イネシンガレセンチュウ - 埼玉県

★★★
病害虫診断のポイントと防除対策No.5
彩の国さいたま
|イ 孝心糖線虫病(イネシンガMコンチュウ)
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イネ心枯線虫病は、イネヲンガレセンチュウ(写真参照)が
原因となって発生します。本線虫は細長く、体長は05~09
mm、体幅は0015mm前後で、肉眼では確認できません。寄主植
物は、イネのほかアワ、キビ、ヒエ、イチゴや雑草のノビエ、
エノコ□グサ、メヒシバ、カヤツリグサ等が知られています。
本線虫は、主|こもみの内穎・外穎の内壁に生息し、貯蔵中の種
もみでは幼・成虫が乾燥休眠状態で越冬します。
翌年、寄生もみを播種すると発芽後に苗葉鞘の隙間から侵入
し、生長点付近に移行して、未抽出の幼葉組織から養分を吸汁
加害します。その後、幼穂形成期|こは幼穂の周辺に集まり、穂
はらみ期以降は順次、もみ内lこ侵入して、玄米を加害します。
イネシンガレセンチュウ
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イネシンガレセンチュウが寄生、加害したイネの茎数はやや多くなりますが、草丈が低くなり、葉色が濃
くなることもあります。まだ、特徴的な症状として、葉の先端部の3~5cmぐらいが白く枯れてこより状に
なります(写真参照)。また、葉先の枯れは光沢があり、白く光って見えるため「ホタルイモチ」の俗称が
あります。
被害穂は穂長が短く、被害もみは登熟不良となり、しいなが多くなります。このため、多発ほ場では10~
30%減収するうえ特徴的な症状として、玄米の-部がくさび状に黒変する黒点米(写真参照)が生じ、検査
等級の格下げの原因となります。なお、薑色米や乳白米の割合が増加する要因にもなります。
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イネシンガレセンチュウによる葉先枯れ
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黒点米
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(1)種子で伝染する定め、本線虫が寄生している種子を使用すると発病します。まだ、箱育苗では、寄生
種子から遊出しだ線虫が健全苗に伝染し、さらに、本田移植後|こおいても田面水を経由して寄生株から
近接の健全株へ伝染します。なお、もみの中て乾燥休眠状態lこある線虫は、3年以上も生唇していると
言われています。
(2)本田移植初期では、潅>既水中の線虫によっても伝染します。
(3)出穂後の気温が高いと黒点米が発生しやすくなります。
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本線虫|こよる葉先枯れは、普通栽培では7月中旬頃から発生し、最高分げつ期以降急増して、止葉では症
状が最も顕著|こ現れます。また、もみ中の線虫は、穂ばらみ期のもみに移行し出穂期以降、生息密度が増加
します。
出iIu3B前同7B後同17日後同28日後同38日後
イネ心枯線虫病の葉先枯の推移
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量
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出穂期n兆V
線虫数
鍵簡卿散
出種嚥
生育初期最高分けつ期
もみにおけるイネシンガレセンチュウ密度の推移
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本病の主要な伝染経路は汚染種子であり、他の要因|こよる発生事例はあまり知られていません。このた
め、健全種子を使用し、種子消毒を行うことが防除の重要なポイントです。
なお、種子消毒済みの種子を使用する場合も、イネシンガレセンチュウ対象の種子消毒が行われていない
種子では、種子消毒もしくは育苗箱施薬が必要です。
/
/実施時期
実施時期
留意事項等、
留意事項等
防除方法
(イネのステージ
(イネのステーニノ)
■種子消毒
■種子消毒
次のいずれかの方法で消毒:します。
次のいずれかの方法で消毒します。
播種前
○温湯消毒
○温湯消毒
60℃の温湯に10分間浸漬し、浸漬後冷水で
60℃の温湯|こ10分間浸漬し、浸漬後冷水で
直ちに冷却します。
直ち|こ冷却します。
○薬剤による消毒
○薬剤|こよる消毒
スミチオン乳剤、バイプット乳剤、パダン
スミチオン乳剤、バイプット乳剤、バダン
水溶剤のいずれかで消毒します。
移植3曰前~
移植当E
移植当曰
■育苗箱施薬
オソコル粒剤、ガゼット)位剤、スミチオン
オンコル粒剤、ガゼット粒剤、スミチオン
乳剤のいずれかを育苗箱に施用します。
乳剤のいずれかを育苗箱|こ施用します。
出穂期
■薬剤防除の目安
最高分|ずつ期以降|こ線虫による葉先枯れ症
最高分げつ期以降lこ線虫lこよる葉先枯れ症
状の認められるほ場では、出穂期の薬剤防除
状の認められるほ場では、出穂期の薬剤防除
が必要です。
苗代、本田に持ち込まない。
苗代、本田Iこ持ち込まない。
浸漬温度と浸漬時間は厳守しまし
浸漬温度と浸漬時間は厳守しまし
よつ。
よう゜
イネヲンガレセンチュウの種子消
毒を行った場合は省略できます。
■薬剤の種類
スミチオン乳剤1.000倍液
スミチオン乳剤
、
、
被害もみがらは伝染源となるので
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バイジット乳剤
バイジット乳剤1.000倍液
10a当厄り
10a当厄U
1501散布
1501散布
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■病害虫診断のポイントと防除対策NQ5
平成13年1月発行
■発行埼玉県農林部農業経営課
埼玉県浦和市高砂3丁目15番1号
社団法人埼玉県檀物防痩協会
囚原稿執筆埼玉県農林総合研究センター
埼玉県大宮市北袋町1丁目340番地
I[LO48-521-5041.埼玉県病害虫防除所
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