いえのまわりのバッタくん バッタかんさつにっき

いえのまわりのバッタくん
~バッタかんさつにっき~
つくば市立吾妻小学校
2年 湯本 拓馬
1.どうき
ぼくは虫がすきだ。いえではカブトムシやクワガタムシをかっている。ベランダでカブトムシのせわをしてい
たら、外から虫の鳴き声が聞こえてきた。お父さんと花だんの草とりをしている時に見つけたバッタかなと思っ
た。ぼくのいえのまわりにはどんなバッタがいるんだろう。くわしくしらべてみることにした。
2.調べること
(1)いえのまわりにはどんなしゅるいのバッタがいるのか
(2)バッタはどんなところにいるのか
(3)天気とバッタの数のかんけい
(4)気おんとバッタの数のかんけい
3.調べ方
*いえのまわりで見つけたバッタをかんさつする。
(1)バッタのかんさつ
しゅるい、大きさ、とくちょう、オス・メスのちがいをかんさつする。
(2)どんなところにバッタがたくさんいるのか
あさ・ひる・夕がたに見に行って見つけた場しょと数をきろくする。
(3)天気によるちがいはあるのか
雨の日、くもりの日、晴れの日とではバッタの数にちがいはあるか、毎日
かんさつをつづける。
(4)気おんによるちがいはあるのか
気おんとバッタの数はかんけいがあるかをしらべる。
4.分かったこと
(1)いえのまわりにはどんなしゅるいのバッタがいるのか
ぼくのいえのまわりでは、オンブバッタ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、エンマコオロギ、
ツヅレサセコオロギ、カネタタキ、クサキリ、コバネイナゴ、クルマバッタモドキ、ヒシバッタが見つかった。
バッタのなかまもコオロギ・キリギリスのなかまも、体は頭・むね・はらの3つにわかれている。頭にはしょっ
かくが2本あり、バッタのなかまはみじかくて、コオロギ・キリギリスのなかまは長かった。頭の形もよく見る
とバッタのなかまとクサキリはとがっているけどコオロギのなかまはみんな丸かった。足はむねから3本ずつで
ていて、後ろ足が1ばん長い。羽がある。メスの方がオスより大きい。
<オンブバッタ>
ホ ウ セ ン カ の 上 に い て 、 ホ ウ セ ン カ の葉 っ ぱを食べていた。メスが
オ ス を お ん ぶ し て い る 。 お ん ぶ し て い るの は メスをほかのオスにとら
れないようにまもっていると思った。
<ショウリョウバッタ>
オスとメスで体の大きさがすごくちがう。オスはとびたつ時に、「チ
キ チ キ チ キ ッ 」 と 鳴 く 。 メ ス は あ ま り 飛ば ず 、 ジャンプ力もつよくは
ない。
<ショウリョウバッタモドキ>
体はみどり色で、せ中は茶色っぽい。てきのけはいをかんじると、とまった草のはんたいがわにじょうずにか
くれる。
<エンマコオロギ>
こ げ 茶 色 で 、 日 本 の コ オ ロ ギ の な か まで は 1ばん大きい。オスはコ
ロ コ ロ リー と 、 大き な 声 で 鳴 く 。 よ う虫 は せい虫にくらべると黒っ
ぽく、せ中に白いもようがある。
<ツヅレサセコオロギ>
エ ン マ コ オ ロ ギ よ り も 小 さ い 。 オ ス は、 よ るに、リーリーリーリー
と鳴く。
<カネタタキ>
体 は た い ら で 、 茶 色 っ ぽ い 小 さ な コ オロ ギ のなかま。オスには羽が
あ る が 、 メ ス に は な い 。 オ ス は 、 ひ る もよ る もチン・チン・チンと鳴
く。
<クサキリ>
茶色やみどり色をしている、キリギリスのなかま。頭はとがっていて、後ろ足が長い。
<コバネイナゴ>
体 の わ き に こ い 茶 色 の す じ が 入 っ た あか る いみどり色のバッタ。名
前のとおり羽がみじかい。
<クルマバッタモドキ>
み ど り 色 の も の と 、 茶 色 と う す い は い色 の まだらもようのものがい
る。クルマバッタとのちがいは少し大きいことと、せ中の方に、「く」
の字の形をした白いせんがあること。後ろの羽には黒いもようがある。
オスもメスも鳴かない。
<ヒシバッタ>
茶 色 っ ぽ い 小 さ い バ ッ タ 。 体 が ひ し 形を し ている。体の色はいろい
ろなものがいる。
(2)バッタはどんなところにいるのか
しらべた場しょ
<花だん>
びわ、トマト、ホウセンカ、ローズマリー、ざっ草も生えている。どのしゅるいのバッタもたくさん見つかっ
た。
<いえの前の草むら1、いえの前の草むら2>
花だんとちがってみじかい草が生えている。花だんのつぎにバッタがたくさんいたところ。いえの前の草むら
2は草がすくなく、土のぶぶんがある。
<こかげ>
草はあまり生えていない。こけが生えている。
<いえのうら1、いえのうら2>
花 だ ん が わ に く ら べ て す ず し い 。 草 はあ ま り生えていない。うえこ
みがある。いえのうら2の方が先に日かげになる。
<どうろ>
ア ス フ ァ ル ト で 草 は 生 え て い な い 。 いえ の うらよりも先に日なたに
なる。
バッタによる違い
<オンブバッタ>
花だんにたくさんいて、とくに夕がたが1ばん多く見つかった。ホウセンカのはっぱで1ばんたくさん見つか
った。多い時には16ぴきもいた。ホウセンカのはっぱにオンブバッタはつかまりやすいのかな。晴れてあつい
日がつづいてしおれてしまっている時には数が少なかった。はっぱがしおれていると上にのりづらいのかなと思
った。
<ショウリョウバッタ>
そのほかの
バッタ
カネタタキ
半 ぶ ん い じ ょ う が 花 だん に い た 。お ひ る の 時 が 1 ば ん 数 が 多
ツヅレサセ
コオロギ
かった。花だんではざっ草で見つけることが多かった。
エンマコオロギ
<ショウリョウバッタモドキ>
ショウリョウ
バッタモドキ
ショウリョウ
見 つ け た 数 は 少 な い けれ ど 、 花 だん の ざ っ 草 に 多 く い た 。 あ
バッタ
オンブバッタ
さ、ひる、夕がたで見つかった数はあまりかわらなかった。
<エンマコオロギ>
花 だ ん に 1 ば ん た く さん い た 。 レン ガ の か ど の と こ ろ で 多 く
見 つ か っ た 。 あ さ 、 ひ る、 夕 が た で見 つ け た 数 は あ ま り か わ ら
な か っ た 。 コ オ ロ ギ は 、草 の つ ん であ る と こ ろ や レ ン ガ で か げ
になっているところにいたので、かくれやすいからかなと思った。
<ツヅレサセコオロギ>
い え の 前 の 草 む ら 2 で た く さ ん 見 つ かっ た 。夕がたに1ばん多くい
て 、 あ さ 、 ひ る 、 夕 が た の ど の 時 間 で もい え の前の草むら2でたくさ
ん 見 つ か っ た 。 夕 が た の い え の 前 の 草 むら は だんだん日かげになって
くるところなので、あまりあつくないところがすきなのかなと思った。
<カネタタキ・そのほかのバッタ>
見つけた数は少なかったけれど、花だんやいえの前の草むらにいた。
あさ、ひる、夕がたで数はあまりかわらない。
かず
時間たいによるちがい
250
ひる
あさ
夕がた
200
150
100
50
いえ の う ら 2
どう ろ
いえ の う ら 1
こかげ
いえ の 前 の
草 むら 2
いえ の 前 の
草 むら 1
花だん
いえ の う ら 2
どう ろ
いえ の う ら 1
天気によってバッタのいる場しょは変わるのだろうか。
ど の 天 気 の 時 も ほ と ん ど の バ ッ タ が 花だ ん で見つかることが多く、
つ ぎ は い え の 前 の 草 む ら で 、 く も り の 時だ け いえの前の草むら2で多
か っ た 。 ま た い え の う ら 、 ど う ろ が わ も天 気 にかんけいなく少なかっ
た。
こかげ
いえ の う ら 2
どう ろ
いえ の う ら 1
こか げ
いえ の 前 の
草 むら 2
いえ の 前 の
草 むら 1
花だん
いえ の う ら 2
どう ろ
いえ の う ら 1
こか げ
いえ の 前 の
草 むら 2
いえ の 前 の
草 むら 1
花だん
いえ の う ら 2
どう ろ
いえ の う ら 1
こか げ
いえ の 前 の
草 むら 2
いえ の 前 の
草 むら 1
花だん
天 気 に よ っ て 見 つ け た 250
ツヅレサセ
コオロギ
エンマコオロギ
バ ッ タ の し ゅ る い に ち 200
ショウリョウ
バッタモドキ
がいはあるか。
150
ショウリョウ
バッタ
バ ッ タ の な か ま は 晴 100
オンブバッタ
れ た 時 に た く さ ん い た 50
けど、コオロギのなか 0
まはくもりの時の方が
たくさん見つかった。
しらべた回数が少なか
っ た か ら 見 つ け た バ ッ タ の 数 は 少 な い が、 雨 の時は草の下にかくれて
いると思ったけど、草やはっぱの上にのっていた。
いえ の 前 の
草 むら 2
いえ の 前 の
草 むら 1
そのほかの
バッタ
カネタタキ
はれ
花だん
くもり
いえ の う ら 2
天気と場しょのちがいによるバッタのかず
雨
どう ろ
かず
300
いえ の う ら 1
(3)天気とバッタの数のかんけい
天気一覧表
しらべた日(21日間で59回)のうち晴れて
< 雨 の日の ちょう さ>
いたのは28回、くもりが24回、雨は7回だ
った。晴れた時に見つけたのは494ひき、くもりの時は376ひき、
雨の時は105ひきだった。
こかげ
いえ の 前 の
草 むら 2
いえ の 前 の
草 むら 1
花だん
0
かず
気おんとバッタのかず
800
700
30どから34ど
600
25どから29ど
20どから24ど
500
400
300
200
100
そ の ほか の
バ ッタ
カネタタキ
ツヅ レ サ セ
コオ ロギ
エ ン マ コオ ロギ
シ ョウ リ ョウ
バ ッタ モ ド キ
シ ョウ リ ョウ
バ ッタ
0
オ ン ブ バ ッタ
(4)気おんとバッタの数のかんけい
しらべた中で、気おんが1ばんひくい時は20ど、1ば
ん高い時は34どだった。気おんを20どから24ど(2
0回)、25どから29ど(25回)、30どから34ど(1
4回)の3つに分けてバッタの数をくらべてみた。20ど
から24どは329ひき、25どから29どは397ひき、
30どから34どは249ひきだった。回数のちがいがあ
るので、気おんとバッタの数のへいきんで見てみたら、2
3どから25ど、30どから31どのところでたくさん見
つかった。
5.考えたこと
今までもぼくは、バッタをよくつかまえていた。その時は大きさや色は気にしていたけど、それが何というバ
ッタかはあまり考えていなかった。今回、いえのまわりにいるバッタを見つけてしゅるいやとくちょうについて
しることができ、おもしろかった。しらべる前、バッタは草のかげにたくさんいると考えていた。でもしらべは
じめるとバッタはあさから日があたっている花だんやいえの前の草むらにたくさんいたので、日のあたるあかる
いところがすきなのかなと思った。そこでしらべている場しょの日のあたりかたにちゅういしてみた。
バッタがいつたくさん見つかったか
バッタはどこにたくさんいたか
のけっかを見てみると、しらべはじめた時に思った日のあたるところがすきなのかもしれないということはちが
っていた。なぜなら、しらべたけっか、1ばんバッタが見つかった数が多かった花だんでは、夕がたにたくさん
いたからだ。花だんは夕がた日かげになっている。おなじように夕がた日かげになってしまういえの前の草むら
1でもバッタの数が多かったのは夕がただった。また家のうら1、家のうら2でも日かげになっているあさに1
ばん多く見つかった。これは天気とバッタの数のかんけいからもいえる。晴れている時にすごくたくさんいるわ
けではなかったからだ。
ここでまたひとつ気がついた。バッタがもし日かげがすきだとしたらどうしてこかげにはバッタはあまりいな
かったのだろう。そして、家のうらでももっとたくさん見つかるはずだと思う。ぼくは、こかげや家のうらには
えさになる草がすくないからだと考えた。ということは日があたるあたらないということはあまりかんけいない
のかもしれない。
こんどは草の生えかたにちゅうもくしてみた。たくさん見つかった花だんやいえの前の草むらには草があり、
少ししか見つからなかった家のうらはうえこみがあり草はあまり生えていない。草のぜんぜんないどうろは1ぴ
きも見つからなかった。おなじような場しょにある花だんといえの前の草むらをくらべてみても、草かりをして、
草がみじかくなっている草むらよりも、たくさんいたホウセンカやざっ草など草がだくさん生えている花だんの
方にすごくたくさんいた。
バッタはえさのあるところにあつまる。えさになる草はかくれる場しょにもなる。草かりをするとぼくたちが
あそびやすくはなるけれど、バッタたちのえさやかくれる場しょがなくなってしまい、めいわくなのかもしれな
い。ショウリョウバッタやクルマバッタモドキのように羽があってとおくまでとぶことができるバッタはいいけ
ど、オンブバッタのようなとべないバッタはかわいそうだと思った。ぼくのいえのまわりは、バッタにはすみや
すいところかな。こんどはほかの場しょでどんなバッタがいるかをしらべてみたい。そしてバッタがいなくなら
ないようにしぜんをまもっていきたい。
指導者
根本
朋子
家の周辺で見つけたバッタの種類やすみか,天気や気温とバッタの数についての関係を長期間の根気強い観察
と調査から研究を進めています。特に,バッタは,いつ,どこにたくさんいるのかという本児がいちばん知りた
いことについては,予想外の結果を得ていますが,そこから,えさである草についても考えを発展させていると
ころは,すばらしいことだと思います。本児は虫が大好きで,バッタの一匹一匹を大切に観察し,貴重な結果を
導き出しています。