鉄骨造の柱脚は 構造設計者の言うとおりに 設けておけばよいですか

Scene14
図2
鉄骨造の柱脚は
根巻型柱脚
壁
構造設計者の言うとおりに
壁
基本設計
柱脚
露出型柱脚
構造計画
図1
設けておけばよいですか
▼地中梁天端
アンカーボルト
がFLから出な
い寸法
構造計算
▼FL
梁主筋
▼FL
実施設計
梁主筋
アンカーボルト
その他
梁主筋
アンカーボルト
梁主筋
梁主筋
梁主筋
梁主筋
アンカーボルト
梁主筋
梁主筋
アンカーボルトをよけて地
中梁の主筋を配筋する。主筋
本数によって梁幅が決まる
アンカーボルト
図3
埋込み型柱脚
埋込まれた鉄骨柱を避ける
ため地中梁の主筋を折り曲
げる必要がある。外端部には
U 字型補強筋が必要となる
壁
3 種類の柱脚形式
露出型柱脚は在来のほかに、評定を取ったさまざまな既製品
があります。アンカーボルトが隠れるように少し埋込むこと
柱脚の形式は、
「露出型柱脚」
「根巻型柱脚」
「埋込み型柱脚」に
で、外壁、床仕上げは大変きれいに納まります。ベースプレー
大きく分類できます。構造設計者は、建物用途との関係、架構
トの大きさや、その下部の柱型の大きさは鉄骨柱の大きさから
との関係、外壁・床との関係などを考慮し、3 種類のうちどの
決まってきます。地中梁の幅は主筋の本数から決まります。ア
形式が適しているかを考えます。しかし構造設計者だけで決め
ンカーボルトの位置が決まっているため、主筋の位置が限定さ
られません。意匠設計者と十分打ち合わせをしてどの方式にす
れます。 また、地中梁の寄りも制約を受ける場合があります。
す。鉄骨柱の埋込みの深さは柱せいの 2 倍以上、埋込み部分の
るかを決める必要があります。
GL との関係では、壁面から脚部が露出しないようベースプレ
鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さは、鉄骨柱の幅以上が
ートの下部と上部で段差をつけて納める方法があります。
目安となります。鉄骨柱を埋込むことで地中梁の主筋を鉄骨柱
●根巻型柱脚
の外側に配筋する必要があり、
地中梁幅が大きくなることと、主
たとえば、倉庫や駐車場などの用途に対しては柱の防護を目
的とし、根巻型柱脚を用いることがあります。また、商業施設
ベースプレートのレベルを下げ
る場合、
地中梁も下がるため増打
ちコンクリートが必要になる
▼FL
や事務所など一般の建物の場合には、露出型柱脚(実際はベー
根巻型柱脚は、露出型柱脚に比べて高い固定度を有すること
筋の本数に納まり上の限界があります。杭曲げなどが大きい場
スプレート、アンカーボルトが意匠的に納まらないので少し埋
や、鉄骨柱に対する車輌などの衝突を防護するというメリット
合、梁せいを大きくしなければならないというデメリットがあ
込む)や埋込み型柱脚とすることで、柱脚部が意匠的にすっき
があります。しかし、柱脚部から鉄骨柱せいの 2.5 倍以上の高
ります。また、GL との関係では、埋込み部分の大きさが外壁面
り納まるようにします。
さを目安としてコンクリートを巻く必要があります。また鉄筋
よりかなり出るため、犬走りなどを設ける場合もあります。
コンクリートの主筋の納まりや、必要な耐力を確保するため、
根
●施工上の問題点
各種柱脚形式の納まりの特徴
各種柱脚形式は施工上の問題点もそれぞれ違います。根巻型
となるデメリットがあります。
柱脚と埋込み型柱脚の場合は、アンカーボルトの締付け時に柱
各柱脚形式は建設省告示第 1456 号によって、それぞれ適合
●埋込み型柱脚
の配筋が邪魔します。工程的には、鉄骨の製作の時期、またコ
●露出型柱脚
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巻部分の柱せいが大きくなって、外壁との納まりの悪さが問題
各種柱脚形式の納まりの特徴は次のとおりです。
すべき基準が示されています。
アンカーボルトをよけて地
中梁の主筋を配筋するが、ア
ンカーボルトの本数は露出
型柱脚より少ないので余裕
がでてくる
埋込み型柱脚は、ほかの形式に比べて高い固定度を有するこ
とや、柱脚部に露出するものがないというメリットがありま
梁主筋
U字型補強筋
梁主筋
アンカーボルト
梁主筋
U字型補強筋
U字型補強筋
ンクリートの打設順序等が関わってきますので、このあたりの
考慮も必要です。 (高原茂樹)
本 PDF はエクスナレッジ刊「スパッとわかる建築構造」からの抜粋です。個人で利用される以外は、著作権者に無断で複製、印刷、配布は出来ません。
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アンカーボルト
梁主筋
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