第89回 原医研セミナー 原医研セミナーのご セミナーのご案内 のご案内 下記のとおり 下記のとおりセミナー のとおりセミナーを セミナーを開催致します 開催致します。 します。多数ご 多数ご参集下さい 参集下さい。 さい。 記 日 時: 平成2 平成22年1月20日 20日(水)午後5 午後5時~ 場 所: 霞総合研究棟 7階 701 701セミナー室 セミナー室 1.演 題:損傷乗り 損傷乗り越えDNA合成 DNA合成の 合成の制御異常が 制御異常が 放射線発がん 放射線発がん、 がん、化学発がんに 化学発がんに及 がんに及ぼす影響 ぼす影響 講 師:分子発がん 分子発がん制御 がん制御研究分野 制御研究分野 助教 豊島めぐみ 豊島めぐみ 氏 放射線の重要な生物影響の1つに発がんがある。がんの遺伝子変異の解析から点突然変異が主に検 出されるが、いつ、どのように点突然変異が誘発され、がん化に関与するか未だ解明されていない。 近年の研究から、点突然変異の誘発には「損傷乗り越え DNA 合成」と呼ばれる修復経路が深く関与 すると考えられる。 「損傷乗り越え DNA 合成」は、複製型ポリメラーゼから特殊なポリメラーゼに置き 換わることで損傷部位を乗り越え、DNA 複製の停止を回避する。しかしながら、このような特殊なポリ メラーゼ群は、忠実度が低く、誤った塩基の挿入が突然変異を誘発する。 我々はこの「損傷乗り越え DNA 合成」において中心的な役割を果たしている Rev1 に着目し、Rev1 過 剰発現マウスを作成し、Rev1 の過剰発現が放射線発がんや化学発がんに高感受性を示す知見を得てい る。本セミナーでは、その点を中心としたデータを紹介したい。 2.演 題:抗癌剤耐性株樹立による 抗癌剤耐性株樹立による 抗癌剤耐性メカニズム 抗癌剤耐性メカニズムの メカニズムの検討 講 師:腫瘍外科研究分野 津谷 康大 氏 腫瘍外科研究分野 助教 【目的】抗癌剤獲得耐性のモデルとして胃癌・食道癌細胞株を用い抗癌剤耐性株を作成し、親株と比較する ことによりその耐性メカニズムを検討する。 【対象と方法】各種抗癌剤に感受性株である胃癌細胞株 MKN45,食道癌細胞株 TE13 を低濃度の抗癌剤か ら持続培養し、徐々に濃度を上昇させ各種耐性株を樹立した。この耐性株をさまざまな方法で親株と比較す る。 【結果】MKN45 において 5-FU, Oxaliplatin, CPT-11 耐性株を,TE13 にて Oxaliplatin 耐性株を樹立した. MKN45 から樹立した 5-FU 耐性株 MKN45/F2R は親株と比較し、157 倍の 5-FU 耐性であり,5-FU 代謝酵 素の検討では、耐性株は TS, DPD の発現は親株と同等であったが、OPRT については mRNA, タンパク、酵 素活性がともに著明に減弱していた。siRNA を用い、親株 MKN45 の OPRT を knock down させると、5-FU の 耐性が導かれた。 【考察】抗癌剤耐性株の樹立によりさまざまな抗癌剤耐性メカニズムの検討が可能である。 連絡先: 広島大学原爆放射線医科学研究所事務室(内線 5802)
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