【結果】DR群のRt−CD,Lt−CDおよびMin−CDはNDR群に 腎症病期は

1”一P−295 Hypoxia−inducible factor−1α(HIFIA)遺伝
子多型と糖尿病網膜症の関連の検討
東京医科大学第5内科L,帝京大学薬学部薬物治療学教室2
永瀬 晃正1,木村 康人2,関根 傑紀1,三井 雅子1,岩城 祥樹1
ll]一P−298 糖尿病性網膜症と動脈伸展性との関連の検
討一断面調査による検討一
日本医科大学内科学講座(循環器・肝臓・老年・総合病態部
門)
美輪和浩1,呉 昌彦1,根本洋子1,則武昌之L,小佐野博史2;
桂 善也1,松岡 健}
【目的】HIFIA遺伝子のP582S及びA588丁多型と糖尿病網膜
症の関連を検討.
【対象】2型糖尿病128人,非糖尿病22人を対象.糖尿病の中
で増殖網膜症39人を増殖群,それ以外89人を非増殖群とし
た.
【方法】P582SとA588TをはさむようにPCRを行い,直接シー
クエンスして遺伝子型を決定.統計学的検討はカイ自乗検定を
使用.
【結果】P582S:増殖群でP/P34人,P/S4人,S/S1人に対
し,非増殖群でP/P84人,P/S5人で,Sアリール頻度は増殖
群7.7%,非増殖群2.8%と増殖群で高い傾向(p=0ρ76).A588
T:Tアリール頻度は増殖群L3%,非増殖群2.8%と有意差な
し.非糖尿病と2型糖尿病の比較では,Sアリール頻度が非糖
尿病1L4%,2型糖尿病4.3%と2型糖尿病で低下傾向(p=
0.054)あったが,Tアリール頻度は両者で差なし.
【結論】Sアリールが非糖尿病に比し2型糖尿病で低下するが,
増殖網膜症では増加する可能性が示された.
渡邉健太郎,大内 基司,山下 直子,鈴木 達也,
中野 博司,大庭 建三
【目的】糖尿病性網膜症と自律神経障害および動脈伸展性の関
連を検討.
【方法】対象は2型糖尿病にて管理中の141例.糖尿病性網膜
症非合併群(NDR群)と糖尿病性網膜症合併群(DR群)に分
類,動脈伸展性として頸動脈超音波検査を用いて左右頸動脈拍
動係数(Rt−CD,Lt−CD)およびその最小値(Min−CD)を計
測.背景因子およびMin−CDを2群間で比較検討.
【結果】DR群のRt−CD,Lt−CDおよびMin−CDはNDR群に
比し有意に低値であった.従属変数を糖尿病性網膜症とし,独
立変数を背景因子で補正されたRt−CD,Lt−CDおよびMin−
CDとしたロジスティック回帰分析では糖尿病性網膜症とRt−
CD(オッズ比0・557;P=0・033),Lt−CD(オッズ比0.376;P=
0.017)およびMin−CD(オッズ比0292;P=0.012)は有意な相
関関係を示した.
【総括】糖尿病性網膜症と動脈伸展性の関連性が示唆された.
”卜P−296 糖尿病網膜症硝子体手術前後における腎機能
変化についての検討
弘前大学医学部附属病院内分泌代謝感染症内科1,弘前大学医
学部保健学科2
工藤 貴徳1,友常 健1,松本 敦史1,村上 宏1,
丹藤 雄介1,松井 淳1,小川 吉司1,玉澤 直樹1,
中村 光男2,須田 俊宏1
II1−P−299 本邦初の腎移植後膵島移植の1例
京都大学糖尿病・栄養内科1,京都大学医学部附属病院臓器移
植医療部2
山根 俊介1,佐々木真弓1,豊田健太郎1,興津 輝2,
岩永 康裕2,福田 一仁1,稲垣 暢也1
今回我々は,腎移植後にステロイドを併用した免疫抑制下にお
いて,複数回の膵島移植を実施した症例を経験したので報告す
る.
【目的】糖尿病腎症は,血糖・血圧管理の不良によって進行す
る.また感染や手術を契機に急激に悪化することも知られてい
る.本研究は,糖尿病網膜症硝子体手術後の腎機能悪化を予測
する因子について検討した.【方法】対象は,最近10年間で当
科に糖尿病網膜症硝子体手術前入院をした患者72名.糖尿病
腎症病期は,1期19名,2期17名,3A期8名,3B期20名,
4期8名.手術前後で腎機能の変化は,cockcroftのCcrを用い
て比較検討した.【結果】腎機能が悪化した群は16名,変化が
なかった群は56名であった.悪化群で単回帰解析をおこなっ
た結果,過体重,BMIが腎機能の悪化と相関した(pく0.05).
性別,罹病期間,術前腎症病期,血圧,HbAlcや神経障害の有
無などと腎機能では相関を認めなかった.【総括】肥満症例で
は術前後の腎機能の管理に注意を要すると考えられた.
1”一P−297 高グルコース下で誘導されるヒト網膜色素上
皮細胞(RPE)由来血管新生促進因子の検討
国立国際医療センター研究所代謝疾患研究部1,千葉大学眼科2,国立国際医
療センター病院眼科3
横内 裕敬1,山本 修一2,武田 憲夫3,鏑木 康志1,安田 和基1
【症例】38歳女性.17歳時に1型糖尿病を発症,強化インスリ
ン療法でも血糖コントロール不良であり,36歳で初回の膵島
移植を受けた、その後糖尿病性腎症が悪化し透析導入され,維
持透析を1年継続後に生体腎移植を受け透析より離脱した.ス
テロイド,プログラフ,セルセプト使用下で腎機能安定してお
り,腎移植6ヶ月後に2回目,さらにその6週間後に3回目の
膵島移植を実施した.
膵島移植後に血中Cペプチド値は増加し,血糖不安定性が改善
しインスリン必要量が減少した.経過中に腎機能の悪化は認め
なかった.
【考察】エドモントンプロトコールとは異なり,腎移植のプロ
トコールに則ってステロイドを併用した免疫抑制下において
も,膵島移植は有効であった.
ill−P−300 3圃の膵島移植を施行した1型糖尿病3症例
の経時的検討
京都大学糖尿病・栄養内科1,関西電力病院2
【目的】
石河 珠代1,福田 一仁1,豊田健太郎1,山根 俊介1,
佐々真理子L,山田祐一郎1,稲垣 暢也’,清野 裕2
糖尿病網膜症におけるRPE細胞由来の血管新生促進因子の関与の可
【緒言】本邦ではインスリン離脱を目標とした膵島移植が行わ
れているが,欧米での報告では5年後の離脱率は約25%に低
能性を検討する.
【方法】
1)ヒトRPE細胞株(ARPE−19)を高グルコース培養し,その培養
上清をヒト網膜血管内皮(RE)細胞に添加し管腔形成能を検討.2)
ARPE−19細胞において,高グルコース濃度下での遺伝子発現を
GeneChipシステムで網羅的解析.3)血管新生へ関与が示唆される
遺伝子については,リコンビナントタンパクとARPE−19細胞に対
するslRNAを用いて,RE細胞での血管新生作用を検討.
【結果】
ARPE−19細胞の高グルコース培養上清はRE細胞の管腔形成能を促
進した・さらに遺伝子網羅的解析,培養上清,siRNAの実験よりRPE
細胞から分泌される血管新生促進因子ANGPTL4を同定した・
【総括】
高グルコース刺激でRPE細胞にて発現が充進し分泌される
ANGPTL4は,網膜症の血管新生に関与する新たな候補分子である
可能性が示唆された.
下するといわれている.
【目的】膵島移植回数上限である3回の心停止ドナー膵島移植
を施行した3症例における経時的検討を行った.
【方法】インスリン必要量,HbAlc,M値,グルカゴン負荷試
験を評価項目とした.
【結果および考察】いずれの症例も移植前の内因性インスリン
分泌は枯渇していたが,移植回数とともに内因性インスリン分
泌は回復し,インスリン必要量は減少,HbAlc,M値の改善を
認めた.
1結語】複数回の膵島移植によりインスリン離脱を果たした症
例を経験したが,単回移植後においても血糖安定化を得た.こ
れによる急性及び慢性合併症の発症予防と進展抑制が期待され
る.同時に慢性的ドナー不足の状況下では,単回移植により一
人でも多くの症例への移植機会の提供が期待される.
一S−348一