第9課:吸収係数 平成16年1月19日 講義のファイルは http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html に置いてあります。 質問は [email protected] へ。 9.1. 水素原子のBound-Free 吸収 自由状態 (Unbound State) 束縛状態 Paschen 連続吸収 n= 3 n= 2 (Bound State) n= 1 Balmer 連続吸収 Lyman 連続吸収 水素原子の b-f 吸収係数 κbfρ=N1σ1+N2σ2+N3σ3+…… N1 : n=1状態の原子数密度、 σ1 : n=1原子のb-f吸収断面積 N2 : n=2状態の原子数密度、 σ2 : n=2原子のb-f吸収断面積 N3 : n=3状態の原子数密度、 σ3 : n=3原子のb-f吸収断面積 b-f 吸収断面積 σn(λ) σn(λ) = σn(λn) (λ/λn)3G (λn) (λ<λn) ここに、λn=912×n2A=吸収端の波長 σn(λn)=吸収端における吸収断面積 = (16/3π√3) (πe2/mc)(λL/c)nG = 0.791×10-17nG cm2 G= Gaunt Factor = 量子力学的補正項(1から数%以内) H原子のb-f 吸収断面積 σn(λ) n=1 Lyman cont. n=3 n=2 Balmer cont. Paschen cont. 0.5 1.0 n=4 Brackett cont. 3 2 σn(λ) (10-17 cm2) 1 0 0 λ(μ) 1.5 H原子各順位の存在量 Nn= N1 n2 exp[-13.6eV(1‐1/n2)/kT] (ボルツマン分布) = N1 n2 10-13.6(1ー1/n2)θ ここに、θ=5040/T N2=N1×4×10-10.20θ N3=N1×9×10-12.08θ N4=N1×16×10-12.75θ 一方、 σn(λn) = 0.791×10-17 nG cm2 両方の掛け算から、T=5,000Kと20,000Kでのn=1,2,3,4からの 吸収係数への寄与を比べてみると、 T=5000K n 1 σn(λn) ( cm2 ) 0.791 10-17 Nn / N1 Nnσn(λn) / N1 T=20,000K 1 0.791 10-17 2 1.582 10-17 2.09 10ー10 3.31 10-27 3 2.373 10-17 3.164 10-17 5.87 10-12 1.39 10-28 n 1 2 3 Nn / N1 1 0.0107 0.0081 1.69 10ー19 1.92 10ー19 Nnσn(λn) / N1 0.791 10ー17 4 2.25 10ー12 7.12 10-28 4 0.00980 3.10 10ー19 -17 912 A 8206 A 3647 A -20 20,000K 14588A Lyman log Paschen (Nnσn / N1) Brackett Balmer (cm2/H) -25 5,000K -30 ‐1.5 ‐1 ‐0.5 logλ(μ) 0 9.2. 水素のFree-free 吸収 自由状態 自由電子 free state 光子 陽子 束縛状態 bound state κff (λ,T)ρ=α(λ, T) ne np ne np / nH =(2πmekT/h2)3/2 exp(‐I/kT) を使うと、 κff (λ,T)ρ = α(λ, T) nH (2πmekT/h2)3/2 exp(‐I/kT) =1.667 10-16 nH λ3g(10-13.6θ /θ) cm-1 ここに、 g=Gaunt factor λ=波長(μ) θ=5040/T 9-3 Negative Hydrogen Hylleraas,E. 1930, Zs.f.Phys.,65,209. 量子力学的エネルギー極小(変分計算) H- Electron affinity = 0.70 eV Wildt,R., ”Electron affinity in Astrophysics” : 1939. ApJ, 89, 295. H, Li, O, F, Cl 等の計算結果(1930-1932)から星の大気中に 負イオン存在の可能性を指摘。更に、H+e→H-の衝突断面積σの計算 値(Massey, 1936)から吸収係数 k を出した。 1939, ApJ 90, 619. “ Negative atmospheres” ions of hydrogen and the opacity 水素負イオンによる連続吸収。2 10‐17cm2/H- 当時、実験室では知られていなかったが量子力学の計算から予測。 E= -0.754 eV (1.645 μ) 準位は一つ。多分 (1s)2 1S0 of stellar b-f 吸収 E>E0=0.754eV (λ<1.644μ) f-f 吸収 Eは自由。 E0=0.754 eV (1s)2 1S0 水素原子連続吸収問題: 低温の星ではバルマー不連続が極度に大きくなる。 実際にはバルマー不連続 (Balmer jump)はA0で極大。 ――> 中性水素以外の連続吸収源が低温度星で必要。 Negative Hydrogen が探されていた吸収を与えた! H- の b-f 吸収断面積 10 σbf (10-17 cm2) 1 0.1 0 0.5 1 λ (μm) 1.5 by Wishart 1979 MN 187, 59P σbf(λ)=(1.99654-0.118267 X+264.243 X2-440.524 X3+323.992 X4 –139.568 X5 +27.8701 X6) 10-18 cm2 ここに、Ⅹ=λ(μ) H- の 存在比 復習 A++e-A=0 (I=inization energy) n( A+)n(e)/n(A) =[u(A+)2/u(A)](2πmekT/h2)3/2 exp(‐I/kT) log[n( A+)/n(A) ] =log[ u(A+)/u(A) ]+log 2 +(5/2) log T -log Pe-Ⅰ(eV)(5040/T)-0.48 (Peの単位は erg/cm3) Negative Hydrogen に上の式を適用すると、 H+e-H- =0 (E=inization energy=0.754eV) n( H)n(e)/n(H-) =[u(H)2/u(H-)](2πmekT/h2)3/2 exp(‐E/kT) log[n(H)/n(H-) ] =log[u(H)/u(H-)]+log 2 +(5/2) log T -log Pe-E(eV)(5040/T)-0.48 u(H)=2、 u(H-)=1、 E=0.754 =0.125-log Pe+2.5 logT-0.754(5040/T) =9.381-log Pe-2.5 log(5040/T)-0.754(5040/T) H- の b-f 吸収係数 前々ページのσbf(λ) と前ページの[n(H)/n(H-) ]を合わせ、 水素原子H 1個当たりのNegative Hydrogen H-のb-f吸収断面積として、 κ(H-)bf = [ N(H-) / N(H) ]σbf = 4.158×10-10 σbf (λ) Pe (5040/T)5/2 100.754(5040/T) (cm2 / H atom) σbf (λ) はλ=0.85μm 付近で最大値、4×10-17 cm2 をとる。 Negative Hydrogenのf-f吸収については、 Belland Berrington 1987 J Phys. B 20, 801. κ(H-)ff =10-26 Pe 10A (cm2 / H atom) A=fo+f1 logθ+f2log2θ) fo=-2.276-1.6850 logλ+0.76661 log2λ-0.0533464 log3λ f1=15.2827-9.2846 logλ+1.99381 log2λ-0.142631 log3λ f2=-197.789+190.266 logλ-67.9775 log2λ+10.6913 log3λ-0.625151 log4λ θ=5040 / T、 λ(in A) 9.4.水素連続吸収の計算 n=np+nH、Pe、Tを与えて連続吸収を求める。 κ(λ)ρ=Σniσi(λ) = n1σ1(λ)+n2σ2(λ)+n3σ3(λ)+…. + ne np αff (λ, T)+ n-σ-bf(λ)+ne n-α-ff (λ, T)bb 水素のb-f log[nH/np] = -(5/2) log T +log Pe(erg/cm3) +Ⅰ(eV)(5040/T)+0.48 nH/n=(nH/np)/[1+(nH/np)] (n2 /n1)=4 10-10.20θ (n2 /n1)=9 10-12.08θ σ1(λ) = 0.79 10-17 (λ/0.0912μ)3 cm2 σ2(λ) = 1.58 10-17 (λ/0.3467μ)3 cm2 σ3(λ) = 2.37 10-17 (λ/0.8206μ)3 cm2 b-f(続き) n1σ1(λ)+n2σ2(λ)+n3σ3(λ) =n(nH /n)(n1/nH)[σ1(λ)+(n2 /n1)σ2(λ)+(n3 /n1)σ3(λ)] 水素のf-f ne np αff (λ, T)= 1.667 10-16n(nH /n)λ3(10-13.6θ /θ) NegativeHydrogenのb-f n-σ-bf(λ) = 4.158×10-10 σ-bf (λ)n(nH /n)Pe(erg/cm3)θ5/2 100.754θ NegativeHydrogenのf-f ne n-α-ff (λ, T)=10-26n(nH /n)Pe (erg/cm3) 10A (cm-1) (cm-1 )bbb 以上を足した例 T=6428 K log Pe=1.80 5 κ / Pe Total [cm2/H/(dyne/cm2)] 4 3 H-bf 2 Hbf 1 0 0 0.5 H-ff 1 λ (μm ) 1.5 2 9.5.散光星雲の輻射過程 電離水素 hν>hνO=13.6eVの フォトンを電離フォトンと呼ぶ。 基底状態の水素 電離フォトンの放出数 P(個/秒) 50 49 log P 高温度星 hν 48 47 46 O5 O6 O7 O8 O9 スペクトル型 O9.5 B0 B0.5 散光星雲の輻射過程 2 光電離(b-f吸収) hν 再結合 H e p 散光星雲の輻射過程 3 光電離 特にσ1(n=1から自由状態への b-f 吸収bb断面積)が重要。 NH : n=1状態のH数密度 Iν(r)=IνS(r)+IνD(r) Jν(r)=JνS(r)+JνD(r) Ne : 電子数密度 (IνS(r):星からの輻射 Np : プロトン数密度 IνD(r):星雲内の発光輻射) (JνS(r):星からの平均輻射強度) (JνD(r):星雲内の発光平均輻射強度) A : 光電離レート(回/cm3/sec) Photoionization A=NH∫νO∞ (4πJν/hν) σ1νdν σ1ν =6×10-18(νo / ν)3 cm2 再結合 R : 再結合レート(回/cm3/sec) R=NpNeα(T) Recombination α=再結合係数(recombination coefficient) 散光星雲の輻射過程 4 再結合 α= α1 αB + free free n= 3 2 Hν<hνo hν>hνo=13.6eV 1 T(K) α(cm3sec-1) α1 αB 5,000 6.82 ×10-13 2.28 ×10-13 4.54 ×10-13 10,000 4.18 ×10-13 1.58 ×10-13 2.60 ×10-13 20,000 2.51 ×10-13 1.08 ×10-13 1.43 ×10-13 散光星雲の輻射過程 5 hν=13.6eVのフォトンが星間雲中をどのくらい動けるか考えよう。 平均自由行程=L、水素原子密度=Nとすると、Lyman連続吸収端で σ=6×10-18cm2だから、τ=NσL=1より、 L=1/Nσ=1.6×1019cm-2 /N=5.4×10-3(103cm-3/N)pc 高温天体(O型星や惑星状星雲)の周りの星雲(半径R)の密度が高いと、 L<<Rとなる。このような星雲での電離、再結合を考える。 平均輻射強度 Jν =(Fν /4π)+Sν Fν /4π=中心星からの電離フォトン Sν = 星雲内再結合で生み出された電離フォトン (1) 光電離率=再結合率 (A=R) NH∫νO∞ (4πJν/hν) σ1νdν=NpNeα(T) (2) 星の電離フォトンの吸収率=再結合線の脱出率 散光星雲の輻射過程 6 (2)続き 光電離 自由電子 星の電離フォトン α= α1 + αB n=1 αB 再結合 非電離フォトン α1 星雲から脱出 電離フォトン その場で吸収 ガス密度の高い星雲では、電離フォトンのL<<Rであり、α1(自由電子→n=1への 再結合)で放出された電離フォトンは直ちに吸収されて光電離を起こす。 αB(自由電子→n=2,3, ..への再結合)で放出された非電離フォトンは吸収されず 星雲から逃げ出す。 したがって上の図から判るように、星雲内各点で 星からの電離フォトンの吸収=αB再結合 が成立している。 散光星雲の輻射過程 7 (2)続き(星の光) 中心星からのフラックス=Lν、電離フォトンフラックス= P(個/sec)とする。 τν (R) =∫0RNH(r) σνdr =∫0RNH(r)σ0 (ν/νo)-3dr =τo(ν/νo)-3 =中心からの光学深さ ここに、τo(R)=∫0RNH(r) σ0dr (λ=912Aでの光学深さ) Fν(R)=Lνe-τν /(4πR2) 前ページの、 星からの電離フォトンの吸収=αB再結合 を式にすると、 NH∫σν(Lν /hν)e-τν /(4πR2)dν=NpNeαB(T) 水素の電離度ξ=Np/(NH+Np) はこの式で決まる。 電離度ξが運動学的温度T(原子・電子の速度分布)での熱平衡の値とは 異なることに注意。 星雲内のガスは中心星からの輻射を浴びているために、熱平衡は成立しない。 9.6.古典的双極子による吸収 固有振動数νoを持つ双極子モーメントp=-qzが密度Nで散らばる媒質を考える。 この媒質の誘電率をεとすると、 εE=E + 4πNp=(1 + 4πNα)E である。 この媒質を振動数νの電磁波Eが伝わる時、電磁波に起こる変化を求めよう。 入射電磁は真空中(屈折率m=1)で E=Eo exp( i2πνt – ikx)、 媒質(屈折率m=n-iκ)中で E=Eo exp( i2πνt – imkx) = Eo exp( i2πνt – inkx-κkx) 媒質の屈折率mを求めることが重要である。 E=Eo exp( i2πνt – ikx) E=Eo exp( i2πνt – imkx) p p p 電荷qの運動は、 γ=g/m, ωo 2=K/m, と置くと、 mz”= -gz’ – Kz -qEo exp( iωt) z” +γz’ +ωo 2z=-(qEo/m) exp( iωt) 固有振動数ωo 、抵抗係数γの振動子に強制振動ωを加えている。 z=A exp(iωt)とおいて、 (-ω2+iγω+ωo 2 ) A= -(qEo/m) -q 双極子モーメントp=-qz z q z=-(qEo/4π2m) exp( i2πνt)/(νo 2 –ν2 +iγν/2π) Ωω=2πν、ωo= 2πνoである。 ν=νoで共振がおき、振幅が大きくなる。 双極子モーメントp=-qzは p=qz=(q2Eo/4π2m) exp( i2πνt)/(νo 2 –ν2 + iγν/2π) 従って、p=αE, (α=感受率 susceptibility) とおくと、 α=(q2/4π2m) /(νo 2 –ν2 + iγν/2π) 次に、双極子モーメントpが密度Nで存在する媒質の誘電率εを求める。 εE=E + 4πNp=(1 + 4πNα)E ε=誘電率(dielectric constant) = 1+4πNα=1+4πN(q2/4π2m) /(νo 2 –ν2 + ν/2π) =1+(Nq2/πm) /(νo 2 –ν2 + iγν/2π) =1+(Nq2/πm) (νo 2 –ν2 -iγν/2π) /[(νo 2 –ν2 )2 +(γν/2π)2] 複素屈折率(complex refractivity)m=n-iκは、ε=(n-iκ)2 なので n= 1+(Nq2/2πm)(νo 2 –ν2) /[(νo 2 –ν2 )2+(γ/2π)2ν2] (νo 2 –ν2)=2ν(νo –ν)の近似を入れて = 1+ (Nq2/4πmν)(νo –ν) /[(νo –ν)2+(γ/4π)2] =1+(Nq2/mνγ) [(νo –ν)/(γ/4π)] / {1+[(νo –ν)/(γ/4π)] 2} κ= (Nq2/2πm)ν(γ/2π) /[(νo2 –ν2 )2+(γ/2π)2ν2] = (Nq2/4πmν) (γ/4π) /[(νo –ν)2+(γ/4π)2] = (Nq2/mνoγ) / {1+[(νo –ν)/(γ/4π)] 2} (同じ近似) (Nq2/mνoγ) κ 媒体の 複素屈折率 m=n-iκ 0 n-1 2(γ/4π) 0 -2(γ/4π) (νo –ν) E=Eo exp[ 2πi(νt – ikx)] |E|2=Eo2 E=Eo exp[ 2πi(νt – nkx+iκkx)] |E|2=Eo2exp( -4πκkx) X σ(ν)=双極子1個の吸収断面積 とすると、|E|2=Eo2 exp( -Nσ x) である。 前ページの|E|2=Eo2exp( -4πκkx)と比べると、 4πκ(ν)k(ν)=4πκ(ν)(ν/c)=Nσ(ν) 4π (ν/c)(Nq2/mνγ) / {1+[(νo –ν)/(γ/4π)] 2}=Nσ(ν) σ(ν)=(q2/mc)(4π/γ) / {1+[(νo –ν)/(γ/4π)] 2} 量子力学的双極子による吸収断面積は σ(ν)=(q2/mc) f (4π/Γ) / {1+[(νo –ν)/(Γ/4bπ)] 2} f=oscillator strength またはf-値( f-value) と呼ばれる。 [復習] κとσの関係 σ=吸収断面積( m2 )n =粒子の数密度 (m-3) N=nSD= S×Dの筒内粒子数 透かして見ると、Sの内不透明 部分の面積X=Nσ = nSDσ 入射光線F=ISが距離Dを通過する間にX/S が失われるから、 dI=-I(X/S)=-I(nSDσ) /S= I nσD=IκρD D S 9.7.吸収線強度 σ(ν)=(q2/mc) f (4π/Γ) / {1+[(νo –ν)/(Γ/4π)] 2} の双極子がn個/cm3分布する 媒質を考える。 I´(λ) 厚みLの媒質を通過した光の吸収線は、 =I(λ)exp(-nLσ(ν)) I(λ) I(λ)-I´(λ)=I(λ)[1-exp(-nLσ(ν))] 弱吸収では、 [I(λ)-I´(λ)] / I(λ) = nLσ(ν) Fc 等値巾 (Equivalent Width) W=∫ [I(λ)-I´(λ)] / I(λ) dλ Fλ 弱い吸収では上式より、 Wλ W= ∫nLσ(ν)dλ =nL∫σ(ν)dλ F=0 λ 吸収断面積の積分 ∫σ(ν)dν=∫(q2/mc)f(4π/γ) / {1+[(νo –ν)/(γ/4π)] 2} dν =(q2/mc)f∫dx/(1+x2) = (πq2/mc)f 弱い吸収では、 W=nL∫σ(ν)dλ =nL∫σ(ν)dν(λ2/c) =nL(πq2/mc) (λ2/c) f (πq2/mc)=π 4.8032E-20/(9.109E-28 x 2.998E10)=2.654E-2 (cm2 sec) πa σ(ν)2 3 f[2mc /(h γ /4π )] (q2/mc)f(4π/γ) σ(ν) = ∫σ (ν )d ν 吸収断面積 σ(ν) 2 3 π a α 2 π fc/λ c =( π q 2 /mc)f 積分値= (πq2/mc)f はγに依らない。 ν o-2 γ /4π o /4 ν o+ γ /4 π ν o+2 γ /4 π ν o-γ /4π γ/2π ν 2γ π νo-2γ/4π νo-γ/4π νo νo+γ/4π νo+2γ/4π 振動子強度の例 例1:Lα線 n=2 l=1 S=1/2 L=1 n=2 l=0 S=1/2 L=0 g=4 2P 3/2 g=2 2P 1/2 g=2 2S 1/2 n=1 l=0 S=1/2 L=0 g=2 2S 1/2 g (1s2S1/2) f(1s2S1/22p2P1/2)=0.2774, f(1s2S1/22p2P1/2) =0.1387 g (1s2S1/2) f(1s2S1/22p2P3/2)=0.5547, f(1s2S1/22p2P3/2) =0.2774 g (n=1) f(n=1n=2)=0.2774+0.5547=0.8321, f(n=1n=2) =0.4161 selection rules Δl=±1 ΔS=0、ΔL=0、±1、 ΔJ=0、±1 (J=0J=0、 L=0L=0を除く) 例2:Hα 3d2D5/2 g=6 g=4 3d2D3/2 2p2P3/2 g=4 g=4 3p2P3/2 3p2P 2p2P1/2 1/2 g=2 3s2S 2s2S1/2 transition gLfLU gL fLU 1/2 g=2 g=2 レベル間遷移(ライン)のf-値 g=2 ターム間遷移(マルチプレット)のf-値 transition gLfLU gL fLU 2s2S1/23p2P1/2 0.2898 2 0.1449 2s3p 0.8694 2s2S1/23p2P3/2 0.5796 2 0.2898 2p3s 0.08151 6 0.01358 2p2P1/23s2S1/2 0.02717 2 0.01359 2p3d 4.1732 6 0.6955 2p2P3/23s2S1/2 0.05434 4 0.01359 2p2P1/23d2D3/2 1.391 2 0.696 Hα線のf-値 2p2P3/23d2D3/2 0.2782 4 0.0696 23 5.12411 8 0.6405 2p2P3/23d2D5/2 2.504 4 0.626 2 0.4347 問題 9 平成16年1月19日 提出 平成16年1月26日 M2は免除 O5型星のモデルとして、 半径:Rs=12Rsun、 表面温度Te=42000K の 黒体輻射の星を考える。星の周囲には、数密度N=NH+Np=10/cm3、 の水素ガスが広がっている。原子、電子の熱運動温度はT=10000Kである。 NH= (1-ξ) N、 Np=Ne=ξN とする。 1) この星から放射される電離フォトン数Pは毎秒いくつか? 2) 水素ガスの電離平衡の式を解き、中心からの距離R(pc)に対するτ0(R)、 ξ、NpNeαB、NpNeαを表とグラフにせよ。必要な式は、 τν(R)=τo(ν/νo)-3 =中心からの光学深さ τo(R)=∫0RNH(r) σ0dr=ライマン吸収端での光学深さ Fν(R)=Lνe-τν /(4πR2)=吸収を受けたフラックス NH∫σν(Lν /hν)e-τν /(4πR2)dν=NpNeαB(T) 3) 上の結果を使い、Lν(R)を適当なRについてグラフにして示せ。 4) 電離領域の半径Ro(ξ=0.5)を求め、Pとの関係を論ぜよ。
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