平成 27 年 7 月 13 日 7 月平坦号 J Aふたば・双葉農業普及所 生育順調、斑点米カメムシ類対策を徹底して品質向上! 2 生育状況 生育順調。 表 2:農業総合センター浜地域研究所作況調査 (調査日:7月14日、調査地:相馬市) 品種名 年次 1 気象情報 本 年 (1) 気象経過 アメダスポイント:広野 ℃ コシヒカリ 本 年 天のつぶ 30 前 年 主稈出葉 幼穂 (SPAD 値) 日(11 葉) 形成期 10.8 31.4 7/6 ― 544 11.0 33.0 7/4 7/18 100% 137% -0.2 -1.6 +2 ― 66.6 724 10.4 38.3 ― 7/9 67.2 576 10.8 38.1 7/9 7/10 99% 126% -0.4 +0.2 ― -1 5/10 前年比・差 最高・平均・最低気温 35 前 年 葉色 移植日 5/10 前年比・差 25 草丈 茎数 (㎝) (本/㎡) 72.6 747 72.7 葉数 表 3:双葉農業普及所作況・展示ほ調査(調査日:7月14日、調査地:広野町、標高20m) 20 品種名 年次 移植日 草丈 (㎝) 茎数 (本/㎡) 葉数 葉色 (SPAD 値) 葉色 (カラースケール) 幼穂 形成期 本 年 5/10 73.5 482 11.8 35.5 3.5 7/17 15 10 前 年 5/ 3 78.1 501 11.0 38.0 3.5 7/19 5 コシヒカリ 前年比・差 +7 94% 96% +0.8 -2.5 ±0 -2 0 本 年 5/5 66.5 493 11.5 38.2 4.0 7/9 前 年 5/4 73.4 530 10.8 40.0 4.0 7/10 前年比・差 +1 91% 93% +0.7 -1.8 ±0 -1 天のつぶ -5 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 ◎当面の管理について(斑点米カメムシ類、倒伏への対策を実施しましょう!) 図 1:気温の推移 3 水管理 表 1:5/15~7/10 の積算降水・日照量 アメダスポイント:広野 気温(℃) 降水量(mm) 日照量(時間) 積算 積算 1日平均 積算 1日平均 本年 1087 183 3.2 309 5.4 平年 996 322 5.7 281 4.9 平年比(%) 110% 57% (2) 予想される向こう 1 か月の天候 間断かんがい 低温時 深水 5~10cm 低温時 深水 10~15cm 間断かんがい (高温時 掛け流し) 湛水(花水) 3~4cm 110% (平成 27 年 7 月 9 日 仙台管区気象台発表) 出穂30日後 幼穂形成期 減数分裂期 出 穂 期 落水 登 熟 期 図 2:一般的な水管理イメージ図(7 月~9 月) 1ヶ月予報 のポイント 1週目 (~) 2週目 (~) 3~4週目 (~) 暖かい空気に覆われやすく、期間の前半は気温がかなり高くなる見込みで す。向こう1ヶ月の気温も高いでしょう。 前線や南の湿った気流の影響を受けやすく、向こう1ヶ月の降水量は多く、 日照時間は平年並か少ない見込みです。 高気圧に覆われて晴れますが、期間の中頃は前線の影響で雨の降る日もあ るでしょう。 低気圧や前線の影響で、平年と同様に雨の日が多いでしょう。 太平洋高気圧の張り出しが弱いでしょう。天気は数日の周期で変わります が、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。 (1) 水管理の基本 (ア)幼穂形成期~穂孕み期 →間断かんがい(冷温(20℃以下)時は深水に) (イ)穂孕み~出穂開花 →湛水(花水)管理。 (ウ)落水時期 出穂開花後 30 日間は、田面が白く乾かないようにする。 (エ)登熟期間 →登熟を良くするため、間断かんがい。 (2) 低温対策(オホーツク海高気圧に注意!) (ア)幼穂形成期に一度冷温(20℃以下)にあった稲は耐冷性が低下し、その後、減数分裂期に再び冷温 にあうと不稔の発生が倍加する。 ※平均気温 20℃以下が予想される時には、あらかじめ入水しておく。 水深 幼穂形成期5~10cm、減数分裂期 15cm 以上 (3) 高温障害対策 (ア)登熟中期(出穂後 10~20 日)に 25℃以上の高温に合うと乳白粒が発生しやすい。 可能であれば掛け流し、水が潤沢ではないところでは出来るだけ深水にして稲体を冷却する。 4 いもち病防除 (1)葉いもち防除 (ア)上位葉の病斑は、穂いもちに移行するので、発見次第、散布剤(粉剤、乳剤)により防除する。 (2)穂いもち防除 (ア)箱施用剤や粒剤により葉いもちを予防したほ場でも、穂いもちの予防を行いましょう。 (イ)コラトップやフジワン等の粒剤は、水深を3cm 以上に湛水して散布、7日間は水を動かさない。 (ウ)ブラシン等の散布剤(粉剤、乳剤)を使用する場合は穂孕み末期と穂揃期(出穂 80~90%)の2回 散布する。 (イ)粒剤による防除は、穂揃期~乳熟期を目安に湛水して散布して、その後7日間は止水する。多発が 予想される場合は、散布剤により追加防除する。 (ウ)散布剤(粉剤、乳剤)による防除は、乳熟期(出穂期の7~10 日後)と、その7日後の2回散布を 基本とする(表 8参照) 。 (エ)天のつぶは斑点米が発生しやすいので、乳熟期と出穂 20 日後の2回、散布剤により防除する。 表8:カメムシ防除対策の各種薬剤の使用例 農薬名 使用時期 キラップ粒剤 収穫14日前まで スタークル粉剤 DL 収穫7日前まで ダントツ粉剤 DL 収穫7日前まで MR.ジョーカー粉剤 DL 収穫7日前まで 使用量 3kg/10a 3kg/10a 3~4kg/10a 3~4kg/10a 使用回数 2回まで 3回まで 3回まで 2回まで 5 穂肥 (1)① 生育診断により 穂肥の可否を(表5) 、② 幼穂長から穂肥の時期を判断する(表6) 。 (2)生育過剰な場合や、曇天や低温が続く場合は、施肥時期を遅らせるか、施肥を控える。 表 5:幼穂形成始期(出穂 25 日前)における生育診断の基準と穂肥の目安 品種 草丈(cm) 葉色(SPAD502) カラースケール 穂肥の時期 窒素量(kg/10a) ひとめぼれ 60 以下 37 以下 3.5~3.8 出穂 25 日前 1.5~2.0 天のつぶ ― 40 以下 ― コシヒカリ 70 以下 36 以下 3.0~3.3 出穂 15 日前 1.0~2.0 実物大 ホソハリカメムシ (体長9~11mm) 幼穂形成期 生育ステージ 幼穂形成始期 出穂前日数 26 24 20 18 幼穂長(cm) 0.1 0.15 0.2 0.8~1.5 ↑ ↑ 外形 止葉より下2枚目の葉抽出 止葉抽出 6 斑点米カメムシ類防除 アカスジカスミカメ (体長5mm) 実物大 アカヒゲホソミドリカスミカメ (体長6mm) 図3:主な斑点米カメムシ類 表 6:幼穂長からみた出穂前日数 ひとめぼれ・天のつぶ穂肥時期 実物大 減数分裂期 穂孕み期 14 4.0~6.0 12 8 6 18 ↑ 葉耳稈長0cm コシヒカリ穂肥時期 ~草刈りは出穂10日前まで、出穂直前の草刈りは逆効果~ 6/30県内全域に斑点米カメムシ類の注意報を発表!(県病害虫防除所) (1)草刈り (ア)イネ科雑草の穂は、カメムシ類にとって餌場であり産卵場所でもあるので、穂が出る前に畦畔や 周辺の除草を徹底し、カメムシ類の密度を抑制する。 (イ)畦畔の草刈りは、水稲の出穂前後に行うとカメムシ類を水田に追い込むことになるので、出穂 10 日前までに終了するように作業を行う。 (ウ)水田内にホタルイ等のカヤツリグサ科雑草が残ると、アカスジカスミカメの繁殖源になるので、 水田内の除草管理も徹底する。 (2)薬剤による防除 (ア)カメムシ類は、水稲の出穂を契機に水田に侵入する。このため、出穂の早い水田に加害が集中しや すい。早生品種や移植時期の早いほ場では、カメムシ類の侵入や発生に特に注意する。 7 倒伏防止対策 〔コシヒカリは草丈が幼穂形成期(7/20 頃)75cm 以上、減数分裂期 85 ㎝以上で倒伏に注意〕 ① 倒伏防止には、中干し、カリの追肥、適正な追肥等を総合的に行う。 ② 穂肥は生育診断に基づいて行い、過剰な窒素追肥を避ける。 ③ 上記に気をつけても、明らかに倒伏が予想される場合、倒伏軽減剤を使用する(表 9参照) 。 表 9:各種薬剤の使用例 商品名 使用時期 使用量 使用回数 使用方法 スマレクト粒剤 ビビフル粉剤 DL 出穂7~20 日前 出穂 10~5日前 2~3kg/10a 3~4kg/10a 1回 1回 湛水散布 散布 8 病害対策 (1)稲こうじ病(穂ばらみ期の低温と降雨は要注意!) ① 穂ばらみ期の低温(13~15℃)と降雨、出穂期以降の高温(25~30℃)で発病が多い。 ② 耕種的防除として、窒素追肥は適量とする(多く与えすぎない) 。 ③ 薬剤散布の場合は、出穂 10 日前までにZボルドー粉剤DL(3~4/10a)を散布する。 ※ 資料に記載した農薬は代表的なものです。これ以外にも使用できる農薬が多数あります。 また、散布量や散布時期は、必ず使用する前に農薬のラベルをよく確認してから散布してください。
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