物理化学演習

物理化学
福井工業大学 工学部
環境生命化学科
原 道寛
名列番号___ 氏名__________
物理化学(メニュー)
0-1.
• 有効数字
0-2.
• 物理量と単位
0-3.
• 原子と原子量
0-4.
• 元素の周期表
0-5.
• モルとアボガドロ定数
0-6.
• 化学量論
例0・1.次の数値を有効数字3桁で表すと
いくらか。
A
a)1.234  1.23
b) 1.575 
1.B58
c)1.5850  1.C58
d) 1.58501  1.D59
e)15000  1.5010
4
E
3
f) 0.001234 1.2310
F
例0・2. 有効数字の桁数に注意して、次の
計算結果を求めよ。ただし、値はすべて測
定値とする。
a) 1.35m  25.3m  0.0266m
A .6234 26.6 m
 26
b) 2.6 kg  (9.8ms )
-1 2
2
 249.704 2.5 10 (kg m s )  2.5  10 (J)
2
2
c) 33.56m  (2.35m  1.3 m)
2
 33.56 3.05  30.5 m
2
2
序論(0-1. 有効数字)
• 有効数字(significant figure, significant digit)
A
:不確実な数字を一桁加えて得られる数字
23
23
B 22.62 cm3
22
有効数字の桁数
D 4 桁
C 22.6 cm3
22
有効数字の桁数
E3
桁
有効数字の桁数=測定値の精度の高低を表す。
序論(0-1. 有効数字)
a) 0以外の数字に挟まれた0は有効数字
• 例1005の有効数字の桁数は A4 桁
b)小数点より右側にある0は有効数字
B 桁。
• 例12.0や1.20の有効数字は3
c)小数点以下の位を示すために使われる0は有効数字ではない
• 例0.123や0.00123、0.120は有効数字 C3 桁。
序論(0-1. 有効数字)
d)整数で末端から連続して0が続く場合、測定精度などがあいまいなので、
それを解消するために下記のようにする。
•1200→1.2
有効数字2桁
D
3
C
•1200→1.20x10
有効数字3桁
F
3
E
•1200→1.200x10
有効数字4桁
A
B
3
x10
序論(0-1. 有効数字)
数値を小数第n位に丸めようとするとき
B
A
小数第(n+1)位の数字によって四捨五入。
C
しかし単純に四捨五入をすると数値を大きく
見積もる結果になる。
D
切捨てと切上げの割合を均等にするため
E
小数第(n+1)位以下の数値を見て判断.JIS法
序論(0-1. 有効数字)「有効数字と計算」
計算して出てくる数字を必要な桁まで処理する(丸める)ときは四捨五入
• 末尾の5や、それに続く数字が0のときの5をまとめるとき
• その前の桁の数字が
• 偶数⇒切り捨て。
1.1852 → A
1.18
• 奇数⇒切りあげる。
1.1851 → B1.19
連続する計算途中で桁数が大きくなり計算が複雑なとき。
• 有効数字より1~2桁多く残しその後を切り捨てる。
• 計算途中で不確かな数字を記すときは、小さな数字を使う。
C 5 と一
• 例:2.949321を一度で二桁丸める場合2.9であるが、いったん 2.9
桁多く丸めておき、後に二桁にすれば、3.0になる。
気体定数などのように十分大きな桁が与えられている数値を計算に使うときは、
D
• その計算に使われる他の数値のうちの精度が最も低いものより 1~2
桁
多いところまでを使う。
数値の中には測定値でないものがある。
• 例:定義の中で与えられる数(1 kmは1000 m、12Cは12)
• 数えられる数(部屋にいる人数など)は不確定なものは含んでおらず、正
E
確な値あるいは 絶対数
とよばれ、無限の桁数の有効数字を持つ。
序論(0-1. 有効数字)数値の計算
a)加減法の計算
• 答えの数値の最後の桁が、計算に使われた数値の内で
⇒最後の桁の最も桁が高いものに一致する。
b)乗除法の計算
• 答えの有効数字の桁数が、計算に使われた数値の内
で、⇒有効数字の桁数が最小ものに一致する。
c)対数の計算
• 対数は二つの部分でできている。
• 指標と呼ばれる整数:真数における小数点の位置の関
数であり、有効数字はない。
• 仮数:すべてが有効数字とみなされる。
序論(0-1. 有効数字)数値の計算
a)加減法の計算
• 答えの数値の最後の桁が、計算に使われた数値のうち
で最後の桁の最も桁が高いものに一致する。
xb)乗除法の計算
 10.1  0.25  3.214
それぞれの数値の最後の数字が±1の不確かさを持つとすれば
• 答えの有効数字の桁数が、計算に使われた数値のうち
x で、有効数字の桁数が最小ものに一致する。
10.1(0A.1)  0.25(0B.01)  3.214(0C.001)
D .567  0
E .111
 13
c)対数の計算
F
小数点以下一桁目がすでに不確かさであるため、四捨五入で丸めると・・・。
• 対数は二つの部分でできている。
G .6
 13
•x指標と呼ばれる整数:真数における小数点の位置の関
数であり、有効数字はない。
• 答えの数値の最後の桁が、計算に使われた数値のうち
で最後の桁の最も桁が高いものに一致する。
序論(0-1. 有効数字)数値の計算
b)乗除法の計算
• 答えの有効数字の桁数が、計算に使われた数値のうち
で、有効数字の桁数が最小ものに一致する。
x c)対数の計算
6.0218
それぞれの数値の最後の数字が±1の不確かさを持つとすれば
D
• 対数は二つの部分でできている。
6A .01 17
 x  6C .0319
B
• 指標と呼ばれる整数:真数における小数点の位置の関
E
F

102
.
17

x

114
.57
数であり、有効数字はない。
十の桁がすでに不確かさである。数学的に求めたあたいは108.36であり、答えは・・。
x  1.1  10
G
2
• 答えの有効数字の桁数が、計算に使われた数値のうち
で、有効数字の桁数が最小ものに一致する。
序論(0-1. 有効数字)数値の計算
c)対数の計算
• 対数は二つの部分でできている。
log 7=0.84510(小数点以下5桁まで有効)
• 指標0と仮数.84510
• 指標と呼ばれる整数:真数における小数点の位置の関
数であり、有効数字はない。
• 仮数:すべてが有効数字とみなされる。
x  log328
真数が(328±1)の範囲であるとすると
B
log
327  x  log
329
A
 2C.51454  x  2D .51719
となり、小数点以下3桁目で不確かになるので、log328=2.51587・・・より
x  E2.516
物理化学(メニュー)
0-1.
• 有効数字
0-2.
• 物理量と単位
0-3.
• 原子と原子量
0-4.
• 元素の周期表
0-5.
• モルとアボガドロ定数
0-6.
• 化学量論
序論(0-2物理量と単位)
単位の換算(CGS→SI単位系)
0.234dm3  ? cm3
1
1 dm  10A m
1 cm  10B  2 m
換算係数を考える。
3
cm
x dm 3 
dm 3
 ? cm3
(1dm)3  (101C m)3  1dm 3  103Dm3
(1cm)3  (102E m)3  1cm3  106Fm3
G 3
103 m3 1dm
 3 3  1
3K
3
M 3
3
10
m
1
cm
1dm
10 H m
Ocm3
0.234dm 3 


234
3
6
3
1
dm
10
m
6
3
3
L
N
I
10 m
1cm
 6 3  1
3
1cm
10 J m
序論(0-2物理量と単位) 例1
• 気体定数はR= 0.082057 atm dm3 K-1 mol-1
これをJK-1mol-1であらわせ。
1J  1P a m3
atm  P a
dm 3  m 3
1atm  101325P a
A 3 m 3から
1dm 3  10
B
C 3 3
101325
P
a
10
m
3
1
1
R  0.082057atmdm K mol 

3
1
atm
1
dm
D
E
G
 F8.3144P a m 3 K 1 mol1  8.3144
J K 1mol1
物理化学(メニュー)
0-1.
• 有効数字
0-2.
• 物理量と単位
0-3.
• 原子と原子量
0-4.
• 元素の周期表
0-5.
• モルとアボガドロ定数
0-6.
• 化学量論
0-3-1.原子
原子のモデル
A
陽子と中性子の質量はほぼ等しい。電子の1840倍
B
陽子と中性子の数の和を質量数(mass
number, A)
+
-
+
Zに対して、アルファベットを当て、元素記号(symbol
elements),原子記号(atomic symbol),
例:Z=6:C、Z=1:H
-
C
陽子の数は原子番号(atomic
number, Z)に等しい。
D
=電気的に等しい原子は電子の数と等しい。
原子(atom)
E
原子核
(atomic nucleus)
+
G
陽子(proton)
核子(nucleon)
J
H
中性子(neutron)
-
電子(electron)
F
中性子は電荷を持たない
I
陽子と電子の電荷は、符号が反対で、絶対値は等しい。
K
電荷の最小単位、電気素量(elementary
charge)e=1.6022×10-19 C
0-3-1.原子
核種(nuclide):原子番号と質量により規定される一個の原子種
A
B
陽子数
+ 中性子数
質量数 A
元素記号
原子番号 Z
C陽子数
例:天然炭素の質量数12と13の二種類が存在している。
12
6
C
13
6
C
12
C
13
C
or
原子番号は同じであるが質量が異なる
D
核種を、互いに同位体(isotope)とい
う。
E
存在量の割合を存在比
(relative abundance)という。
0-3-1.原子
相対的な質量や存在比は質量分析計(mass
spectrometer)により、測定
A
磁石
B 質量分析計の構造
電子銃
ポンプで吸引
試料
真空化でイオン化
した原子
加速器
電場で加速
磁場の影響で軌跡を曲げる
例:イオンの小さいほど影響が大きい
検出器のイオン電流
検出器
磁場の強さを
変化し、焦点
を結び、検出
される
質量スペクトル
(mass spectrum)
天然炭素の存在比
12C:98.93%
13C:1.07%
10
12
14
0-3-2.原子量
+
+
-
-
原子1個の質量はおよそ 10-27から10-25 kg
数値が小さいので比較するのは大変
原子の質量の相対値を用いることが考案された。
相対質量の基準として、
12C核種=12として定めた。(1961年)
A
フッ素原子の相対質量
例:フッ素原子の相対質量は
12C、1個の質量は1.9926×10-26 kg
9F、1個の質量は3.1547×10-26 kg
12
B フッ素一個の質量

C 炭素一個の質量
 26
D  3.1547 10 kg
12

 26
E 1.9926 10 kg
F .998
 18
元素の原子量(atomic weight; A):単位を持たない
一種類の核種:相対質量は原子量である。
多種類(同位体)の核種:各核種の相対質量の平均値。
0-3-2.原子量
元素の原子量(atomic weight; A):単位を持たない
一種類の核種:相対質量は原子量である。
多種類(同位体)の核種:各核種の相対質量の平均値。
• 炭素の原子量を求めてみよう。
炭素は二種類の核種12C,13Cからなる。
相対質量、12C=12、13C=13.00335
A
存在比、98.93%、1.07%(ヒント:相対質量x存在比)
C .00335 0.0107
B  0.9893 13
Ar (C)  12
D .01
 12
0-3-2.原子量
• 原子質量単位(atomic mass unit; u)
12C核種の質量の1/12を単位としたもの、
A
1 u=1.66054×10-27 kg
∴相対質量を原子質量単位に変換する場合
12Cの相対質量⇔12
B u
13Cの相対質量⇔13.00335
u
C
陽子:
1.007276 u
中性子:
1.008665 u 陽子と中性子の質量はほぼ1 uに等しい
電子:
0.000549 u
問題
0.1.次の数値を有効数字3桁で表すといくらか。
A  10-4
a) 0.00065 (科学的表記表)  6.5
B
b) 0.00825(科学的表記表)  8.25
10-3
c) 0.0120(科学的表記表)  1C.2010
-2
d) 0.01200(科学的表記表)  1D.20010-2
e) 30400(有効数字3桁)  3E.04104
f) 3800
(有効数字 2桁) 
F
3.8
10
2
G
g) 4800
(有効数字 3桁)  4.80
103
H  103
h) 500(有効数字
0
2桁)  5.0
問題
0.2.下記の数値を測定値として考え、結果を適
切な桁数の有効数字で答えよ。
a. 18.7444 gに13 gを加える。
A
18.7444 +13=31.7444
A. B 32 g
b. 48.743 mgから0.12 mgを引く。
D
C
48.743 ー 0.12 = 48.623 A. 48.62 g
c. 一辺が1.6 cmの正方形の面積はいくらか。
E
1.6 cm x 1.6 cm = 2.56
A. F 2.6 cm2
d. 20.8 mを4.1 mで割る。
G
20.8 m / 4.1 m=5.073
A. H5.1 m
問題
単位の換算について次の問いに答えよ。
a. 気体定数はR= 0.082057 atm dm3 K-1 mol-1
である。これを熱の単位として古くから知られ
ているcalを用いてあらわせ。1 cal = 4.184 J
A
A. 1.987
cal K-1 mol-1
b. 野球選手のスピードボールは
時速 92.5 mileである。これをcm s-1の単位で表
せ。ただし、1 mile=1.60 kmとする。
B x 103 cm s-1
A. 4.11
次の数値を有効数字3桁で表すといくら
か。
a)1.234 
A1.23
b) 1.575 
B 1.58
c)1.5850 
d) 1.58501 
C 1.58
e)15000 
-4
a) 0.00065 (科学的表記表)  6.5
G  10
-3
b) 0.00825(科学的表記表)  8.25

10
H
c) 0.0120(科学的表記表)  1I.2010-2
d) 0.01200(科学的表記表)  1J .20010-2
D1.59
E1.50  10
f) 0.001234 1F.23 103
4
e) 30400(有効数字3桁)  3K.04104
2
f) 3800
(有効数字 2桁)  3.8
L  10
M
g) 4800
(有効数字 3桁)  4.80
103
N  103
h) 500(有効数字
0
2桁)  5.0
小テスト1
0-1&0-2
小テスト1 ___/___点
名列番号 _P_ ___ 氏名______
採点者 名列_P_ _
小テスト1 ___/___点
名列番号 _P_ ___ 氏名______
採点者 名列_P_ _
例0・1.次の数値を有効数字3桁で表すと
いくらか。
a)1.234  1.23
b) 1.575 
1.58
c)1.5850  1.58
d) 1.58501  1.59
e)15000  1.5010
4
3
f) 0.001234 1.2310
例0・2. 有効数字の桁数に注意して、次の
計算結果を求めよ。ただし、値はすべて測
定値とする。
a) 1.35m  25.3m  0.0266m
 26.6234 26.6 m
b) 2.6 kg  (9.8ms )
-1 2
2
 249.704 2.5 10 (kg m s )  2.5  10 (J)
2
2
c) 33.56m  (2.35m  1.3 m)
2
 33.56 3.05  30.5 m
2
2
序論(0-2物理量と単位)
単位の換算(CGS→SI単位系)
0.234dm3  ? cm3
1
1 dm  10 m
1 cm  10  2 m
換算係数を考える。
3
cm
x dm 3 
dm 3
 ? cm3
(1dm)3  (101 m)3  1dm 3  103 m3
(1cm)3  (102 m)3  1cm3  106 m3
103 m3 1dm 3
 3 3  1
3
3
3
3
10
m
1
cm
3
1dm
10 m
0.234dm 3 


234
cm
1dm 3 106 m3
6
3
3
10 m
1cm
 6 3  1
3
1cm
10 m
序論(0-2物理量と単位) 例1
• 気体定数はR= 0.082057 atm dm3 K-1 mol-1
これをJK-1mol-1であらわせ。
1J  1P a m3
atm  P a
dm 3  m 3
1atm  101325P a
1dm 3  103 m 3から
3
3
101325
P
a
10
m
R  0.082057atmdm 3 K 1 mol1 

1 atm
1 dm 3
 8.3144P a m 3 K 1 mol1  8.3144J K 1mol1
小テスト2
0-1&0-2
小テスト2 ___/___点
名列番号 _P_ ___ 氏名______
採点者 名列_P_ _
問題
0.1.次の数値を有効数字3桁で表すといくらか。
a) 0.00065 (科学的表記表)  6.510-4
b) 0.00825(科学的表記表)  8.2510-3
c) 0.0120(科学的表記表)  1.2010
-2
d) 0.01200(科学的表記表)  1.20010-2
e) 30400(有効数字3桁)  3.04104
f) 3800
(有効数字 2桁)  3.810
2
g) 4800
(有効数字 3桁)  4.80103
h) 500(有効数字
0
2桁)  5.0103
問題
0.2.下記の数値を測定値として考え、結果を適
切な桁数の有効数字で答えよ。
a. 18.7444 gに13 gを加える。
18.7444 +13=31.7444 A. 32 g
b. 48.743 mgから0.12 mgを引く。
48.743 ー 0.12 = 48.623 A. 48.62 g
c. 一辺が1.6 cmの正方形の面積はいくらか。
1.6 cm x 1.6 cm = 2.56 A. 2.6 cm2
d. 20.8 mを4.1 mで割る。
20.8 m / 4.1 m=5.073 A. 5.1 m
問題
単位の換算について次の問いに答えよ。
a. 気体定数はR= 0.082057 atm dm3 K-1 mol-1
である。これを熱の単位として古くから知られ
ているcalを用いてあらわせ。1 cal = 4.184 J
A. 1.987 cal K-1 mol-1
b. 野球選手のスピードボールは
時速 92.5 mileである。これをcm s-1の単位で表
せ。ただし、1 mile=1.60 kmとする。
A. 4.11 x 103 cm s-1
次の数値を有効数字3桁で表すといくら
か。
1.23
a) 0.00065 (科学的表記表)  6.510-4
b) 1.575 
1.58
b) 0.00825(科学的表記表)  8.2510-3
c)1.5850 
d) 1.58501 
1.58
1.59
d) 0.01200(科学的表記表)  1.20010-2
a)1.234 
e)15000 
c) 0.0120(科学的表記表)  1.2010-2
1.50  10
f) 0.001234 1.23 103
4
e) 30400(有効数字3桁)  3.04104
f) 3800
(有効数字 2桁)  3.8102
g) 4800
(有効数字 3桁)  4.80103
h) 500(有効数字
0
2桁)  5.0103