骨材について コンクリート工学研究室 岩城 一郎 骨材とは? コンクリート体積の約70%を占める。 →コンクリートの品質,価格に大きな影響 骨材に要求される品質 - 所定の強度・耐久性(凍結融解作用・アルカリ 骨材反応・酸による作用) - 適度な粒形・粒度分布→コンクリートの流動 性に影響 - 有害物質を含まない(微細物質,有機不純物, 塩化物) 骨材の分類 粒径による分類(Text,図2.9参照) - 細骨材:一般に径が5mm以下の骨材 - 粗骨材:細骨材より大きい骨材(厳密にはText,p.29 参照) 産出場所による分類 三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社 骨材の含水状態 湿潤状態:骨材の内部の空げきは水で満たされ,表面 にも水が付着している状態 表面乾燥飽水状態(表乾状態):内部の空げきは水で 満たされているが,表面には水が付着していない状態 (コンクリートを作る場合に水の出入りがない,基準とさ れる状態) 空気中乾燥状態(気乾状態):骨材を空気中で乾燥し た状態。表面には水分は付着しておらず,骨材の空げ き中には一部水が含まれている状態。 絶対乾燥状態(絶乾状態):骨材を乾燥用の炉 (105℃)の中に入れるなどして,完全に乾燥させた状 態。空げき中にも水が含まれていない状態。 骨材の含水状態の模式図 絶対 空気中 表面 乾燥状態 乾燥状態 乾燥状態 (絶乾状態) (気乾状態) (表乾状態) 表面水率 吸水率 含水率 水の付着している骨材 の質量-表乾状態の骨 表乾状態の骨材の質量 表乾状態の質量-絶乾 状態の質量 絶乾状態の質量 骨材全体に含まれる水 量 絶乾状態の骨材の質量 表乾密度 Ds 材の質量 100(%) 100 (%) 100 (%) 表乾状態の骨材の質量 その骨材の体積 湿潤状態 絶乾密度 D D 絶乾状態の骨材の質量 その骨材の体積 骨材の粒度 粒度曲線:下表に示す16種類のふるい目の呼び寸法〔mm〕でふるい分 けを行い,各ふるいに残留したもの,あるいは通過したものの質量百分 率と,ふるい目の開きとの関係を図示したもの (土木学会の標準範囲内であること) 粗粒率:80,40,20,10,5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmの各ふるいにとど まる試料の質量百分率を加えて,100で割ったもの。 骨材 小⇒粗粒率 小 三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社 粗骨材の最大寸法とは? 粗骨材の最大寸法:質量で少なくとも90%が通るふるいのうち, 最小寸法のふるいの呼び寸法で示される粗骨材の寸法(表2.13 であれば,40mm)。所要の品質のコンクリートを経済的につくる ためには,大きい方が望ましい。ただし,骨材の最大寸法は部 材の最小寸法,鉄筋の最小あき,かぶり等によって制限される (表2.14参照)。 鉄筋の最小あき:隣接する鉄筋の表面間の最小距離 かぶり:コンクリート中に配置された鉄筋の表面から,これを覆う コンクリートの表面までの距離 コンクリート 鉄筋のあき 鉄筋 かぶり 骨材のその他の品質 強度,耐久性 骨材の強度>ペーストの強度 骨材の耐久性>ペーストの耐久性(凍結融解,酸) 有害物質(微細物質,有機不純物,塩化物:特に海砂) アルカリシリカ反応:コンクリート中のアルカリ(Na+,K+)とある種の 骨材が反応することにより,吸水膨張性の物質が生成し,コンク リートに大きなひび割れを発生させたり,鉄筋を破断させる現象. 小林一輔他共編「コンクリート辞典」オーム社より NHKクローズアップ現代放送記録より
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