広帯域離散OFDM - ATR

広帯域離散OFDM
~隙間空き帯域に信号分散し束ねて高速伝送します~
無線高速伝送のためにまとまった広い周
波数帯域を新たに確保することは困難で
すが、実際の周波数利用状況を見ると狭
い空き帯域が散在しています。それらの空
き帯域に信号を分散配置して束ねるという、
広 帯 域 離 散 OFDM ( Orthogonal
Frequency Division Multiplexing)技術を
開発し、高速伝送と周波数有効利用を実
現します。
„ 170MHz~1GHzの間にサブキャリ
アを離散配置します。
„ 既存システムへ干渉を及ぼすこと
(与干渉)がないよう、信号占有帯
域幅を削減し既存システムとの共
存と周波数利用効率を両立します。
„ 自システム信号と他システム信号
をまとめて受信せざるを得ないた
め、被干渉対策を強化します。
各地域で空いている
周波数帯を使用
f
既存システム
f
周波数
まとまった帯域は
空いていない
隙間空き帯域に
OFDMサブキャリアを分散配置
離散OFDMの
サービスエリア
f
束ねて高速伝送を実現
広帯域離散OFDMの基本概念
地域
各地域での空き帯域を使用する例
„ 開発した実験装置の室内実験を実施し、基本無線伝送性能、耐干渉性能、無線制御
方式を伴う伝送性能を評価し、装置設計思想へのフィードバックを行います。
„ 変復調技術、被干渉抑圧技術、与干渉抑圧技術、無線制御方式の改良を進め、シ
ミュレーションおよび実験装置を用いてその有効性を確認します。
連絡先:適応コミュニケーション研究所 担当 高草木 E-Mail:acr.openhouse.2013@atr.jp
本研究は、総務省の「電波資源拡大のための研究開発」により実施したものです。
与干渉対策
被干渉対策
„ 他の既存システムへ干渉を及ぼすことは許
されません。しかし、他システムの信号との間
隔(ガードバンド)に余裕を持ちすぎると周波数
利用効率が低下します。 ガードバンド(使用不可)
„ 自システム信号
のサイドローブを下
げて占有帯域幅を
削減する(または有
効帯域幅を拡大す
る)ため、窓関数な
どの技術を導入し
ます。
f
„ 散在する信号を広い帯域幅の無
線回路でまとめて受信するため、他シ
ステムの信号も混入することが避けら
れません(離散OFDM特有の課題)。
„ 受信品質への影響低減のため、干
渉キャンセラ等の干渉低減技術を導
入します。
有効帯域幅
占有帯域幅
ガードバンドを削減
f
f
受信無線回路帯域幅
◎有効帯域幅◎
受信無線回路に他システム信号も多数混入
占有帯域幅
通信制御
分割RFユニット
„ サブキャリア配置の自由度のためには
全システム帯域(170MHz~1GHz)を連続
的に一系統の無線ユニットでカバーすること
が理想ですが、超広帯域な無線回路の実
現はコスト・サイズの観点で困難です。
„ そこで、小さ目の帯域幅の無線ユニット
を複数配置します。各ユニットの周波数は
自由に設定でき、密着配置することにより連
続広帯域のカバーも可能です。
„ 使用する幅広い周波数帯域の中で通
信品質のばらつきが発生します。
„ 品質差のある帯域同志相互に助け合
う、高品質な帯域に伝送を集中させる、な
ど様々な通信制御技術で全体のスルー
プットを高めます。
受信
品質
(良)
帯域同志助け合う
170MHz
単一無線ユニットで830MHz幅フルカバー
コスト、サイズ観点で実現が困難
1GHz
(悪)
インタリーブでダイバーシチ
インタリーブ
f
符号化単位#1
符号化単位#2
f
高品質帯域に集中
高MCS
◎ 分割帯域無線ユニットを複数用意
低MCS
f
符号化単位#1
複数無線ユニット密着配置で連続広帯域カバーも可能
f
符号化単位#2
符号化単位#3
f
„
„
„
„
無線ユニット(FFT帯域122.88MHz)4系統装備。 中心周波数は各々設定可能。
送信可能サブキャリア 最大24,000本 = 360MHz幅相当。
無線キャリア発信器は、源振を共通化することで複数無線ユニットの密着配置可能。
IF周波数は、無線周波数より高い1.5GHzを採用。
„ フィードバック制御用の上りリンクを装備し、適応変調、再送制御も可能。
„ 3GPP LTE規格準拠の変調/復調、符号化/復号化が可能。
基地局装置
移動局装置
UpLink
Feedback Control Channel
Demodulator & Decoder
HARQ Control
MCS Control
A/D
D/A
フィードバック制御の
ための上りリンク接続
3GPP LTE準拠
適応変調/再送
Stream #1
Channel Modu
Encoder lator
3GPP LTE準拠
符号化/変調
IFFT & addCP
& TimeWindow
IFFT & addCP
& TimeWindow
D/A
D/A
RF-unit
#4
~ fRF4
RF-unit
4
~ fRFRF-unit
~ fRF3
3
~ fRF
RF-unit
IFFT & addCP
& TimeWindow
D/A
RF-unit
#2
IFFT & addCP
& TimeWindow
D/A
RF-unit
#1
#3
#2
~ fRF2
2
~ fRFRF-unit
#1
~ fRF1
fIF ~
自由なサブキャリア
マッピング
RF-unit
#4
#3
ACK/
NACK
3GPP LTE準拠
シグナリング
~ fRF1
~ fIF
A/D
A/D
Stream #2
delCP & FFT
delCP & FFT
A/D
delCP & FFT
A/D
delCP & FFT
SubCarrier DeMapper
Modu
lator
SubCarrier Mapper
Channel
Encoder
CQI
DownLink
窓関数 による周波数整形
Stream #2
Feedback Control Channel
Encoder & Modulator
Demodu
lator
Channel
Decoder
Demodu
lator
Stream #1
Channel
Decoder
3GPP LTE準拠
復号化/複調
自由なサブキャリア
マッピング
122.88MHzBW
RF-unit 4系統搭載
IF周波数=1.5GHz
実験装置 ブロック図
0
2048
4096
6144
送信離散マッピングパターン設定
8192
基地局送信信号スペクトル実測結果