研究支援報告)子供と一緒に - 東京女子医科大学

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(研究支援報告)子供と一緒にいられる時間、心のゆとり
野津, 朋子
文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル
育成」事業「保育とワークシェアによる女性医学研究者
支援プロジェクト」報告書, 平成19年度:136-136, 2008
http://hdl.handle.net/10470/10399
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
研究支援報告
子供と一緒にいられる時間、心のゆとり
野津 朋子
東京女子医科大学女性医学研究者支援室
同 呼吸器内科
略歴: 2000 年 東京女子医科大学医学部卒業、呼吸器内科入局
2004 年 第1子出産
2006 年 第2子出産
【自己紹介】
現在は ANCA 陽性間質性肺炎の臨床研究を主に行っている。
MPO-ANCA 陽性症例では高頻度に壊死性半月体形成性腎炎が認められることなどより、これまで
MPO-ANCA の臨床研究は主に腎病変について進められてきた。しかし肺病変、特に間質性肺炎つい
ての報告は数少なく、また ANCA 陽性例と陰性例の病態を比較した研究はない。東京女子医大呼吸器
内科に入院し、ANCA(MPO-ANCA および PR3-ANCA)を測定できた間質性肺炎症例を対象とし、
ANCA 陽性例と陰性例での各種生化学検査、胸部 CT、肺機能検査、臨床経過について検討を行って
いる。
【育児と仕事の両立の現状】
フレックス制導入を体験して、自分の子育て時間に合わせて研究を進めることが出来てよかっ
たと思う。平日夫や家族の支援がほとんど受けられない状況では定時に仕事が終えられるという
ことはとても気持ちが楽でいられる。時間のゆとりが心のゆとりを作ってくれる。夕ごはんを作った
り、寝る前に絵本を読んだりしてあげられる。もし通常勤務をしていたら、週に何度かは延長保育
や夜間保育をお願いすることになるだろうし、夕ごはんを一緒に食べられる日は少ないだろう。そ
ういった状況と比較するととても恵まれた環境だと感じた。仕事に関しても通常勤務をしていたら
論文を書くことはおろか、研究する時間すら持つのは困難だろう。始めたとしても、最後までまとめ
るには多くの時間と労力を要するため育児の狭間では中途半端になってしまうこともあるだろう。し
かし、この支援でまとまった研究の時間を設けて頂いたため、スムーズに仕事を進めることが出来
たように思う。また、支援の一つである病児保育室には何度となく助けられた。1 歳から 2 歳は発熱
で保育園を休まなければならないことも多い。そんな時傍にこういった施設があると思うと心強く、
安心して仕事ができた。
【女性医師支援に対する期待や希望】
今回の支援は研究する医師を支援するものであるが、その他多くの臨床医にとってもこういった
支援は重要である。これまでの現場では復帰すると出産以前と同じ条件で働くことが当然であっ
た。中間がないため職場を離れてしまう者も多いと思う。臨床への復帰の際にも選択の幅があると
離職も少なくなるのではないかと感じた。
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