クラウドコンピューティング(2) オペレーティングシステム 第13回 今回の内容 クラウドコンピューティングの技術的な話題が中 心 インターネットは“雲”(復習) 雲 = cloud データやそれを処理する の中のことは分から プログラムなどを雲の中 ないから雲に例える (インターネット)に保存する クラウドコンピューティング 雲の中では…(復習) 雲の中にあるシステムは 1台のコンピュータで構成されている かどうか分からない 複数のコンピュータ? あちこち(世界中)に分散? 雲の中のことは(復習) どうなっているか,良く分からない アクセスすれば使うことができる どれくらいのコンピュータがあるか分からない 十二分に強力なパワー クラウド提供者による分類(復習) パブリッククラウド GoogleやAmazonのように,広くサービスを提 供 プライベートクラウド 自社のコンピュータを集中させ,自社内を対象 にサービスを提供 一時的に,パブリッククラウドを使うこともあり うる クラウドサービスの 分 類(復習) SaaS PaaS IaaS いくつかのキーワード S L A S L A(1) Service Level Agreement サービス品質保証契約 クラウドサービス利用にあたり,サービス提供者 と結ぶ質の契約 S L A(2) SaaS向けSLAガイドライン (経済産業省 1/21/08) 仮想化 仮 想 化(1) 実際のハードウェアを利用者に見せない・意識さ せない 理想的なハードウェアを提供 抽象化 OSの基本 仮 想 化(2) 仮想計算機 実際のコンピュータ上に,別のOSを(複数)実 行できるようにする仕組みを用意 そのOSが実行され,アプリケーションを実行 する アプリケーションを直接実行しているわけでは ない 仮想 どこかに脆弱性 があると, ある仮想計算機 が, 別の仮想計算機 のメモリなどをア クセスできてしま う危険 物理的に1台のコンピュータ 複数の仮想計算機(これら 化(3) は独立している) 仮 想 化(4) 逆の場合もある 物理的には複数のコンピュータ 利用者からは1台のコンピュータに見えるよう な仕組み 分散処理 仮 想 化(5) ストレージ(ディスク)の仮想化 物理的に複数のディスク 一つの仮想ディスク 分散処理 分 散 処 理(1) “手分け”をして処理する 例 学生のデータ 年度末に 学年を進める 分 散 処 理(2) ファイルに格納されている順に処理する 3人で,学年ごとに処理する 1年担当・2年担当・3年担当 分散処理 分 散 処 理(3) 学生のデータを学年ごとに分ける 学年別に処理する 1年・2年・3年の処理は同時に行う 三つの処理結果を,一つのファイルにまとめる 分 散 処 理(4) データを分けて,同時に処理 Map 結果をまとめる Reduce MapReduce Googleのプログラミングモデル スケールアップとスケールアウト 処理能力の増強 システムの処理能力の向上 処理データ件数が倍になったら,どうするか? 高速CPUに交換 メモリを増やす etc. 高性能のコンピュータに交換 クラウドの世界では コンピュータの台数を増やす “手分け”をして処理 分散処理 スケールアップとスケールアウト(1) スケールアップ 高性能=高価なコンピュータに更新する スケールアウト 同じ=安価なコンピュータの数を増やす コスト面では有利 スケールアップとスケールアウト(2) 高価なコンピュータ 故障が少ない 安価なコンピュータ 故障が多い 多数,使えば,頻繁にどれかが故障 それを前提としたシステム構築 可用性の確保 可用性 可用性(availability アベイラビリティ) システムが機能を果たせること つまり,“使うことができる”ということ スケールアウトでの可用性確保 データのコピーを複数のコンピュータに格納 データを変更 変更情報が,すべてのコンピュータに伝わる までの間,同じであるべきデータが異なる もし,その途中でトラブルが起きたら… 一貫性(consistency)の欠如 CAP定理 複数のコンピュータからなるシステム “定理”と呼んでいるが C A P 定 理(1) Consistency(一貫性・整合性) Availability(可用性) Partition-tolerance(分断耐性) C A P 定 理(2) Consistency(一貫性・整合性) 同じであるべきデータは,どのコンピュータで も同じである C A P 定 理(3) Availability(可用性) 故障したコンピュータがあっても,システム全 体としては稼働する C A P 定 理(4) Partition-tolerance(分断耐性) ネットワークが切断されても,稼働可能 C A P 定 理(5) CAP定理 エリック・ブリュワー(Eric A. Brewer) Consistency(一貫性・整合性) Availability(可用性) Partition-tolerance(分断耐性) 三つのうち,二つしか確保できない C A P 定 理(2) 1台のコンピュータからなるシステムでは Consistency(一貫性) Availability(可用性) Partition-tolerance(分断耐性) 1台しかないものが故障したら, システムとして稼働しなくなる C A P 定 理(3) クラウドでは Consistency(一貫性) Availability(可用性) Partition-tolerance(分断耐性) あるコンピュータでデータを更新しても, そのことは別のコンピュータに直ちに伝わらない C A P 定 理(4) もちろん,いろいろな手段で,“あきらめた”のも のにも対処 その他 クラスタリング NoSQL etc. 従来とは異なる技術 ま と め ま と め(1) SLA 仮想化 分散処理 MapReduce (Hadoop) スケールアップとスケールアウト CAP定理 ま と め(2) グーグル、MapReduce後継のビッグデータ処理 サービス「Cloud Dataflow」を発表(6/26/14) http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/201406 26/566922/
© Copyright 2024 ExpyDoc