稲作管理情報 第4号 平 成 26 年 7 月 9 日 高岡市農業協同組合 高岡農林振興センター 現在、コシヒカリの生育は昨年並みに早く、近年より4日程度進んでいます。草丈は平年並 みで、茎数は㎡あたりの目標本数を確保しており、葉色は色ざめが始まっています。 本年のコシヒカリの幼穂形成期は7月9日頃(5/10 植え)と予想されます。 幼穂形成期以降は、稲体が最も水を必要とする時期で水を切らさないように管理し、出穂後 20 日間は「湛水管理」を行いましょう。また、穂肥や追加穂肥は生育量や葉色を確認して施 用しましょう。 今年も畦畔でカメムシが大変多く発生しています。畦畔の草刈を徹底するとともに、本田防 除は適期に行いましょう。 表1 JA 高岡 コシヒカリ生育調査結果 (7月8日調査) 茎 数 草丈 葉令 葉色 営農記録ノートを活用しましょう (cm) (本/株) (本/㎡) 68.4 22.1 449 12.1 4.0 H25 75.3 24.1 477 12.4 3.8 ○農作業を行ったら、P31 の「農作業のあしあと っかりと記録しておきましょう。 近年 66.6 24.8 463 11.8 4.1 ○P34 の「GAP チェック H26 コシヒカリの穂肥と追加穂肥 ○穂肥や病害虫防除、今後の水管理等については、「営農記 録ノート」 P28∼33 を確認し、作業を行ってください。 」 に、し 」を実践しましょう。 ∼穂揃期の葉色を4.2∼4.5に誘導する∼ 【基肥一発肥料施用体系の場合】 ■出穂期の 7 日前頃(7/24 頃)に葉色を確認して、色が薄い場合(葉色 3.8 以下)は追加穂肥を施用 しましょう。(葉色が基準より濃い場合は追肥の必要はありません。) 出穂期の 7∼3 日前までに施用 (走り穂∼1 割出穂) 葉色 3.8以下の場合 (砂壌土4.0以下) 追肥化成3号 7kg/10a (幼穂形成期 7/9、追肥化成 3 号で穂肥を施用する場合) 7/9 頃 幼穂形成期 (幼穂長 2mm) 1 回目穂肥時期 (幼穂長 15mm) 7/17 頃 生育量 70cm 程度 葉色 3.8 以下 草丈 80cm 未満 葉色 3.6 程度 茎数/株 26 本以下 ほ場 らち間すっきり 草丈 73cm 程度 草丈 80∼85cm 葉色 3.9 程度 葉色 3.8 程度 茎数/株 27∼29 本 ほ場 葉が直立 10a 当たり 施肥量 10kg 10a 当たり 施肥量 7日後 やや 過剰 草丈 8日後 適 正 生育量 2回目 穂肥 7/24 頃 10∼12 kg 7kg ■上記の生育量を上回る場合は、担当営農指導員等にご相談ください。 10kg 以内 基肥一発体系、分施体系ともに出穂前の ■幼穂形成期頃の生育量に応じて、穂肥の時期や施肥量を判断しましょう。 生育状況、葉色を確認しましょう! 【分施体系の場合】 水管理のポイント ① 中干し後から幼穂形成期までは「間断かん水」を実施しましょう。 急激な葉色の低下を防止するため、ほ場を乾かし過ぎないように注意しましょう。 ②幼穂形成期から出穂までは飽水管理。出穂後20日間は、湛水管理を徹底しましょう。 稲体の活力維持やカドミウムの吸収抑制のために重要です。 ③収穫の5∼7日前まではしっかり間断かん水を! ④フェーンが予想される時は、事前に入水しましょう。 カドミウムの 吸収が抑制 される 水管理のイメージ(コシヒカリの場合) 7/中∼下 区分 【幼穂形成期】 水位の イメージ 水管理 8/中 8/上 8/下 9月以降も天候や用水の供給 状況を確認しましょう! 【出穂】 3cm 間断かん水 飽水管理 9/中 9/上 出穂後湛水管理(20 日間) 間断かん水(収穫 5∼7日前まで) 落水 病害虫防除 斑点米カメムシ類の発生地点率と平均頭数 7 月3日のカメムシのすくい取り調査の結果、カメムシの 発生地点率は平年より高く、1 地点あたりの発生頭数も昨年 より多くなりました。 基本防除を適期に実施し、斑点米の発生を防止しましょう。 【粉剤体系】 品種 (畦畔・雑草地,7月3日調査) H26 84.8 発生平均頭数 (頭/地点) 15.9 平年 74.3 12.1 発生地点率 (%) (1 回目と 2 回目の防除間隔は、7 日間を目安とし 10 日以上あけないようにしましょう。) 散布時期 農薬名 散布量 対象病害虫 使用時期 1 回目 穂揃期 (7/21∼23 頃) ビームモンセレンスタークル 粉剤5DL 4kg/10a いもち病・紋枯病 収穫 21 日前 カメムシ類、ウンカ類、 まで ツマグロヨコバイ 2 回目 傾穂期 (7/28∼30 頃) キラップ粉剤 DL 4kg/10a カメムシ類、ウンカ類 イナゴ類 1 回目 出穂期 3 日前 (7/27∼29 頃) ビームモンセレンスタークル 粉剤5DL 4kg/10a いもち病・紋枯病 収穫 21 日前 カメムシ類、ウンカ類、 まで ツマグロヨコバイ 2 回目 穂揃期 (8/3∼5 頃) キラップ粉剤 DL 4kg/10a カメムシ類、ウンカ類 イナゴ類 散布量 対象病害虫 てんたかく コシヒカリ 収穫 14 日前 まで 収穫 14 日前 まで 【粒剤体系】 (出穂前までに確実に散布しましょう) 品種 てんたかく コシヒカリ 散布時期 農薬名 出穂期5日前 (7/13∼15 頃) 出穂期5日前 (7/25∼27 頃) イモチエーススタークル 1 キロ粒剤 1kg/10a いもち病 紋枯病 カメムシ類 使用時期 収穫 35 日前 まで ※ 湛水状態で均一に散布し、散布後5日間程度は湛水状態を保ち、7日間は落水しないでください。 カメムシ に注意 ①イネ科雑草の穂はカメムシ類の好むエサになるので、雑草の穂が出る前に草刈を行いましょう。 ②稲の出穂期後に雑草が出穂している場合は、畦畔のカメムシ防除も行いましょう。 ○ご不明な点は JA 高岡 担当営農指導員 または 高岡農林振興センター 高岡班(26-8477) までお尋ねください。
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