3 1 T-me『チーム』は、 帝京大学医学 部 附属病院と 地域の皆さんをつなぐ院内 報です。 Teikyo University Hospital me : Medical = 地域の皆さんのための医療 また「チーム」には、チーム医療(医師だけではなく、 Contents 目次 T : TEIKYO = 帝京大学医学部附属病院 看護師、 栄養士などさまざまなスタッフが no.3 連携して行う医療)の意味も込められています。 中垣デザイン事務所 アートディレクション・デザイン 中垣 呉 「病院の食事」 について、 取材・執筆 皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか ? 近年、 その病院の食事や栄養に関する取り組みが どんどん進んできています。 今回は、普段あまり見ることのない病院の台所、 栄養部 と 病院の食事に関わる人達に焦点をあて、 天野敦子 石川愛子 04 こまやかな 配 慮で豊かな 給 食へ 編集・制作 これからの病 院 食 hospital diet & nutrition 帝京大学本部大学 PR 推進室 10 体にうれしい毎日ごはん 病院食と栄養 発行 病 院 食に学ぶ 3号のテーマ 16 病 院 で 働 く 人々 2012 年 3 月 帝 京 大 学 医 学 部 附 属 病 院からのお知 らせ 発行年月 連載 News & Topics 18 萩原健太郎 進行管理 北田雄一郎 撮影 久家靖秀 最新の病院食についてご紹介します。 また、簡単にご自宅でも取り入れられるレシピも掲載。 永禮 賢 表紙イラストレーション・挿絵 久保雅子 健康な体づくりの基礎となる食事について、 皆さんに考えていただき、 日常の生活の中で 実践するきっかけとなれば、 と思います。 03 printed in japan 本誌掲載の写真、記事の無断転用を禁じます。 Copyright©2012 帝京大学 2 special issue これからの病 院 食 これからの病 院 食 こ ま やかな 配 慮 で た り す る 下 ご し ら え 場、 主 菜 か ら 写真 = text by kentaro hagiwara/photo by yasuhide kuge 久家靖秀 ど れ だ け 健 康 的 な 食 事 で あ っ て も、 副 菜、 デザートまでを作る調 理 場、 文/ = 誌 を 読 ん だ り、 と い っ た こ と が 楽 おいしく食べてもらわなければ意 萩原健太郎 しみの中 心になってしまうのでは 約 豊かな 給 食へ 私 達が生きていく上で最も重 要 な こ と の ひ と つ に、 ﹁ 食 べ る ﹂こ と 味 が な い と い う 考 え か ら、 近 年 で 人分 ないでしょうか。 だからこそ、 そ ﹂ などは、原 則として﹁病 院 食︵給 食︶ さらに入 院を余 儀なくされた場 合 べられる。 しかし、病 気にかかり、 が ら、 お い し い も の を た く さ ん 食 ば、 家 族 や 友 人 と 会 話 を 楽 し み な 然な欲 求といえます。 健 康であれ を食べたい﹂というのは、 人 間の自 な 楽 し み で も あ り、 ﹁おいしいもの 者さんに適した給 食を作ることが な ど に 留 意 し な が ら、 す べ て の 患 た 時 間 内 に、 衛 生 管 理 や 温 度 管 理 れません。 以 前は、 一 定の限られ くない﹂という印 象をお持ちかもし ひと昔 前に入 院された経 験があ る 方 な ら、 給 食 に 対 し て﹁ お い し 一 弘 先 生はいいます。 大 学 医 学 部 内 科 学 講 座 教 授の江 藤 ただきたいと考えています﹂と帝 京 のぶん食 事そのものを楽しんでい や冷 凍 庫、 食 材 を 洗 っ た り、 切 っ 清 潔 感 あ ふ れ る キ ッチ ン は、 入 荷してきた食 材を保 管する冷 蔵 庫 オリジナルの給 食 作り ひとりひとりに見 合った 実 際の調 理の現 場を しょうか ご紹 介します。 で、 ど の よ う に 作 ら れ て い る の で そ れ ら の 給 食 は、 ど う い っ た 場 所 が注がれるようになってきました。 は、 その﹁おいしさ﹂の追 求にも力 計 画 的に、 システマテ ィックに行わ 患 者 さ ん へ の 配 膳 に い た る ま で、 ﹁ 現 在、 帝 京 大 学 病 院 栄 養 部 で は、管 理 栄 養 士、栄 養 士、調 理 師、 ます。 フがテキパキと元 気よく働いてい どに分かれており、その中をスタ ッ ずつ盛り付けていく盛り付け場な 人 分もの食 事を があります。 同 時 に、 それは大き のお世 話になります。 最 優 先 で、 味 に つ い て の 配 慮 が 充 日 回、 日 休むこ 7 5 0 シピに沿った当 日の調 理 、 そして い ま す。 献 立 作 成 か ら、 そ の レ と な く、 入 院 患 者 さ ん に 提 供 し て 食を 回約 ﹁自 宅の食 卓には、 楽しみのひと つ で も あ る、 家 族 と の 団 ら ん の ひ 分とはいえませんでした。 しかし、 1 3 6 5 調 理 員が協 力して、 う し て も テ レ ビ を 見 た り、 本 や 雑 1 と と き が あ り ま す が、 病 室 で は ど 3 04 05 7 0 0 1 ? special issue これからの病 院 食 要とされるカロリーが異なる場 合、 ま た、 病 状 や 年 齢 な ど に よ り、 必 具を変 更するなどして対 応します。 摂 取できません。 そこで、 副 菜の これだけでは必 要なたんぱく質を 腐や野 菜などで代 替するのですが、 情 報 は栄 養 部 をはじめ、 各 部 署 と る看 護 師や医 師からのもの。 この これらの患 者さんに関する情 報 は、 最 も 患 者 さ ん に 近 い 場 所 に い さんのもとへ運ばれていきます。 せ ら れ た あ た た か な 食 事 が、 患 者 て、 温 度 調 節が可 能な配 膳 車にの 活 を 見 直 す き っ か け で あ り、 病 気 を借りれば、﹁病 院 食は日 頃の食 生 ではありません。 朝 倉さんの言 葉 そ う し て 作 ら れ て い る 給 食 は、 実は食べてもらうことだけが目 的 判 断ができるよう努めています。 では、 常 に臨 機 応 変、 かつ冷 静 な て 調 理 さ れ た 給 食 が、 す べ て の 患 しかし、それでもこのレシピに沿っ 疾 病 別に立てられた献 立は 回 種 類 あ り、 管 理 の食 事で約 都 美さん︶ 栄 養 士 が 中 心 と な り 作 成 し ま す。 ご は ん の 量 な ど で 調 整 を 行 い、 そ に対する療 養の見 本﹂でもあるから 者さんにそのまま適 用できるわけ 度は季 節や行 事 タ リ ア ン の 方 な ど、 患 者 さ ん ひ と の コ ン ト ロ ー ル が 必 要 な 方、 ベ ジ の変 化など連 絡が入ることもしば た、 病 棟 か ら 患 者 さ ん の 急 な 容 体 る場 合にはすぐに確 認します。 ま れ で も、 食 が 進 ま な い 方 や 栄 養 状 制 のメ ニ ュー も始 めています。 そ 患 者さんの嗜 好を取り入れた選 択 にちなんだ食 事が提 供され、 また、 、 りひとりに合わせたオリジナルの しば。 情 報 の 受 け 手 で あ る 栄 養 部 す。 その他にも、 塩 分や脂 質など のごはんも乳 幼 児や高 齢 者などの 附属病院栄養部勤務。管理栄養士。 で す。 そ の 意 識 向 上 の 一 環 と し 常勤講師などを経て、2010 年から帝京大学医学部 されています。 もちろん、 その情 病院栄養室、聖母大学非常勤講師、女子栄養大学非 オ ン ラ イ ン で 結 ば れ、 有 効 に 活 用 大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。聖母 た め に、 お か ゆ が 用 意 さ れ て い ま 1979 年女子栄養大学栄養学部卒業。2009 年早稲田 給 食 が 毎 食 作 ら れ て い ま す。 そ し 2 ではありません。 ある日の献 立を もとに説 明してみましょう。 その日の昼 食の主 菜は、﹁海 老 炒 り 卵 ﹂。 し か し、 患 者 さ ん の 中 に は、 海 老 や 卵 に 対 す る ア レ ル ギ ー を持つ方もいます。 その場 合、 豆 1 れ て い ま す ﹂︵ 栄 養 部 課 長・ 朝 倉 比 asakura hitomi 朝 倉 比 都 美 さん て、 月 に ルを組み合わせていくかのよう」(朝倉さん) 報 を 鵜 呑 み に は せ ず、 疑 問 点 が あ 搬入される材料表をチ ェックする様子。工程の細か 1 06 07 な部分も含めた献立を考える作業は、 「まるでパズ 2 5 0 これからの病 院 食 これからの病 院 食 態 が 著 し く 悪 い 方 に つ い て は、 医 師、 管 理 栄 養 士、 看 護 師、 薬 剤 師、 理 学 療 法 士、 臨 床 検 査 技 師、 ︶ で 協 議 し、 事 務 職 員 ら で 結 成 さ れ た、 栄 養 サ ポートチーム︵ などに関する公 開 講 座も開 講して 地 域、 一 般 の方 向 けに日 頃 の食 事 学 病 院 では、 患 者さんはもとより、 給 食の改 善 、 および給 食を通し ての指 導に力を入れている帝 京 大 生 活 習 慣 病 予 防の第 一 歩 普 段の食 事を見 直すことが られます﹂︵朝 倉さん︶ 同 時に大きな使 命 感と充 実 感を得 ま す。 常 に 緊 張 感 は あ り ま す が、 で問 題の解 決に当たることができ 互いにチームとして連 携すること 師 や コ メ デ ィカ ル も 多 い の で、 お * 養 の ス ペ シ ャリ ス ト と も い え る 医 そ の よ う な と き で も、 こ こ に は 栄 い症 例に遭 遇することがあります。 ﹁帝 京 大 学 病 院のような第 一 線 の 病 院 で は、 こ れ ま で に 経 験 の な 改 善を図ります。 N S T ﹁糖 尿 病 を予 防するためには、 何 よ り も 肥 満 に な ら な い こ と が 大 事。 食 事、 運 動が大きく関 係しますが、 そ の 中 で も、 栄 養 の 管 理 は 重 要 で す。 講 座では、 その理 論をわかり やすく伝えることに力を入れてい ます。 ま た 既 に 糖 尿 病 な ど 持 病 の あ る 方 に は、 個 別 の 栄 養 指 導 を 受 けられることをおすすめしていま す。 検 査も大 切ですが、 日々の食 事 へ の 意 識 を 高 め、 栄 養 士 さ ん か らの客 観 的 評 価に耳を傾けること も重 要です﹂︵江 藤 先 生︶ で は 糖 尿 病 に な り や す い 人 に、 傾 向などはあるのでしょうか。 ﹁かつては自 宅での食 事が中 心で したが、 近 年、 各 世 代とも高 脂 肪 日 平 均の歩く歩 数 の外 食をする機 会が多くなってき て い ま す。 レスを感じる人の割 合もかなり増 も 減 少 し て お り、 仕 事 な ど の ス ト 簡 単にできることは、 体 重のチ ェッ り、 そ の 頃 と 比 べ て 体 重 が キロ いないベスト体 重だといわれてお 歳 頃の体 重が余 分な脂 肪のついて クです。 ひとつの目 安として、 20 ます。 に取り組んでい ざまな啓 蒙 活 動 などに関するさま 丸 と な り、 食 事、 栄 養 、腹 メ デ ィカ ル の ス タ ッフ が チ ー ム 一 帝 京 大 学 病 院 で は、 こ の よ う に 病 院 の 内 外 で、 医 師 を は じ め、 コ 切です﹂︵江 藤 先 生︶ 囲 等の数 値をチ ェックすることが大 は 健 康 診 断 を 受 診 し、 れ肥 満が増えています。 年に一 度 ように見えても内 臓 脂 肪の多い隠 い。 あと、 最 近は一 見やせている 度は体 重を測るようにしてくださ が出てきます。 ですから、 週に一 以 上 増 加していれば注 意する必 要 10 B M I き点とは何なのでしょうか。 えています。 そのような現 代にお 糖尿病および代謝・内分泌疾患。 います。 たとえば生 活 習 慣 病であ 学医学部内科学講座教授。専門分野は い て は、 す べ て の 人 が 糖 尿 病 や そ どの経験を持つ。2010 年から帝京大 る糖 尿 病に対しての療 養 講 座もそ 留学、ハーバード医科大学での勤務な の予 備 軍の潜 在 的 候 補といえるで 勤務、マサチューセッツ総合病院への のひとつ。 では糖 尿 病 予 防のうえ 病院内科、朝日生命糖尿病研究所での しょう。 そうならないために一 番 1988 年東京大学医学部卒業。同附属 で普 段の食 事について心がけるべ eto kazuhiro 江 藤 一 弘 教授 08 *―各専門分野に分かれ業務を行う、医師以外の医療従事者のこと。 09 1 special issue special issue special issue 病 院 食に学ぶ + 健 康は日 頃の食 事とも深い関 係 が あ り ま す。 お い し さ は も ち ろ 病 院 食に学ぶ 体にうれしい 永禮 賢 文/ = 写真 = る病 院 食に学ぶことはできないで 〝栄 養〟について最も考えられてい い も の。 そ こ で、 〝おいしさ〟と 実 際に毎 日 続けることは中々難し が け る こ と が 大 切 で す。 し か し、 るという目 的もあります。 一 食 に ﹁ 病 院 食 に は 食 事 療 法 の 他 に、 自 分に合った食 事の内 容を学 習す 体 型で食 事の量は変わってきます。 を 考 え ま す。 常 食 で も、 年 齢 や こ う し て、 で き る 限 り 患 者 さ ん ひとりひとりに合うように栄 養 面 考 え ま す。 主 菜 が 揚 げ 物 で あ れ ﹁ 定 食 の よ う に、 主 食、 主 菜、 副 菜、 汁 物 と い っ た 組 み 合 わ せ で ︵里 見さん︶ 自 己 管 理もできるようになります﹂ 石川愛子 text by aiko ishikawa/photo by satoshi nagare 毎 日 ごはん の 食 事 ︶で も、 体 型 な ど に 合 わ せ 段 階に分けます﹂︵里 見さん︶ し ょ う か。 帝 京 大 学 医 学 部 附 属 お け る ご は ん の 量 や、 塩 分 の 加 減 ば、 副 菜 の サ ラ ダ の ド レ ッシ ン グ て 病 院 の管 理 栄 養 士 である里 見 麻 利 を 実 感 す る こ と で、 退 院 し て か ら に は 油 を 使 わ な い な ど、 一 食 で の ん、 栄 養 バ ラ ン ス の よ い 食 事 を 心 子さんに病 院 食の考え方について の食 生 活にも役 立つようにと考え バ ラ ン ス や、 和 洋 中、 肉 や 魚 など 日サイクルで偏らな いように配 慮します﹂︵里 見さん︶ の 傾 向 も、 で は、 献 立 の 内 容 は ど の よ う に 決めていくのでしょうか。 病 院 食は組み合わせ 教 え て い た だ き、 そ れ を も と に、 ています﹂︵里 見さん︶ 帝 京 大 学 病 院 栄 養 部では、 食 事 についてよく知るための取り組み このように組み合わせで考える の が 病 院 食 の 献 立 の 基 本。 調 理 のひとつとして、﹁糖 尿 病 教 室﹂を 定 期 的 に 開 い て い ま す。 受 講 者 法や素 材もたくさんの種 類を取り し た。 食 卓 に も 、 病 院 食 の よ い に は、 糖 尿 病 と 上 手 に つ き 合 う た 夕 飯の献 立を立ててもらいアドバ ﹁ 〝これを食べれば病 気にならな い〟というものはありません。 塩 入 れ る こ と で、 自 然 に 栄 養 バ ラ ン イ ス を し た り と、 適 量 を 実 感 し て 辛 い も の に は、 塩 分 を 排 出 さ せ る め の 食 事 に つ い て、 お 茶 碗 に 一 食 は じ め に、 病 院 食 の 献 立 は 何 か ら考えていくのでしょうか。 覚えてもらう工 夫をしています。 スも整っていきます。 ﹁まずは、 エネルギー、 たんぱく 質、 脂 質、 塩 分 量などの栄 養 基 準 ものを考えてあげるとよいですね ﹂ る な ど、 足 り な い も の や、 補 え る カリウムの含まれた野 菜を合わせ ﹁何より自 分 自 身の食 事に興 味 を 持 っ て い た だ く こ と が 大 切 で す。 種 類にな り ま す。 常 食 ︵ 食 事 制 限 の な い 人 別の食 事だけでも を作 成していきます。 それが病 気 意 識 を し て 食 べ る こ と で、 自 然 と 食べることに意 識を向ける 28 分 の ご は ん を よ そ っ て も ら っ た り、 ところを取り入れていきましょう。 もできる献 立を作っていただきま 料 理 家の新 谷 友 里 絵さんに家 庭で 5 10 11 2 5 0 糖尿病教室 食事について生活の中で役立つ 糖 尿 病 の 基 礎 知 識 や、 検 査 値、 ポイントなどを、医者、臨床検 査技師、管理栄養士がそれぞれ に担当してお話しします。患者 さん以外でも、興味のある方は 回、予約制。お問い合わせ:栄 どなたでも参加できます。月 4 養部 03-3964-1211(代) special issue special issue 病 院 食に学ぶ 病 院 食に学ぶ )材料(2 人分) に ん じ ん 1/3 本、 れ ん こ ん 80g、 黄 パ プ リ カ 1/2 個、A[水 1/2 カップ、米酢大さじ 4、砂糖大さじ 2、 塩小さじ 1/2] ◎ 作り方 1. にんじん、れんこんは半月切り、パプリカは種を とってひと口大に切る。小鍋に A を入れて中火にか け、ひと煮立ちしたら火を止めてあら熱をとる。 2. たっぷりのお湯でれんこんをゆでる。透き通っ + てきたらにんじん、パプリカを加えてさっとゆで、 材料(2 人分) ざるにあける。あら熱のとれた 1 の甘酢を保存袋に 手羽先 6 本、塩小さじ 1/4、A[ねぎの青い部分 1 入れ、水気を切った野菜を加えて 2 ∼ 3 時間漬ける。 本分、しょうが薄切り 2 枚、水 2 カップ、酒 1/4 カッ プ]、豆乳 1 カップ、味噌大さじ 2、しょうゆ小さじ 1、 ごま油大さじ 1/2、しょうが 1 片、キャベツ 100g、 )材料(2 人分) きぬさや 8 枚、にんじん 1/4 本、しいたけ 2 枚、も アスパラ 4 本、スナ ッ プエンドウ 60g、A[プレー やし 1/2 袋、中華麺 2 玉 ンヨーグルト大さじ 3、粒マスタード小さじ 1、塩、 ◎ こしょう適宜] 作り方 1. 手羽先は塩をまぶして下味を付ける。しょうがは ◎ 作り方 千切り、キャベツはざく切りにし、きぬさやは筋を 1. アスパラは根元を落として下半分の皮をむき、3 とる。にんじんは短冊切り、しいたけは薄切りにす 等分に切る。スナップエンドウは筋をとる。小さめ る。 の器に A を合わせておく。 2. お湯に塩少々を加え、アスパラ、スナップエンド 2. 鍋に A と手羽先を入れて中火にかけ、沸騰した らアクをとって弱火にし、ふたをして 30 分ほど煮 ウをゆでる。火が通ったらざるにあけよく水気を切 る。手羽先、ねぎ、しょうがを取り出し、豆乳、味 る。スナップエンドウは二つに裂いて、アスパラと 噌、しょうゆを加えて調味し、ひと煮立ちしたら火 ともに器に盛り、A のドレッシングを添える。 を止める。手羽先は骨を取り除いてほぐし、スープ に加える。 3. フライパンにごま油を熱し、1 のしょうがを炒め る。香りが出たらにんじん、キャベツを炒め、しん なりしたらもやし、しいたけ、きぬさやを加えて炒 める。 4. たっぷりのお湯で中華麺をゆで、ゆであがったら 水気をしっかり切って器に盛る。3 の野菜をのせて 2 のスープを注ぐ。 1 人分:642kcal、塩分量 3.8g にんじんとれんこんとパプリカの甘酢漬け 1 人分:92kcal アスパラとスナップエンドウのヨーグルトドレッシング 1 人分:43kcal 「脂質」 の多い主菜に合わせる副菜 2 品 野菜いっぱい「塩分」控えめラーメン にんじんとれんこんとパプリカの甘酢漬け 豆 乳タンメン ︵里 見さん︶ 、 ﹁バラン ﹁組み合わせで考える ﹂ スを整える﹂ 、 ﹁食 事に興 味を持つ﹂ 。 病 院 食 の 考 え 方 は、 ど れ も 難 し い こ と で は あ り ま せ ん。 で は、 私 達 が 普 段 よ く 口 に す る も の で、 生 活 習 慣 病 予 防のためにも意 識した い、 脂 質、 塩 分、 糖 分のとり方に つ い て、 新 谷 さ ん 考 案 の 献 立 を ご 紹 介します。 脂 質にはさっぱりとしたものを と ん か つ や 唐 揚 げ な ど、 脂 質 の 多 い 主 菜 に は、 酸 味 の あ る 副 菜 を 合わせます。 〝にんじんとれんこん と パ プ リ カ の 甘 酢 漬 け 〟 は、 脂 っ こい口の中をさっぱりとさせます。 備 菜としてたくさん作っておくの ﹁甘 酢 漬けは日 持ちがよいので、 常 もおすすめ﹂︵新 谷さん︶ 。 〝アスパラガスとスナ ップエンド ウのヨーグルトドレ ッシング〟は、 ヨーグルトと粒マスタードの酸 味 で、 緑 と 白 の 見 た 目 も 爽 や か な サ ラ ダ。 油 を 使 わ ず、 何 に で も よ く 合 う ド レ ッシ ン グ な の で、 他 の 料 理にマヨネーズの代わりとして 2 使ってもカロリーが抑えられます。 品 だ け で、 緑 黄 色 野 菜 この や根 菜などに含まれる栄 養もたく さんとれます。 ﹁ 最 初 に野 菜 から食 べると、 食 物 繊 維が血 糖の上 昇を 緩やかにしてくれます﹂ ︵里 見さん︶ 。 ラーメンは塩 分 量を意 識して ー プ の〝 豆 乳 タ ン メ 手 作りス ン 〟 は、 塩 分 は 抑 え ら れ て い ま す が、 手 羽 先 の う ま 味 と 豆 乳 の コ ク が た っ ぷ り の 具 材 か ら は、 塩 分 を でしっかりとした味わいに。﹁野 菜 排 出 す る カ リ ウ ム や 食 物 繊 維 が、 スープの豆 乳からもたんぱく質や 少 量 で す が 鉄 分 も と れ て、 一 皿 で 定 食のようなバランスのよさです ね ﹂︵ 里 見 さ ん ︶ 。 スープをとった . 手 羽 先 も、 具 材 にな っ ていて無 駄 がありません。﹁塩 分 量は と、 通 常 の ラ ー メ ン よ り 抑 え て あ ります。 味 噌は塩 辛さをみて分 量 を加 減してください﹂︵新 谷さん︶ 。 13 3 8 g アスパラとスナップエンドウのヨーグルトドレッシング 12 special issue 病 院 食に学ぶ ) 材料(4 個分) かぼちゃ 250g、オレンジジ ュ ース大さじ 2、はち みつ大さじ 1/2 ◎作り方 1. かぼちゃは皮をむいてひと口大に切り、鍋に入 れる。ひたひたの水を加えて中火にかけ、 竹串がすっ と通るまでゆでる。 2. やわらかくなったらざるにあけて水気を切り、鍋 に戻してマッシャーなどでなめらかにつぶす。オレ ンジジュース、はちみつを加えて混ぜ、弱火にかけ て木べらで混ぜながら水分をとばす。ぽってりひと まとまりになったらバットにあけてあら熱をとる。 3. 4 等分にして一つずつラ ッ プにのせ、きゅっと 絞って茶巾にする。 1 個分:52kcal 自然な甘みで「糖 分」 も安心のおやつ かぼちゃのオレンジきんとん 糖 分は自 然な甘みのおやつで 新 谷 さ ん が﹁ か ぼ ち ゃ は 腹 持 ち も よ い の で、 小 腹 が 空 い た と き の おやつに﹂ と作ってくれたのは、 〝か ぼちゃのオレンジきんとん〟 。 オ レンジジ ュースのやさしい酸 味が、 かぼちゃの自 然な甘みを引き立て ます。 ﹁簡 単にできて、 β カロテン す ね ﹂︵ 里 見 さ ん ︶ 。 ﹁かぼちゃが甘 や食 物 繊 維もたっぷりのおやつで 15 け れ ば、 は ち み つ を 入 れ な く て も スタイリングを手がけている。 大 丈 夫です﹂︵新 谷さん︶ 。 立。主に雑誌などで料理開発や これらは生 活 習 慣 病 予 防とあえ て 意 識 を し な く て も、 普 通 に お い 後、祐成二葉に師事したのち独 しくいただける献 立です。 病 院 食 料理家、管理栄養士。大学卒業 には制 限のある食 事というイメー niya yurie ジもありますが、 〝制 限〟と捉える 新谷友里江さん(右) わ ず に、 病 気 と の 暮 ら し を サ ポ ー 養相談なども担当。 の で は な く、 食 べ る 楽 し み を 損 な 栄養部に所属。糖尿病教室や栄 トするものなのです。 学研究科卒業後、帝京大学病院 ご家 庭でも健 康 的な食 生 活を 目 指 し て、 食 べ る こ と を も っ と 2010 年日本女子大学大学院家政 楽しんでみま satomi mariko せんか。 里見 麻利子さん(左) 14 連[ 載 ] 埼 玉 県 立 大 学 ) を 卒 業 後、 1998 年 よ り 帝 京 大 学 医 学 大学研究員を経て、1995 年より 部附属病院中央検査部勤務。 帝京大学医学部外科講師、2006 日本静脈経腸栄養学会認定 福島 亮 治 教授 年より同教授。医学博士。 NST 専門療法士。 fukushima ryoji People Working for Teikyo University Hospital 病 院 で 働 く 人々 栄 養 不 良の患 者さんを いち早く見つけ出す とは栄養サポートチーム の こ と。 多 職 種 の チ ー ム で 患 者 さ ん の 栄 養 管 理 を 支 援 し ま す。 帝 京 の一員として患者さんの血 液データをもとに栄養状態をチ ェッ クしています。 ﹁ 臨 床 検 査 技 師 と し て、 検 査 値 が 高いか低いかだけでなく読み込ん で分析し、患者背景をふまえたデー タを提供できるよう心がけていま す。 が ん や 腸 の 炎 症 疾 患 の 方、 高 齢の方などは栄養状態が低下しや す く、 入 院 中 は 検 査 や 治 療 の た め に 食 事 が 制 限 さ れ た り、 環 境 の 変 化により食欲が落ちたりして栄養 不 良 に な る 方 も 多 い の で、 デ ー タ ︵泉さん︶ の動きに注意しています﹂ の メ ン バ ー は、 第 、 週 月 曜 日 に ミ ー テ ィン グ を 行 い、 に介入依頼のあった栄養状 4 に 専門療法士 2 大学医学部附属病院の は 、 医 師・ 管 理 栄 養 士・ 看 護 師・ 人 が 所 属。 み な 自 ら 手 薬剤師・理学療法士・臨床検査技師・ 事務員ら を挙げてチームに参加しています。 の 最 も 重 要 な 役 割 は、 栄 養不良の患者さんをいち早く見つ け 出 す こ と。 栄 養 状 態 が 悪 い と 治 療 効 果 が 上 が り に く く、 病 気 の 回 復 が 妨 げ ら れ る こ と も あ る た め、 早期発見早期改善が大切です。 専門療法 臨床検査技師で 士 の 泉 雅 子 さ ん は、帝 京 大 学 病 院 協力を得ながら の資格を取得しました。 ﹁ラウンドした患者さんが順調に の仕事に %が栄 態が思わしくない患者さんについ て の 対 応 を 話 し 合 い ま す。 そ の 後 ベ ッド サ イ ド に 赴 き ︵ ラ ウ ン ド ︶患 者さんに食事量や嗜好などを伺い ま す。 ま た、 皮 下 脂 肪 の 厚 み の 測 定なども行い総合的に栄養状態を 評 価。 担 当 医 や 病 棟 看 護 師 と 協 力 泉 さ ん は、 職 場 の 仲 間 や 上 司 の し、 栄養状態の改善に結びつけます。 世界的に問題となっていることな の で す。 と く に 食 道 が ん や 胃 が ん などのために栄養をとりにくい方 週間前から栄 は 要 注 意 で す。 栄 養 不 良 が あ る 患 者 さ ん は、 手 術 の は、 患 者 さ ん の 栄 養 状 態 を 面 で も 重 要 性 が 増 し て い ま す。 基 礎。 体 力 だ け で な く 免 疫 と い う が 早 い の で す。 栄 養 は 命 を 支 え る ﹁口から食事をとれる人は回復 せて行います。 、静 脈 栄 養 ︵ 点 滴 ︶を 組 み 合 わ る︶ に入れたチ ューブから栄養剤を注入す 栄 養 療 法 は、 患 者 さ ん の 状 態 に よ っ て、 食 事、 経 腸 栄 養 ︵ 胃 や 腸 かっています﹂ り、 創 の 治 り が よ く な る こ と も わ が 向 上 し ま す。 術 後 の 合 併 症 が 減 養 状 態 を 改 善 す る と、 手 術 の 成 績 養剤や高カロリー輸液の投与で栄 2 回 復 し た と き は、 大 き な や り が い を 感 じ ま す ﹂と い い、 若 い 臨 床 検 査 技 師 も あ と に 続 いてほしいと願っています。 人の命の基 礎である 栄 養を支える専 門 集 団 の治療 栄養管理は病気の治療に欠かせ な い も の で す。 薬 物 療 法、 放 射 線 療 法、 手 術 療 法 と 並 ぶ 第 チ ェア マ ン の 福 島 を、 立 ち 上 げ 当 時 か ら 牽 引 帝京大学医学部附属病院の な注目を浴びています。 法 と し て、 ﹁ 栄 養 療 法 ﹂が い ま 大 き してきた 亮治先生は次のように説明します。 ∼ ﹁ 先 進 国 に お い て も 一 般 に、 入 院 している患者さんの 養不良の状態にあるといわれてい ま す。 し か し、 栄 養 不 良 の 頻 度 が 高 い こ と は、 医 療 ス タ ッフ に あ ま り 認 識 さ れ て い ま せ ん。 こ れ は、 的 確 に 評 価 し、 栄 養 不 良 の 原 因 を 探 り、 最 も 適 し た 改 善 法 を 提 案 す ︵福島先生︶ る専門集団なのです﹂ 職種や診療科の垣根を越えて活 。確 か な 存 在 感 で 質 動する の高い医療を支えています。 N S T 外 科 医・NS T チェアマン 後、東京大学医学部第一外科入 局。米国オハイオ州シンチナチ 16 17 N S T N S T N S T N S T 4 izumi masako 埼玉県立衛生短期大学(現 Number 19 N S T 泉 雅子さん 1983 年北海道大学医学部卒業 N S T N S T N S T 40 泉 雅子さん 02 N S T 30 福島亮治教授 N S T N S T N S T 臨 床 検 査 技 師・ N S T 専 門 療法 士 または院 内 掲 示で発 表いたします。 不 定 期での開 催となるため、 詳 細 につきましては当 院のホームページ、 してくれます。 テ ィアで、 季 節にあった演 奏 を披 露 方 や職 員、 時にはプロの方 がボラン ましたいと、 東 京 音 楽 大 学の学 生の ます。 病と闘っている患 者さんを励 ュニテ ィストリート 病 院1階のコミ にて、ロビーコンサートを開 催してい TEIK YO UNIVERSIT Y H O S P I TA L N e w s &To p i c s 素 敵な演 奏をお楽しみください。 今 年の 月より、 病 院に隣 接する 新 校 舎がオープンします。 技 術 学 部の学 生 が共に学ぶ、 最 先 大 学 病 院 との 連 携 による 講 義・ 実 習など、 医 学 部、 薬 学 部、 医 療 端の医 療 現 場 と 直 結した理 想 的 な 教 育 環 境が整います。 薬 剤 部 医 薬 品 情 報 室では、 医 薬 品の適 正な使 用が行われることを目 的に、 日々更 新されていく医 薬 品 情 報 ︵ 緊 急 安 全 性 情 報、 医 薬 品 等 安 全 性 情 報、 添 付 文 書 改 定 情 報、 薬 事 委 員 会 報 告 等︶ 、 書 籍、 文 献 類 等のさ まざまな資 料 を 収 集 整 理し、 管 理 しています。 また、 院 内だけでなく、 他の医 療 機 関 等 でみられた 副 作 用 等の安 全 性 情 報も積 極 的に収 集しています。 それらの最 新 情 報 を 評 価、 編 集 し た D Iニ ュースや﹁ 採 用 医 薬 品 集﹂を発 行し、 病 院 職 員 連 絡 ︵メー ル︶や電 子カルテのインフォメーション 画 面 等を介して速やかに院 内 医 療ス タッフへ発 信しています。 帝 京 大 学 病 院では、﹁がん﹂ や﹁脳 梗 塞﹂といった気になる病 気の原 因や 予 防 法、 さらには最 新の治 療 法につ 師が詳しく解 説する動 画サイト﹁帝 いて、 医 学 部 教 員 を 中 心 と する 医 京メディカル﹂を開 設しています。 医 師のインタビューだけでなく、アニメー ションや映 像 資 料を用いて、 わかりや すく紹 介していますので、 是 非一度 ご覧になってみてください。 各コンテ サイトのトップページからご覧いただ ンツは、 帝 京 大 学 医 学 部 附 属 病 院 けます。 h t t p : / / w w w. t e i k y o - u . a c . j p / hospital/ 随 時 募 集 し てお り ま す。 活 動 内 帝 京 大 学 病 院でボランティア活 動 をしていただける方、 または団 体 を 容・ 活 動 時 間についてはご相 談に応 じます。 資 格や経 験は問いませんの さい。 で、 興 味のある方は是 非ご連 絡くだ [活 動 内 容] ・外 来 手 続き案 内、 検 査 受 付 案 内 ・自 動 支 払 機 案 内 ・患 者 図 書 整 理 ︵移 動 図 書︶ ・患 者 交 流スペースの管 理 ※その他の活 動 内 容はご相 談ください。 ・各 種 催し物 [お問い合わせ先] 帝京大学医学部附属病院 ︵代 表︶ 03-3964-1211 患者相談室 電話 HOSPITAL 病気についての知識を深める「帝京メディカル」 ボランティア募集のお知らせ 18 19 ニーズにあった情 報 を 選 択し、 よ りよい医 療につながる情 報 を提 供で UNIVERSITY 附属病院に隣接する新校舎が誕生します! 薬剤部 医薬品情報室からのお知らせ 4 きればと思っています。 TEIKYO Te i k y o U n i v e r s i t y H o s p i t a l N e w s & To p i c s Te i k y o U n i v e r s i t y H o s p i t a l N e w s & To p i c s 帝 京 大 学 医 学 部 附 属 病 院からの お知らせ ロビーコンサート開催のお知らせ Te i k y o U n i v e r s i t y H o s p i t a l N e w s & To p i c s no.3 帝京大学 〒 173-8605 東京都板橋区加賀 2-11-1 TEL:03-3964-1211(代表) URL:http://www.teikyo-u.ac.jp/hospital/ 院内報についてのお問い合わせ先 帝京大学医学部附属病院広報委員会 E-mail:[email protected] 20
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