基本構想 基本計画 桜 島 赤 水 採 石 場 跡 地 整 備 基 本 構 - 鹿児島市

桜 島 赤 水 採 石 場 跡 地 整 備 基 本 構 想・基 本 計 画
基本構想
1.跡地整備の背景と目的
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1
2.桜島の概要と跡地の位置
・・・・・・・・
2
3.跡地整備検討にあたっての留意事項・・・・・・・・
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4.跡地整備の基本的方向
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5.跡地整備にあたっての基本姿勢
・・・・・・・・13
6.事業化・管理運営の基本的な考え方・・・・・・・・14
基本計画
1.導入機能
・・・・・・・・16
2.現況特性と利用方針、利用形態
・・・・・・・・17
3.整備方針
・・・・・・・・20
4.施設整備計画
・・・・・・・・22
5.事業化の考え方
・・・・・・・・30
6.管理運営の考え方
・・・・・・・・31
基本構想
1.跡地整備の背景と目的
基本構想
桜島赤水採石場跡地は、鹿児島市のシンボルである桜島の西部に位置する約 15ha の
市有地であり、このうち約 13ha においては平成 9 年度まで溶岩の採石が行われ、その
後、平成 10 年度からは降灰等の捨場として使用されている。
降灰等の捨場としての使用にあたっては、自然公園法上の許可が必要であったことか
ら、旧桜島町において、環境省に対し、「土地の形状変更許可申請」(使用期間:平成
10~20 年度)を行い、その際の協議の中で、景観に配慮して、埋め戻しによる整地及
び緑化への取り組みが必要とされ、それを強く求められている。
また一方では、採石場跡地だからこそ見ることのできる大正溶岩の断面が存在してお
り、跡地の市道側と海側には採掘されていない溶岩原が残されている。さらには、桜島
山頂部や錦江湾、鹿児島市の市街地が一望にできるという恵まれたロケーションなど、
当該跡地はさまざまな特徴を有している。
その他、当該跡地においては、平成 16 年 8 月に、全国から約 7 万 5 千人を集めた「桜
島オールナイトコンサート」が開催され、マスコミ等を通じて、桜島、そして鹿児島市
が全国に向け情報発信された。また、コンサート終了後の平成 18 年 3 月には、地元の
住民や企業などの手により、記念モニュメント「叫びの肖像」が跡地の北端部に設置さ
れ、桜島の新たな観光スポットとして観光客を集めている。
本市としては、合併を機に桜島全体の一体的活用や整備、観光振興等が可能になった
ことから、当該跡地の整地・緑化に合わせ、跡地のさまざまな特性を生かした活用策を
検討することにより、本市の貴重な観光資源・桜島における観光・レクリエーション機
能のさらなる充実を図っていくこととし、平成 17 年度、第四次鹿児島市総合計画に当
該跡地の活用について位置づけを行ったところである。
その位置づけを踏まえ、15ha に及ぶ広大な市有地の有効活用を図り、国立公園とし
ての自然環境の保全を念頭に、活火山・桜島の魅力と特性を生かした体感的な観光・レ
クリエーション拠点づくりを進めようとするものである。
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2.桜島の概要と跡地の位置
基本構想
(1)桜島の概要
・ 大半が霧島屋久国立公園に指定されており、自然公園法による各種の制約があ
る。(赤水採石場跡地は、跡地北側の市道 224 号線沿いの部分は第1種特別地
域、その他は第3種特別地域に指定されている。)
国立公園の保護区域分布(出典:大隅河川国道事務所事業概要)
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・ 桜島は、これまで、文明、安永、大正、昭和の 4 回、大規模な噴火を起こして
いる。中でも大正 3 年(1914 年)の噴火は最大のものであり、赤水、横山集
落では沖合 1,300mまで溶岩が流出し、両集落は大正溶岩に埋没した。赤水採
石場跡地は、当時の海岸線の沖合 500~700mの位置にあり、海水で急速に冷
却された溶岩として学術的にも貴重な資料といわれている。
溶岩流の分布(明治 24 年地形図に時代別溶岩流の分布を重ね合わせ)
出典:地形図にみる桜島の今昔(月刊地図中心 386 号)
・ 桜島の人口は約 6,200 人(住民基本台帳人口:平成 18 年 9 月末現在)で近年
は減少傾向(鹿児島市人口約 60 万人の約1%)
・ 桜島フェリーの年間利用は約 540 万人、約 112 万台(平成 16 年度)
運行間隔:日中は 10 分間隔、所要時間:約 15 分
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(2)跡地の位置及び周辺施設
・ 袴腰の桜島フェリーターミナルから市道 224 号線経由で約 2.5km
(車で約 5 分、自転車で約 10 分、徒歩で約 40 分)
・ 鹿児島市街地(鹿児島港本港区)からフェリー・自動車を利用の場合、フェリ
ー待ち時間を含めて約 30 分
・ 隣接する袴腰地区には、桜島ビジターセンター、国民宿舎レインボー桜島、桜
島溶岩グラウンド、桜島総合体育館、多目的広場、桜島自然恐竜公園、溶岩な
ぎさ遊歩道等の観光・レクリエーション施設が集積しており、当該跡地の北西
500mには烏島展望所が整備されている。また、南東約2km には桜島国際火山
砂防センターがあり、桜島火山防災の拠点として、また、市民や観光客が桜島
を学ぶ場として機能している。
赤水採石場の位置と周辺施設の状況
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3.跡地整備検討にあたっての留意事項
基本構想
(1)上位計画における位置づけ
(2)跡地の地理的・空間的ポテンシャル
(3)自然公園法等の法規制による行為の制限
(4)周辺施設や他関連事業との役割分担・連携
(5)桜島火山体感の場としてのポテンシャル
(6)跡地の環境保全上の留意事項
(1)上位計画における位置づけ
①第四次鹿児島市総合計画
● 基本計画
第7編 5.桜島地域
【主な施策】
国立公園としての自然環境を保全しながら、温泉、湯之平や烏島の展望所、赤水
溶岩採石場跡地の活用を図るなど、活火山桜島の魅力と特性を生かした自然と人
の共生する体感的な観光・レクリエーションゾーンの整備充実を図る。
● 実施計画 第5編 第 2 章 新しい観光・コンベンションを創造する
1.観光 ②多様な魅力を持った観光ゾーンづくり
○赤水溶岩採石場跡地の活用
②観光未来戦略
● 第4章
観光振興の基本方向
3.重点戦略
(1)“感動”魅力あふれる鹿児島の創造
③地球を体感“活火山「桜島」と共生するまち”鹿児島づくり
今後、自然、歴史、景観、産業・生活など様々な特徴を生かしながら、桜島全
体を野外博物館として捉え、一体となった整備、活用を図る。
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(2)跡地の地理的・空間的ポテンシャル
① 鹿児島が世界に誇れる観光資源・桜島の西部に位置し、6 0 万都市の高次都市機
能が集積する市街地からのアクセスも比較的容易であるという地理的特性
② 鹿児島市の市街地及び錦江湾を一望でき、また噴煙を上げる雄大な桜島山頂部
への眺望が開けているという恵まれた景観特性
③ 平成 16 年 8 月に全国から約 7 万 5 千人を集めた「桜島オールナイトコンサート」
の開催地であり、その記念モニュメントが跡地入口付近に設置されるなど、今
後、桜島における有力な観光資源・拠点となりうるポテンシャル
④ 約 15ha の広大な市有地であり、西側A区(約8ha)は市道側から海側にかけて
なだらかな下り斜面に整地、東側B区(約5ha)は採石場跡、土捨場跡がその
まま残る地形、さらに市道側と海岸側に残る大正溶岩原など、変化のある地形
特性 記念モニュメント
設置スペース・取付通路
(3,476㎡)
A区
(79,160㎡) B区
(48,549㎡)
全体
(151,813㎡)
赤水採石場跡地の概要
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(3)自然公園法等の法規制による行為の制限
① 霧島屋久国立公園内に位置するため、その適用を受けることになる「自然公園
法」の「優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用増進を図り、もっ
て国民の保健、休養及び教化に資すること」という目的への合致、各種規定の
遵守
② 自然公園法に基づいた現在の土地形状変更許可(土捨場としての利用:平成 20
年 3 月末を目処)に際し、環境省や県との協議の中で必要であるとされている
整地(緑化)への取り組み
③ 鹿児島県文化財保護条例や砂防法、海域利用の際の漁業権等、関係法令等の各
種規定の遵守
・赤水採石場跡地は霧島屋久国立公園内に位置しており、自然公園法による行為の制限
を受ける。
・跡地に隣接する引ノ平川は砂防指定河川であり、跡地の引ノ平川沿いの一部は砂防指
定地として行為の制限を受ける。
・跡地地先の海域は全面にわたって共同漁業権が設定されている。また、東側地先の海
域は赤水漁港の漁港区域となっている。
・跡地周辺は西桜島鳥獣保護区に指定されている。
・桜島全体が「名勝」
(県教育委員会所管)として指定されている。
赤水採石場跡地周辺の法規制の状況
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(4)周辺施設や他関連事業との役割分担・連携
① 烏島展望所、桜島ビジターセンター、国民宿舎レインボー桜島、桜島旬彩館、
道の駅桜島「火の島めぐみ館」、溶岩なぎさ遊歩道などの観光資源・拠点となる
施設等や、桜島溶岩グラウンド、桜島総合体育館、多目的広場などスポーツ・
レクリエーション機能を持つ施設等、周辺施設との役割・機能の分担及び連携
② 本市観光課が平成 18 年度に策定する桜島観光振興プランに掲げられる事業との
整合・連携
③ 国土交通省大隅河川国道事務所と県が策定した「桜島火山砂防環境管理基本計
画」に位置づけられた環境管理方針への配慮及びソフト対策との連携
④ 隣接する引ノ平川において、国土交通省大隅河川国道事務所が進める砂防事業
との連携
(5)桜島火山体感の場としてのポテンシャル
① 海に流出した溶岩の多様性(変化に富む形状、色、表面、大きさ)
② 採石場跡地だからこそ見ることができる大正溶岩原の断面
③ 大正溶岩原の自然植生
④ 多様な火山噴出土砂(火山岩、火山礫、火山灰等)の堆積
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(6)跡地の環境保全上の留意事項
① 火山噴出土砂(火山岩・火山礫・火山灰等)の堆積による雨水に浸食されやす
い土壌の保全
コンサート会場として整地された緩傾斜地におい
ても雨水による浸食が始まっている。
今回整備された記念モニュメント広場の排水によ
る浸食を避けるため、コンクリート製の長大な排
水溝が設置されている。下部には雨水による浸食
跡が見られる。
② 火山噴出土砂の堆積による崩壊しやすいのり面の保全
土捨場ののり面では雨水による浸食が大きい。
土捨場ののり面では火山岩、火山礫、火山灰が入
り交じり、崩壊や落石の危険性がある。
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③ 火山噴出土砂という緑化が困難な土壌を前提とした緑化
採石が行われなかった大正溶岩原には松が自生し
ているが、採石・土捨場部分の植生は貧弱である。
記念モニュメントへのアプローチ部分ののり面
は、ネットを被して土壌改良と植栽が行われてい
る。
B区の捨土の堆積マウンドには、一部自然植生が
見られる。
桜島溶岩グラウンドでは、大量の客土による緑化
が行われている。
④ 火山灰の堆積による雨水が浸透しにくい土壌と地形を活かした環境創出
B区はきめの細かい火山灰の堆積により水はけが悪く、低地部には水溜りが出
来ている。
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4.跡地整備の基本的方向
基本構想
(1)国立公園における『環境保全・創出の場』としての活用
(2)貴重な自然を生かした『桜島を体感する場』としての活用
(3)さまざまな交流・体験のしかけづくりによる『新たな観光・レクリエーショ
ンの活動拠点』としての活用
(1)国立公園における『環境保全・創出の場』としての活用
当該跡地は、平成 9 年度まで採石場だった場所であり、環境省等との協議の中では、
景観に配慮して、埋め戻しによる整地及び緑化への取り組みが必要とされている。
埋め戻しによる整地・緑化は、環境省等との関係から実施していかなければならない
環境保全への取り組みであるが、そこに市民やNPO、ボランティア団体あるいは大学
や研究機関等といったさまざまな主体との連携や協働という考えや仕組みを絡めてい
くこと等により、実践的かつ体感的な「環境保全・創出の場」としての活用を図る。
(2)貴重な自然を生かした『桜島を体感する場』としての活用
当該跡地は、大正 3 年の大噴火により、当時の海岸線の沖合 500~700mにまで溶岩
が流出してできた大正溶岩原の一画に位置しており、海水で急速に冷却された溶岩とし
て学術的にも貴重な資料といわれている。
当該跡地の大半は溶岩採石により大きく変容しているが、市道 224 号線から約 100m
の区域には国立公園第1種特別地域として溶岩原が残されており、海岸部の一部にも溶
岩原が残されている。また、採石場跡地だからこそ出現している大正溶岩原の断面は、
今では他では見ることのできない貴重な自然となっている。
その溶岩の荒々しい景観や、間近に見える
桜島山頂部への雄大な眺望を持つ広大なフィ
ールドといった、桜島の中においても他の場
所にはない特性を生かし、「桜島を体感する
場」としての活用を図る。
大正溶岩原の断面が見られる崖と桜島の眺望
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(3)さまざまな交流・体験のしかけづくりによる『新たな観光・レクリエーションの
活動拠点』としての活用
桜島は鹿児島市のシンボルであり、多くの市民や観光客が訪れている。当該跡地に隣
接する袴腰地区では、桜島ビジターセンターやレインボー桜島、桜島溶岩グラウンドな
どの拠点施設や、溶岩なぎさ遊歩道、烏島展望所など多くの観光スポットが整備されて
いる。さらに、当該跡地の南東約2km には桜島国際火山砂防センターがあり、桜島火
山防災の拠点として、また、市民や観光客が桜島を学ぶ場として機能しているなど、当
該跡地は、このような多くの観光施設や桜島学習施設に近接している。
また、平成 16 年 8 月には、
「桜島オールナイトコンサート」が開催され、マスコミ等
を通じて、桜島、そして鹿児島市が全国に向け情報発信された。その後、地元の住民や
企業などの手により、記念モニュメント「叫びの肖像」が跡地の北端部に設置され、桜
島の新たな観光スポットとして観光客を集めている。
このような周辺施設との近接性や跡地の特性・経過等を生かし、市民、NPO、ボラ
ンティア団体等との協働・連携を図りながら、芸術・文化を含む幅広い分野の活動やイ
ベント開催など、さまざまな交流・体験のしかけをつくり、桜島の他の場所にはない、
「新たな観光・レクリエーションの活動拠点」としての活用を図る。
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5.跡地整備にあたっての基本姿勢
基本構想
(1)今あるものを活用しよう
(2)貴重な自然は残そう
(3)放っておけば問題となる所を先に何とかしよう
(4)ここでしかできないことをしよう
(5)国立公園特別地域でできることの確認
(1)今あるものを活用しよう
① 地形の改変は最低限に抑える
② 外部からの客土用土砂搬入は最低限に抑える
③ 利便施設(上物、設備、駐車場等)は最低限に抑える
(2)貴重な自然は残そう
① 採石跡の溶岩原断面
② 跡地内に残された溶岩原と自然植生
③ 海岸線と礫浜
(3)放っておけば問題となる所を先に何とかしよう
① 全体:防護柵等の安全対策、火山噴火時等の安全対策
② A区:火山礫捨土による緩傾斜地とのり面の浸食・崩壊の危険
→
危険箇所の保全等は先行する
③ B区:地形・植生的には比較的安定
→
今ある地形、土石、植生等を生かしながらゆっくり創っていく
手を入れるべき所、自然の遷移に任すところの判断
(4)ここでしかできないことをしよう
① 広大な緩傾斜地の活用
② 残された溶岩原や溶岩原断面等の活用
(5)国立公園特別地域でできることの確認
① 自然公園法に基づく利用施設計画の単独施設としての位置づけの検討
国立公園内では、自然公園法に基づく規制計画により、地形の改変や建築物等
の建設が制限されている。当該跡地に必要な整備を円滑に行うためには、自然公
園法に基づく利用施設計画の単独施設(広場・園地等)としての位置づけを行う
などの検討も必要である。
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6.事業化・管理運営の基本的な考え方
基本構想
(1)基本はみんなで創り・育てる広場
(2)早急な対応が必要な部分は行政が先行して対応
(3)効率的かつ効果的な管理運営を行える主体の活用
(1)基本はみんなで創り・育てる広場
行政が計画し、大きな投資をして一気につくる公園から
↓
① 投資効果を検証しながらゆっくり創り育てていく広場
② 管理運営をしながら利用者とともに育てていく広場
(2)早急な対応が必要な部分は行政が先行して対応
① トイレ、駐車場、通路等の最低限の利便施設の整備
② 危険箇所等への進入防護柵の整備
③ 火山噴火時の避難シェルター等の緊急時安全施設の整備
④ 浸食・崩壊危険斜面等の保全
(3)効率的かつ効果的な管理運営を行える主体の活用
行政主導の管理運営方式から
↓
行政と民間組織(NPO、企業等)などが連携した管理運営方式
① 管理運営主体の自主性、創意工夫を発揮できる仕組みづくり
② 管理運営上の安全性を確保できる仕組みづくり
③ 行政による管理運営主体の適切なチェック(モニタリング)
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基本計画
1.導入機能
基本計画
赤水採石場跡地の空間特性を踏まえ、基本構想で示した3つの「跡地整備の基本的方
向」に対応する機能として、以下の機能の導入を図る。
〔導入機能一覧〕
基本的方向
導入機能
導入機能のイメージ
残された大正溶岩原や溶岩原の断面な
ど、貴重な自然を保全する機能
環境保全
環境保全・創出の
場
今後の桜島の環境保全に寄与するため、
当該跡地内の火山岩・火山礫・火山灰等
の火山噴出土砂を活用し、土壌改良や緑
化に関する研究・実験を実施できる機能
研究・実験
展望・眺望
桜島山頂部や錦江湾の雄大な眺望、既に
設置されている記念モニュメント等を
安全に安心して見学できる展望・眺望機
能
環境学習
大正溶岩原や溶岩原断面などの残され
た貴重な自然や、溶岩原の自然植生・植
生遷移の状況等を観察できる環境学習
機能
イベント広場
当該跡地にしかない特性を生かし、参加
者が桜島を体感しながら楽しめる様々
なイベントを開催できる機能
芸術創作活動
火山岩等の今残されているものを活用
しながら、多様な芸術創作活動ができる
機能
市民参加・
交流
環境学習・イベント・芸術創作活動等を
通して、市民や観光客が参加・交流でき
る機能
桜 島 を体 感 する
場
新たな観光・レク
リ エ ー ション の
活動拠点
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2.現況特性と利用方針、利用形態
基本計画
(1)赤水採石場跡地の現況特性
●既存施設整備区域
記念モニュメントが設置された広場、桜並木が整備された桜の里公園といった、
既に施設整備が行われ一般開放されている区域
●保全対象区域
跡地内に残された大正溶岩原、大正溶岩原の断面などの自然環境を保全する観
点から、立入を規制する必要がある区域
●防災対象区域
跡地内に存在する、崩壊や浸食が進むのり面、緩傾斜地など、防災対策を施す
必要がある区域(整備済み箇所も含む)
●立入危険区域
跡地南側の海岸沿いの崖地や火山岩が堆積した急傾斜地、火山礫の堆積地など、
転倒や転落、滑落等の危険があり、立入を規制する必要がある区域
●その他の区域
跡地内の平坦地、火山灰のマウンド、窪地・水溜りなど、利用方針に影響する
と考えられる、上記以外の現況特性
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(2)ゾーン別利用方針
跡地内の現況特性を踏まえたゾーン区分、ゾーンごとの導入機能及び利用の方向を次のとおりとする。
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(3)利用形態
現況特性及び想定される需要・効果を踏まえた利用形態(一般開放、貸出、立入禁
止)を以下のとおりとする。
●一般開放の対象(①展望・交流広場ゾーン)
・ゾーン内に立入危険区域を含まず、保全対象区域や防災対象区域もほとんど含
まないことから、軽微な造成や利便施設・防災施設・安全施設等の整備により
一般開放が可能なゾーン
・整備後の一般開放により、観光客等の利便性向上や観光スポットとしての機能
充実が図られるなど、一定の効果が想定されるゾーン
●貸出の対象(②桜島イベント広場ゾーン、③研究・実験・実践ゾーン)
・ゾーン内に防災対象区域や立入危険区域が含まれ、また、立入危険区域を数多
く含むゾーンに隣接していることから、造成や安全対策など一定の整備を行わ
なければ一般開放できないゾーン
・整備後の一般開放による効果が現段階では明確ではなく、当面の間、自己責任
を前提とした貸出を行いながら、需要の見極め等を行う必要があるゾーン
※ 貸出にあたっては、立入危険区域や保全対象区域への立入禁止の徹底、
「跡地整備の基本的方向」と利用内容との合致、利用空間の原状回復な
どを条件に、利用スペースを限定して利用希望者(団体)に貸出を行う。
※ 一般開放については、利活用状況や費用対効果等を踏まえながら、その
可能性を中長期的に検討していく。
●立入禁止の対象(④大正溶岩原保全ゾーン、⑤海岸ゾーン)
・残された大正溶岩原などの環境保全を基本とするゾーン
・海岸部に残る溶岩崖地や火山岩が堆積した急傾斜地など、転倒や滑落等の危険
性が高いゾーン
※ ①展望・交流広場ゾーンと④大正溶岩原保全ゾーンとの境界部には、低
木植栽帯及び立入禁止看板を設置し、一般客の立入を禁止する。
※ ①展望・交流広場ゾーンと、②桜島イベント広場ゾーン及び③研究・実
験・実践ゾーンとの境界部には防護柵を設置し、一般客の立入を禁止す
る。
※ 利用者が限定される②桜島イベント広場ゾーン及び③研究・実験・実践
ゾーンから、④大正溶岩原保全ゾーン及び⑤海岸ゾーンへの立入につい
ては、借受者の責任による立入防止対策、指導の徹底を図るものとする。
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3.整備方針
基本計画
(1)全体整備方針
基本構想の「跡地整備にあたっての基本姿勢」及び「事業化・管理運営の基本的
な考え方」を踏まえ、跡地全体の整備方針を次のとおりとする。
① 国立公園としての自然環境の保全に配慮し、大正溶岩原や自然植生、海辺の風致
など跡地内に残された自然は保全することを基本とし、地形の改変や客土用土砂
搬入、利便施設(上物、設備、駐車場等)など新たな整備は必要最小限に留める。
② 早急な対応が必要となる、利便施設整備、安全・防災施設整備及び各ゾーンを結
ぶ動線整備については、行政が先行して整備する。
③ 先行整備する部分以外については、管理運営を行う中で、利活用状況や費用対効
果等を踏まえながら、必要な箇所について段階的な整備を行う。
(2)ゾーン別整備方針
①展望・交流広場ゾーン
● 整備の基本方針
桜島の新たな観光拠点としての機能充実、利用促進を図るために必要な利便施設
(休憩施設、広場、展望施設、駐車場、トイレ等)の整備や利用者の安全対策(防
護柵、避難シェルター等)を図る。
● 事業化の方針
モニュメント周辺に観光客等が数多く集まっているという現状を踏まえ、また、
当該跡地の大きな特性である大正溶岩原断面を新たな資源として活用していくとい
う考えから、行政による先行的な整備を行う。
● 風致形成・緑化の方針
跡地の中で唯一積極的に手を加えて整備を図るゾーンであり、観光客を中心とし
た来訪者の休息と憩いの場所として、大正溶岩原の緑と一体となった緑地の整備を
図る。また、上物の整備にあたっては、跡地のランドマークとなるようなシンボル
性を持たせるとともに、火山岩の活用などにより、記念モニュメントや周辺の火山
景観など、桜島を体感できる景観との調和に配慮するものとする。
②桜島イベント広場ゾーン
● 整備の基本方針
約7ha の広大な空間を生かし、桜島を体感できる観光・レクリエーションの活動
拠点となるイベント広場としての利用が図られるよう、急勾配のり面や緩傾斜地の
防災対策など必要な整備を行い、利用希望者(団体)への貸出を行う。なお、イベ
ント利用時等の臨時駐車スペースについては、同ゾーン南側の平坦地等で対応する
ものとする。(最大約 400 台程度の駐車が可能)
● 事業化の方針
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当面必要となる防災対策等は行政が先行整備する。なお、貸出利用にあたって必
要となる施設・設備や安全対策は利用者が仮設により対応するものとする。
● 風致形成・緑化の方針
現状では溶岩砂利による荒涼とした景観であるが、今後の利活用の状況等も踏ま
えながら、行政主導による風致形成・緑化を年次的に実施していくものとする。ま
た、その中で市民の参画、市民活動団体等との協働等による緑化方策についても検
討していく。
③研究・実験・実践ゾーン
● 整備の基本方針
桜島にふさわしい風致形成・緑化のあり方等を研究・実験・実践する「環境保全・
創出の場」としての利用を図るため、アクセス通路等最小限の整備を行う。
● 事業化の方針
当面必要となる最小限の整備は行政が先行整備する。なお、研究・実験・実践に
必要な施設・設備等の整備については、研究・実験等の実施主体において対応する
ことを基本とする。
● 風致形成・緑化の方針
現在、火山灰等の搬入やゾーン内部における土砂の移動等が行われているが、土
砂処分場としての期限終了後は、計画的なスケジュールに基づく緑化研究と実験を
実施し、段階的な風致形成・緑化を進めていくものとする。
④大正溶岩原保全ゾーン
● 整備の基本方針、事業化の方針
立入禁止を原則として、大正溶岩原及び自然植生の保全を図るゾーンであり、新
たな整備は行わないことを基本とする。
● 風致形成・緑化の方針
残された大正溶岩原は、「桜島らしさ」を象徴する自然景観であり、現況の溶岩と
クロマツを代表とする自然植生の保全を基本とする。また、市道 224 号線南側沿道
にある桜の里公園の桜並木については、保全・適正管理を図るものとする。
⑤海岸ゾーン
● 整備の基本方針、事業化の方針
海岸の崖地や火山岩・火山礫の堆積地などの立入危険箇所が多く、立入禁止を原
則とし、新たな整備は行わないことを基本とする。
● 風致形成・緑化の方針
溶岩の崖地や火山礫の荒れ地は、陸から見ても海から見ても本跡地のエッジを形
作る特徴的な景観であり、風致形成・緑化については、現状を保全しながら自然の
遷移にまかせることを基本とする。
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4.施設整備計画
基本計画
(1)赤水展望広場(仮称)整備計画
「ゾーン別整備方針」で、行政による先行的な整備を行うとした①展望・交流広場ゾ
ーンについては、赤水展望広場(仮称)として整備を行う。同広場において最低限整備
すべき施設は次のとおりとする。
①整備施設の概要
● 休憩施設(避難シェルター)・緑地・展望施設
現在、記念モニュメント周辺には休憩施設やトイレがないため、来場した観
光客の滞留時間は短く、記念モニュメントを見た観光客はすぐに次の観光スポ
ットに向かっているのが現状である。溶岩の荒々しい景観や桜島山頂、錦江湾
の雄大な眺望など、桜島を体感する場として十分に当該跡地の景観を楽しむこ
とができるように、需要に見合った休憩施設やトイレ、木陰で休める緑地広場
や展望施設の整備を図る。なお、休憩施設は緊急時の避難シェルターとしての
機能を兼ねるものとし、避難誘導スピーカー等の設置を検討する。
● 駐車場・駐輪場・アクセス通路
現在、記念モニュメント周辺の駐車スペースは3~4台程度であり、車での
観光客が集中した場合は、前面の市道に路上駐車している状況である。また、
バイクや桜島フェリーターミナルからレンタサイクルを利用して来場する観光
客も見受けられる。したがって、需要に見合った最低限の駐車場・駐輪場、市
道からの安全で快適な自動車動線及び歩行者・自転車動線の整備を図る。さら
に、広場内に新たに整備する休憩施設や緑地広場・展望施設までの安全で快適
な歩行者動線の整備を図る。
● 安全施設
のり面における転落や滑落の防止及び危険箇所への立入を禁止するため、広
場の外周部に安全防護柵の整備を図る。また、隣接する大正溶岩原保全区域と
の境界部には低木による進入防止植栽帯を設けて、大正溶岩原の保全と利用者
の安全確保を図る。
● 照明等の設備
現在、記念モニュメント周辺は照明等の設備がないため、夜間の立入を規制
しているが、今後の利用状況を勘案しながら、必要に応じ夜間照明、モニュメ
ントのライトアップ等の設備を検討する。
22
②施設の整備内容と規模
赤水展望広場(仮称)において整備すべき施設の内容と規模は次のとおりとする。
施設名称
施
設 内
容
想定規模
休憩施設
(避難シェルター
兼用)
・トイレを付設した休憩施設とし、赤水採石場跡地や記念
モニュメント等の説明施設の設置等を検討する。また、
屋上部分は展望施設としての活用を図る。
・避難シェルターとしても利用できる強度を備えた構造と
する。
1階建
約 150 ㎡
展望施設
(展望岩)
・桜島山頂、錦江湾、さらに他では見ることができない溶
岩原の断面を同時に眺望できる位置に、展望施設の設置
を図る。大きな火山岩をイメージする外観とし、記念モ
ニュメントや溶岩原の景観との調和を図る。
高さ
約5m
緑地広場
・野芝等の維持管理が容易な地被植物と、木陰を作り出す
高木を組み合わせた広場とする。
・高木の樹種については、桜の里公園との景観上の連続性
などを考慮し、桜についても候補とする。また、選定に
あたっては、塩害などへの耐性等に十分留意することと
する。
・四阿(あずまや)や溶岩で作ったテーブルやイスを配置
し、建設資材としての溶岩の有用性をアピールする。
約 4,000 ㎡
モニュメント広場・
イベントスペース・
展望広場・
歩行者園路
・記念モニュメントや溶岩原の景観との調和を図るため、
現状の溶岩砂利を填圧により固めた舗装とし、歩行時の
安全性と快適性を確保する。
約 6,700 ㎡
歩行者アプローチ
通路
・歩行者や自転車利用者に対応するとともに、市道 224 号
線からの玄関口として、総合案内板や当地の案内板を設
置し、車からの視認性を高める。
・アプローチ通路は、様々な形や色を組合わせた溶岩平板
貼りとし、建設資材としての溶岩の有用性をアピールす
る。
駐車場・駐輪場
・記念モニュメントや桜島の景観を楽しむ観光客を対象と
した最小限の規模とする。
(桜島イベント広場ゾーン等に
おけるイベント等の開催時には別途臨時の仮設駐車場で
対応する。
)
・小型:20 台
・バス:3台
・バイク・自転車
:10 台程度
安全防護柵
・のり面からの転落や、利用されていないときの桜島イベ
ント広場ゾーンへの立入りを防ぐため、のり面上部及び
境界部分に設置する。
・周辺の景観に溶け込むような外観とし、記念モニュメン
トや溶岩原の景観との調和を図る。
約 400m
23
③施設配置計画
施設の整備内容と規模及び国立公園第1種特別地域の範囲等を勘案して、以下に示す施設配置とする。
9
24
(2)動線整備計画
(26ページ図参照)
①常設動線の整備(赤水展望広場(仮称)関連動線)
●自動車動線
市道 224 号線の沿道 100mの範囲は、国立公園第1種特別地域に指定されているた
め、大正溶岩原を切り開いた新規のアクセス動線の確保は困難であり、市道 224 号線
からの自動車アクセス動線は現況の1箇所に限定する。
また、駐車場等の恒久施設については、隣接する大正溶岩原の保全に配慮し、国立
公園第3種特別地域のほうに配置する。
●歩行者動線
広場内には歩行者専用の広場や緑地広場を配置し、新規に整備する施設を含めて安
全で快適な周遊ができる歩行者動線を確保するものとする。
②仮設アクセス動線の整備
●自動車動線
桜島イベント広場ゾーンにおけるイベント開催時等に必要となる駐車需要に対し
ては、臨時の仮設駐車場で対応するものとし、常設駐車場の利用は原則として禁止す
る。臨時仮設駐車場の適地としては、桜島イベント広場ゾーン南側の平坦地(200m
×50m
約 10,000 ㎡
最大 400 台程度の駐車が可能)が考えられるが、イベント開
催・終了時の混雑や緊急車両等の円滑な通行確保を考慮すれば、一般車両と緊急車両
との分離が望ましい。広場西側には既存の工事用通路が設置されているが、一部幅員
が狭隘な箇所もあるため、緊急車両専用(幅員4mを確保)とする。東側には現状で
自動車動線がないため、溶岩砂利の填圧(幅員6m)により安全な仮設アクセス動線
を確保するものとする。なお、大規模なイベントの開催にあたっては、臨時仮設駐車
場の利用はスタッフ等の利用に限定し、一般参加者の自動車利用は制限することが望
ましい。
また、研究・実験・実践ゾーンへのアクセス動線としては、現況の工事用通路(幅
員4mを確保)の活用を図る。
●歩行者動線
桜島イベント広場ゾーンにおけるイベント開催時等の歩行者動線は、イベント等の
内容により大きく異なるため、主催者側で適切な歩行者動線の確保を図ることを義務
づけるものとする。
25
26
(3)安全・防災施設整備計画
(29ページ図参照)
桜島イベント広場ゾーンの安全な貸出利用を図る上で最低限整備すべき安全・防災
施設の先行整備を図る。
桜島イベント広場ゾーン両側の安全性に問題があるのり面の状況をみると、以下の
2種が見られる。
・砂防河川引ノ平川河口部の未改良部で見られる、急勾配によるのり面自体の崩壊
・整地された緩傾斜地両側ののり面で見られる、上部の緩傾斜地の雨水浸食溝から
流れてくる雨水による浸食崩壊
前者に関しては、砂防事業の所管である国土交通省大隅河川国道事務所との連携が
必要であるため、今後協議を行い、のり面安定化に関する整備を図っていくものとす
る。
後者に関しては、以下のような対応策が考えられるが、具体的な施設の規格・規模
や配置に関しては今後詳細検討するものとする。
①急勾配のり面の安定化
●西側のり面(引ノ平川側)
引ノ平川砂防事業におけるのり面安
定化工法と整合した景観とするため、火
山岩・火山礫による表面被覆によりのり
面の安定化を図る。
砂防河川引ノ平川では火山岩・火山礫の被覆
によるのり面の安定化が図られている。
●東側のり面(研究・実験・実践ゾーン側)
将来的に緑化する予定の研究・実験・実
践ゾーンとの景観的な調和を図るため、緑
化ネットによるのり面の安定化を図る。
モニュメント広場の造成に伴うのり面では緑
化ネットによるのり面の安定化が図られてい
る。
27
②緩傾斜地の安定化
・
緩傾斜地における雨水の浸食溝の発生を防止するため、雨水を分散するための横
断方向の排水路を設置する。
・
横断方向排水路からの雨水を集約して下に流す縦断方向の排水路を設置する。
・
排水路の設置にあたっては、桜島イベント広場ゾーンの景観との調和を図るため
に、コンクリート製側溝等の使用は避け、素堀による排水路が望ましいと考えら
れるが、排水路の強度確保のためには火山礫の被覆・填圧による安定化など、そ
の工法については今後検討する必要がある。
③調整池機能の確保
・
現在、海岸ゾーン北側の窪地に水が溜っている箇所がある。この水溜り等を調整
池的に活用し、上部からの雨水排水を直接海に流下させないための調整池機能を
確保することが、海域への環境負荷軽減につながるものと考えられる。
海岸ゾーン北側にある窪地の水溜り
28
29
5.事業化の考え方
基本計画
当該跡地については、基本構想の「事業化・管理運営の基本的な考え方」に示した
ように、
「基本はみんなで創り・育てる広場」として、当初から全体にわたって整備し
ていくことはせず、
「投資効果を検証しながらゆっくり創り育てていく広場」、
「管理運
営をしながら利用者とともに育てていく広場」として整備していく方針である。この
方針に基づき、当該跡地については、段階的に整備するものとする。
〔ゾーンごとの段階的整備の考え方〕
展望・交流広場
ゾーン
桜島イベント広場
ゾーン
研究・実験・実践
ゾーン
大正溶岩原
保全ゾーン
・桜島の新たな観光
拠点としての機能
充実、利用促進を図
るため、行政による
必要最小限の整備
を行う。
・必要な防災対策、アク
セス通路等は行政が先
行整備する。
・桜島を体感でき、観
光・レクリエーションの
活動拠点となるイベン
ト広場としての利用の
仕組みづくりを行う。
・風致形成・緑化の進め
方を検討する。
・アクセス通路等の必
要最小限の整備は行政
が先行整備する。
・桜島にふさわしい風
致形成・緑化のあり方
を研究・実験・実践す
る場としての利用の仕
組みづくりを行う。
・大正溶岩原
及び自然植生
の保全を図る
ため、立入禁
止を原則と
し、新たな整
備は行わな
い。
・一般開放する。
・利活用状況等を把
握しながら、必要な
施設・設備の充実を
図る。
・貸出利用を行う。
・利用イベント等に必要
な施設・設備等は利用者
が仮設により対応する。
・ゾーン内の年次的な風
致形成・緑化を図る。
(研
究・実験・実践ゾーンに
おける成果の活用も検
討)
・貸出利用を行う。
・研究・実験・実践に
必要な施設・設備等は
各実施主体で対応す
る。
・研究・実験の成果を
活用しながら、ゾーン
内の風致形成・緑化を
図る。
同
上
同 上
・利用促進のための ・貸出利用促進のための ・貸出利用促進のため
広報・PR を行う。 広報・PR を行う。
の広報・PR を行う。
・利活用状況等を把握し ・利活用状況等を把握
ながら、利用の仕組み、 しながら、利用の仕組
費用対効果等を検証し、 み、費用対効果等を検
一般開放の可能性を検 証し、一般開放の可能
討する。
性を検討する。
同
上
同 上
同
上
同 上
等りくづみ組仕・備整設施
[赤水展望広場(仮称)]
等備整設施・用利
第
1
段
階
等証検果効・進促用利
第
2
段
階
第
3
段
階
以
降
同 上
・第2段階で一般開放と
なった場合は、必要な整
備を行った上で実施す
る。(一般開放とならな
かった場合は、従来どお
り)
30
・第2段階で一般開放
となった場合は、必要
な整備を行った上で実
施する。
(一般開放とな
らなかった場合は、従
来どおり)
海岸ゾーン
・立入禁止を原
則とし、新たな
整備は行わな
い。
・風致形成・緑
化については、
現状を保全しな
がら自然の遷移
にまかせる。
6.管理運営の考え方
基本計画
本基本計画においては、先行整備を行う展望・交流広場ゾーン(赤水展望広場(仮
称))については、具体的な施設整備計画を示しているものの、当該跡地の大半を占
める桜島イベント広場ゾーン及び研究・実験・実践ゾーンについては、今後の利活用
状況や費用対効果等を踏まえながら段階的整備を行うこととし、その利用についても、
基本構想の「跡地整備の基本的方向」の範囲で利用者が自ら自由に企画できることが
望ましいとの考えから、大まかな方針や今後の方向性を示すにとどめている。
また、その他の大正溶岩原保全ゾーン及び海岸ゾーンについては、立入禁止を原則
とし、新たな整備は行わないとしている。
このようなことから、当面は、一般開放する展望・交流広場ゾーンを中心に当該跡
地全体を行政主体で管理運営していくことが想定されるが、その後における跡地全体
の管理運営のあり方については、貸出対象となる桜島イベント広場ゾーン及び研究・
実験・実践ゾーンの利用の仕組み等に関し、ワークショップの開催や需要の把握を行
うなどして具体化を進める中で、あらためて検討していく必要がある。
その検討にあたっては、より効率的かつ効果的な管理運営を行える主体の活用を念
頭に、管理運営主体の自主性や創意工夫が発揮できる仕組みづくり、行政によるモニ
タリングが機能し管理運営上の安全性がきちんと確保される仕組みづくりに留意し
ながら、行政と民間組織が連携した管理運営方式を検討していく必要がある。
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