4 3 自然対流を伴う水平長方形管内における付随渦の発生 (高アスペクト比の場合) (機械工学科)野村高広,京免進 ー ‘ Occurrenceo fA d d i t i o n a lV o r t i c e si nH o r i z o n t a lR e c t a n g u l a r D u c t sw i t hF r e eC o o v e c t i o nf o rHighA s p e c tR a t i o (DepartmentofMechanicalEngineering)TakahiroNOMURAandSusumuKYOMEN Abstract 白 1d u c ts y s t e mi ni n d u s t r i a lp l a n t s叩 da i rc o n d i t i'On e r s,自国 c o n v 配 t i'Oni sp r o d u c 吋 b ybu ' O y a n c yf ' Or c e s i nt h ef l u i db郎 副s e'Oft h et e m p e r a t w 壱 d i f f e r 四 c e sb e t w 悶 1t h ed u c tw a l la n dt h ef l u i d .Asar e s u l t,i twas i n d i c a t e dt h a ts e c ' O n d a r yf l'Ow v'Or t i c e si naα'Os sSぽ t i'On'Oft h ed u c t' 0 ∞ 肌 担dc o u n t e r r o t a t i n ga d d i t i'On a l r i s ei nar e g i'Onn e a rt h eb i s e c t o roft h eb o t t o mw a l la th i g hReRa. I nt h i sp a p民 s t 伺d yl a m i n a r v o r t i田 sa f l o w sw i t h企e e∞nv ぼ t i'Oni nh o r i z o n t a lr e c t a n g u l a rd u c t sa r es t u d i e dn u m e r i c a l l yf o ra i r(Pr= 0 . 7 3 )a tReRa 5 5 =10,8X 1 0 onh i g ha s p 倒 則 10. 百l ee 能c t sf o rf l o wp a t t e m s'Ofa d d i t i'On a lv o r t i c e son猷 i a lv e l o c i t i e s, t e m p e r a t u r e s,s t r e a ml i n e sofs e c o n d a r yf l o w,企i c t i'Onl ' Os s e sa n dN u s s e l tnwnbersa r ep r e s e n t e d . KeyWords: F r e eC o n v e c t i o n,N u m e r i c a lA n a l y s i s,Lam i n a rF 1ow,S e c o n d a r yF 1ow,H o r i z o n t a lR e c t a n g u l a rD u c t 自然対流,数値解析,層流,二次流れ,水平長方形管 ~ 1 緒言 e R o .を 高アスペクト比の横長断面の長方形管において,R ポンプ等の流体機械を含む工業プラントや空気調和設 大きくした場合,付随渦は断面上に一対のみ発生するの 備などの配管系,さらには精密機器等の冷却管路系にお ではなく複数発生することもある.このような複数の付 いて,管壁と流体との間に温度差がある場合,浮力が生 随渦を伴う二次流れの形態を把握することは,渦の有無 じて自然対流(二次流れ)が発生する.その結果,水平 を積極的に利用した熱流体輸送の高効率化を目指す設計 に設置した円管や長方形管内では,軸方向の流動に加え において重要な指針となる. て管断面上に左右対称の一対の渦(これより二次流れ渦 そこで本報においては,自然対流を伴う高アスペクト と呼ぶこととする)を伴った流れとなる (1)-(4) 長方形管 比の水平長方形管内定常流について数値解析し,複数の の場合,管壁と流体との温度差が大きく,浮力の効果を 付随渦が発生する状況における二次流れ流線,速度場, ( R e:レイノルズ数,品:レイリー 温度場の基本特性について示す.さらに摩擦損失と熱伝 数)がある値以上になると,一対の二次流れ渦に加え底 達に関する管壁周囲の分布およびそれらの平均値の分布 壁から逆流するニ対目の渦(これより付随渦と呼ぶこと について提示する. 表すパラメータ h 晶 とする)が発生する (5)-(9) 著者らはこれまでの数値解析 により,流れ場が定常流に対しては,この付随渦の発生 する直前直後の流動形態を示すと同時に,付随渦が発生 . さらに局所の摩擦損失 する位置と要因を明らかにしたω . また, と熱伝達における付随渦の影響について示したω 流れ場を脈動流れとした場合に対する数値解析を行い付 随渦の特性を明らかにした自由.以上のような自然対流を伴 う報告では,長方形管断面の形状はアスペクト比が 1で ある正方形を中心に解説しており,断面上に発生する付 随渦は一対のみである. しかし本報告で提示するように ~ 2 記号 a b 長方形断面の幅 :.長方形断面の高さ 3 C=-cjD ./ ( 4 v μ)=Relw Cj 軸方向圧力こう配=争。 l i k C2 軸方向温度こう配=♂1 i k D . f 相当直径 =2ab I ( a + b ) i M2) 摩 擦 係 数 =2 1 : w/{ 第6 6 号( 2 0 0 4 ) 呉工業高等専門学校研究報告 4 4 g :重力加速度 (1)速度場,温度場とも十分発達している. h :熱伝達係数 ( 2 ) 粘性消散は無視する. k :熱伝導率 ( 3 ) 流体の物性値は一定とし,浮力の項に含まれる密度の N u :ヌセルト数 =hD p :ム y 断面上@圧力 . lk が温度により変化する. ( 4 ) 管軸方向の圧力こう配は一定とする. P O z軸方向の圧力 :プラントル数 = V!α 丹 4 Ra :レイリー数 =gsC D .f { vα) 2 D ." Wl v Re :レイノルズ数 = T :温度 T w :壁面上の温度 ( 5 塵周囲の温度分布は軸方向の任意の位置で一定とする. ( 6 ) 管壁の熱流東は軸方向に一定とし,軸方向の壁温こう 配は一定とする. 以上の仮定のもとで,連続の式,運動方程式およびエ ネルギ一式は次のように表される. x , y, z α 直角座標成分 p a x. 体膨張係数 γ 8 :アスペクト比 =α / b μ :粘度 θv 無次元温度差 = (T-乙 )/( C De P r C ) 2 v 動粘度 p 密度 ( 1 ) ゐ ぬ 1d v ( θ2U a 2U i 一 +v 一=一一ー + v lーで+ーで み み . l o ザ の, z) :熱拡散率 s θv ぬ 3 ; + 3 ; = U u, v , W:X , y, z方向の速度成分 d v ldv ( θ 2V ( 2 ) ai 1 +sg{T-T . , )( 3 ) 2V 一 +v一=一一半 +vl~... : ー+ーで 2 &み l a x の pみ 2 ) 2 伽 1d v " ,θ ( 2 W a wi +v一=ー- ~ + v l . ーで+一一 2 み み pa z. . la x み2 ) T ゲ Ti θ T dT dT ( a2 W : ー = α 「 一 一 一一ー 2+ み あ , • •. a z ~l a x み2 ) みv u一 九 :壁面せん断応力 ψ :無次元流れ関数 ( 4 ) c"品 ( 5 ) 境界条件は壁面上で次のようになる. m田 :最大値を表す u=v=W=O T一 九 =0 m問 :最小値を表す 上式を無次元化するために,次のような無次元変数, 添字ほか o 浮力のない場合を表す ( 6 ) 変換定数および無次元流れ関数 ψ 平均値を表す x '= x /D e,y '= y /D e,u '= D e u / v,v '= D,v / v, w ' = D e w / { C v ),命 。/ a z= C !, 珂laz=c , 2 3 基礎式と数値解析 ~ ト T-, . T =( C D . P r C , e ) _C!D, 3 / ( 4 Y j μ )=C(=Re / 百 ) , 2 u ' =θV ' / み ん v '=一抑 l ゐ' 3.1 基礎式 水平長方形管内において,浮力によって生じる二次流 を導入する.式(1)" ' ( 5 )を無次元化し,式 ( 2 ),( 3 )から圧力 i g . lに れを伴う非圧縮性層流粘性流れを対象とする. F 項を消去すれば次式が得られる(l)が,以下無次元量を表す 示すように,断面水平方向を X,断面鉛直方向を y,主 流 ,は本文中および図中において省略する. とする直角座標をとり,各速度成分を 方向を z U ,V, W とする.ここでは以下の仮定をおく. u i L民 主 ム ζ旦+ iv~ (ζa 主上 ζ旦= i 2 a x lみ み, z ) みl x み, 2 立 与 +2 三 井 : : : + 立 与 R a C 4 E m a x " ax~dy'" み 戸 dx y Fダ F みv θ 2 W θ2 W みν 37+V37zZT+ZT+4 ぽ +v笠 ) = 内 内 ・ー十 ーー 一一 W み あ , ) み2 み2 b z 2 ) O a As戸 c tr a t i or= a/b F員g . lC a r t e s i a nc ∞r d i n a t es y s t e mf o rah o r i z o n t a l r e c t a n g u l a rd u c t ( 8 ) ( 9 ) 境界条件は,壁面上で 主主=主主 =W=o a x み I f θ=0 であり , x=l /2, O<y<lにおいて 。 0 ) 野村・京免:自然対流を伴う水平長方形管内における付随渦の発生 e J X - I l s i d ewa I l ア =1 2 " ' - e J X となる. c e n t e r v dHM みみ e } o= 0 “"up 主主ーと巴一生-¥ ( 4 5 丹 =0.73 ア =1 4 局所的な摩擦損失を示す摩擦係数と レイノルズ数の積 j.Re,局所的な熱 ア =1 6 伝達を示すヌセルト数 Nuは,それぞ れ次式により計算した(1)ここで nは 内向き法線である. γ =1 8 す ( 女 ) 陥 = 喉 ) / ( 五 ) U 2 ) j.Re= 障震v r=却 U 3 ) 5 F i g . 2S e c o n d a r yf l o ws t r e a m l i n e s(ReRa=10 c o n t o u ri n t e r v a l = 0 . 1 ) . 3.2 数値解析 式(7) ~(9) を差分近似して SOR法によ s i d ewa I l c e n t e r り数値計算を行った.なお 4階の方程 γ =1 2 式を含む式( 7 )は13 点差分近似となるた め,管壁より 1つ内側の格子点におい て計算することができない.そこでテ ア =1 4 Pr= 0.73 イラー級数展開と境界条件から内部の 3点により近似計算した(1)収束判定 γ =1 6 としては,全格子点に対して ,W , θ, U,V, ψの反復計算における新値と旧 ア =1 8 値との誤差が0.01%以下になるまで繰 り返し計算した.長方形断面の格子分 割数は4000としたが,水平方向と鉛直 γ=20 方向の分割数は格子形状が正方形にな るよう配慮した側.プラントル数は 丹 =0.73 (空気) ,アスペクト比は主 5 F i g . 3C o n t o u r 百o fw (ReRa=10 .c o n t o u ri n t e r v a l = 0 . 1 ) レ に γ=12,14, 16, 18, 20,レイノ l ズ数Reとレイリー数&の積は付随渦の &=105と付随渦の発生す 発生しない Re るReRa=8X1Q5の 2種類を与えた. 作 =0.73 i f4 結果および考察 4 .1 1 / J , 流れ関数 γ =1 6 W ,( Jの等高線分布 ψ,管軸方向速度 W,温度 θ の等高線分布をFig.2~Fig.7 に示す. ψ,W ,θは管中心を通る鉛直軸上にお いて左右対称となるため,左半断面の みを表示した.なお,これらの分布は 医 霊 庭霊 それぞれ最大値あるいは最小値で割っ た値で表示することにより,管壁上は 0,最大値は1,等高線間隔は0 . 1とし, 5 F i g . 4C o n t o u r so fθ (ReRa=10 .c o n t o u ri n t e r va 1= O . I ) 呉工業高等専門学校研究報告 4 6 第6 6 号( 2 0 0 4 ) 全体を比較しやすくした.また,流れ の方向を流線中に矢印で示した. |震霊~\~(1鉛kÔJ\(@11 r まず. Fig.2に付随渦の発生してい =12 な い たRa=105に お け る 二 次 流 れ 流 線 (流れ関数 ψの等高線公布)について γ =14 述べる. γに関わらず二次流れ渦の流 動は同じ形を示し,等高線分布の粗密 の状況から,二次流れ渦の中心から管 壁までの上昇流に対して,二次流れ渦 \~((@)I@\~1@(6kál(Q)1 r=18 の中心から管の中心にわたる広い領域 では緩やかな下降流であることが分か る.これに対応する w と θの等高線分 布を Fig.3. Fig.4に示すが,二次流 監震と 0 ¥ 倒( @ } @ t ( Q ) k a f 6 1 a ! ( o ) k a 1r =20 れ渦の上昇流および下降流に伴う wと 10 ws t r e a m l i n e s( R e R a=8X105.contouri n t e r v a l=O. I ) F毎. s Secondaryf θの変化はほとんど見られない. 次 に Fig.5 に 付 随 渦 の 発 生 す る たRa=8X105における二次流れ流線に s i d ewall おいては,二次流れ渦に加えて上壁と c e n t e r 底援にまで発達した付随渦が複数発生 していることが分かる.さらに γが大 きくなると付随渦の発生数が増加して いる.付随渦の発生数は γ=12では 5 渦 , γ=14では 6渦 , γ=16では 7渦 =18では 8 7 1 局 , r γ=20では9 渦である.こ こで. Fig.5のように各付随渦に(1)- ( 9 )と番号をつけて区別することとする. 付随渦の形状は,二次流れ渦に接触す る付随禍(1)を除けば,やや縦長となる. 二次流れ渦に接触する付随渦(1)は他の 2 ) ( 9 )に比べてやや大きい.こ 付随渦 ( れに対応する w と θの 等 高 線 分 布 を 5 F員g . 6C o n t o u r so fw ( R e R a=8X 10 • contouri n t e r v a l = 0 . 1 ) Fig.6. Fig.7に示す.付随渦の発生 e Ra=105の分布とは大きく していない R s i d ewall る影響が現れ θ一 % 異なり,二次流れ渦および付随渦によ wと θの分布は局所的 c e n t e r γ =1 2 に上部もしくは下部にその最大値が移 動している.すなわち二次流れ渦もし くは付随渦が上昇流を示す位置ではw Pr=0.73 健三三五三率三平 γ=14 と θの分布はその最大績が上部に移動 し,下降流を示す位置ではその最大値 が下部に移動していることが分かる. 4.2 vの分布 │庭霊三三三霊童三霊三三ァ= 1 8 前項において二次流れ渦および複数 の付随渦による上昇流および下降流が i 隣重量量重量喜重量重量重量言語重量議量蕗謹重量 w と θの分布に大きく影響を与えるこ とが明らかとなった.そこで付随渦の 上昇流および下降流の状況を比較する 宮o fθ ( R e R a=8X105.contouri n t e r v a l = O . I ) F包. 7 Contour 野村・京免:自然対流を伴う水平長方形管内における付随渦の発生 4 7 ため, F i g . 8ではReRa=1 05, F i g .9ではんRa=8X1 05の 場 下降流は,他の下降流とほぼ同じ大きさとなる.同様に 合を与え,水平軸上(図中の ψの二次流れ流線における γ=16では,管中心部付近から新たに発生する付随渦(7) E F断面)における二次流れの鉛直方向の速度成分であ のため管中心部の流れは下降流から上昇流に反転する. 以上の γ=12,14 ,1 6における付髄渦の数および二次流 る vの分布について考察する .vが正の領域では上昇流, γ=16,18,20に大き 負の領域では下降流と主主る.なお,vは管中心を通る鉛直 れの上昇流・下降流に対する変化は, 軸上において左右対称となるため,左半断面のみを表示 くなった場合にも同様の傾向を示す.すなわち γ=12,14 , 4,16,1 8,20 とし,各 γに 対 した.上から願に γ=12,1 16,18,20に大きくなると,付随渦が管中心部から 1渦 ず 応する二次流れ流線を vの上側に再録し ,vと ψの対応を つ増加すると管中心部の二次流れの方向は上昇から下降 明確にした. に,もしくはその逆に反転するという規則性があること 5 i g . 8の付随渦の発生していないんRa=10におい まずF が分かる. ては vは γによらず二次流れ渦の中心から管側壁 (E)との 聞に vの最大値が現れている.すなわちこの位置が最も上 F )との 昇流が速い.一方,二次流れ渦の中心から管中心 ( s i d ewa Il 聞はやや負の値を示すが全体的にほぼ0であり二次流れ渦 E の下降流は広範囲で生じるとともに非常に遅い流れであ ることが分かる. 5 次に F i g . 9の付随渦が複数発生するたRa=8X10 におい ; : . 5 e Ra=10 にみられるように管側壁付近のみの変化 て νはR 5 ReRa=1 0 Pr=0 . 7 3 ではなく,管内部でも大きく変化が現れる.すなわち二 次流れ渦および複数の付随渦の境界線上付近では上昇流 v および下降流が交互に生じている. γ=12では,二次流れ渦の中心から管側壁 ( E )との聞に ν の最大値が現れている.すなわちん品 =105と同様この位 ReRa=1 05 Pr= 0 . 7 3 5 置が最も上昇流が速くなるが,R e Ra=10に比べると 6倍 程 ー 1 ) " , ,( 5 )間にお 度速度が大きくなっている. さらに付随渦 ( 2 )の境界,付髄渦 いては,付随渦(1)一 ( ( 3 ) 一( 4 )の境界,管中心部の 3カ所で上 1 J f 向きに凸状の分布を示し,これらの局 P3 n u 置- E -111111lJF s -- 今3 nUE- , 圃一 v 1 J f _ 40. . . ー ー トア =20 2 0ト ート O~国盟国 t- 20 - F i g .8 C o m p a r i t i o no fv e r t i c a lv e l o c i t i e sw i t hs e c o n d a r yf 10ws t r e a m l i n e s 5 (ReRa=10 ) 守 一一一山由一 'i る.また,新たに管中心部で発生する 四一 における上昇流とほぼ同じ大きさであ 圃 圃- 上昇流の大きさは,他の付随渦の境界 々 3 5 ) 一( 6 )の境界の 下降流となる.付随渦 ( M ( 5 )ー ( 6 )の境界に移動し,管中心部では 一 するため,管中心部の上昇流が付髄渦 置- となっている. 圃一 示し, 4カ所ともすべてほぼ同じ速度 nN= 境界の 4カ所で下向きに凸状の分布を Er RPE E nunununu 4 22 Fより, f 祁造渦(1)の中心からややEより, 2 ) 一( 3 )の境界,付随渦(4)一 ( 5 )の 付髄渦 ( トト v 一h h 下降流は,二次流れ渦の中心からやや 6 )が管中心部付近から新たに発生 随渦 ( t- 之O ると約 2 /3の速度となっている.一方, r=14では,二次流れ渦および付随 ' i O~田恒国 壁( E )との聞に現れる νの最大値に比べ 田一 2 0ト 与 ト ると同時に二次流れ渦の中心から管側 札u = E - 40; : : : : ・ ← tr=1 6 ぞれほぽ同じ速度の上昇流となってい ' ' ( 5 )の聞は変化がないものの,付 渦(1)" F LM丹 所部分における上昇流の速度は,それ E Illi--守lJF 刷 一 一 V 第6 6 号( 2 0 0 4 ) 呉工業高等専門学校研究報告 4 8 一方,ReRa=8x1 05においてはァが大きくなると γ=2付近 4.3 局所の摩擦損失・熱伝達 管壁周囲における局所の摩擦損失を示すf 必の分布を で最小値を示し,その後は rにより付随渦の発生数が異 F i g .lOに示した.図中の上から γ=12,14,16,18,20と した.横軸は管壁周囲の位置を示し, 底壁左の角部, ι なるため,なめらかな曲線分布にはなっていない.なお, Aは底壁中央, Bは 7=2付近で f Reが最小債を示す理由としては,一対の二 Cは 壁左の角部, Dは上壁中央, A-B 次流れ渦の発生する領域がそれぞれ正方形であり,長方 聞は底壁, B-C間は側壁, C-D聞は上壁を表している, 形管のように短辺が存在するとその方向において粘性抵 まず γ=12 の場合を代表例として述べると,付随渦の発 抗や熱伝達の影響が大きく表れるためである. 5 生しないた' R a=10 においては,上墜と底壁では B,Cの角 F i g . 1 3における Nuの分布は, f R eの分布と全体的にほ 間の中泉 部付近を除き平たい分布となり,側壁では B-C 1に ぼ同じ形状となる.これについても前節と同様に作= 部分で最大値となる放物線状の分布となる.一方, 近い作動流体の場合,速度境界層と温度境界層の発達の 5 Re Ra=8X10 に増加すると複数発生した付随渦の上昇流と 割合がほぼ同じとなるためである. 下降流により , F i g . 6にあるように wは局所的に最大値 が上部もしくは下部に移動するため ,f Reにも変化が生じ s i d ewa II る.底堅A-B聞においては付随渦の発生している A部より E に波状分布となる.すなわち付随渦の下降流により底壁 近くで wの等高線が密になった領域では f Reが大きくな り,逆に付随渦の上昇流により底壁近くで w の等高線が 粗になった領域では j R eが小さくなっている J 上壁 C-D聞 においても底壁と同様の理由から波状分布となっている F 簡の波状分布に比べるとその振幅は小さく, が,底壁A-B I J I El臨零総て\ \h宍\/kf~\~\~1よ! F I J I _ 1種差釜診人-.-J\~陣JI ωμj陪4ωJI 付随渦による j R eの局所的な影響は上壁より底壁の方が大 きいことが分かる.側壁B-C聞においては二次流れ渦の 40 5 みの影響が現れているため ,R e Ra=10 と同様に放物線状 20 の分布を示すが,最大値は大きくなりその位置はやや底 h O の場合の f Reを考察したが, 壁よりに存在する.以上 γ=12 他の γにおける f Reについても同様の 波状分布を示し,付随渦の発生数に対 I J I E, 1傷寒蕊マー一、町、 \b-誌f~f人 t~\btふ 1 ふ I F I J I _ 建童謡必一、. . J¥ \遡I1也'1巴JjωJj也II~JωJI l 応して上昇流下降流の形態が変化する ため,波状分布の波数は変化する. 40 5 ReRa=8x10 - 管壁周囲における局所の熱伝達を示 2 0 すNuの分布を F i g . l lに示すが, fReと O 全体的に類似した傾向を示す.これは F 作動流体の熱的物性値Pr =0 . 7 3と 1に近 い場合には,速度境界層と温度境界層 I J I V刷 の発達の割合がほぼ同じとなり, 4 -1 4 節で示したように wと θがほぼ閉じ様 れア=18 5 5 ReRa=O,1 0,8X 1 0を与えた. F i g . 1 2の fRe に 対 し て , Re Ra=O, 1 05ではァが大きくなると f R eは増加す る. また γ=4以上になると Re Ra=0, 5 1 0ではほとんど同じ分布を示している. . 可~'V'~~刊 F 管壁周囲における平均摩擦損失を示 軸 に γを と り , パ ラ メ ー タ と し て ; 5 ReRa=8X10 Pr=0ηl ハ ー ^^ ^ ^I n J~ 4.4 平均摩擦損失・熱伝達 それぞ、れF i g . 1 2,F i g . 1 3に示した.横 0 2 0 な変動となるためである. R eと平均熱伝達を示すNuの分布を すf E|傷寒恭子~\~rtkf~l~t~fふ 1ム|ム I F 健筆釜多グ ¥ Jド幽l也11ω)\~I~lYIω}I~I V h 巨│傷寒緊守、 r . .\~f~1ふ\blふ1ム!ム161blF j ω J [ ω )I ω l 隣量髪#ι/( 、~\'組11巴']ωJ[ω'1ω11ω, 4 0 . t f ¥ ァ =20 2 0 j ¥ ^ . ReRa=8X1 05 Pr=0ηl I ^ ^ハバ ー!}ー~~~~~~I E F F i g .9C o m p a r i t i o no fv e r t i c a 1v e l o c i t i e sw i t hs e c o n d a r yf l o ws t r e a m l i n e s ( R e R a=8X 1 05) 野村・京免:自然対流を伴う水平長方形管内における付随渦の発生 40 30 4 9 15 q D B A ~=主こコ A . 10 長20 旨 苫 E 一 一 一 ア =12 10 ReRa=10 5 ---ReRa=8X10 Pr=0.73 O ー ー O 40. 1O~ ReRa= ReRa=8X105 - A D A " 〆 5 5 D 15 C 30 A D S- A 10 誼 = ミ 一 一 一 一 一 一 O 5 ReRa=10 ReRa=8X105 A D A 10 長 ~ 20 5 ア =16 Pr=0.73 10 一- ReRa=10 5 一--ReRa=8X10 OA 5 O D A D 40 D 工A C E ClB 15 30 15 30 ヘ ヘ r 、 , . . t ¥ J ' . 1 、 f 長20 q D B A ~ J 5 一 一 一 ReRa=10 ー--ReRa=8X105 Pr=0.73 O 10 , ア =18 10 C D B A ググ 5 A 40 5 一 ReRa=10 5 一- ReRa=8X10 D O D A 長20 D A 40 30 Pr=0.73 O D 15 D 、r、 r ¥! ¥1 ¥! . . / I ' B ' . , 、 O A 10 ~ 5 γ=20 Pr=0.73 10 A 一 一 一 ReRa=10 5 一 -ReRa=8X10 b o t t o mw a l l t o p w a l l D Fig.lO L o c a lf r i c t i o nl o s s e sa tbottom,s i d eandt o pw a l l 5 ハ ヘハハヘ 、 tI . :¥ J C D B A グ{ Pr=0.73 O A 5 一 一 一 ReRa=10 5 一 -ReRa=8X10 ア =20 t o pw a l l b o t t o mw a l l D Fig.ll L o c a lN u s s e l tnumbersa tbo 仕om ,s i d eandt o pw a l l 8 24 Pr=0.73 Pr=0.73 6 20 長 │ . :ReRa=0 16 5 b . :ReRa=10 5 0:ReRa=8X10 . :ReRa=0 4 ム :R eRa=105 5 0:ReRa=8x10 2 12 o さ │ 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 ア F抱; . 1 2f R ea saf u n c t i o no fa s p e c tr a t i oア 4.5 γと付随渦の発生数 以上で γ=12,14,16,18,20の場合の付随渦の発生数に 伴う二次流れ流線,速度場,温度場,摩擦損失,熱伝達 o 2 4 6 Fig ・ 13 扇 町 8 10 12 14 16 18 20 γ af u n c t i o no fa s p 配 t r a t i oア ァ=1-6までは付随渦は現れず,その後 γが大きくなる にしたがい付随渦の発生数も段階的に大きくなっている ことが分かる. しかし付随渦が 2渦発生するァの条件は γ=1-20の広い領域における付随 本計算では得られなかった.これは本解析ではァ =7.5- 渦の発生数(半断面のみ)について Fig.14に提示した. 8の区間についてさらに検討する必要があり,付随渦が 2 なお,数値計算で収束可能であった条件のみを表示した. 禍発生する非常に狭い領域があることも考えられる. への影響を述べたが, 呉工業高等専門学校研究報告 5 0 9 3 8 I ω = 8 xぽ 71 Pr=O.73 I ! 官喝事 事 3 ち 3 Secondary Fbw-A 即 盗c a t i o nt o 出e a コ mbined Free and Forced Laminar 0コ n v e c t i o n i n t hI n t .HeatT r a n s f .C o n f ., HoriwntalTubes,Porc4 4( 19 7 0 ),NC3・5 . ( 3 ) S i e g w a r t h, D . P .andHanrattyT . J .,Co m p u t a t i o n a l i m e n t a l Sutdy o f t h e E f f e c t o f and Exper i e l d and SecondaryFlowon出 e TemperatureF P r i r n a r yFlowi naHeatedH o r i a o n t a l Tube,I nt . g z 包 2 O l O 第6 6 号( 2 0 0 4 ) 2 4 6 8 1 0 1 21 41 61 82 0 γ . 1 4 Numbero fa d d i t i o n a lv o r t i c e sa saf u n c t i o no f Fをg a s p e c tr a t Jor J .HeatMassTrans , . f1 3( 19 7 0 ),2 7 4 2 . J . W ., Cheng,K.C. and L in, RC . , ( 4 ) Ou, N a t u r a l Co n v e c t i o n E f f e c t s on G r a e t z Prob 1 e m i n Horiwntal R e c t a n g u l a r Channels with Uniform W a l lTemperature f o rLa rgePr,I nt .J .HeatMass 9( 19 7 6 ),2 7 7 2 8 3 . T r a n s f .,1 ( 5 ) C h o u, F .C. andHwang, G .J . , Co mbinedFreeand ~ 5 結言 Forced Laminar Co n v e c t i o n i n Horiwntal .J . R e c t a n g u l a r Channels f o r High ReRa,臼n 自然対流を伴う水平長方形管内定常流を対象として, 0 . 7 3 ) ,アスペクト比は主に比較的 作動流体は空気(丹= Chem.Eng.,6 2 ( 1 9 8 4 ),8 3 0 8 3 6 . K . , M a s l i y a h, J . H . and La w, H . S ., ( 6 )Nandakurnar, 4,1 6,1 8,2 0を与えて数値計算を行った.そ 高い γ=12,1 B i f u r c a t i o ni ns t e a d yl a m i n a rmixed c o n v e c t i o n R a=8X1Q5に関して以下 の結果,付随渦の複数発生するん' f 1 0w i nh o r i w n t a ld u c t s, J .F l u i d Mech., 1 5 2 ( 1 9 8 5 ), 1 4 5 1 61 . の特徴が分かつた. ( 7 )小宮山淑方・三上房男・奥井健一,正方形断面傾斜管 ( 1 ) 7が大きくなると付随渦の発生数が増加する.付槌 渦の発生数は γ=12 では 5渦 , 7=14では6 渦 , γ=16 では7 渦 , ァ= 1 8では8 渦 , γ=20 では9 渦である. ( 2 ) γ=12,1 4,1 6,1 8,2 0に大きくなると,付随渦が管 中心部から 1渦ずつ増加し,管中心部の二次流れの 方向は上昇から下降に,もしくはその逆に反転する. ( 3 ) 底壁と上壁の f ReとN uは付植渦の発生位置において 波状分布となり,付随渦の発生数に対応して波状分 布の波数は変化する. ( 4 ) f R eとNuは γ=2付近で最小値を示す. 2-474, 内の層流強制一自然複合対流熱伝達,機論, 5 B( 19 8 6 ),6 2 6 6 3 5 . ( 8 ) Nandakurnar, K . , and Weimitschke, H . J ., A b i f u r c a t i o n s t u d y o f mixed-convection h e a t 仕a n s f e ri nh o r i w n t a ld u c t s,J .F l u i dMech.,2 3 1 ( 19 91 ) , 1 5 7 1 8 7 . ( 9 )石垣博,浮力が作用する正方形管内層流の基本特性 1 5 8 5,B ( 1 9 9 5 ), (支配無次元数と相似則) ,機論, 6 1 6 1 2 1 6 1 9 . 。。野村高広・京免進・碓井建夫・布川道夫,二次流れを 伴う水平長方形管における付随渦の発生について,ター 参考文献 5-2,( 1 9 9 7 ),9 7 1 0 6 . ボ機械, 2 ( I ) C h e n g,K.C.andHwang, G . J .,NumericalS o l u t i o n mbined Free Co n v e c t i o n i n H o r i z o n t a l f o r Co R e c t a n g u l a r Channels, T r a n s . ASME, J . Heat T r a n s f .,91 (1 9 6 9 ),59 -6 6 . (2)Hwang, G. J . andCheng, K .C .,Bo undaryV o r t i c i t y Method f o r 白 n v e c t i v e Heat T r a n s f e r with 日1)野村高広・京免進,自然対流を伴う水平長方形管の摩 擦損失と熱伝達,ターボ機械, 26-8,( 19 9 8 ), 472-481 . 閥野村高広・京免進, 自然対流を伴う水平長方形管内脈 8-674,B ( 2 0 0 2 ), 動流れにおける付随渦の影響,機論, 6 9 1 7 .
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