直接的関係があることを ン デ ィ ア ン に つ い て の 大 規 模 な 前 向 き 研 究Strong 示した。これらから偽性収縮期性高血圧の無害が保証さ Heart Studyによる所見によって補足される73)。中心動 れる(図3)20,56)。 脈血圧の非観血的研究は、疾患やイベントを有する患者 の心臓カテーテル検査時に記録された観血的中心大動脈 3 .アウトカム (転帰)研究 血圧との比較を促進した。こうした研究は、中心動脈血 臨床医はしばしばアウトカム研究に関係する。それは 圧が慣用的末梢上腕カフ圧に優る多くの利点を示した39) 個々の患者の医療には関係しないであろう。末梢上腕動 (表1) 。このようなデータは非観血的頸動脈血圧脈波の 脈の収縮期血圧と拡張期血圧の解釈における問題点がす 研究によって確認された。それは頸動脈圧が上腕動脈圧 でに示唆されてきた。この課題に関して最初に刊行され よりも冠動脈疾患のよりよい予知因子であることを示し たデータは、1917 年、米国保険数理協会におけるフィ 。以上のようなアウトカム研究は現在、 ている(表1) 3) ッシャーの発表であった 。生命保険証を求めてきた無 薬物研究によって補足されている。薬物研究は、末梢上 症候の人々を対象として、収縮期血圧と死亡率との間に 腕血圧ではなく、中心動脈血圧の低下がいかに転帰の改 関係があることを確立した。だが拡張期血圧は優先順位 善を説明するかを示している。 が次になった。おそらくそれは解析の対象となったのが 10 歳代∼ 20 歳代初期にあり、収縮期血圧が変動して誤 20) 4 .薬物研究 。収縮期血圧、拡張 りに至ったものと思われる (図2) ニトログリセリンが狭心発作の寛解と急性心不全の呼 期血圧、平均血圧の予後に関する意義にはなお強い見解 吸困難に対する強力な有効薬物であることはよく知られ が存続する。それは著しく大きなメタアナリシスによる ている。上腕の収縮期血圧と算出された末梢血管抵抗と もので、 いかなる年齢でも拡張期血圧が優位を勝ち取り、 は通常維持されるから、この薬物の動脈系に対する作用 23) 脈圧の価値を落としめた 。この研究はほとんど100 万 は通常は割り引かれていることになり、利点は静脈血管 人規模のものであったが、フラミンガム心臓研究のよう 拡張あるいは冠動脈拡張のみに帰せられている。こうし な最先端研究結果に反するものであり、多くの点で批判 た見解はほとんどの教科書や雑誌の項目で今、脚光を浴 5,24,25) 。そこには対象の年齢や受けた治療なども された びている86)。だがニトログリセリンは、下半身からの脈 関係する。このような集団解析は、21 世紀の医師を受 波反射の減少に強力な作用があることが示されている。 診する患者には適用しがたい。 (図4、8)あるいは間接に測定された時に それは直接 87) 1917 年のフィッシャーの発表以前、カフ式血圧計を みられ、また静脈のトーヌスにはほとんど作用しないよ もたない生命保険資格検査者は、橈骨動脈血圧脈波に注 (図9) 。こうした作 うな用量(0.1mg/h)でも起こる88) 目しており、橈骨動脈の収縮後期部分の突出を早期老化 用は中心大動脈と左室の収縮期血圧を低下させるが、上 3) と認めた 。オスラーの教科書では橈骨動脈波の収縮期 57) 腕あるいは橈骨動脈の収縮期血圧には作用がないか、あ 部分を“揺るぎないもの”として言及した 。この現象 (図4) 。中心動脈と上肢の動脈の血圧に っても小さい36) は当時の橈骨動脈の血圧脈波記録から認められうるもの 対するこの異なった作用は、二つの部位における反射波 58) で、実に1863 年にマレー(Marey)により 、1872 年 の位置ということから容易に説明される。成人では反射 15 この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 海外論文 図8 NTG投与前後の上行大動脈のインシデント波と上行大動脈の収縮期反射波の振幅 文献87より引用。A:上行大動脈のインシデント波(P1-P0)の振幅。NTG注入投与前(コントロール)と注入後。B:NTG投与前(コントロール)と投 与後の上行大動脈の収縮期反射波(P2-P1)の振幅。平均値が黒点と実線で記されている。 P1-P0 (mmHg) A B P2-P1 (mmHg) 70 60 50 40 30 20 10 0 コントロール 29±9 NTG 投与後 29±9 コントロール 23±12 NTG 投与後 8±8 波は大動脈圧と左室圧ではピークを構成する。 その結果、 これらは硝酸薬に似て脈波反射を抑制する5)。 反射の低下は中心動脈圧を有意に低下する。しかし、上 中心動脈血圧の末梢動脈血圧に優る利点が、CAFE研 肢では反射波は収縮後期の肩の部分を構成するから、ピ 究において確認された。CAFE研究は大規模なASCOT 。 ークで測定された圧には低下作用が起こらない(図4) 治験研究の部分研究である95)。ASCOT研究は、新しい 最近の多くの薬物研究、特にHOPE研究 89)やLIFE治 長期降圧療法(アムロジピン単独またはペリンドプリル 験 において、 ラミプリル (HOPE) とロサルタン (LIFE) 併用)が従来の降圧療法(アテノロール単独または利尿 はアウトカムを改善したが、それは標準的な治療に比較 薬併用)よりも心血管系イベント抑制に優れていること して上腕血圧の低下は軽微であるように思われる。この を示した。 “新しい”療法では、上腕の収縮期血圧の 二つの研究はともに薬物効果は“多面的”あるいは“降 1mmHg未満という最も軽微な低下が上行大動脈では 圧を超えるもの”と主張した。こうした見解は従来付与 4.3mmHg以上の低下となる。それはHirataら92)が急性 されてきた説明根拠に挑戦するものであった3,91)。アテ 治験で認めたものに類似する。CAFE研究の延長として ノロールに比較してラミプリルの急性効果は上腕血圧に REASON研究 96)の結果がある。そこでは12ヵ月の期 対する大動脈血圧を5mmHg多く低下することを示した。 間で、ペリンドプリル/利尿薬の結合がアテノロールと “降圧を超えるも それはHOPE研究にみられた効果が、 同様な降圧効果を示した。REASON研究では、上腕の 90) よりもむしろ中心大動脈のなかでは“上腕動脈 血圧よりも算出された中心動脈(大動脈と頸動脈)の収 を超えるもの”か否かに関する疑念を抱かせた。この課 縮期血圧においてはるかに大きな低下を示した。この研 題はLIFEの研究者らによって容認された。彼らは今後 究では結合療法による左室質量のより大きな低下が中心 の抗高血圧治験では中心動脈血圧を測定することを促し 動脈収縮期血圧低下と相関したが、上腕動脈収縮期血圧 92) の” 93) た 。 とは相関がなかった85)。 Staessenら94)は一連の臨床治験においては、降圧と 16 イベント減少との間に一般的関係があることを示した。 結論 だがこのような関係は直線的ではなく、異なった治験を 動脈圧の予後に関する見解は、過去 2 世紀にわたって 比較するとかなり変動を伴うものであった。しかし少な 発展してきた。リチャード・ブライトは手首における高 くとも脳卒中に関しては、 その関係はほとんど直線的で、 い脈拍緊張度を記載したが、それは血圧グラフに特徴的 評価を中心大動脈血圧の3mmHg限界という大きな低下 な橈骨動脈脈の圧波形として認証されるに至った。この にとると、変動は著しく減少する。その際の薬物は、ア ことは次の世紀では、医師と生命保険加入審査者によっ ンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容 て臨床的に使用された。収縮期血圧と拡張期血圧との測 体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬のようなもので、 定に対する上腕カフの導入により、はじめ収縮期血圧、 この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 図9 大動脈圧波形解析はニトログリセリンパッチ貼付中の時間経過に伴う上行大動脈血圧の増大される変化を示す 海外論文 上の線はパッチが適用された時間。文献88より引用。 4 脈圧(mmHg) 0 −4 プラセボ 0.1mg/h 0.2mg/h 0.4mg/h 0.6mg/h −8 −12 0 1 2 3 4 5 6 7 経過(時) 表1 中心動脈(大動脈あるいは頸動脈)血圧と心血管疾患との関係を示す少数例(40∼1,337)で発表された研究要約 大動脈/頸動脈脈圧の指標 文献 国 アウトカムの指標 脈圧 観血的 Lu et al60 Nishijima et al61 Chemla et al62 Philippe et al63 Nakayama et al64 Danchin et al65 Jankowski et al66 Waddell et al67 Safar et al68 Boutouyrie et al69 Boutouyrie et al70 中国 冠動脈血管形成術後の再狭窄 日本 冠動脈疾患の重症度 フランス フランス 同心性左室肥大との関係 冠動脈疾患の範囲 日本 冠動脈血管形成術後の再狭窄 フランス 冠動脈疾患の出現と重症度 ポーランド 冠動脈疾患の重症度 オーストラリア 冠動脈アテローム硬化の予測 フランス 心血管死とその全原因 フランス 頸動脈内膜中膜肥厚度 フランス 冠動脈脈圧の変化による Boutouyrie et al71 フランス 非観血的 頸動脈内膜中膜肥厚度の回帰 72 Jondeau et al 73 原発性冠動脈疾患イベント マルファン症候群における大 動脈伸展 フランス Roman et al 米国 心血管疾患イベントの予測 Hayashi et al74 Ueda et al75 Chirinos et al76 London et al77 Saba et al78 Weber et al79 Nurnberger et al80 Weber et al81 Weber et al82 Jankowski et al83 Nakayama et al84 Nishijima et al61 Jankowski et al83 de Luca et al85 Weber et al81 日本 冠動脈疾患の重症度 日本 冠動脈血管形成術後の再狭窄 米国 主要な心血管疾患イベント フランス 心血管死とその全原因 イタリア 左室肥大、頸動脈再形成 オーストリア 冠動脈疾患の範囲と重症度 ドイツ 心血管疾患リスク オーストリア 重傷心血管疾患イベント オーストリア 拡張期機能障害 ポーランド 冠動脈疾患の重症度 日本 冠動脈疾患リスク 日本 冠動脈疾患リスク ポーランド 冠動脈疾患の重症度 Augmentation index 観血的 非観血的 収縮期/拡張期血圧 脈圧、pulsatility index 収縮期血圧 駆出時間 ヨーロッパ/ オーストラリア 左室肥大の回帰 オーストリア 拡張期機能障害 次いで拡張期血圧の意義に注意が払われたが、その後 のである。この新しい技術の進歩は、末梢血圧測定技術 20 世紀末になって再び収縮期血圧が注目されてきた。 よりも有用であることが指摘されている。中心動脈圧の 最近の諸研究は、上腕カフ圧測定と橈骨動脈の脈波形を 非観血的測定は、個々の患者に対して使用されうるもの 結合し、非観血的に中心大動脈の血圧波形を作成するも であり、診療行為に適した単純なものである。 17 この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 海外論文 文献 1) Riva-Rocci S. 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Hypertension 2002; 39: 10-5. 72)Jondeau G, Boutouyrie P, Lacolley P, Laloux B, Dubourg O, Bourdarias JP, et al. Central pulse pressure is a major determinant of ascending aorta dilation in Marfan syndrome. Circulation 1999; 99: 2677-81. 73)Roman MJ, Kizer JR, Ali T, Lee ET, Galloway JM, Fabitz RR, et al. Central blood pressure better predicts cardiovascular events than does peripheral blood pressure: the Strong Heart Study [abstract]. Circulation 2005; 112: abstract 3621. 74)Hayashi T, Nakayama Y, Tsumura K, Yoshimaru K, Ueda H. Reflection in the arterial system and the risk of coronary heart disease. Am J Hypertens 2002; 15: 405-9. 75)Ueda H, Nakayama Y, Tsumura K, Yoshimaru K, Hayashi T, Yoshikawa J. Inflection point of ascending aortic waveform is a powerful predictor of restenosis after percutaneous transluminal coronary angioplasty. Am J Hypertens 2002; 15: 823-6. 76)Chirinos JA, Zambrano JP, Chakko S, Veerani A, Schob A, Willens HJ, et al. Aortic pressure augmentation predicts adverse cardiovascular events in patients with established coronary artery disease. Hypertension 2005; 45: 980-5. 77)London GM, Blacher J, Pannier B, Guerin AP, Marchais SJ, Safar ME. Arterial wave reflections and survival in end-stage renal failure. Hypertension 2001; 38: 434-8. 78)Saba PS, Roman MJ, Pini R, Spitzer M, Ganau A, Devereux RB. Relation of arterial pressure waveform to left ventricular and carotid anatomy in normotensive subjects. J Am Coll Cardiol 1993; 22: 1873-80. Rourke MF, Kvas E, Lassnig E, Berent R, 79)Weber T, Auer J, O’ et al. Arterial stiffness, wave reflections, and the risk of coronary artery disease. Circulation 2004; 109: 184-9. 80)Nurnberger J, Keflioglu-Scheiber A, Opazo Saez AM, Wenzel RR, Philipp T, Schafers RF. Augmentation index is associated with cardiovascular risk. J Hypertens 2002; 20: 2407-14. rourke MF, Kvas E, Lassnig E, Lamm G, et 81)Weber T, Auer J, O’ al. Increased arterial wave reflections predict severe cardiovascular events in patients undergoing percutaneous coronary interventions. Eur Heart J 2005; 26: 2657-63. Rourke MF, Punzengruber C, Eber B. 82)Weber T, Auer J, O ’ Diastolic dysfunction is accompanied with increased arterial wave reflections and prolonged mechanical systole [abstract]. J Am Cardiol 2005; 45: abstract 1017-171. 83)Jankowski P, Kawecka-Jaszcz K, Bryniarski L, Czarnecka D, Brzozowska-Kiszka M, Posnik-Urbanska A, et al. Fractional diastolic and systolic pressure in the ascending aorta are related to the extent of coronary artery disease. Am J Hypertens 2004; 17: 641-6. 84)Nakayama Y, Hayashi T, Yoshimaru K, Tsumura K, Ueda H. Low fractional diastolic pressure in the ascending aorta increased the risk of coronary heart disease. J Hum Hypertens 20 2002; 16: 837-41. Rourke MF, Safar ME; 85)de Luca N, Asmar RG, London GM, O’ REASON Project Investigators. Selective reduction of cardiac mass and central blood pressure on low-dose combination perindopril/indapamide in hypertensive subjects. J Hypertens 2004; 22: 1623-30. 86)Abrams J. Clinical practice. Chronic stable angina. N Engl J Med 2005; 352: 2524-33. Rourke MF. Benefit of glyceryl trinitrate 87)Pauca AL, Kon ND, O’ on arterial stiffness is directly due to effects on peripheral arteries. Heart 2005; 91: 1428-32. Rourke MF, Jin WQ, Liu LS, Li CW, Tai PC, et al. 88)Jiang XJ, O’ Quantification of glyceryl trinitrate effect through analysis of the synthesised ascending aortic pressure waveform. Heart 2002; 88: 143-8. 89)Yusuf S, Sleight P, Pogue J, Bosch J, Davies R, Dagenais G. Effects of an angiotensin-converting-enzyme inhibitor, ramipril, on cardiovascular events in high-risk patients. The Heart Outcomes Prevention Evaluation Study Investigators. N Engl J Med 2000; 342: 145-53. 90)Devereux RB, Dahlof B, Gerdts E, Boman K, Nieminen MS, Papademetriou V, et al. 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Differential impact of blood pressure-lowering drugs on central aortic pressure and clinical outcomes: principal results of the Conduit Artery Function Evaluation(CAFE)study. Circulation 2006; 113: 1213-25. Rourke MF, Safar ME; REASON 96)London GM, Asmar RG, O’ Project Investigators. Mechanism(s)of selective systolic blood pressure reduction after a low-dose combination of perindopril/indapamide in hypertensive subjects: comparison with atenolol. J Am Coll Cardiol 2004; 43: 92-9. この論文は、「Arterial Stiffness」WEBサイトに掲載されています。その他の論文はこちら Click "Arterial Stiffness" web site for more articles. 海外論文 訳者コメント 波動としてみると、収縮期血圧と拡張期血圧との記載 血圧測定は、高血圧診療にとどまらず、日常診療に欠 は、単に頂値と底値を表しているにすぎない。物理学的 かせない臨床行為である。だがその手技はいまだに1 世 には平均値と振幅値(脈圧)の記載のほうが、波動の実 紀前のコロトコフ音に依存している。高血圧に関する書 体を把握できる面がある。 物やガイドラインでも、コロトコフ音法による血圧値に さらに最近、注目されているのは、中心動脈の血圧値 疑いを抱くことなく、 これを金科玉条の基準としている。 である。中心動脈とは、上行大動脈や総頸動脈などの弾 だがそれが信頼性を欠くものであることは、家庭血圧と 性動脈をいう。 それは心駆出のインパクトを直接受けて、 の対比で明らかにされた。心血管系予後をみると、家庭 血行動態に大きな影響を及ぼす。予後予測や薬物反応な 血圧のほうが診察室の血圧値より、予測機能が優れてい どで、 中心動脈は上肢の血圧値とは異なった値を示した。 るのである。 それは臨床的により有用な情報をもたらすということが 家庭血圧はほとんどがオシロメトリック法に依存して 判明した。二つの部位の血圧値の差異は、反射波に依存 いる。オシロメトリック法の利点は、自動的であるから する。それは動脈壁の物理的特性に関係する。そこから 検者内、検者間の誤差がないことにある。またカテーテ 脈波速度やAIなどの指標とも関連を有する。 ルによる動脈内血圧測定という基準に照らして、コロト だが中心動脈の血圧測定は、まだ一般的ではない。現 コフ音法と変わりない精度がある。さらに家庭血圧や 在それは橈骨動脈血圧脈波の記録とオシロメトリック法 ABPMなどで頻回に測定することが可能である。病棟 による上腕血圧測定を同時に行って、算出する手法がと における血圧モニタリングは、今やすべてオシロメトリ られている。この論文の著者は、このために伝達関数を ック法となった。コロトコフ音による血圧測定は、現在 開発した。 診察室に限定された。 血圧値を臨床的、予防医学的によりよい情報とするた 以上のカフ利用血圧測定は、簡便で利用価値が高い。 めにはどうすればよいか。それが今、問われている。高 だが血圧は本来、脈波として描記される事象である。血 齢社会では、脈圧の意義も大きい。われわれの関心は、 圧波記録はカフ式血圧測定法開発以前から、循環生理学 上肢の血圧よりも中心動脈血圧値に向けられている。筋 の関心の的であった。多くの学者が橈骨動脈の脈波を非 型動脈よりも弾性動脈の意義が大きいのだ。より精度の 観血的に正確に記録することに挑戦した。その解決はト 高い血圧値を求めて、方法上の開発は、今後も続けられ ノメトリ法によって達成された。 るであろう。 21
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