資料6 ゼロ・エミッション・ビルの実現と展開に関する研究会:Jun. 15,2009 ZEBに向けた設計技術の現状 ZEB に向けた設計技術の現状 と今後の課題 (株)日本設計 佐藤信孝 1 プログラム(Program) 1.建築性能をゼロカーボン化することは可能か。 省エネ法の固定条件に基づく性能(PAL/CEC/ERR) 削減対策と投資コストの関係 2.建築物の運用エネルギーをネット・ゼロカーボン化す ることは可能か。 エネルギー消費の実態 エネルギー検証事例 3. ZEB化に向けたケーススタディ 学校建築への適用 エネルギーの面的利用 4. ZEB化へ向けた課題 2 1.建築性能をゼロカーボン化することは可能か。 建築物におけるエネルギー /カーボン削減の基本的考え方 3 ●発生源対策 発生源対策 ●設備機器対策 設備機器対策 ●エネルギー源対策 エネルギー源対策 負荷の削減 エネルギー消費の効率化 エネルギー供給の 低カーボン化 外部 負荷 外部負荷 (日射・伝熱) 搬送・ 衛生他 照明・コ ンセント 外気 負荷 外気負荷 (換気) 空調 内部 負荷 内部負荷 (照明・人体・ OA機器) ●外部抑制の省エネ基準 外部抑制の省エネ基準 PAL ( Perimeter annual Load) 再生可能エネルギー 都市排熱利用 一次エネル 系統電力 ギー供給 分散電源 エネルギー融通 ガス供給 熱源 ●建築設備効率の省エネ基準 建築設備効率の省エネ基準 CEC( Coefficient of Energy Consumption) 1.建築性能をゼロカーボン化することは可能か。 省エネ法の固定条件に基づく性能(PAL/CEC/ERR) 4 1,400 140% 空調 換気 照明 昇降機 その他 削減比率 1,200 120% 1,000 100% 800 80% 600 60% 400 4 0% 200 48 % 20% 38 % 45% 1 7% 0 40% 20% 0% 基準値 計画値 予測値① 予測値② 基準値 A建物 計画値 予測値① 予測値② B建物 削減割合 年間一次エネルギー消費量[MJ/㎡年] ●省エネ法の 省エネ法のPAL/CEC PAL/CECに基づくエネルギー消費量の計算では、 に基づくエネルギー消費量の計算では、 1)現状の汎用手法をほとんど採用することで、基準値の 1) 現状の汎用手法をほとんど採用することで、基準値の40% 40%削減程度 削減程度 2)最新技術の導入で、 2) 最新技術の導入で、50% 50%削減。それ以上の削減は厳しい状況にある。 削減。それ以上の削減は厳しい状況にある。 1.建築性能をゼロカーボン化することは可能か。 省エネ法の固定条件に基づく性能(PAL/CEC/ERR) 【試算条件 試算条件】 1.基準値:省エネ法の判断基準値相当の仕様の建物の場合 1.基準値 :省エネ法の判断基準値相当の仕様の建物の場合 2.計画値 2.計画値:事例として採用した建物での設計値 :事例として採用した建物での設計値 3.予測値① 3.予測値①:省エネ法で採用可能な手法を用いた場合の推定値 :省エネ法で採用可能な手法を用いた場合の推定値 ※]PAL=200[MJ/㎡年]、CEC/AC=1.0 ※]PAL=200[MJ/ CEC/AC=1.0、CEC/L=0.5 CEC/L=0.5 ※]エネルギー効率化設備による省エネルギー率 ※] エネルギー効率化設備による省エネルギー率k=0.1 k=0.1 (太陽光パネル等) 4.予測値② 4.予測値②:予測値①に加え、更に最新技術導入で、 :予測値①に加え、更に最新技術導入で、 効率化を進めた場合 ※1]CEC/AC=0.75:冷熱源 ※1]CEC/AC=0.75 :冷熱源S_COP=2.0 S_COP=2.0、空調搬送の低減化推進 、空調搬送の低減化推進 (ファンの分散配置推進) ※2]CEC/L=0.35:専有部への光ダクト導入、共用部の ※2]CEC/L=0.35 :専有部への光ダクト導入、共用部のLED LED化 5 (1,000.0) グリー ン電力の 購入 太陽光発電 システ ム ダブルスキン 庇(兼 ライトシェルフ) 高効率熱源 システ ム 自 然換気 システ ム ドラフト防止対策 全 熱交換器 外 気冷房 システ ム 熱源 ・空調の小負荷対応 BEMS 中 間期・ 冬期 でのフリークーリング 自 動制御 ブラインド 地 中熱 ヒートポンプ 外気 CO2 制御 その 他 照明人感 セン サー 制御 冷 却水 ポンプ I NV制御 クール・ヒートトレンチ 照明 の昼光利用制御 高効率トッ プランナー変圧器 冷 温水 2次 ポンプ I NV制御 ゼ ロエ ナジ ーバ ンド 制御 ナイトパージ 駐 車場換気 CO 制御 断熱材( 25 mm→50 mm) 3,000.0 照明点灯時間短 縮( 1h ) 4,000.0 クールビ ズ の導入 (2 7 ℃) 予冷・ 予熱時外気遮断 共 用部明る さ照度設定 タスクアンビ エント照 明 ( 50 0Lx基準 ) 設備投資金額[百万円] CO2削減率(累積)[%] CO2削減率(単体)[%] 追加投資金額(累積)[百万] 2,000.0 20% 1,000.0 10% 6,000.0 60% 5,000.0 50% 40% 30% 0.0 0% -10% 6% 5% 排出CO2削減効果[%] 累積CO2削減率[ %] 1.建築性能をゼロカーボン化することは可能か。 削減対策と投資コストの関係 6 ●111 111のCO CO2削減対策と投資金額の関係 投資額 投資額50 50億円 億円 CO2 CO2削減 削減5,500ton/ 5,500ton/年 6万円 万円/CO2ton /CO2ton-15 15年 (投資無し運用工夫を含み (投資無し運用工夫を含み8,000ton/ 8,000ton/年削減) 年削減) 0% 2.建築物の運用エネルギーをネット・ゼロカーボン化することは可能か。 建築物からのCO2排出量実績値(東京都温暖化計画書制度より) ●建築用途別 建築用途別CO2 CO2排出量の平均値 排出量の平均値 0 20 40 kg-CO2/㎡ 80 100 60 120 140 160 99 事務所ビル 107 テナントビル 161 商業施設 149 宿泊施設 教育施設 67 161 医療施設 文化施設 その他 104 137 『東京都★省エネカルテ』H17年度排出状況報告書より 180 7 2.建築物の運用エネルギーをネット・ゼロカーボン化することは可能か。 建築物からのCO2排出量実績値(東京都省エネカルテより) 8 ●テナントビル テナントビル297 297棟をCO2 CO2排出総量の実績地を多い順に並べた。 排出総量の実績地を多い順に並べた。 ●建物床面積当り排出量は、 ●建物床面積当り排出量は、最小 最小56 56(kg (kgーCO2/m2 CO2/m2年)、最大 最大940 940(kg (kgーCO2/m2 CO2/m2年) となる。 70,000,0 00 300 建物床面積当たり排出量( kg-CO2/㎡年) 50,000,0 00 200 40,000,0 00 150 30,000,0 00 100 20,000,0 00 50 10,000,0 00 建物床面積当たり排出量(kg/m2 ・年) 総排出量 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 総排出量( kg- CO2/年) 60,000,0 00 250 2.建築物の運用エネルギーをネット・ゼロカーボン化することは可能か。 エネルギー消費(CO2 エネルギー消費( CO2排出量)の実態 排出量)の実態 9 ●統計データでは、 統計データでは、空調 空調45% 45%、照明 照明20% 20%、コンセント コンセント20% 20%、その他 その他15% 15%のエネル のエネル ギー構成比率となっている。また、消費量は、省エネ法 ギー構成比率となっている。また、消費量は、省エネ法PAL/CEC PAL/CECで予測されるそれ で予測されるそれ (1000 1000~1200MJ/ 1200MJ/㎡年)の約倍程度となる。(省エネセンター) 年)の約倍程度となる。(省エネセンター) 空調関係 照明関係 コンセント その他 熱源製造 熱源補機 水系搬送 空気系搬送 給湯 照明 コンセント 換気 給排水 昇降機 その他 70000㎡∼ ∼70000㎡ ∼40000㎡ ∼20000㎡ 0 500 1000 1500 年間1次エネルギー消費量[MJ/㎡年] 図1 事務所ビルの規模別エネルギー消費構成 2000
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