MIMO-OFDMに関する研究 名古屋工業大学 電気電子工学科 岩波・岡本研究室 野々村 嘉人 • 背景 近年の高度情報化社会においてディ ジタル無線通信は広く普及している。 また、それに伴って高速大容量通信の 需要は高まっている。 現在、大伝送容量のOFDMと、高速通 信のMIMOアンテナ技術を用いた MIMO-OFDM技術が注目され、検討さ れている。 • 目的 OFDM方式に於けるマルチパスフェー ジング、またパイロット信号によるチャネ ル推定についての検討。 MIMO-OFDM通信方式に於ける信号 分離の検討。 OFDM通信方式 OFDM方式は以下に示すように多数の搬送波を ディジタル変調して多重化する方式である。 power B Nf ・・・・・・・・・・・・・ 0 f 0 2 f 03 f 0 1 f T N 1 f0 f ガードインターバル マルチパス伝送により符号間干渉が発生するとサ ブキャリアの直交性が乱れるため、以下のような ガードインターバルという技術を用いる。 GI Tg データ GI コピー データ マルチパス通信路 マルチパスとは図のように直接波以外にも 反射や回折による遅延波が受信される現象。 これらがお互い干渉し合うことで受信の精度 が劣化してしまう。 1 s(t ) 直接波 g・ r (t ) s(t ) 遅延波 g 2・ s(t ) 送信機 反射 受信機 シミュレーション条件 通信路 静的2パス通信路 サブキャリア数 128 ガードインターバル長 32 遅延時間 16 変調方式 位相のずれ QPSK変調方式 なし 1.E+00 1.E-01 DU=5、QPSK DU=10、QPSK DU=20、QPSK D/U=5,OFDM D/U=10,OFDM D/U=20,OFDM BER 1.E-02 1.E-03 1.E-04 1.E-05 1.E-06 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 Eb/No[dB] 2パス伝送路でのシングルキャリアとOFDMキャリアの違い パイロット信号 伝送路の特性を推定するために、送受信側で共に 既知な信号(パイロット信号)を送る。パイロット信号 を複数送り、推定した伝送路の特性を平均すること により雑音の影響を軽減する。 P1 P1 P2 データ ・・・ Pn データ シミュレーション条件 通信路 静的2パス通信路 サブキャリア数 128 ガードインターバル長 32 遅延時間 16 変調方式 QPSK変調方式 DU比 20[dB] 位相のずれ 4点で平均化 1.0E+00 カンニング pilot symbol…1 pilot symbol…2 pilot symbol…10 1.0E-01 BER 1.0E-02 1.0E-03 1.0E-04 1.0E-05 1.0E-06 1.0E-07 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 Eb/No[dB] MMSE等化の時のpilot symbolの数による比較(D/U=20) MIMO 送信機、受信機に複数のアンテナを用いる空間多重 伝送方式。別々の情報を同一の周波数を使い、同時に 複数のアンテナから送信し、複数のアンテナで受信し情 報を分離する。 データ 送信機 受信機 データ 送信機 受信機 データ 送信機 受信機 データ 送信機 受信機 信 号 分 離 シミュレーション条件 通信路 サブキャリア数 周波数非選択性高速レイ リーフェージング 128 ガードインターバル長 32 遅延時間 16 変調方式 QPSK変調方式 DU比 10[dB] 位相のずれ ランダムで平均化 1.E+00 2×2、MMSE基 準 4×4、MMSE基 準 1.E-01 BER 1.E-02 1.E-03 1.E-04 1.E-05 0 5 10 15 20 Eb/No[dB] 25 MIMO(周波数非選択性高速レイリーフェージング) 30 35 まとめ • マルチパス通信路に於いてOFDM方式のほ うがシングルキャリアの伝送に比べBER特性 が良いことがわかった。 • パイロット信号を多く送ったほうが伝送路の 推定がより正確にできることがわかった。 今後の課題 • MIMO-OFDMのPIC(並列干渉除去法)を用 いたときのプログラムを完成させる。 • MIMO-OFDMにパイロット信号をいれチャネ ル推定を行う。 END
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