慢性複雑性 尿路感 染症 に対す るCefmenoxime - 日本化学療法学会

JULY
CHEMOTHERAPY
724
慢 性 複 雑 性 尿 路 感 染 症 に 対 す るCefmenoxime(SCE-1365)と
Cefotiamと
の二 重 盲 検 比 較 検 討 成 績
石神
嚢 次 ・守 殿
貞 夫 ・黒 田
泰 二 ・片 岡
陳正
神戸 大学医学部泌尿器科学教室
百瀬
俊 郎 ・中 牟 田誠 一・・蓑 田
国広
九州大学医学 部泌尿器 科学 教室
熊
沢
浄
一
佐賀医科大学外科学講 座泌尿器 科部門
宮
崎
重 ・羅
成
蛮
大阪 医科 大学泌尿器科学教室
坂
本
公
孝 ・大
島
一
寛
福 岡大学医学部泌尿器科学教室
石
沢
靖
之 ・長
田
幸
夫
宮崎医科 大学 泌尿器科学教室
古
沢
太
郎
京都 第二 赤十字病院泌尿器科
広 岡 九 兵 衛 ・島
谷
昇 ・井
関西労災病院泌尿器科
伊
藤
谷
登
社会保険神戸 中央病 院泌尿器科
高
斎
藤
橋
靖
昌
神 鋼病院泌尿器科
博 ・中
野
康
治
神 戸労災病院泌尿器科
大 野 三 太 郎 ・田 寺 成
姫路赤十字病院泌尿器科
範
黒
田
清
輝
兵 庫県立 尼崎病 院泌尿器科
大
島 秀 夫 ・小 川 隆 義
兵庫県立加古川病院泌尿器科
真
弓 研 介 ・原 田 益
西脇市立西脇病院泌尿器科
大
部
亨 ・志 田 健 太 郎
明石市立市民病院泌尿器科
片
善
岡
頌
雄
赤 穂市民病 院泌尿器科
淳
1982
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
日
根
725
野
卓
神戸掖 済会病院泌尿器科
安
室
朝
三
新 日鉄広畑病院泌尿器科
原
信
平
田
二 ・大 前
原泌尿器科
耕
博
志
造 ・森 田 一 喜 朗
国立福岡中央病院泌尿器科
江
本
侃
一 ・神
崎
仁
徳
秋
人
浜 の町病院泌尿器科
原
三
信 ・山
口
医療法人三信会原病 院泌尿器科
永
芳
弘
之
新 日鉄八幡病院泌尿器科
稗
田
定
北 九州市立小倉病院泌尿器科
尾
本
徹
男 ・八
木
拡
朗
九州厚生年金病院泌尿器科
佐
藤
伸
一
済生会八幡病院泌尿器科
小 嶺 信 一 郎 ・木 下 徳
宮崎県立宮崎病院泌尿器科
平
野
雄
遙 ・水 之 江 義 充
国立別府病院泌尿器科
平 田
弘 ・北 田真 一 郎 ・内藤
誠二
広島赤十字病院泌尿器科
松
瀬
幸
太
郎
済生 会中津病院 泌尿器科
秋
田
康
年 ・藤
沢
明
生
大 津赤 十字 病院泌尿器科
出
村
幌
北 摂病院泌尿器科
(昭和56年9月25日
Cefmenoxime(CMX・SCE-1365)の
慢 性複 雑 性 尿路 感 染 症 に対 す る有 用 性 を 客 観 的 に評 価 す る
た め二 重 盲 検 法 に よ り・CMXとCefotiam(CTM)と
1)全
受 付)
の 群 間 比 較 試 験 を 行 な い 下 記 の結 果 を得 た。
症 例 を 一 括 した 総 合 臨 床 効 果 お よび 有 用 性 判 定 にお い てCMX群
優 れ て い た(P<0.001)。
はCTM群
に比 べ 有 意 に
CHEMOTHERAPY
726
また,CMX群
JULY
の膿 尿 の 改善 率 お よび細 菌 尿 の 改善 率 は,CTM群
1982
に 比 較 して 有 意 に高 値 を示 し
たP<0.05,(P<0.001)。
2)
層 別 解 析 の結 果,ほ
とん どの 層 に お い てCMX群
で カテ ー テル 留 置 群(第1群)で
有 意 にCTM群
群 が 有 意 にCTM群
を 示 した(P<0.05)。
4)
は
よ びP<0.01)。
の 総 合 臨 床 効 果 お よび 細 菌 尿 の 改 善 率 もCMX
よ り優 れ て い た(そ れ ぞ れP<0.01,P<0。001)。
細 菌 学 的 効 果 の 検 討 ではSerratiaの
CTM群
よ り優 れ て い た 。 特 に 単 独 感 染
よ り優 れ て い た(そ れ ぞ れP<0.05,P<0.001お
また,混 合 感 染 で カテ ーテ ル 非 留 置 群(第6群)で
3)
はCTM群
の 総 合 臨 床 効 果,膿 尿 お よび 細 菌 尿 の 改善 率 を み る とCMX群
ま た,Ecoliお
菌 消 失 率 に お い て 有 意 にCMX群
がCTM群
よ り高 値
よび グ ラ ム陰 性 桿 菌 全 体 で の菌 消 失率 に お い てCMX群
が
よ り優 れ る傾 向 を 示 した(P<0.1)。
副 作 用 はCMX群119例
中1例(0.8%),CTM群121例
検 査 値 の 異 常 発 現 例 はCMX群9例,CTM群8例
中1例(0.8%)に
認 め られ,臨 床
に 認 め られ た が,特 に 重 篤 な もの は な く,い ず
れ も投 与 終 了 後 治 癒 ま た は 正 常 値 に 復 して い た。
以 上,CefmenoximeはCefotiamと
Serratia感
の対 比 に お い て,臨 床 的 に も従 来 難 治 性 といわ れ て い た
染 症 に ま で有 効 で あ り,慢 性 複 雑 性 尿路 感 染 症 に 対 す る抗 生 剤 と して きわ め て 有 用 性 の
高 い 薬 剤 と考 え られ た 。
近 年,尿
路 感 染 症 の 起 炎 菌 の うち で グ ラ ム陰 性 菌 の 占
め る 割 合 は 約80%と
検 出菌 の 大 部 分 を 占め て い る 。 と
構 造 と 類 似 し て い る2,3)。
本 剤 のi基礎 お よ び 臨 床 的 検 討 成 績 は す で に 第28回
くに 尿 路 に 基 礎 疾 患 を も つ複 雑 性 尿 路 感 染症 で は 最 近
本 化 学 療 法 学 会 総 会(1980年)の
Serratiaを
い て 発 表 さ れ 次 の よ うな 特 徴 が あ げ ら れ た4)。
は じ め と しindole(+)Proteus,Entero-
bacler,Citrobacter,Psmoomoms
aeruginosaな
ど
1)
新 薬 シ ソ ポ ジ ウ ムに お
第 二 世 代 の セ フ ェ ム 系 抗 生 剤 に 比 べEscherichia
の い わ ゆ る 弱 毒 性 グ ラ ム 陰 性 桿 菌 の 比 率 が 年 々増 加 傾 向
coli,Klebsiella,Proteus
に あ る こ と が 注 目 さ れ て い る1)こ
Proteus,Enterobacter,Citrobacter,Serratiaな
と よ り,こ
れ らの 菌 を
mirabilis,indole(+)
起 炎菌 とす る尿 路 感 染 症 に 有 効 な抗 生 剤 の 開 発 が 望 まれ
に 対 す る 抗 菌 活 性 がinvitro,invivoと
る。
β-lactamaseに
今 回,武
田薬 品 中 央 研 究 所 で開 発 され た 新規 の 注 射 用
1365)はFig.1に
示 す よ う な 化 学 構 造 を も ち,7位
と し て,aminothiazolyl-methoxyiminoacetyl基
位 側 鎖 に はtetrazole環
側鎖
を,3
ま で 拡 大 さ れ て い る。
19∼29で
り,本
有 効 率 が65%(268/412)と
投 与量
優 れ た成 績 で あ
疾 患 に対 し満 足 す べ き臨 床 効 果 を示 し て い る。細
菌 学 的 効 果 に お い て も 除 菌 率 がE.coli94.9%,Kle-
を 有 し,Cefotiam(CTM)の
Chemical structure of cefmenoxime
and cefotiam (CTM)
も に 優 れ
雑 性 尿 路 感 染 症 に 対 す る 治 療 成 績 は1日
bsiella92.6%,P.mirabilis
Fig. 1
ど
対 し て も安 定 で あ る。 ま た抗 菌 スペ ク ト
ル の 面 に お い て もSerratiaに
2)複
セ フ ェ ム 系 抗 生 剤 で あ るCefmenoxime(CMX,SCE-
日
(CMX)
100%,Proteus
100%o
morganii
100%
100%,Enterobacter73.3%
熱,療
rettgeri
0
あ りそ の 内 容 は 発 疹
痒 感,悪
上 昇,穎
tam系
,下
感 な どで 重 篤 な副 作 用 は 認 め られ
て い な い 。 ま た 臨 床:検 査 値 の 異 常 発 現 例 はGOT上
GPT上
よび
ど優 れ た効 果 を 示 し て い る
作 用 発 現 率 は2.3%で
痢,発
vulgaris
,Citrobacter75%お
Serratia77.8%な
3)副
,Proteus
,Proteus
昇
,
昇,Al-P上
昇
粒 球 減 少,好
酸 球 増 多 な ど で あ る が ,他 の β-lac-
,BUN上
昇,血
清 クレ ア チ ニン
抗 生 剤 と 同様 に そ の頻 度 は 少 な い
以 上 の 成 績 を ふ ま え,わ
。
れ わ れ は 本 剤 の慢 性 複 雑性 尿
路 感 染 症 に 対 す る 有 用 性 を よ り客 観 的 に 評 価 す る 目 的
で,CTMを
対 照 薬 剤 と し た群 間比 較 に よ る本 剤 の二 重
盲 検 比 較 試 験 を,神
戸 大 学,九
州 大 学 とそ の関 連 施 設 の
泌 尿 器 科 に お い て行 な っ た の で そ の成 績 を 報 告 す る
。
CHEMOTHERAPY
VOL.30No.7
I.
1.
試
験
方
法
727
か った 。
マ ン ニ トー ル 添 加CMXと
試 験 期 間 お よび 対 象
試 験 期 間 は1980年7月
か ら1980年12月
までであ っ
同 等 性 につ い て は,CTMと
非 添 加CMXと
同 様 に ビー グル 犬 を用 い た
た 。 対 象 は 試 験 参 加 施 設 に 入 院 中 の 尿路 に 基礎 疾患 を も
基 礎 実 験 の成 績 に て 確 認 した後(Fig.2),さ
つ 慢 性 複 雑 性 尿 路 感 染 症 患 者 で,UTI薬
健 康 成 人 男 子 を 対 象 にcross-over法
(第二 版)5)に 従 い年 齢 は16歳
効 評 価 基 準
以 上,膿 球 数5個/hpf以
上 の 膿 尿 お よび 尿 中 生 菌 数104個/ml以
上 と し,対 象 患
者 に は 試 験 開 始 前 に試 験 内 容 を充 分 説 明 し同 意 を 得 た 。
2.
れ1gを1時
対 照 薬 剤:CTM19(力
よびCTMに
果 は,Fig.3に
示 す よ うに 両 製 剤 間 の血 中 濃 度 推 移 お よ
液,肝 機 能 検 査 お よび総 腎 機 能 検 査 に 異 常 値 を 示 した も
価)/vial
の も認 め られ な か った 。 な お,血 中 お よび 尿 中濃 度 の測
価)/vial
定 はP.mirabilisATCC21100株
は 一 定 量 の マ ンニ トール を 添 加
ル ご とに 黄 色 透 明 の フ ィル ムで 包 み,外 観 の均 一 化 を は
Plasma levels of CMX
intravenous
administration
in beagle
dog
を 検 定 菌 と した薄 層
カ ップ法 で行 な った。
し,両 剤 の か さ が 同一 に な る よ うに し,さ らに 各 バ イア
Fig. 2
間 点 滴 静 注 に て 投 与 し,投 与 直 後 か ら6時
び尿 中排 泄 率 に差 は 認 め られ ず,ま た 投 与 前 後 の 末 梢 血
試 験 に用 い た薬 剤 は下 記 の2薬 剤 で あ る 。
CMXお
らに3人 の
に て両 剤 の それ ぞ
間 ま で の血 中 濃 度推 移 お よび 尿 中 排 泄 率 を 検 討 した。 結
使用薬剤
被 験 薬 剤:CMX19(力
の製 剤 間 の
今 日臨床 に 使用 され て い る 代 表 的 な 注 射 用 セ フ ェ ム系
抗 生剤 に は,い わ ゆ る 第 一 世 代 群 に 属 す るCefazolin
(CEZ),Cephalothin(CET),Ceftezole(CTZ),Cepha-
after
pirin(CEPR)な
どが あ る が,こ れ らは 冒頭 に 述 べ た最
近 の起 炎 菌 の 実 態 に 照 ら して 考 え る時,抗 菌 スペ ク トラ
ム お よび 抗菌 力 の 面 か ら本 剤 の対 照 薬 剤 と して は 不 適 当
と考 え られ た 。 また 著 者 ら6)のCTMとCEZの
比較試験
の成 績 お よび 日常 の 診 療経 験 か ら も,抗 菌 活 性,有 効 性
お よび 安 全 性 の 面 か らCEZよ
りCTMが
よ り妥 当 な対
照 薬 剤 で あ る と判 断 した 。
な お,両 剤 と も武 田薬 品 工 業 株 式 会 社 よ り提 供 を うけ
た もの で あ る。
3.
薬剤の割付け
あ らか じめ コ ン トロー ラ ーが 両 薬 剤 各 々2症 例 分,計
4症 例 分 を1組
と し無 作 為 に割 付 け を行 な い,番 号順 に
患 者 に 投 与 す る こ と と した。
Fig. 3
Plasma levels and urinary
infusion
excretion
(Cross over, n=3,
of CMX in 3 healthy
D. I. time=60
min:
male adults after intravenous
Base 5% TZ 250m1)
drip
CHEMOTHERAPY
728
コ ン トロ ー ラ ー は 東 京 医 科 歯 科 大 学 ・佐 久 間 昭 教 授 に
依 頼 し,keycodeの
為 割 付 け,両
保 管,両
薬 剤 の識 別 不能 性,無
薬 剤 の力 価 の 公平 性,keycodeの
JULY
て 行 な っ た。MICは
作
日本 化 学 療 法 学 会 標1準 法(培 地:
HeartInfusionAgar(栄
開封お
JC2株
研),対
り,接 種 菌 量108cells/mIお
対 す る 保 証 を 依 頼 した。
金 耳 で測 定 した。
用 法 ・用 量 お よび 投 与 期 間
6.
各 種 臨 床 分 離 株 のMIC分
布 の 成 績 な らび に 血 中 濃 度
お よび 尿 中排 泄 率 の 成 績,さ
らに著 者 らの 臨 床 使 用 経
験7∼9)からCMXの
照菌:EcolfNIHJ-
お よびStaphylococcus aureis209
よび 開 封 後 の デ ー タ の不 変 更,統 計 処 理 の 公 平 性 な どに
4.
1982
P株)に
よ
よび106cells/mlの1白
除 外 お よび脱 落 規 定
対 象 に な る患 者 を 選 択 す る際,次
の よ うな 患 者 を 除外
す る こ と と した 。
投 与 量 を1回19,1日2回(29/日)
1)
で 効 果 が期 待 で き る と判 断 した。
セ フ ァ ロス ポ リン,ペ ニ シ リ ンな どに ア レルギ ー
の 既 往 の あ る患 者 。
成績
2)
CMXま
らに 先 の
3)
妊 婦 お よび授 乳 中 の患 者 。
の 比較 試 験
4)
重 篤 な 腎,肝 機 能 障 害 患 者 。
の 成績6),お よび 著 者 らの 使 用 経 験 な どを 勘 案 し て1回
5)
薬 効 判 定 が 困 難 と考 え られ る患 者 。
19を1日2回(29/日)と
開 票 前 の 検 討 で 次 の症 例 は除 外 ま た は脱 落 と して取 り
CTMの
用 量 も 同 じ く,各 臨 床 分 離 株 のMICの
な らび に血 中 濃 度 お よび 尿 中 排 泄 率 の 成 績,さ
慢 性 複 雑 性 尿 路 感 染 症 を 対 象 に したCEZと
した 。
薬 剤 は1回1vialを5%キ
溶 解 し約1時
点 滴 静 注 す るの を 原 則
と した 。
投 与 期 間 はUTI薬
日間(10回
投 与)と
内 反 応 が 陽 性 の患 者 。
扱 った 。
シ リ トール 溶 液300mlに
間 か け て 朝,夕2回
た はCTM皮
1)
対 象 条 件 に合 致 しな い症 例 。
2)
用 法,用 量,投 与 期 間,併 用 薬 な どで著 し く原則
を 逸 脱 して 実 施 され た症 例 。
効 評 価 基 準(第 二 版)5)に 従 い5
した。 な お 本 試 験 実 施 中 に重 篤 な
副 作 用 を 認 め た 時 ま た は症 状 の 増 悪 を きた した場 合 は投
3)
そ の他,薬
7.
効 果 お よ び有 用 性 判 定
効 判 定 委 員 会 が 不 適 当 と認 め た症 例。
薬 効 判 定 委 員会(石
与 を 中 止 す る こ と と し,抗 菌 剤 も し くは 本 試 験 に対 す る
神 嚢 次,百 瀬 俊 郎,熊 沢 浄一,中
効 果 お よび 副 作 用 評価 に 影 響 を 及 ぼ す と考 え られ る薬 剤
牟 田誠 一,黒
の 併 用 は 行 なわ な い こ と と した 。
果,膿 尿 に対 す る 効 果,細 菌 尿 に対 す る効 果,細 菌学的
5.
検 査,一
目)と 投 薬 終 了24時
1)
臨床効果
UTI薬
間以内
効 評 価 基 準(第 二 版)5)お よび そ の補 遺5)に 準
じて薬 効 判 定 委 員会 が1981年1月12日
(ま た は そ の 翌 日)に 実 施 し た 。 これ らの 検 査 の うち 尿
中 細 菌 数 に つ い ては,ウ
よび主 治医 に よ る治療効
果 判 定 と有 用 性 判 定 に つ い て 検 討 を 行 な っ た。
示 す よ うに 尿検 査 ・ 尿 細 菌 学 的
般 臨 床 検 査,副 作 用 の観 察 お よび体 温 測 定 な ど
に つ い て 投 薬 開 始 日(0日
よ る臨 床 効 果 判 定(総 合 臨床効
効 果,発 熱 に対 す る 効 果),お
観 察 項 目お よび 観 察 日
観 察 項 目はTable1に
田 泰 二)に
よび 臨 床 効 果 の判 定 を 行 な い,さ
リカル ト(R)(第 一 化 学 薬 品)に
よ りそ れ ぞ れ の施 設 で菌 量 を測 定 し,菌 種 の 同 定 お よび
各 研 究 施 設 の代 表 者 に よ ってkeycodeが
MICの
上 記 判 定 の 再 確 認 を 行 な った 。
測定は神戸大学医学部泌尿器科学 教室で 一括 し
Table
1
Trial
schedule
に 除 外,脱 落お
らに1981年2月5日
開 かれ る前に
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
Table
Table
Table
4
Criteria
3
2
729
Grade
Criteria
of pyuria
for pyuria
bacteriuria
膿 尿 に つ いて はそ の程 度 をTable2の
分 類 記 載 され て い る も のをTable3の
Table
よ うに5段 階 に
基 準 に 従 って 正 常
5
Overall
clinical
efficacy
も検 討 した 。 発 熱 に対 す る効 果 は,UTI薬
効評 価 基 準
で は 自他 覚 的 症 状 は 原 則 と して と りあ げ な い こ とに な っ
化,改 善,不 変 の3段 階 に判 定 した。 ま た 細 菌 尿 は,
て い るが,最 高 体 温 の推 移 につ い て も検討 す る こ とに し
Table4の
た の でTable6に
基 準 に 従 い 陰 性 化,減 少,菌 交 代,不 変 の4
段 階 に 判 定 す る こ と と した が,混 合 感 染 例 は総 菌 数 で判
示 す 基 準 に従 い平 熱化,改
定 した 。総 合 臨 床 効 果 は 膿 尿 お よび 細 菌 尿 の推 移 に も と
2)
づ き,Table5の
主 治 医 は 各 自の 判 定 基 準 に よ り著 効,有
基 準 に 従 って 著 効,有 効,無 効 の3段
階 に判 定 した。
細 菌 学 的 効果 の 判 定 は 混 合 感 染 例 を 含 め て分 離 菌 株 ご
善,不 変 の
3 段 階 に 判 定 した 。
主 治 医 に よ る治 療 効 果 と有 用 性 判 定
効,や や 有
効,無 効 の4段 階 に 臨 床 効 果 判 定 を行 な った 。 さ らに 副
作用 な どを考 慮 に い れ て 各 症 例 ご とにFig.4に
示す線上
とに消 失 ま た は 存続 の い ず れ か に 判 定 し,こ れ を も とに
に主 治 医 の 有 用 性 に 対 す る 印象 を マ ー ク した 後,非 常 に
菌 消 失 率 を求 め た。 ま た 投 与 後 出現 菌,菌 交 代 につ い て
満 足 を起 点 と しそ れ か らの 距 離(mm)を
測 定 した 。
JULY
CHEMOTHERAPY
730
Table
6
Criteria
for
highest
body
temperature
Table
Fig. 4
Drug
1982
7
Results
of contents
of test
drugs
日 の 膿 尿 お よび 最 高 体 温 に つ い て検 討 した。 そ の結 果は
usefulness
Table10に
示 す よ うに 診 断 名 以外 は 両 薬 剤 群 間 に い ず
れ も偏 りは な か っ た。 な お診 断 名 の うち 前 立 腺 術後 感染
症 例 数 に つ い て はCMX群
が 有 意(P<0.05)にCTM
群 よ り多 く認 め られ た が,効 果 比 較 に 際 しCTM群
に不
利 に な る 因 子 とは 考 え られ な か った 。
8.デ
ー タの 取 り扱 い
薬 剤 投 与 前 分 離 菌 に つ い て菌 種 名,総
試 験 終 了 後,各 施 設 代表 者 立 会 い の も と に全 症 例 の 調
査 表 記 載 内 容 を 確 認 し,除 外 例,脱 落 例,投
与中止例の
解 析 方 法 と して は デ ー タの 性 質 に 応 じ て 解 検 定,
FIsHERの
直 接 確 率 計 算 法,MANN-WHITNEYのU検
な どを 用 い,検 定 の 有 意 水 準 は原 則 と して 両 側5%を
効果 判 定
総 合 臨 床 効 果,膿
果,細
菌 学 的 効 果,発
採
療 効 果,主 治 医 に よる 有 用 性 判 定 の 成 績 は 次 の とお りで
試
験
成
1)
績
総合臨床効果
CMX群
検 討 薬 剤 の 含量 試 験 結果
薬 剤 割 付 け 時 に コ ン トロ ー ラ ーが 無 作 為 に抽 出 した サ
ンプル に つ き,試 験 開 始 前 に 両 薬 剤 の半 数 を,残
りは コ
で は 著 効24例,有
効 率(著 効+有
ン トロ ー ラ ーが 保 管 した うえ,試 験 終 了 直 後 に それ ぞ れ
京 都 薬 科 大 学 微 生 物 学 教 室 に依 頼 して薬 剤 の 含 量試 験 が
(Table12)。
行 な わ れ た 。 そ の結 果 はTable
7の よ うに い ず れ も規 格
検討症例数
で あ っ た。 この うち効 果 判 定 可 能 症 例 お
あ った。 そ の 内 訳 は,
お よび 副 作 用 判 定 か ら除 外 したCMX群
変62例
変46例
たCTM群
で
で は正 常
で 改 善 率40.4%で
あ
の 改 善 率 が 有 意 に高 値 を示 した(P<0.05)
用 性
の1例 は,他 の
細菌 尿 に対 す る 効 果
CMX群
不 変24例
またCTM群
で は 陰 性 化63例,減
で は 陰 性 化29例,減
不 変38例
った 。
値 を 示 した(P<0.001)。
症 例 の背 景 お よび 群 間 の 等 質 性
背 景 因 子 と して 性,年 齢,診 断 名,疾 患 病 態 群 別(UTI
薬 効 評 価基 準5)によ る),尿 路 以 外 の 合 併 症,手 術,留 置
カ テ ー テ ル,本 剤 使用 前 の化 学 療 法,併 用 薬,投 与 開 始
少4例,菌
交 代16例,
で 改 善 率(陰 性 化+減 少)は62.6%で
抗 生 剤 と併 用 され て お り,投 与 回 数 も不 足 した 症 例 で あ
3.
善26例,不
善)57.0%,ま
善18例,不
り,CMX群
3)
作 用 検 討 症 例 は240例(CMX
示 す とお りで あ った 。 な お 効果,有
あ り,
(Table13)。
よび 有 用 性 判 定 症 例 は と も に211例(CMX群107例,
群119例,CTM群121例)で
で は著 効16
で 有 効 率42.3%で
で は正 常 化35例,改
化24例,改
で,CMX群120例,
たCTM群
で有
膿 尿 に対 す る効 果
改 善 率(正 常 化+改
薬 剤 を投 与 した 総 症 例 数 は241例
CTM群104例)で,副
効60例
効34例
が 有 意 に 高 い 有 効 率 を 示 し た(P<0.001)
CMX群
に 合 致 す る も の で あ っ た。
CTM群121例
2)
効49例,無
効)68.2%,ま
例,有 効28例,無
CMX群
Table8,9に
熱 に 対 す る効 果,主 治 医 に よる治
あ る。
II.
2.
尿 に対 す る 効 果,細 菌 尿 に対 す る効
定
用 した。
1.
そ の 結果 い
ず れ も両 薬 剤 群 に ほ ぼ 均 等 に分 布 して い た。
4.
取 り扱 い お よび デ ー タ解 析 法 な ど につ い て 決 定 した 。
菌 数,MICの
分 布 を両 群 に つ い て 比 較 し た(Table11)。
で 改 善 率30.8%で
少3例,菌
あ り,CMX群
あ り
交 代34例,
が有意に高
な お菌 交 代 率 はCMX群14.9
%(16/107),CTM群32.6%(34/104)で
あ り,CTM
群 が 高 い 菌 交 代 率 を 示 した(Table14)。
4)
細菌学的効果
全 症 例 の分 離 菌 に つ い て菌 種 別 に 薬 剤投 与 後の 消 朱 抹
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
Table
Table
This
case
was
also
excluded
for
9
8
No. of cases
side
effects.
731
Patient
studied
of exclusions
or drop
outs
732
CHEMOTHERAPY
Table
10
Background
JULY
characteristics
1982
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
Table
11
Comparison
of MIC
value
733
between
CMX
and CTM
groups
Table
Table
12
Overall
clinical
12
efficacy
Z0= 3.377( P< 0.001)
Ex.
x2 =1.276(N.S.)
Ex.+ Nlod. x2= 13.310 (P< 0.001)
Table
13
Efficacy
Z0=2.289(P<0.05)
Cl
x2=1.975(N.S.)
Cl.+Dec.x2=5.187(P<0.05)
on pyuria
Table
13
CHEMOTHERAPY
734
Table
14
Efficacy
JULY
on bacteriuria
Table
Z0=4.100(P<0.001)
El.
x2=19.361(P<0.001)
El.+Dec.x2=20.219(P<0.001)
El.+Dec.+Rep.x2=4.402<P(0.05)
Table
△P<0.1,
*P<0,05
15
Bacteriological
response
14
1982.
VOL.30
Table 16
CHEMOTHERAPY
No.7
Efficacy on the highest body temperature
735
Table
16
Table
17
(pyelonephritis)
Z0=0.724(N.S.)
Nor.
x2=0.186(N.S.)
Nor.+Dec.x2=0.052(N.S.)
Table
17
Clinical
assessment
by urologist
Z0=2.976(P<0.01)
Ex.
x∠=3.188(P<0.1)
Ex.+Goodx2=8.029(P<0.05)
Fig. 5
Clinical
usefulness
by urologist
CTM群(61%)よ
り有 意 に 高 い 傾 向 を 示 し た(P<0.1)。
Klebsiella,
Enterebacter,
Psm60momsに
indole(+)Proteus,
お い て はCMX群
Citrobacterで
の方 が や や 高
は 逆 にCTM群
ず れ も有 意 の 差 で は な か っ た 。P.mirabilisで
群 と も に100%の
く,
の 方 が や や 高 か った が い
は両薬剤
菌 消 失 率 で あ っ た。 グ ラム陰 性 菌 全 体
と し て 菌 の 消 失 率 はCMX群78.8%,CTM群68.6%
でCMX群
が 優 れ る 傾 向(P<0.1)を
示 した。 分 離 菌 全
体 と し て み た 場 合 の 菌 消 失 率 で もCMX群7&1%(107
/137),CTM群69.7%(101/145)とCMX群
の方が高
か った が 有 意 差 は 認 め られ な か った 。
投 与 後 出 現 菌 株 数 はCMX群
も の はPseudomonas
(31,3%),両
で は57株
菌 種 で65.6%を
で あ り,う
Serratia17株(29.8%),両
Table
態 を 検 討 した(Table15)。
グ ラ ム陽 性菌(Staphylococcus,Streptococcus)で
はCTM群
の方 が や や 高 い 菌 消 失 率 を 示 した が 有 意 の差
で は な か った。
一 方 ,グ
ラム陰 性 桿菌 で は,SerratiaでCMX群
(79%)がCTM群(50%)よ
示 し(P<0.05),ま
り有 意 に 高 い菌 消 失 率 を
たE.coliで
もCMX群(94%)が
で は32株
で あ り,主
11株(34.4%),Y.L.O.
な
10株
占 め た 。 一 方,CTM群
ちPsmdomoms
20株(35.1%),
菌 種 で64.9%で
18 Overall impression score (0-82)
clinical usefulness by urologist
あ った
on
JULYI982
CHEMOTHERAPY
736
Fig. 6
Comparison
of profile
―
※1
※2
Staphylococcus, Streptococcus, E.coli,
Klebsiellu, P.mirabilis,
Indole(+)Proteus
Enterobacter,
Citrobacter
S.faecalis, Hafnia, Serratia, Pseudomonas,
Grucose nonfermented GNB
―CMX, ------CTM
Statistical
Statistical
△P<0.1,
**P<0.01
analysis :
analysis:x2test
*P<0
, ***P<0.001
x2test
.05
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
Table
Z0=3.309
19
Drug
Table
usefuhess
x2=3.355
(P<0.1)
0∼30
x2=11.364
<P<0.001)
Table
No. of cases
with
side
effects/
※
Total
No.
×100,※
20
※
of cases
Incidence
Total
of side
No. of cases
Total
No.
effect
with
of cases
side
effects/
×100
evaluated
: DiscontiRued due to side effect.
: Treatment
for side effect was necessary,
but continued.
: Treatment
for side effect was not necessary, and continued.
6)
(Table15)。
5)
19
(P<0.001)
0∼15
+++
++
+
737
発 熱 に対 す る効 果
腎盂 腎 炎 の 症 例 を 対 象 と した 。 改 善 率(平
善)はCMX群
は89.5%,CTM群
両 群 同等 の効 果 で あ った(Table16)。
主 治 医 に よる 治療 効果 の判 定
CMX群
は87.0%で
熱 化+改
あ り,
無 効20例
CTM群
無 効35例
で著 効33例,有
効41例,や
で 有 効 率(著 効+有 効)69.2%で
で は 著 効20例,有
で 有 効 率49.0%で
効31例,や
あ り,CMX群
や 有 効13例,
あ り,ま た
や 有 効18例,
が有意に高
738
CHEMOTHERAPY
JULY1982
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
Table
22
Abnormal
739
laboratory
findings
JULY
CHEMOTHERAPY
740
い 有 効 率 を 示 し た(P<0.01)(Table
7)
3)
17)。
ら の 距 離mm)の
「非 常 に 満 足 」か
累 積 百 分 率 をFig.5に
平 均 値 で はCMX群
で26.6(SD
示 した 。 評 点 の
19.2),CTM群
(SD21.3),中
央 値 で はCMX群
が 有 意 に 高 い 有 用 性 を 示 し た(P<0.001)
(Table
で23,
CTM群
区 切 り,そ
れ ぞれ 従 来 の 表 現 の
「満 足 」(++),「
(16∼30
不 満 」(±),「
あ りCMX群
6.
非常 に
0.001)(Table
し た(P<
複 雑 性 尿 路 感 染 症 に お い て は,背
景 と して の 諸 因 子 が
票
前 に と りきめ た主 要 な 因 子 に つ い て 層 別 解 析 を 行 な っ
副 作用 はCMX群
た。
患 病 態 群,留
置 カ テ ーテ ル の 有 無
感染
形 態,診
断 名,膿
尿,総
菌数 についてそれぞれ症例を層
別 し,総
合 臨 床 効 果,膿
尿 に 対 す る効 果 お よび 細 菌 尿 に
例 も投 薬 中 止 後,特
り グ ラ ム 陰 性 桿 菌 に 対 し て 抗 菌 ス ペ ク トル が 拡
大 し て い る た め,分
離 菌 をCTMの
Klebsiella,
Citrobacter)と,そ
Proteus,
Enterobacter,
示 す よ うに比 較 あ た
が,CTM群
よ り高 い 効 果 を 示 し た 。
0.01,
一 括 して 示 した 。 この うち薬 剤 の 影響 を 否 定
で きな か った 症 例 はCMX群9例,CTM群8例
た。 内 訳 はCMX群
昇,ビ
107cells/ml
応 菌 種 群 の み,そ
P<0.05)でCTM群
(P<
れ 以 外(P<
よ り有 意 に 高 い 有 効 率 を 示
は,疾
独 感 染(P<0,05),カ
胱 炎(P<0.05),膿
患 病 態 群 別 の 第1群(P<0.001),単
テ ー テ ル 留 置 症 例(P<0.01),膀
尿 の++
107cells/ml(P<0.05,P<0.1),CTM適
(P<0.1)で,CTM群
上
じ くGOT,
GPT,
小板 減 少1例 の 他 はCMX群
Al-Pの
で
と同
上 昇 で あ った 。
III.
考
案
注 射 用 セ フ ェ ム系 抗 生 剤 で あ るCMXの
複 雑 性 尿路感
染 症 に 対 す る治 療 効 果 を 客 観 的 に確 認 す る 目的 で二重盲
検 法 に よ るCTMと
の 比 較 試 験 を行 な った 。
つ い て は,い わ ゆ る第一世代
の注 射 用 セ フ ェム 系 抗 生剤 で あ るCEZに
比 べ,グ ラム
陰 性 桿 菌 へ の 抗 菌 力 が 数 倍 以 上 強 力 で あ る こ と,ま た,
Enterobacter,
Citrobacter,
indole(+)
Proteusに
第 二 世 代 の セ フ ェ ム系 抗 生 剤 で あ る こ とが 知 ら れ て お
り,著 者 らの 研 究 施 設 でCEZを
対 照 薬 とす るCTMの
二 重 盲 検 比 較 試 験 を 行 な った結 果,慢
性 複 雑 性 尿路 感染
半 量 で 同 等 以 上 の 有 効 性 を 示 す ことか
ら本 疾 患 に 対 し有 用 性 が あ る こ とを報 告 した。 一方,試
膿尿 に対 す る効 果
CMX群
上 昇,Al-Pの
リル ビ ン値 の上 昇 な どで あ り,一 方,CTM群
症 に対 しCEZの
した。
2)
であっ
で はGOT,GPTの
も抗 菌 スペ ク トル が 拡 大 され た こ とな どの 特 徴 を もつ,
P<0.1,P<0.05),
菌 尿 の106,
P<0.01),CTM適
テー
断 名 の 膀 胱 炎,腎
立 腺 術 後 感 染 症(P<0.1,
膿 尿 の+++ (P<0.05),細
0.1,
0.5,
染 形 態 の 単 独 ・混 合 感 染(P<0.05),カ
テ ル 留 置 ・非 留 置 症 例(P<0.05),診
20)。 いず れの症
薬 剤 投 与 前 後 の 臨 床 検 査 値 の 変 動 に つ い て は,Table
対 照 薬 剤 で あ るCTMに
は 疾 患 病 態 群 別 の 第1群,第6群(P<
盂 腎 炎,前
中1例(0.8%)
た 一 過 性 の変 動 で あ った。
総合臨床効果
P<0.01)感
で は121例
い ず れ の症 例 も,投 薬 終 了 後 す み や か に 正 常値 に復し
適 応 菌 種 群(Gram
りに つ い て 有 意 差 が 認 め られ た の は 下 記 の 層 で あ り,い
CMX群
のみ
は 消 失 した。
れ 以 外 の 菌 種 群 とに 分 け た層 別 解
析 も 行 な っ た 。 そ の 結 果 はFig.6に
1)
中1例(0.8%)に
に処 置 の必 要 な く数 日で 副 作用症状
は 好 酸 球 増 多1例,血
対 す る 効 果 を 指 標 と し て 両 群 を 比 較 し た 。 ま たCMXは
ず れ もCMX群
で は119例
起 因 す る薬 疹 と判 断 され 投 薬 が 中止 に な った
21,22に
E.coli,
P<
認 め られ た 。 本 症 例 は 中 等 度 の発 疹 が全 身 に 出現 したた
た た め 投 薬 が 中 止 され て い る(Table
臨 床 効 果 に 多 分 に 影 響 を 及 ぼ す と 考 え ら れ る た め,開
(+),
P<
に の み 軽 度 の 発 疹,全 身 違 和 感 お よび 尿 道 痛 が 認め られ
層別解析
CTMよ
P<0.01),細
P<0.05,
よ り有 意 に 高 い有 効率 を 示 した。
症 例 で あ る。 一 方,CTM群
19)。
す な わ ち,疾
P<0.05,
P<0.1),
副 作 用 お よび 臨 床 検 査 値 の 変 動
めCMXに
CTM群
が有意に 高 値 を 示
胱 炎 ・ 腎盂腎
P<0.01,
応 菌 種 の み,そ れ 以 外(P<0.001,
0.01)でCTM群
該 当 す る と し て み る と,「 非 常 に 満 足 」 お
38.5%で
5.
0.01),CTM適
(61∼82mm)に
「満 足 」 の 症 例 の 率 はCMX群62.6%,
テ ー テル 留 置 と非 留 置 症 例(P<0.01),膀
菌 尿 の105, 106, 107cells/ml(P<0.05,
「非 常 に 満 足 」(+++),
ま ず ま ず 」(+),「
不 満 」(-)に
よび
(46∼601nm),
0.01,
独 と混 合 感 染(P<0.01,P<0.001),カ
膿 尿 の+, ++,+++(P<0.05,
で39
18)。 事 前 に 定 め た 約 束 で(0∼15mm),
(31∼45mm),
は疾 患病 態 群 別 の 第1群,第6群(P<
P<0.001),単
炎 と前 立 腺 術後 感 染 症(P<0.05,
で36.4
で あ りCMX群
mm),
細 菌 尿 に対 す る効 果
CMX群
主 治 医 に よ る有 用 性 判 定
主 治 医 に よ る 有 用 性 の 評 点(Fig.4の
1982
(P<0.1),細
菌 尿 の106,
応菌種のみ
よ り有 意 に 高 い 有 効 率 を 示 し た 。
験 薬 剤 で あ るCMXはCTMに
抗 菌 力 が さ らに 増 強 され,ま
菌 スペ ク トル が 拡 大 され4),い
比 べ グ ラム陰 性 桿 菌 への
たSerratiaに
ま で その抗
わ ゆ る第 三 世 代 の セ フエ
ム系 抗 生 剤 に 属 す る もの とされ て い る。 した が って慢性
複 雑 性 尿 路 感 染 症 に対 す るCMXの
治療 効果 を 比 較 評価
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
Fig. 7
Statistical
analysis
△P<
*P<0
CMX
CTM
0.1,
(2 g/day)
(2 g /day)
Comparison
741
overall
clinical
efficacy
: itest
.05,
** P<0.01,
: CTM
:CEZ
***P<
0.001
(2 g /day) = ●:○
(4 g /day) = ○:▲
す るに あ た り現 在 広 く使 用 され て い る第 一 世 代 の セ フ ェ
腺 術 後 感 染 症 例 がCMX群
ム系 抗 生剤 を対 照 す る こ とも さ る こ とな が ら,す で に そ
(Table
れ よ り優 れ る こ とが確 認 され て い るCTMと
層 に お い てCMX群
比較 す る こ
とが 有 意義 と考 え られ る。 本 疾 患 は そ の病 態 が複 雑 か つ
CTM群
10),診
に 有 意 に 多 く認 め られ たが
断 名 に よる層 別解 析 に お い て もす べ て の
がCTM群
よ り効 果 が 高 く,ま た,
の前 立 腺 術後 感染 症 に対 す る 効果 が他 の診 断名
難 治 性 で あ る がゆ え に既 存 の抗 生剤 で は な お充 分 な 治療
の場 合 よ り効 果 が 良 い とは い え な い の で(Fig.6),こ
効果 を期 待 で き な い場 合 も少 な くな く,既 存 の抗 生剤 よ
偏 りは両 薬 剤 の効 果 を比 較 す る うえ で特 に 問題 とす べ き
りさ らに有 効 な薬 剤 が開 発 され 臨床 面 で 優れ た有 用 性 が
要 因 とは考 え られ なか った。 そ の他 の諸 因 子 で は 両 薬剤
確 認 され る な らば そ の意 義 は極 め て大 きい。
群 間 に特 に偏 りは認 め られ な か った。
本 試 験 の 対 象 とな った患 者 の 背 景 因 子 の検 討 で,前 立
今 回 の 試験 は 対 照 薬CTMの
の
投 与 量,投 与 方 法 を は じ
742
CHEMOTHERAPY
JULY
1982
VOL.30
NO.7
CHEMOTHERAPY
743
JULY
CHEMOTHERAPY
744
め と して試 験 方 法 が 著 者 ら6)が さ きに 報 告 したCTMと
CEZと
の比 較 試 験 で の そ れ と同 一 で あ る こ とか ら 総 合
臨床 効 果 に つ い て,参 考 の た め に 対 比 してみ た(Fig.7)。
全 体 の 総 合 臨 床 効 果 では 前 回 のCTMの
のCTMの
成 績6)と 今 回
成 績 が ほ ぼ 等 しい有 効 率 を示 した。
両 薬 剤 の 抗 菌 力 を よ く反 映 した 結 果 で あ り,CMX群
Y.L.O.が
比 較 的 多 い こ とか ら,CMXの
き課題 で あ ろ う。
MICと
菌 消 失 との 関 連 性 を み る た め に,薬 剤 投与前
の 主 な分 離 菌 の 接 種 菌 量106
非 留 置 群(第6群)でCMX群
つ い て 検 討 した(Table23,24)。
よ り優 れ て お り,CEZ,CTMで
は比 較 的 低 い 有 効 率 し
か 得 られ な か った これ らの群 に お い てCMXは
優れた臨
で のCMX群
な らび にCTM群
群 の 方 がCTM群
方,前
と低 く,Table
はCTM群
はCTM群
がCEZ
示 し,CMX群
で
よ り高 い 有 効 率 が 得 られ て い る。 ま た 混 合 感
染 の カ テ ー テル 留 置 群(第5群)で
もCMX群
群 よ り高 い 有 効 率 で あ っ た が,CMX
がCTM
1日19投
CEZ1日29投
与 を 比 較 した 河 田 ら10)の結 果 で はCMX
群 がCEZ群
よ り有 意 に優 れ た 臨 床 効 果 が 得 られ て い る。
カ テ ー テル 留 置 の有 無,感 染 形 態(単 独 感 染,混 合 感 染)
に よ り層 別 した 場 合 もCMX群
が 有意 に優れた臨床効
果 を示 した 。 カテ ーテ ル 留 置 症 例 で は 一 般 に膿 尿 の改 善
が 困 難 で 抗 生 剤 に よ る 明 らか な差 を 見 出 しに く く,CTM
全 般 的 に み る とCMX
が 低 い'菌種 が 多 く認 め ら
のMICは
その
上 で 菌 消 失 率 も45.8%(11/24)
15に 示 す とお り,CMX群
よ り菌 消 失 率 が 有 意(P<0.05)に
がCTM群
高 い の は両 剤 の 抗 菌
力 の 差 が 反 映 され た も の とい え る 。 な お,Pseudomonas
に関 して は,CTM群
与と
cells/ml
と菌 消失 とに
対 す るCTM群
ほ とん どが400μg/ml以
立 腺 術 後 感 染 症(第2群)で
cells/mlと108
のMIC値
よ りMIC値
れ た。 特 にSerratiaに
床 効 果 を 示 した こ とは 特 筆 す べ き こ と と い え よ う。 一
群 よ りさ らに 優 れ た傾 向(P<0.1)を
に
よ うな広 域 の
強 い抗 菌 力 を 有 す る抗 生剤 の 使 用 に 際 して 今 後 検 討 すべ
疾 患 病 態 群 別 に は,特 に難 治 性 で あ る単 独 感 染 の カ テ
ー テル 留 置 群(第1群),お
よび 混 合 感 染 の カ テ ー テル
の効 果 が 有 意 にCTM群
1982
と同 様CMX群45%と
消 失 は高 くな か った 。 この こ とは,カ
あ ま り菌
テ ーテ ル 留置,感
染 部 位,病 態 背 景 が 関 係 して い る もの と思 わ れ る が,
MICは
接 種 菌 量106cells/mlで
μg/mlで
1g投
あ り,Fig.3の
大 部 分 が12.5∼100
血 中濃 度 か ら勘 案 して も1回
与 で 充 分 な 有 効 血 中濃 度 が得 られ に くい こ とも大
い に 関 係 して い る もの と思 わ れ る。 したが って,こ の よ
うな 感 染 症 例 に は 抗 緑 膿 菌 剤 ま た は それ らと併 用 する方
群 で も カ テ ー テル 留 置 症 例 で は非 留 置 症 例 に比 べ膿 尿 の
が 実 際 診 療 に お いて は 優 れ た 効果 が 得 られ る もの と考え
改 善 率 が低 い が,CMX群
られ る。
で は カ テ ー テル の 留 置 ・非 留
置 に よる 差 が 認 め られ て な い(Fig.6)。
CMX群
こ の こ と が,
が カテ ーテ ル 留 置 症 例 に も高 い 総 合 臨 床 効 果 を
示 した 一 因 で あ り本 剤 の 特 徴 の 一 つ と考 え られ る。 次 に
混 合 感 染 症 例 ではCMX群>CTM群>CEZ群
とCMX
群 が最 も高 い有 効 率を 示 した。 これ は 混 合 感 染 症 例(第
5,6群)で
はindole(+)
Proteus,
Serratiaな
どの
分 離 頻 度 が 高 く,CMXが
これ らの菌 種 に対 す る抗 菌 力
お よび β-lactamase抵
抗 性 が 強 い こ とが 一 因 と考 え ら
れ る。 以上 の よ うにCMXは
慢 性 複 雑 性 尿路 感 染症 の難
治性 といわ れ る病 態 群 に対 して も,こ れ まで の セ フ ェ ム
系 抗 生剤 よ り優 れ た臨 床 効 果 を 示 す 薬 剤 で あ る とい え よ
う。
次 に 細 菌 学 的 効果 を み る と,Serratiaで
がCTM群
Preteusの
菌 消 失率 もCMX群
の方が高い
値 で あ った こ とは,こ れ まで の抗 菌 力 の基 礎 的 検 討 結 果
と一 致 して い る。 と りわ けSerratiaお
Proteusに
つ い てCMX群
%お よび100%と
よびindole
が 認 め られ た。
主 治 医 に よる有 用 性 判定 に つ い て もUTI薬
定 とほぼ 同様 で,CMX群
CMX群
(+)
でPseudomonas,
Serratiaが
Y.L.O.が
効評 価判
に比 べ 有 意 に高い
CMX群
の 副 作用 は 発 疹 の1症 例 のみ で あ り,本 剤に
特 異 の もの で は な い 。 また 臨 床 検 査 値 の変 動 と しては軽
度 のGOT上
昇,GPT上
昇,A1-P上
昇 お よび ビ リル ピ
ン値 の上 昇 が9例 認 め られ た が いず れ も投 与 終 了後 には
薬 剤 群 と もほ ぼ 同 程 度 と考 え られ る。
以 上 の 成 績 か ら慢 性 複 雑 性 尿 路 感 染 症 の 治療 薬 として
CMXはCTMに
多 く,
多 い。 これ は
比 べ 明 らか に 有 用 性 の 高 い 薬 剤 と考え
られ る。
文
の 菌 消 失 率 が それ ぞれ79.3
高 値 を 示 した こ とは新 薬 シ ン ポ ジ ウ
で はPseudomonas,
がCTM群
有 用 性 を 示 した。
献
1)
中牟 田誠 一, 熊 沢 浄一 , 百 瀬 俊 郎: 尿 路 感 染 分離
菌 の年 次的 変遷(第10報)。
西 日本 泌 尿 器 科431
703∼712, 1981
2)
GOTO,S.; M. OGAWA, A. TSUJI, S . KUWAHARA,
M. KONDO & M. KIDA : SCE-1365 , a new
ム4)で 報 告 され た成 績 と よ く一 致 して い る。 投 与 後 出現
細 菌 はCTM群
どを起 炎 菌 とす る難 治 性 複雑 性尿路
感 染 症 に 対 して,有 用 性 が 従 来 の 抗 生 剤 を 凌 駕す る効果
正 常 範 囲 内 値 に 回 復 して い た。 安 全 性 の 面 に お い ては両
はCMX群
よ り有 意 に 高 い 菌 消 失 率 を示 し,ま たE.coli,
indole (+)
以 上,本 剤 の 疾 患 病 態 群 別 で の 臨 床 効 果,細 菌 学的特
徴 か らSerratiaな
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
cephalosporin
ties.
: In
Current
Disease
3)
1 : 264•`266,
TSUCHIYA,
ZAKI,
&
K.
T.
K.
;
: In
fates
in
269,
vitro
OKAWA,
a
Infectious
A.
new
7)
TSUJI
and
Current
Che-
Disease
五 島 瑳 智 子,
Chemotherapy
1 :
大 越 正 秋,
: 88•`95,
河 村 信 夫:
motherapy
28(2):
路 感 染 症)
therapy
28:
沢 浄 一,
寛,
重,
石 沢 靖 之,
二,
妹 尾 康 平,
彦 坂 幸 治,
真 弓 研 介,
原
孝 彦,
南 里 和 成,
尾 本 徹 男,
中山
大部
宏,
佐 藤 伸 一,
DOUBLE
BLIND
AND
中 牟 田 誠 一,
秋 田 康 年,
原
江 本 侃 一,
安 藤 征 一 郎,
中山
健,
TEST
CEFOTIAM
COMPLICATED
夫,
therapy
10)
信
稗田
森 田 一 喜 朗,
原
稗 田
頼 男,
石 沢 靖 之,
藤 沢 保 二,
魚 住 二 郎,
三 信,
尾 本 徹 男,
永 芳 弘 之,
江本侃一
角 田 和 之,
八 木 拡 朗,
定,
小 嶺 信 一 郎,
弘,
蟹 本 雄 右,
小 幡 浩 司, 多 目
上 野 一 恵,
茂,
西 浦 常 雄,
山 崎 義 久,
性 尿 路 感 染 症 に 対 す るCefmenoxime(SCE-1365)
とCefazolinの
渡 辺 邦 友,
田 中 恒 男:
比 較 検 討 。Chemotherapy
1981
定,
RESULTS
IN THE
OF
CEFMENOXIME
TREATMENT
URINARY
TRACT
(SCE-1365)
OF CHRONIC
INFECTIONS
JOJI ISHIGAMI,SADAOKAMIDONO,YASUJIKURODAand NOBUMASA
KATAOKA
Department of Urology, School of Medicine, Kobe University
SHUNROMOMOSE,SEIICHINAKAMUTAand KUNIHIROMINODA
Department of Urology, School of Medicine, Kyushu University
JOICHIKUMAZAWA
Division of Urology, Department of Surgery, Saga Medical College
SHIGERUMIYAZAKIand SEIKEI RA
Department of Urology, Osaka Medical College
KIMITAKASAKAMOTO
and KAZUHIROOSHIMA
Department of Urology, School of Medicine, Fukuoka University
YASUYUKIISHIZAWAand YUKIOOSADA
Department of Urology, Miyazaki Medical College
名出
黒 田 恭 一.
大 川 光 央,
912∼929,
大楠雅
1981
加 藤 直 樹,
三信
相戸
肇
蓑 田
の 使 用 経 験 。Chemo-
: 877-887,
岡野
永芳弘
山 口
中洲
神 崎 仁 徳,
平 田
永
田中 史
慢性複雑性尿路感染症 に 対 す る
29 (S-1)
河 田 幸 道,
出
1981
百 瀬 俊 郎,
大 島 一 寛,
木 下 徳 雄,
吉 崎 一 博,
秋 田 康 年,
の 使 用 経 験 。Chemo-
坂 本 公 孝,
宮 崎 徳 義:
1981
: 831•`835,
宮 崎 良 春,
守
複雑性尿路感染症 に 対 す る
Cefmenoxime(SCE-1365)
杉
原
836∼853,
松 瀬 幸 太 郎,
熊 沢 浄 一,
平 田 耕 造,
国 広,
大 前 博 志,
太 田 康 弘,
山 口 秋 人,
熊
守,
高 田 健 一,
亨,
伊 東 健 治,
黒 田
重:
(S-1)
相 戸 賢 二,
大島一
三 田 俊 彦,
田 中 邦 彦,
森 田 一 喜 朗,
宮崎
29
秋 人,
百 瀬 俊 郎,
坂 本 公 孝,
古 沢 太 郎,
大 島 秀 夫,
平 田 耕 造,
収,
浩,
幌,
1979
中 塚 栄 治,
泌 尿 器 科 領 域 に お け るCefの 基 礎 お よ び 臨 床 。Che-
沼 田 正 紀,
井 口 厚 司,
中 塚 栄 治,
高 橋 靖 昌, 末 光
准,
賢 二,
富岡
村
彦,
大 越 正 秋:
1980
黒 田 清 輝,
寺 杣 一 徳,
9)
効 評 価 基 準 。Che-
沼 田 正 紀,
成 奎,
の 比 較 試
629∼646,
志 田 健 太 郎,
29(S-1):
羅
友 和 之,
1980,
原 田 益 喜,
therapy
日本 化
薬 効 評 価 基 準 補 遺 。Chemo-
大 野 三 太 郎,
広 岡 九 兵 衛,
本 正 行,
UTI薬
27(S-3):
Cefmenoxime(SCE-1365)
松 本 慶 蔵,
第28回
1981
1351∼1358,
宮崎
篤,
321∼341,
UTI(尿
石 神 襄 次,
斎藤
河 田 幸 道:
黒 田 泰 二,
motherapy
8)
266•`
新 薬 シ ン ポ ジ ウ ムSCE-1365。
29
大 楠 雅 夫,
片 岡 陳 正:
の慢 性 複 雑 性 尿 路 感 染症 に
殿 貞 夫, 石 神 襄 次:
menoxime(SCE-1365)
cephalos-
activities
animals.
国 井 乙 彦,
博,
験 。Chemotherapy
I. YAMA-
1980
清 水 喜 八 郎,
之,
M.
antibacterial
学 療 法 学 会 総 会,
6)
KIDA,
: SCE-1365,
experimental
石 神 襄 次,
5)
Infectious
対 す る 二 重 盲 検 法 に よ るCefazolinと
Y.
S. Goo,
and
平 田
弘, 倉 本
Cefotiam(SCE-963)
activi-
and
KONDO,
KUWAHARA
porin
antibacterial
1980
M.
FUGONO,
motherapy
4)
vitro
Chemotherapy
745
複雑
29:
CHEMOTHERAPY
746
JULY
TARO FURUSAWA
of Urology, Kyoto Second Red Cross Hospital
Department
KYUBEI HIROOKA, NOBORU SHIMAYA and JUN ITANI
Department
Department
of Urology,
Kansai Rosai Hospital
NOBORU ITO
Social Insurance
of Urology,
kobe Central
Hospital
YASUMASATAKAHASHI
Department
of Urology,
Shinko Hospital
HIROSHI SAITO and YASUJI NAKANO
Department
of Urology,
SANTARO ONO and
Department
of Urology,
Kobe Rosai Hospital
NARINORI TADERA
Himeji
Red Cross Hospital
KIYOTERU KURODA
Department
of Urology,
Hyogo Prefectural
Amagasaki
Hospital
HIDEO OSHIMA and TAKAYOSHI OGAWA
Department
of Urology,
Hyogo Prefectural
KENSUKE MAYUMI and
Department
of Urology,
Kakogawa
Hospital
MASUYOSHI HARADA
Nishiwaki
City Hospital
SATORU OBE and KENTARO SHIDA
Department
of Urology,
Akashi
City Hospital
KIMIO KATAOKA
Department
of Urology,
Ako City Hospital
TAKASHI HINENO
Department
of Urology,
Kobe Ekisaikai
Hospital
CHOZO YASUMURO
Department
of Urology,
Shin-Nittetsu
Hirohata
Hospital
SHINJI HARA and HIROSHI OMAE
Hara Urologist Clinic
Kozo
Department
HIRATA and ICHIKIRO MORITA
of Urology,
National
Fukuoka
Central
Hospital
KANICHI EMOTO and HITONORI KAMIZAKI
Department of Urology, Hamanomachi Hospital
SANSHIN HARA and AKITO YAMAGUCHI
Department of Urology, Sanshinkai Hara Hospital
Department
Department
HIROYUKI NAGAYOSHI
of Urology, Shin-Nittetsu
Yahata
SADAMU HIEDA
of Urology, Kitakyushu
City Kokura
Hospital
Hospital
1982
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.7
747
TETSUO OMOTO and
Department
of Urology,
HIROO YAGI
Kyushu
Koseinenkin
Hospital
SHINICHI SATO
Department
of Urology,
Saiseikai
SHINICHIRO KOMINE and
Department
of Urology,
Yahata
Hospital
TOKUO KINOSHITA
Miyazaki Prefectural
Miyazaki
Hospital
HARUKA HIRANO and YOSHIMITSU MIZUNOE
Department of Urology, National Beppu Hospital
HIROSHI HIRATA, SHINICHIRO KITADA and SEW NAITO
Department of Urology, Hiroshima Red Cross Hospital
KOTARO MATSUSE
Department
of Urology,
Saiseikai
Nakatsu
Hospital
YASUTOSHI AKITA and AKIO FUJISAWA
Department
of Urology, Otsu Red Cross Hospital
AKIRA DEMURA
Department
of Urology,
Hokusetsu
Hospital
In order to objectively evaluate the usefulness of cefmenoxime (CMX, SCE-1365) in the treatment
of chronic complicated urinary tract infection, a group comparison test of CMX and cefotiam (CTM)
was made, using the double blind method, and the following results were obtained:
1) In the judgements of overall clinical efficacy and usefulness for all the cases, the CMX group
was significantly superior to the CTM group (P<O. 001). The improvement
rate for pyuria and the
improvement rate for bacteriuria of the CMX group were significantly higher than those of the CTM
group (P <0. 05, P <0. 001).
2) The results of stratified analyses showed that the CMX group was superior to the CTM group
in most of the strata. Especially, in the overall clinical efficacy, pyuria improvement
rate and bacteriuria improvement rate for the single-infection
and indwelling-catheter
group (the first group),
the CMX group was significantly superior to the CTM group (P<O. 05, P<0. 001 and P<0. 01 respectively).
Further,
in the overall clinical efficacy and bacteriuria improvement
rate for the mixed-infection
and noindwelling-catheter
group (the sixth group), the CMX group was significantly superior to the
CTM group (P<0. 01 and P<0.001 respectively).
From the examination of these results and of the results of a comparison test of CTM and CEZ
conducted by the authors for reference, CMX was considered to be a preparation which shows better
clinical efficacy against obstinate diseases than the existing cefem antibiotic preparations.
3) In the examination of bacteriological
effects, the CMX group significantly
showed a higher
eradication rate of Serratia
than the CTM group (P <O. 05). In addition, the CMX group showed a
tendency to excel the CTM group in eradication of E. coli and gram-negative
bacteria as a whole
(P <0. 1).
4) Side effects were observed in one case (0. 8%) among 119 cases of the CMX group, and in one
case (0. 8%) among 121 cases of the CTM group. Abnormal laboratory findings were observed in 9 cases
among the CMX group, and in 8 cases among the CTM group. There were no serious cases, and all
cases cured or returned to normal values after the termination
of administration.
As shown sbove, cefmenoxime,
in comparison with cefotiam, was effective even to Serratia
infections which had been considered clinically obstinate. Cefmenoxime
was judged to be an extremely
useful antibiotic preparation against chronic complicated urinary tract infections.