Document

[Last Update 2015/04/30]
建築環境工学・建築設備工学入門
<空気調和設備編>
<空気調和設備>
冷却・減湿
2
冷却コイル
冷却コイルを通過する混合空気は冷却と同時に減湿
相対湿度(95%)一定の線上を変化
・ 冷却コイルで冷却・減湿:
h3
飽和空気線上のコイル表面温度Cと入口空気の③混合とを結ぶ
RH95%
直線と相対湿度95%の線と交わる点が④冷却
・ 冷却に要する熱量Q :
Q=G(h4-h3)=V/0.83(h4-h3 )
V:風量[m3/h]
Xm
h4
hc
③混合
tm,xm
④冷却
t4,x4
C
Xc
t4
給気ダクト
吹出口
tc
空調機械室
還気
ダクト
空調機
ファン
外気ファン
FCU
全熱交換器
排気ファン
排気ダクト
空調機
フィルタ
冷却コイル 加熱コイル
③混合
tm,xm
④冷却
t4,x4
風量
Vm
風量
Vm
加湿器
エリミネータ
排気
X4
tm
3
フィン
フィンチューブ
フィン
冷水
or
温水
冷風or温風
冷却コイルのフィンチューブとフィン
コイルになぜフィンが必要か?
チューブの中は、水が充満し管内面と密着して流
れるので、管表面の熱は効率よく水に伝わる。
一方、外側を通る空気の多くはチューブ 表面と接
触せずに素通りしてしまうので、チューブと空気の接
触の機会を多くする必要がある。
空調機内の冷却コイル
そのために、管と空気の接触面積を大きくするフィン
が必要となる。
写真 東京電力 蓄熱システム技術センター
4
減湿
冷却の際
空気
露点温度
tdp
≧
コイル
温度表面
tc
結露しドレンとして滴り落ちる。
冷却コイルは、空気の冷却とともに減湿の
機能を持つ!
結露して
生じた水滴
冷却コイル表面で結露して生じた水滴
空調機内の冷却コイル
水滴(ドレン)の排水口
写真 東京電力 蓄熱システム技術センター
5
コイル出口の相対湿度が95%になる訳
入り口状態のままで素通りするバ
イパス空気と、完全に接触しコイル
の表面温度と等しくなったと仮定と
するコンタクト空気との混合空気が
④冷却となる。
冷却
tc,xc
風量
Vc
④冷却
t4,x4
③混合
tm,xm
風量
Vm+ Vc
風量
Vm
バイパスファクタは、
コンタクト空気の
割合!
水
冷やされた空気
冷やされる前の空気
③混合
tm,xm
素通りする空気
冷却
tc,xc
風量
Vm+ Vc
水
風量
Vc
h3
RH95%
実験・シミュレーション結果から、一般
的に相対湿度は95%前後となる。
Xm
h4
hc
③混合
tm,xm
④冷却
t4,x4
C
Xc
t4
tc
X4
tm
6
並流と向流
並流
出口空気
T2 15℃
入口空気
T1 25℃
入口空気
T1 25℃
出口冷水
tw2 10℃
出口空気
T2 15℃
出口冷水
tw2 10℃
空気
冷水
入口冷水
tw1 5℃
入口冷水
tw1 5℃
向流
入口空気
T1 25℃
空気
出口空気
T2 10℃
入口冷水
tw1 5℃
入口空気
T1 25℃
出口冷水
tw2 15℃
並流は、相手出口
温度を自分の出口
温度に近づける!
出口空気
T2 10℃
入口冷水
tw1 5℃
冷水
出口冷水
tw2 15℃
向流は、相手出口温
度を自分の入口温度
に近づける!
7
冷却(除湿)プロセス
加熱コイル
冷却コイル
t1
③
乾燥空気
乾燥空気
T3
t2
t3
コイル
表面温度
t
②
除湿空気
①
湿り空気
出口空気
T2
入口空気
T1
入口冷水
tw1
向流
出口冷水
tw2
a
①入口空気は、絶対湿度
一定で温度が低下し状態 a
となる。出口に近づくに連れ、
空気温度はコイル表面温度
に近づき、露点温度よりも低
くなると、一部が凝縮し除湿
が行われbとなり、最終的に
②出口空気となる。
次に再熱され③乾燥空気と
なる。
t3
入口空気
T1
b
t2
t1
コイル
表面温度
t1
出口空気
T2
乾燥空気
T3
8
色々な除湿方式
12℃
冷
却
除
湿
7℃
空気
空気
エアコン等の冷却コイル表
面と空気を接触させ、空気
中の水蒸気を結露させて除
湿
冷却コイル
除湿
吸
着
除
湿
空気
空気
再生
化
学
除
湿
シリカゲル等の吸着剤表面
の細孔と空気中の水蒸気分
子間のファンデルワース力
によって、水分子が固体表
面に濃縮、除湿
除湿ロータ
吸
収
除
湿
空気
吸収剤
空気
吸収剤水溶液
塩化リチウム液と空気を接
触させ、一定の薄い濃度に
なるまで空気中の水蒸気を
吸収させて除湿
吸収器
圧
縮
除
湿
冷水
空気
コンプレッサ
ドレン水
空気
空気を圧縮し、飽和水蒸気
量を少なくして、除湿
一般空調は冷却除湿、
プロセス空調は、化学
除湿、圧縮除湿を用
いる。
発 行
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
(SHASE: The Society of Heating, Air Conditioning and Sanitary Engineers of Japan)