省力的な水稲除草剤「豆つぶ剤」について

省力的な水稲除草剤「豆つぶ剤」について
現在、水稲除草剤の製剤として「粒剤」や「フロアブル」などが
主に使用されています。
一方、水田の基盤整備が進んで大型水田が整備されていることか
ら、これまで以上に省力的な水田除草剤の登場が望まれています。
近年、より省力的な製剤である「豆つぶ剤」が開発されています
ので、ご紹介致します。
1.豆つぶ剤の特長
・粒径が5mmほどの豆つぶ型製剤です。
・つぶが水面を浮遊しながら崩壊し、有効成分を均一に拡散させ
る自己拡散型の製剤です。従来の粒剤(1キロ、3キロ)のよ
うに均一散布する必要がありません。
・あぜを廻りながら、手まき、ひしゃく散布、また大型水田では
動力散布機で省力散布ができます。
・ 10a 当 り の 使 用 量 が わ ず か 250g で す の で 、 持 ち 運 び や 取 扱 い
製剤の写真
も楽です。
2.豆つぶ剤の崩壊∼拡散の状態
散布した豆つぶ剤は、水面上を浮遊しながら崩壊・分散し、田面に薄膜を形成しながら
有効成分を水中均一に拡散します。
水面浮遊
水面浮遊+崩壊分散
浮遊性担体
有効成分
成分の拡散
薄膜形成
3.各種散布方法
【袋のまま(手まき)散布】
・袋を持ってそのまま振ることにより、フロアブ
ル剤のように散布できます。
【ひしゃくでの散布】
・ひしゃくで薬剤をすくい取り、畦畔から投げ
入れます。ひしゃくは釣り用の「コマセひし
ゃく」が最適です。
・ひとすくいで20∼25gになりますので、
25gすくえば、10a当り10回の投入で
散布完了です。
【動力散布機での散布】
・豆つぶ除草剤は一粒が大きいので、従来の粒剤
よ り 、 よ り 遠 く ま で 飛 び ま す ( 2 0 ∼ 2 5 m )。
・大 型 水 田 で は 背 負 式 の 動 力 散 布 機 の 使 用 に よ り 、
水田に入らず畦畔から効率よく、短時間に散布
することができます。
・動力散布機による散布方法は、粒剤と同じ連続
散布と、数メートル毎に調量レバー(シャッタ
ー)を開閉(約1秒)するワンショット散布が
可能です。
4.主な豆つぶ水稲除草剤
商品名
有効成分
使用時期
10a当り
使用量
特長
ベストパートナー豆つぶ250
ピリミスルファン
移植後3日~
ノビエ3葉期
(但し、移植後30日まで)
250g ・SU抵抗性ホタルイ等にも効果が期待できる。
ヤイバ豆つぶ250
ピリミスルファン
フェントラザミド
移植後3日~
ノビエ2.5葉期
(但し、移植後30日まで)
250g ・ノビエに対してベストパートナーより安定した効果が期待できる。
トップガン250グラム
ピリミノバックメチル
ブロモブチド
ベンスルフロンメチル
ペントキサゾン
移植後3日~
ノビエ2.5葉期まで
(但し、移植後30日まで)
250g ・SU抵抗性ホタルイ等にも効果が期待できる。
・初中期一発剤で、一成分によりノビエ他、広範囲の広葉雑草に有効。
・初中期一発剤で、ノビエ他、広範囲の広葉雑草に有効。
・SU抵抗性ホタルイ等にも効果が期待できる。
・初中期一発剤で、ノビエ他、広範囲の広葉雑草に有効。