第5章 山田町の新エネルギー賦存特性

第5章
山田町の新エネルギー賦存特性
5.山田町の新エネルギー賦存特性
対象とする新エネルギーと新エネルギーの指標
表 5a の算定の対象とする新エネルギーについて、表 5b に示す「潜在賦存量」
、
「利用
可能量」について推計する。
表 5a 算定の対象とする新エネルギー
新エネルギー種別
エネルギー区分
変換・利用形態
太陽光発電
発電
太陽熱利用
熱利用
風力発電
発電
木質バイオマスエネルギー
発電・熱利用・燃料製造
畜産バイオマスエネルギー
燃料製造(発電・熱利用)
農産バイオマスエネルギー
発電・熱利用・燃料製造
生ごみ
燃料製造(発電・熱利用)
廃食油
燃料製造
し尿・下水汚泥
燃料製造(発電・熱利用)
4.小水力エネルギー
小水力発電
発電
5.雪氷エネルギー
雪氷熱利用
熱利用
6.温度差エネルギー
地中熱利用
熱利用
7.波力エネルギー
波力発電
発電
1.太陽エネルギー
2.風力エネルギー
3.バイオマスエネルギー
表 5b 新エネルギーの量を表す指標
主に自然エネルギーが対象地域にどの程度存在しているかを示すもの
潜在賦存量
であり、物理的にエネルギーを取り出すことを考えない場合のエネルギ
ー量。
物理的・社会的な制約条件や他の用途との兼ね合い、その他コスト面な
利用可能量
ど、実際の利用上の課題を踏まえた上で現実的に利用可能と考えられる
エネルギー量。
55
5-1 太陽エネルギー
5-1-1 太陽光発電
(1)潜在賦存量
太陽光発電の潜在賦存量として、本町全域に対する日射量を算定する。日射量は方位角
0°(真南)・傾斜角最適傾斜角のデータを用いる。
表 5-1-1-1 太陽光エネルギーの潜在賦存量の算定式
算定式
Q=H0×S
Q:潜在賦存量(kWh/年)
各項の説明
H0:年間日射量(kWh/㎡・年)
(方位角 0°、最適傾斜角)
S:地域面積(㎡)
表 5-1-1-2 太陽光エネルギーの潜在賦存量(年間)
項目
①年間日射量
数値
備考
1,454.24 kWh/m2・年
2
②地域の面積
263,440,000 m
③潜在賦存量
383,104,985,600 kWh/年
(熱量換算)
1,379,177,948 GJ/年
最適傾斜角年間日射量
山田町面積
①×②
③×3.6÷1,000 (1kWh=3.6MJ)
(2)利用可能量
太陽光発電の利用可能量としては、一般家庭世帯・事業所に 4kW を、公共施設等には 10kW
のシステムを設置したと想定する。
表 5-1-1-3 太陽光エネルギーの利用可能量
項目
①年間日射量
②設置可能面積
③システム変換効率
④変換ロス
⑤利用可能量
(熱量換算)
数値
備考
2
1,454 kWh/m ・年
165,330 m2
下表より
0.1
0.75
18,032,212 kWh/年
64,916 GJ/年
56
①×②×③×④
⑤×3.6÷1,000(1kWh=3.6MJ)
一般世帯
表 5-1—1-4 太陽光エネルギーの【利用可能量の想定】
想定出力
総数 想定設置
設置想定 設置可能
(kW/1 箇
備考
(箇所) 箇所
出力(kW)
面積(m2)
所)
7,222
3,611
4 14,444 144,440 住民基本台帳 H20
事業所
932
466
4
1,864
校舎
11
6
10
55
550
体育館
11
6
10
55
550 小学校 9 校、中学校
支庁舎
3
2
10
15
150 2 校
その他公共施設
20
10
10
100
8,199
4,100
小中学校
合計
―
18,640 事業所統計調査 H18
1,000
16,533 165,330
5-1-2 太陽熱利用
(1)潜在賦存量
太陽熱利用の潜在賦存量は、太陽光発電の潜在賦存量と同じである。
表 5-1-2-1 太陽熱エネルギーの潜在賦存量
項目
数値
(熱量換算)
備考
1,379,177,948 GJ/年
太陽光発電賦存量と同じ
(2)利用可能量
太陽熱利用の利用可能量としては、一般家庭世帯に集熱面積 3m2 のシステムを設置したと
想定する。
表 5-1-2-2 太陽光エネルギーの利用可能量(年間)
項目
①年間日射量
②設置可能面積
③システム変換効率
④利用可能量
(熱量換算)
一般世帯
数値
備考
1,454.24 kWh/m2・年
10,833 m2
下表より
0.4
6,301,513 kWh/年
22,685 GJ/年
①×②×③
④×3.6÷1,000 (1kWh=3.6MJ)
表 5-1-2-3 太陽光エネルギーの利用可能量の想定
総数
想定設置
集熱面積
設置可能
(箇所)
箇所
(m2/箇所) 面積(m2)
7,222
3,611
3
10,833
57
備考
5-2 風力エネルギー
(1)潜在賦存量
風力エネルギーの潜在賦存量としては、本町全域に風力発電機を設置した場合の発電量
を想定する。本町の風力分布はNEDOの風況マップより読み取った。
表 5-2-1 風力エネルギーの潜在賦存量の算定式
式
Q=F×Σi fi(Vi)×t×Pi
Q:潜在賦存量(kWh/年)
F:風車設置可能台数
各項の説明
fi(Vi):風速 i の出現頻度(各代表風速のレーリ分布より算定)
t:時間(8,760h)
Pi:風車の出力曲線
※風車は 600kW を想定
表 5-2-2 風力エネルギーの潜在賦存量(年間)
項目
数値
潜在賦存量
風速階級
4.0~4.9m/s
備考
5,192,699 GJ/・年
別表による
表 5-2-3 風力エネルギーの潜在賦存量の算定
潜在賦存量
代表風速
発電量
設置可能
(熱量換算)
(MWh/
(m/s)
(kWh/基)
台数(基)
(GJ/年)
年)
4.5
472,982
113
53,447
192,409
5.0~5.9m/s
5.5
985,042
602
592,995
2,134,783
6.0~6.9m/s
6.5
1,464,161
237
347,006
1,249,222
7.0~7.9m/s
7.5
1,934,098
148
286,246
1,030,487
8.0~8.9m/s
8.5
2,358,284
69
162,722
585,798
1,169
1,442,416
5,192,699
合計
―
―
58
(2)利用可能量
風力発電の利用可能量としては、平均 6.0m/s 以上の平均風速を示す場所の 10 分の 1 の
面積への設置が可能と想定する。
表 5-2-4 風力エネルギーの利用可能量の算定
風速階級
代表風速
(m/s)
発電量
(kWh/基)
設置可能
台数(基)
利用可能量
(MWh/年)
(熱量換算)
(GJ/年)
4.0~4.9m/s
4.5
472,982
0
0
0
5.0~5.9m/s
5.5
985,042
0
0
0
6.0~6.9m/s
6.5
1,464,161
23
33,676
121,233
7.0~7.9m/s
7.5
1,934,098
14
27,077
97,479
8.0~8.9m/s
8.5
2,358,284
6
14,150
50,939
43
74,903
269,650
合計
―
―
(凡例)
(m/s)
図 5-2-1 山田町の風況マップ
(資料:NEDO 風況マップ)
59
5-3 バイオマスエネルギー
5-3-1 木質バイオマスエネルギー
(1)潜在賦存量
木質バイオマスエネルギーの潜在賦存量としては、総蓄積を対象に算定した。
表 5-3-1-1 木質バイオマスエネルギーの潜在賦存量の算定式
Q=C×P×H
式
Q:潜在賦存量(MJ/年)
C:総蓄積量(㎥)
各項の説明
P:比重
H:木材の発熱量(kcal/㎏)
表 5-3-1-2 木質バイオマスエネルギーの潜在賦存量
項目
数値
①森林蓄積量
備考
2,446,277 m
3
0.8 t/m3
②比重
③木材の発熱量
④潜在賦存量
⑤熱量換算
2,000 kcal/kg
水分率 50%を想定
3,914,043 Gcal/年
①×②×③÷1,000
16,388,099 GJ/年
④×4.186
(2)利用可能量
木質バイオマスエネルギーの利用可能量としては、間伐材を対象として、それらをボイ
ラーによって熱利用することを想定した。
表 5-3-1-3 木質バイオマスエネルギーの利用可能量
項目
数値
①切捨て間伐材積
②比重
備考
9,633 m3/年
別表による
0.8 t/年
③発熱量
2,000 kcal/kg
④ボイラー変換効率
⑤利用可能量
0.7
含水率 50%
熱変換
39,518 GJ
表 5-3-1-4 木質バイオマスエネルギーの利用可能量の算定
【切捨て間伐材積の想定】
項目
①年間間伐採施業面積
②森林蓄積量
③森林面積
数値
129 ha
2005 年農林業センサス
2,446,277 m3/年
9,828 ha
④単位面積当たりの蓄積
249 m
⑤間伐率
0.3
⑥推定切捨て間伐材積
備考
3
岩手県林業動向年報
H19
岩手県林業動向年報
H19
②/③
0.3 と想定
3
9,633 m /年
60
①×④×⑤
5-3-2 畜産バイオマスエネルギー
(1)潜在賦存量
畜産バイオマスエネルギーの潜在賦存量としては、本町で飼養されている家畜の排せつ
物からメタン発酵によってバイオガスを得て、そのバイオガスをエネルギー変換した場合
を想定した。
表 5-3-2-1 畜産バイオマスエネルギーの潜在賦存量の算定式
Q=S×F×Y×A×B×M
式
Q:潜在賦存量
S:家畜の飼養羽数
F:一頭(羽)あたりの糞尿排出量(㎏/頭・日)
各項の説明
Y:年間日数(365 日)
A:1 ㎏あたりのメタンガス発生量
B:発生ガス中のメタン成分含有度(60%とする)
M:メタン発熱量(8,550kcal)
表 5-3-2-2 畜産バイオマスエネルギーの潜在賦存量
項目
数値
319,740 m3/年
①年間バイオガス発生量
0.6
②バイオガス中のメタン濃度
別表による
60%とする
3
③メタンガス量
191,844 m /年
①×②
8,550 kcal/m3
④メタン発熱量
⑤潜在賦存量
備考
1,640,266 Mcal/年
(熱量変換)
6,866 GJ/年
③×④÷1,000
⑤×4.186÷1,000
表 5-3-2-3 畜産バイオマスガス発生量の算定
家畜種
飼養頭数
糞尿発生量
原単位
バイオガス発生
量原単位
バイオガス
発生量
肉用牛
1,460
20kg/頭・日
0.03m3/kg
319,740m3/年
(2)利用可能量
利用可能量としては、ボイラーでの熱利用を想定し、潜在賦存量の全量を利用可能とみ
た。
表 5-3-2-4 畜産バイオマスの利用可能量
項目
①潜在賦存量
②ボイラー変換効率
③利用可能量
数値
備考
6,866 GJ/年
0.70
熱変換
4,806 GJ/年
61
①×②
5-3-3 農産バイオマスエネルギー
(1)潜在賦存量
農産バイオマスエネルギーの潜在賦存量としては、本町で栽培されている農作物から発
生する残さを想定した。
表 5-3-3-1 農産バイオマスエネルギーの潜在賦存量の算定式
式
Q=∑(A×1,000×B×C÷860)
Q:潜在賦存量
各項の説明
A:収穫量(t/年)
B:作物ごと残渣率
C:各作物残渣ごと発熱量
表 5-3-3-2 農産バイオマスエネルギーの潜在賦存量(年間)
項目
数値
①年間残渣発生量
②潜在賦存量
備考
2,529 t/年
別表より
39,635 GJ/年
別表より
表 5-3-3-3 農産バイオマスエネルギーの潜在賦存量
収穫量
廃棄量
発熱量
農作物の種類
残渣率
(t/年)
(t/年)
(MJ/kg)
稲類
水稲
873
1.5
1,310
14.444
大豆
13
1.5
20
9.504
豆類
小豆
5
1.5
8
9.504
果菜類
きゅうり
115
1.5
173
14.24
だいこん
163
0.56
91
12.56
野菜類
ほうれんそう
24
0.56
13
12.56
ねぎ
15
0.56
8
12.56
牧草
4,200
0.2
840
18.42
飼料作物
青刈りとうもろこし
236
0.2
47
18.42
りんご
64
0.3
19
12.56
果樹
ぶどう
1
0.3
0
12.56
合計
5,709
―
2,529
―
賦存量
(MJ/年)
18,914,418
185,328
71,280
2,456,400
1,146,477
168,806
105,504
15,472,800
869,424
241,152
3,768
39,635,357
(2)利用可能量
利用可能量としては、ボイラーでの熱利用を想定し、潜在賦存量の全量を利用可能とみ
た。
表 5-3-3-4 農産バイオマスエネルギーの利用可能量
項目
①潜在賦存量
②ボイラー変換効率
③利用可能量
数値
備考
39,635 MJ/年
0.7
熱変換
27,745 MJ/年
62
①×②
5-3-4 生ごみ
(1)潜在賦存量
生ごみの潜在賦存量としては、可燃ごみ中の生ごみを想定した。
表 5-3-4-1 生ごみの潜在賦存量の算定式
Q=g×1,000×H×B×M
式
各項の説明
Q:潜在賦存量
g:生ごみ発生量(t/年)
H:生ごみのガス発生量原単位(㎥/㎏)
B:発生ガス中のメタン成分含有度(60%とする)
M:メタン発熱量(8,550kcal)
表 5-3-4-2 生ごみの潜在賦存量(年間)
項目
数値
①生ごみ量
808 t/年
80,790 m3/年
②年間バイオガス発生量
③バイオガス中のメタン濃度
④メタンガス量
⑤メタン発熱量
⑥潜在賦存量
⑦熱量変換
原料種
生ごみ
備考
0.6
可燃ごみ(5,386tの 15%と見た)
別表
60%
3
40,395 m /年
②×③
8,550 kcal/m3
345,377 Mcal/年
1,446 GJ/年
④×⑤÷1,000
⑤×4.186÷1,000
表 5-3-4-3 バイオガスの発生量(年間)
バイオガス発生量
発生量(t)
原単位(m3/t)
808
100
バイオガス発生量
(m3/年)
80,790
(2)利用可能量
利用可能量としては、ボイラーでの熱利用を想定し、潜在賦存量の全量を利用可能とみ
た。
表 5-3-4-4 バイオガスの利用可能量
項目
①潜在賦存量
②ボイラー変換効率
③利用可能量
数値
備考
1,446 GJ/年
0.70
熱変換
1,012 GJ/年
63
①×②
5-3-5 廃食油
(1)潜在賦存量
廃食油の潜在賦存量としては、家庭や事業所から発生する使用後の食用油を想定した。
表 5-3-5-1 廃食油の潜在賦存量
項目
数値
①廃食油発生量
備考
69,946 L/年
②BDF 化率
別表による
0.9
③BDF 発熱量
8,800 Kcal/L
④潜在賦存量
553,971 Mcal/年
⑤熱量変換
2,319 GJ/年
①×③÷1,000
④×4.186÷1,000
表 5-3-5-2 廃食油の発生量
廃食油発生原単位※1
(g/世帯或いは店・年)
数値
世帯
廃食油発生量※2
(L/年)
7,222
1,966
14,196
15,773
108
451,442
48,756
54,173
―
62,951
69,946
飲食店・宿泊業数
合計
廃食油発生量
(kg/年)
―
(資料:「飲食店・宿泊業数」は事業所数:事業所・企業統計調査 H18)
※1:世帯の原単位は「地方自治体におけるバイオディーゼル燃料の規格化と利用に関する調査
-食用油の消費と廃食用油の発生と品質-」
(
(財)政策科学研究所、H18.2)より 182ml/世
帯・月、飲食店は全国の排出量(25 万t)を飲食店数で割ることにより算定したもの
※2:廃食油の比重は 0.9 とした
(2)利用可能量
利用可能量としては、潜在賦存量の全量を利用可能とみた。
表 5-3-5-3 廃食油の利用可能量
項目
利用可能量
数値
備考
2,319 GJ/年
64
5-3-6 し尿・汚泥
(1)潜在賦存量
し尿・汚泥の潜在賦存量としては、それらをメタン発酵して得られるガスの発熱量を想
定した。
表 5-3-6-1 し尿・汚泥の潜在賦存量の算定式
Q=g×1,000×H×B×M
式
各項の説明
Q:潜在賦存量
g:し尿・汚泥発生量(t/年)
H:し尿・汚泥のガス発生量原単位(㎥/㎏)
B:発生ガス中のメタン成分含有度(60%とする)
M:メタン発熱量(8,550kcal)
表 5-3-6-2 し尿・汚泥の潜在賦存量
項目
数値
①し尿・汚泥量
11,757 Kl/年
②年間バイオガス発生量
96,446 m3/年
③バイオガス中のメタン濃度
④メタンガス量
⑤メタン発熱量
⑥潜在賦存量
⑦熱量変換
備考
0.6
60%
53,045 m3/年
8,550 kcal/m
②×③
3
453,537 Mcal/年
1,899 GJ/年
④×⑤÷1,000
⑥×4.186÷1,000
(2)利用可能量
利用可能量としては、ボイラーでの熱利用を想定し、潜在賦存量の全量を利用可能とみ
た。
表 5-3-6-3 し尿・汚泥の利用可能量
項目
①潜在賦存量
②ボイラー変換効率
③利用可能量
数値
備考
1,889 GJ/年
0.70
1,329 GJ/年
65
①×②
5-4 小水力エネルギー
(1)潜在賦存量
本町の小水力エネルギー潜在賦存量は、表 5-5-1 に示す式により算出する。
町内には関口川、織笠川の河川が存在している。このふたつの川の流量を用いて潜在賦
存量の算定を行うことにする。源流部を上流、河口部を下流として、川の落差をそれぞれ
300m、200mとする。流量は町役場のデータを用いた。本町における小水力のエネルギー
潜在賦存量は表 5-5-2 に示すとおりである。
表 5-4-1 小水力エネルギー潜在賦存量の算定式
算定式
Q=9.8×q×h×t
Q:潜在賦存量(kWh/年)
各項の説明
q:流量(㎥/s)
h:落差(m)
t:時間(8,760 時間)
表 5-4-2 小水力エネルギー潜在賦存量(年間)
流量(m3/s)
落差(m)
関口川
3.13
300
織笠川
0.5
200
合計
-
-
潜在賦存量
(MWh/年)
(GJ/年)
80,611
290,200
858
3,089
81,469
293,289
(2)利用可能量
利用可能量の算定に当たって、流量は潜在賦存量算定時の流量の 50%、落差は 2m を確保
できると仮定して算定を行う。本町における小水力エネルギーの利用可能量は表 5-5-4 に
示すとおりである。
表 5-4-3 小水力エネルギー利用可能量の算定
利用可能量
(MWh/年)
(GJ/年)
763
212
流量(m3/s)
落差(m)
関口川
1.57
2
織笠川
0.25
2
32
115
合計
-
-
244
878
表 5-4-4 小水力エネルギー利用可能量
項目
数値
備考
①潜在賦存量
293,289 GJ/年
②利用可能量
878 GJ/年
66
5-5 雪氷エネルギー
(1)潜在賦存量
雪氷エネルギーの潜在賦存量としては、本町全域の総積雪量から冷熱を採取した場合を
想定した。
表 5-5-1 氷雪エネルギー潜在賦存量の算定式
式
各項の説明
Q=A×S×P×(|T2|×α+T1×β+V)/10
Q:潜在賦存量(MJ/年)
A:年間降雪量(㎝)
S:土地面積(㏊)
P:密度(200 ㎏/㎥)
α:雪の定圧比熱(2.093kJ/㎏・℃)
β:融解水の比熱(4.186kJ/㎏・℃)
T1:放流水温(5℃とする)
T2:雪温(-1℃)
V:潜熱(335kJ/㎏)
表 5-5-2 氷雪エネルギー潜在賦存量(年間)
項目
数値
①降雪量
②地域の面積
③潜在賦存量
(単位)
備考
12 cm/年
263,440,000 m2
山田町面積
2,255,462 GJ/年
(2)利用可能量
雪氷エネルギーの利用可能量としては、可住地面積に対して 10%の面積に対する積雪を
集積して冷熱利用することを想定した。
表 5-5-3 氷雪エネルギー利用可能量
項目
①降雪量
②可住地面積
③利用率
④利用可能量
数値
(単位)
12 cm/年
26,080,560 m2
10%
22,329 GJ/年
67
備考
5-6 温度差エネルギー(地中熱)
(1)潜在賦存量
温度差エネルギーとしては、地中熱をヒートポンプによって採取し熱利用することを想
定し、潜在賦存量としては可住地面積すべてで熱利用することとした。
表 5-6-1 温度差エネルギー潜在賦存量の算定式
Q=S×X×N
式
各項の説明
Q:潜在賦存量(kWh/年)
S:熱利用面積(㎡)
X:熱利用面積・日当たり平均熱取得量 (0.1kWh/日・㎡)
N:年間日数(365 日/年)
表 5-6-2 温度差エネルギー潜在賦存量
項目
①可住地面積
数値
備考
26,080,560 m2
②熱取得量
0.1 kWh /m2・日
③年間日数
365 日/年
④潜在賦存量
⑤熱量変換
951,940,440 kWh/年
①×②×③
3,426,986 GJ/年
(2)利用可能量
利用可能量としては、世帯あたり 100m2 の面積に対して地中熱を利用することを想定
した。
表 5-6-3 温度差エネルギーの利用可能量
項目
①世帯数
②世帯当り熱利用面積
③熱利用面積計
数値
備考
6,699 世帯
100 m
山田町世帯数
2
669,900 m2
①×②
2
④熱取得量
0.1 kWh /m ・日
⑤年間日数
365 日/年
⑥潜在賦存量
⑦熱量換算
24,451,350 kWh/年
88,025 GJ/年
68
③×④×⑤
⑥×3.6/1,000
5-7 波力エネルギー
(1)潜在賦存量
波力エネルギーの潜在賦存量としては、本町の全海岸線における潮汐エネルギーとした。
表 5-7-1 波力エネルギー潜在賦存量の算定式
Q=F×0.49×(H1/3)2×T1/3×8,760×L
式
各項の説明
Q:潜在賦存量
F:有義波高 0.8m 以上の出現率
H1/3:1/3 有義波高(m)
T1/3:有義波周期(s)
L:海岸線の長さ(m)
表 5-7-2 波力エネルギー潜在賦存量
項目
数値
①有義波高出現率
31.95 %
②1/3 有義波高
0.9 m
③周期
8.7 s
④海岸線長さ
70,817 m
⑤潜在賦存量
2,737,618 GJ/年
備考
(2)利用可能量
波力エネルギーの利用可能量としては、発電を想定してタービン効率と発電効率及び海
岸線の利用可能率を 10%とみた。
表 5-7-3 波力エネルギー利用可能量
項目
①潜在賦存量
数値
2,737,618 GJ/年
②タービン効率
0.6
③発電効率
0.4
④海岸線利用率
⑤利用可能量
備考
10 %
65,703 GJ/年
69
5-8
潜在賦存量と利用可能量のまとめ
表 5-8-1 潜在賦存量と利用可能量のまとめ
新エネルギーの種類
太陽光利用
潜在賦存量
(GJ)
山田町の年間
エネルギー消費量
に対する割合(%)
利用可能量
(GJ)
64,916
5.9%
22,685
2.1%
5,192,699
74,903
6.8%
木質バイオマス
16,388,099
39,518
3.6%
畜産バイオマス
6,866
4,806
0.4%
農産バイオマス
39,635
27,745
2.5%
生ごみ
1,446
1,012
0.1%
廃食油
2,319
2,319
0.2%
し尿・下水汚泥
1,899
1,329
0.1%
293,289
878
0.1%
雪氷エネルギー
2,255,462
22,329
2.0%
温度差エネルギー
3,426,986
88,025
8.0%
波力エネルギー
2,737,618
65,703
5.9%
1,409,524,266
416,168
37.7%
太陽エネルギー
1,379,177,948
太陽熱利用
風力エネルギー
バイオマス
エネルギー
小水力エネルギー
合計
※山田町エネルギー消費量:1,105,331GJ
(GJ)
100,000
75,000
50,000
25,000
0
図 5-8-1 山田町の各新エネルギーの利用可能量一覧
70
5-9
山田町の新エネルギーの賦存状況からみた導入可能性
これまでの賦存量等の指標や技術状況等を踏まえて導入可能性について評価する。
【各評価項目について】
【内容について】
◎:導入の可能性が高いと考えられる新エネルギー
○:利点がある
○:導入の可能性があると考えられる新エネルギー
△:課題がある
□:条件等の検討が必要な新エネルギー
△:導入の可能性が低いと考えられる新エネルギー
□:留意点がある
新エネルギーの種類
賦存量 利用量 技術段階 評価
太陽光発電
◎
○
◎
◎
太陽熱利用
◎
○
◎
◎
風力エネルギー
○
○
○
△
○
○
◎
○
△
△
○
△
○
○
○
△
△
△
○
△
△
△
◎
○
△
△
○
△
小水力エネルギー
△
△
□
△
雪氷エネルギー
○
○
○
△
温度差エネルギー
○
○
□
□
波力エネルギー
○
○
△
□
木質バイオマス
エネルギー
畜産バイオマス
エネルギー
農産バイオマス
エネルギー
バイオマス(生ごみ)
エネルギー
バイオマス(廃食油)
エネルギー
バイオマス(し尿汚泥)
エネルギー
71
内容
○
○
○
○
○
○
○
○
△
○
○
○
△
○
△
○
□
△
△
○
△
△
○
□
△
○
△
△
○
△
○
○
△
○
□
□
賦存量は最も多い。
技術的には確立している
導入可能性は高い
賦存量は最も多い。
技術的には確立している
導入可能性は高い
賦存量は多い。
技術的には確立している
設置のための条件が厳しい
賦存量は多い
変換技術は幅広く適用可能性は高い
導入可能性は高い
賦存量は多くない
技術的には確立している
既に他の用途に利用されている
賦存量は多い
技術的には確立しているが例が少ない
資源の密度が低く、季節変動がある
賦存量は多くない
技術的には確立している
原料の分別、規模の確保が必要
賦存量は多くない
技術的には確立している
まちづくりの一環として考えられる
賦存量は多くない
技術的には確立している
エネルギー原料として質が低い
利用可能量は多くない
技術的には確立している
設置のための条件が厳しい
賦存量は多い
技術的は確立しているが汎用性低い
利用に適した積雪量には不足
賦存量は多い
技術的にはある程度確立している
施設新築時や家庭向けに検討可能
○
△
□
賦存量は多い
技術的にまだ確立していない
今後の技術動向によって検討