07SLIDE_AIST - 生活支援ロボット安全検証センター

生活支援ロボットの
安全性検証手法の研究開発 (電動車いすをモチーフとして)
産業技術総合研究所 知能システム研究部門
藤原清司
[email protected]
生活支援ロボットの安全性課題
• 安全性を確認するための三要素
–  安全規格:ISO13482策定
–  試験環境:生活支援ロボット安全検証センター
–  安全認証:第三者機関による認証活動
安全規格
ISO13482策定
試験環境
生活支援ロボット安全検証センター
安全認証
第三者機関による認証活動
今回のケーススタディ
• 開発された安全技術の普及課題
• 参考になる事例の詳細な開示
• 製品化前提の事例は開示困難なため、産総研の
研究用ロボットを題材とした
雛形
解説
ロボット
製造業者
参考事例
製品への普及
題材となる
電動車いす型ロボット
• 『ディペンダブルロボティックカート』
–  高信頼ロボット開発技術の研究のための試作機
–  RTMSafety開発上の仮想ターゲット機
–  製品化による制約がない→情報開示可能
RTMSafety
冗長システム
故障検出
レーザセンサ×4
バンパーセンサ
非常停止装置
ACサーボモータ
電磁ブレーキ
… ロボットの安全設計・検証の流れ
製品企画
[email protected]
ユースケースの策定
危険源分析
ユースケースからの分析
危険源の列挙
リスク評価
リスクの定量的評価
対策要否検討
リスク低減プロセス
保護方策
機能安全・本質安全設計
安全性検証
試験計画
妥当性確認試験
安全認証
第三者機関による認証
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製品企画書
• 製品コンセプトの明確化
–  実現すべき目標
–  使用環境
–  使用時間
–  使用者
–  基本設計
–  ユースケース
–  ライフサイクル
危険源分析書
• 危険源の抜け漏れない同定
–  危険源:ハザード
–  今回はチェックリスト法
• JIS B 9700
• ISO13482
–  人間のタスクを基準に分析
–  製品ライフサイクルごとにタス
クを同定してから実施
–  重複除き53タスク、23誤使用
–  87の危険源が同定された
リスクアセスメントシート
• リスク見積:
–  危害の酷さ
–  危害の発生確率
• 晒される頻度・時間
• 危険事象の発生確率
• 回避可能性
• リスクを定量化
→合理的・系統的な保護方策選択
→リスク低減目標の策定
リスク見積方法の一例
リスク見積値:R = S × (F + Ps + A)
リ
ス
ク
低
減
必
須
リスク低減不要
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リスク低減推奨(条件付き受容)
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今回定められた保護方策の例
使用上の情報
ユーザ教育
本質安全 モータ出力制限
安全防護
巻き込み防止
機能安全
速度制限
機能安全
冗長化
故障検出
電磁波対策
機能安全
障害物対応
機能安全
衝突抑制
本質安全
衝突部位形状
再リスク見積
初期リスク分析結
果
リスク低減
優
リス
先
危険
ク点
No.
順
源 数R 位
加減
速
22
不安
定性
誤操
27
作
制御
28 系の
故障
[email protected]
保護方策 再リスク見積
危
害 危害
頻 確 回 リス 安全 残留
の の発
関連
度 率 避 ク点 性能 リスク
酷 生確
試験 F Ps A 数R 目標 方策
さ 率
S 1低重心化を図る
24
4 3
最高速度を2km/hに制限する
1
(転倒するような加減速の抑制)
24 1外装から鋭利部分を排除する 3 3
3 1 1
1 12 1 1 1 9 手順、
安定性
警告
警告、障害物
教育 検知
1最高速度を2km/hに制限する
2
3 2 1
1モーター出力を低出力にする
「機能
警告、
障害物近接センサで速度制限と
32 3
5
10 安全」
衝突
教育
警告をして衝突を避ける
へ
1 障害物接触センサで制動をして
3
衝突を避ける
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生活支援ロボット
安全検証センターでの試験
• 生活支援ロボット安全検証センターでは、
コンソ1で開発されたロボット安全関連の
試験設備・技術が利用可能
EMC試験
関連エリア
強度試験
関連エリア
対人試験
関連エリア
走行試験
関連エリア
試験項目:障害物回避
• 機能安全による保護方策の評価の例
• モーションキャプチャで位置計測し、障害物へ
の衝突対策機能による挙動を定量化
試験項目:光学センサ
• 人工太陽灯を用いた光学的
な擾乱への耐性を評価
試験項目:障害物接触センサ
• 接触センサに一定力で障害物を打ち当てて衝突
時の挙動を評価
試験項目:推進力の低減
• 衝突が生じた際にすみやかに推進力が低減され
るか否かを評価。
• 人の脚部を模した形状のセンサ
試験項目:複合環境
• 高温・高湿度、低温などの環境下で振動を加え、
環境への耐性を評価
• 不整地を走行し振動や走行性能を評価
試験項目:EMC
• 電波暗室での評価
–  電磁妨害への耐性
–  放射エミッション測定
第三者機関による認証
生活支援ロボット
つくば市
安全検証センター
役所
http://robotsafety.jp/wordpress/
認証機関
つくば
市
試験依頼
信頼できる
試験結果
認証依頼
ロボット製造者
まとめ
–  本PJの成果普及により生活支援ロボット製造者
の安全認証取得を支援するため、模擬的な開発・
試験プロセスを実施した。
–  今回の模擬開発資料はPJ終了後公開の予定。
END
[email protected]
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