2006年度 経済データ解析講義内容 月曜3限 1132教室 担当者: 河田 正樹 e-mail: [email protected] 経済データ解析とは 経済に関連した統計データをコンピュータを 用いて解析する。 • 経済学を学ぶ場合、マクロ経済学やミクロ経済学など の経済理論を学ぶとともに、それらが現実経済と一致 するかを検証しなくてはならない。 • その検証は、GDP、消費者物価指数、完全失業率など のデータを統計学的な手法で解析することによってお こなわれる。 • この講義では、コンピュータを用いた解析のやり方を学 んでいく。 講義内容と関連科目 1. 経済データのダウンロードとグラフの作成 2. 度数分布表とヒストグラム (統計学基礎および統計学で取り扱うトピック) 3. 時系列データの分解 (経済統計で取り扱うトピック) 4. 回帰分析入門 (計量経済学への導入) 1. 経済データのダウンロード とグラフの作成 経済データの分析をおこなう場合、まずデータを 入手する必要がある。 経済データは政府や民間の企業・業界団体など、 さまざまな機関で作成されている。政府の作成す るデータは、たとえば総務省統計局のサイト (http://www.stat.go.jp)などからExcelのファイル形 式でダウンロードすることが可能である。 ダウンロードしたデータは、たとえば次のよ うにグラフにすることができる。 実質GDP(暦年)の推移 550,000.00 500,000.00 450,000.00 400,000.00 350,000.00 300,000.00 0 8 19 82 984 986 988 990 992 994 996 998 000 9 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2. 度数分布表とヒストグラム あるクラスのテストの点数が次のようになっ ていたとする。 出席番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 得点 出席番号 39 11 22 12 67 13 60 14 43 15 20 16 46 17 47 18 20 19 30 20 得点 出席番号 63 21 69 22 78 23 88 24 73 25 20 26 58 27 87 28 47 29 75 30 得点 出席番号 44 31 69 32 34 33 20 34 17 35 63 36 36 37 7 38 27 21 得点 44 66 33 54 34 69 60 23 このような一覧のままでは、クラス全体の傾向が とらえづらいので、表やグラフにまとめてみる。そ れが度数分布表とヒストグラムである。 度数分布表 級 - 階級値 9 19 29 39 49 59 69 79 89 100 5 15 25 35 45 55 65 75 85 95 テストの点数 度数 1 1 8 6 6 2 9 3 2 0 10 8 度数 階 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 ヒストグラム 6 4 2 0 5 15 25 35 45 55 点数 65 75 85 95 3. 時系列データの分解 • 月次データや四半期データなどは季節ごと に特定の傾向を示すことがある。 年・四半期 2004Ⅰ 2002Ⅲ 2001Ⅰ 1999Ⅲ 1998Ⅰ 1996Ⅲ 1995Ⅰ 1993Ⅲ 1992Ⅰ 1990Ⅲ 1989Ⅰ 1987Ⅲ 1986Ⅰ 1984Ⅲ 1983Ⅰ 実質GDPの推移(四半期データ) 1981Ⅲ 1980Ⅰ 実質G D P (10億円) 160000 150000 140000 130000 120000 110000 100000 90000 80000 70000 • 季節ごとに特定の傾向を持つデータを、そのまま 前期と比較すると誤った結論を導く。 • そのため、季節の影響を除く必要がある。このと きに用いる方法が時系列データの分解である。 実質G D P (10億円) 160000 150000 140000 130000 120000 110000 100000 90000 80000 70000 実質GDPの推移(四半期データ) 年・ 四半期 2004Ⅲ 2002Ⅳ 2001Ⅰ 1999Ⅱ 1997Ⅲ 1995Ⅳ 1994Ⅰ 1992Ⅱ 1990Ⅲ 1988Ⅳ 1987Ⅰ 1985Ⅱ 1983Ⅲ 1981Ⅳ 1980Ⅰ 原系列 季節調整値 4. 回帰分析 • 経済理論では、さまざまな因果関係が想定されて いる。その1つに消費関数といわれるものがある。 • これは、「消費の大きさは、所得の大きさによって 決まる」というもので、 所得↑ → 消費↑(所得が増えれば消費も増える) 所得↓ → 消費↓(所得が減れば消費も減る) という関係が導かれ、「消費は所得の関数である」 といわれる。 これを数式で表すと Y(消費) = a + b X(所得) となる。 Y ( 消 費 ) Y=a+bX X(所 得) • このような関係が実際に成り立っているかどうか を検証するには、所得と消費の散布図を描き、所 得と消費の関係をもっともよく表す直線を求める。 • これが回帰分析といわれる統計分析手法の第一 歩である。 280 260 消費 240 220 200 180 160 200 220 240 260 所得 280 300 320
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