超音波検診基準作成のワーキンググループ委員会 (役割)超音波検診基準の作成 委 員 長:田中幸子 委 員:岡庭信司、熊田 卓、小島正久、土亀直俊、中島美智子、平井都始子、水間美宏、依田 芳起 委員会開催:1 回 1.超音波検診基準案 の基本的概念について討議した。 超音波検査は現在健診において広く実施されているが、生命予後延長における有効性が明らかにされているわけではない。消化器 がん検診学会超音波部会としては、今後、がんの診断における超音波検査の有効性を明らかにしていく必要があると考える。従っ て、今回作成する判定基準は がんの診断 に焦点を絞った基準とする、ということで意見の一致をみた。内容にふさわしい名称と して、腹部超音波がん検診判定基準 とすることとなった。 従って、日本人間ドック学会の 事後指導区分 とは意味が異なり、必要に応じて併記することとなる。 2.腹部超音波がん検診判定基準 においては下記のカテゴリー判定を採用することとなった。 カテゴリー判定は乳がん検診にて既に普及しており、本学会の胃がん X 線検診における判定においても関東地方会での講演などで 提案がなされている(関東地方会特別講演抄録参照)。 カテゴリー分類 カテゴリー 意味 0 判定不能 装置の不良、被検者、検者の要因などにより判断できない 1 異常なし 異常所見はない。正常のバリエーションを含む。 2 良性 明らかな良性病変を認める。 良悪性の判定困難 良悪性の判定困難な病変あるいは悪性病変の存在を疑う間接所見を認める。 3 4 悪性疑い 5 悪性 説明 悪性の可能性の高い病変を認める。 明らかな悪性病変を認める。 3.各臓器別の判定基準については、以下の概要に基づいて統一した形式とすることになった。 1)カテゴリー判定を採用する。 2)診断名ではなく所見を記載する。 3)直接所見:○○腫瘤 充実性(サイズ、エコーレベル) 嚢胞性(サイズ、単胞、多胞) 壁肥厚 間接所見:管腔拡張 びまん性病変は原則としてカテゴリー2となる。 4.既に完成度の高い 腹部超音波がん検診の実施基準(案)については、細部の追加修正の上、判定基準の完成を待たずに公開するこ ととなった。 追加項目として 1)日本消化器がん検診学会認定医(肝胆膵)もしくは日本超音波医学会超音波専門医による指導がのぞましい。 2)病変については、部位、大きさ、性状、を記載する。他の医療機関への紹介に際しては画像の添付が望ましい。 3)受診間隔については、異常がなくても逐年検診を勧める。 5.その他 最終的には典型例の超音波画像をつけて学会からマニュアルとして出版する可能性もある。
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