硬化コンクリートの性質

硬化コンクリートの性質
弾性係数,収縮・クリープ
コンクリート工学研究室
岩城 一郎
弾性係数(静弾性係数)
 弾性係数(ヤング係数):硬さを表す指標.静弾性係数と動弾性
係数に分かれる.
 静弾性係数:コンクリート供試体に静的荷重を与えた際の応力
-ひずみ関係より得られる弾性係数(E=σ/ε) .
 初期接線ヤング係数,割線ヤング係数,接線ヤング係数
P



A

鋼材(鉄筋)のヤング係数:
2.0×105N/mm2
三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社
弾性係数(動弾性係数)
 動弾性係数:コンクリート供試体を振動させ,そ
の一次共鳴振動数を測定することにより得られ
る弾性係数(硬いものほど共鳴振動数が多い).
非破壊検査
三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社
クリープ
 クリープ:コンクリートに持続荷重を作用させた際に,時
間の経過と共にコンクリートのひずみが増加する現象.
 全体の変形=弾性変形+クリープ変形
 欠点:たわみ,変形,プレストレスのロス
 長所:拘束応力(内力)の緩和(ひび割れの抑制)
持続荷重
弾性
ひずみ
瞬間弾性回復
+
クリープ クリープ回復
ひずみ
残留変形
三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社
収縮
 乾燥収縮と自己収縮に分けられる.
 乾燥収縮:硬化したコンクリートが乾燥によるコンク
リート中の水分の蒸発に伴い収縮する現象
 主として毛管空げき中の水が蒸発→毛管張力→収縮
 相対湿度 低,単位水量 大 → 乾燥収縮 大
 乾燥収縮ひび割れ:乾燥収縮による変形が拘束される
ことによりひび割れが発生
 自己収縮:セメントの水和反応に伴いコンクリート中の
水分が消費され(自己乾燥),収縮する現象(コンク
リートの内外で水分の移動がなくても発生する.)
 W/C 低 → 自己収縮 大(高強度コンクリートの設
計に配慮)