2006.10.28. 国際医療センター 谷 口 隆 小児科 産婦人科 小児科・産婦人科 総医師数の推移 15,000 14,000 13,000 人 数 12,000 11,000 10,000 1994 1996 1998 2000 年次 2002 2004 9,000 小児科・産婦人科 病院勤務医師数の推移 小児科 産婦人科 8,000 人 7,000 数 6,000 5,000 1994 1996 1998 2000 年次 2002 2004 病院小児科勤務の医師数と勤務時間 ( 小児救急拠点病院: 27施設) 400 350 勤 務 300 時 250 間 200 ( 月 150 間 100 ) 50 0 0 10 20 常勤医師数(人) 30 40 小児科産婦人科標榜病院の推移 小児科 産婦人科 4.500 4.000 3.500 3.000 病 2.500 院 数 2.000 1.500 1.000 500 0 ('84) ('87) ('90) ('93) ('96) 年次 ('99) ('02) ('03) ('04) 小児科・産婦人科診療所の推移 7 .0 0 0 診 療 所 数 6 .0 0 0 小児科 産婦人科 5 .0 0 0 4 .0 0 0 平 成 6年 9 1 ( ) 4 9 8 6 '( 9 ) 10 (' ) 8 9 12 ( 20 ) 0 0 年次 14 (' ) 2 0 16 (' ) 4 0 小児科産科の集約化・重点化 小児科の現状 ①医師の広く薄い配置 ②若い世代での女性医師の増加 ③核家族化による育児不安 ⇒ちょっとした症状での受診増 ④夫婦共働きの進行 ⇒夜間・休日診療の需要増 ⑤親の専門医志向 ⑥夜間診療を行わない小児科診療所の増加 ⑦手間がかかる診療に比して低い病院収入 病 院 勤務医から開業医への転身 勤 産科を志望する医師の減少 務 医 の 過 産科固有の状況 重 ①産婦人科医師数の伸び悩み 負 ②医療訴訟の多さ 担 医師不足を助長 する悪循環 小児科・産科の集約化・重点化のイメージ 都道府県の検討状況を踏まえ、国として効果的な支援を検討 現状 実施後 集約化 重点化 ○ 市町村ごとに広く薄く分布 ○ 集約化・重点化と診療ネットワーク構築 ○ 小児科・産科医師の勤務環境が悪化 ○ 小児科・産科医師の勤務環境を改善 ○ 病院勤務医の新たななり手が減少 ○ 若手医師のための研修プログラム開発 集約化・重点化による医療機関の体制 連携強化病院・連携病院等の機能移転 連携強化病院 【診療機能】 連携病院 小児科医・産 科医の異動 【診療機能】 (小児科) (小児科) ・地域に必要な特定分野の小児医療(小児外 来・小児病棟) ・一般小児医療(地域に必要な小児医 療、平日昼間の救急対応、専門外来 など) ・24時間対応の小児救急医療 (・新生児医療)*選択可能 小児科医・ 産科医の応 援派遣 ・産科医療(リスクの低い分娩等、分娩 前後の診療) (産科) *地域周産期母子医療センタークラスから指定 ・産科医療(ハイリスク分娩中心) ・婦人科医療 ・小児科・新生児科医療(小児科外来、小児科 病棟、NICU) (産科) ○病床削減に 伴う運営費補 助 ○医療機能の 変更に伴う整備 (施設・設備) ・婦人科医療(外来医療) 《機能移転による変更等》 ・小児科・産科の病床削減 ・小児科・産科の医療機能の変更(他 科病床、他の診療機能など) 集約化重点化計画策定の手順(1) ① 現状の体制の把握 ~日本小児科学会の資料を基に~ ○日本小児科学会の調査を参考として ・小児科医師数と所在 ② ⑦ 平成18年中に 厚労省へ報告 ・小児科標榜病院・診療所数と所在 ・病院における診療の実態 ・時間外の診療対応状況 集約化が 要・不要? 不要 ・夜間休日診療所の状況 ・時間外診療への診療所の関与 等 ○小児医療現状マップを作成 ・日本小児科学会地方会の参画 ⑥ 計画策定 必要 ③ 連携強化病院の選定 ⑤ 小児医療マップの作成 ○大学病院や小児専門病院は必要に応じて高次機能病院として選定 ○その他の病院から連携強化病院を選定 ・小児科の臨床研修病院であること ・夜間休日の診療が確保できること ・小児科医の状況、患者数、対象病院の施設規模など ・地域の診療所との協力関係、交通機関の状況 ④ 連携病院の指定 ・入院病床や常勤医の確保不要 ・集約化重点化に参加 ・地域の診療所と可能な限り深夜を 含めた初期救急医療体制の構築を 図る 集約化重点化計画策定の手順(2) ~日本小児科学会の資料を基に~ ⑤ 小児医療マップの作成 ○連携強化病院、連携病院と共に小児科標榜診療所の所在を記載 ○隣接する都道府県の小児医療マップを入手して、特に都道府県境地域における連携強化病院の 分布を中心に、県内外の医療機関と連携体制を構築すべきかどうか検討 ○隣接都道府県との連携体制の構築においては、以下の事項を踏まえて検討 ・連携強化病院または高次機能病院との連携体制を前提とすること ・交通機関や道路状況を考えること ・当該地域の住民の受療動向を把握すること ⑥ 集約化・重点化計画の策定 ○小児医療マップに記載された医療施設毎の連携体制に関して以下の事項を含めて記載 ・連携強化病院の体制 ・連携病院の体制 ・連携強化病院における地域の小児救急医療の支援体制 ・医療機関における搬送体制 ・連携強化病院と連携病院の連携体制 ・高次機能病院の役割 ・地域の診療所の参加を前提とした休日夜間初期小児救急医療体制 ☆ 産科に関する集約化・重点化 ・連携強化病院は地域周産期母子医療センタークラスの中から選定し、新生児医療が提供できること ・県を超えたブロック単位で検討する必要がある場合もあること。 ・現行の周産期医療協議会及び周産期医療ネットワークを充分に尊重・活用すること。 新医師確保総合対策のポイント(1) 1.【医師数に関する全体状況】 日本全体の需給の見通し: 平成34年(2022年)に需要と供給が均衡し、マクロ的には必要医師数が充足 ※医療施設従事の医師数の推移: 平成10年23.7万人→平成16年25.7万人 医療施設従事の医師数の推計: (毎年3500~4000人程度純増) 平成34年 30.5万人‥・バランス 地域間・診療科間あるいは病院・診療所間の問題状況: ・地域間・診療科間の偏在問題 ※地域間偏在: 西高東低の傾向(対人ロ10万人) ・‥東北地方平均187.6人 最高徳島282.4人 最低埼玉134.2人 全国平均211.7人 ※診療科問偏在: ①小児科:総数は増加【平成10年13,989人平成16年14、677人】 小児1万人当たり数も増加【平成10年7.3人平成16年8.3人】 ②産科:総数は減少【平成10年11、269人平成16年10、594人】 出生1千人当たり数は横ばい【平成10年9.4人平成16年9.5人 ・病院勤務医の繁忙感が深刻化し、病院・診療所間で医師の偏在(今後偏在が拡大する可能性) (例)小児科医数の推移〔平成10年→平成16年〕 勤務医 4.6%増 ※ただし、〔平成14年→平成16年〕: 0.4%減 開業医 5.3%増 総 数 4.9%増 新医師確保総合対策のポイント(2) 2.【近年の医師不足に関する指摘の背景(主なもの)】 医師の意識に起因 ○病院を辞め開業医が増加、さらに、特徴や魅力の乏しい病院の医師不足 ―特定の病院の診療科の激務や訴訟リスクに耐え難い ―魅力あるキャリアパスを示す医療機関の選択が増加 など 大学を取り巻く環境の変化に起因 ◆卒後臨床研修制度の実施 (平成16年度~) ―大学病院における若手医師の減少 (例)大学病院における研修医数: H13 (71.2%) → H18 (44.7%) ◆大学における体制確保 (平成16年度~) ―国立大学の法人化や研修医への指導体制の確保のため、中堅医師等を確保 大学が従来のように地域の医療機関等からの 医師紹介の要請に応じることが困難 新医師確保総合対策のポイント(3) 3. 【対 策】 短期的対応 19年度概算要求への反映 ○医局に代わって、都道府県が中心となった医師派遣体制の構築 ※大学、公的医療機関、地域の医療機関等が参画する協議会での検討、 医師をプールし、不足病院に派遣(長崎県) ○国レベルでの病院関係者からなる中央会議設置により都道府県の医師派遣などの取組をサポート ※主要メンバー:自治医大、公的医療機関(日赤、済生会等)、大学病院 ※助言・指導 → 改善方策の提示 → (医師確保が極めて困難な場合) 緊急避難的医師派遣 ○小児救急電話相談事業(短縮ダイヤル「#8000」)の普及と充実 ※ 軽症患者の不安解消・病院への集中緩和 ・・・①携帯電話からも、②深夜帯も (平成18年7月1日 現在31都道府県) ○小児科・産科をはじめ急性期の医療をチームで担う拠点病院づくり ・・・集約化・重点化を都道府県中心に推進 (現状把握 → 平成18年内目標に集約化計画 → 医療計画に反映) ○開業医の役割の明確化と評価 ・・・往診や夜間対応など、開業医の役割の明確化と評価の見直し → 軽症患者の不安解消・病院への集中緩和 ○分娩時に医療事故に遭った患者に対する救済制度の検討 長期的対応 ○医学部卒業生の地域定着 ・・・①都道府県による地域定着を条件とした奨学金の積極的活用(医学部における地域枠) ②医師不足深刻県における暫定的な定員増(地域定着が図られない場合の見直しを条件) ③医師不足の都道府県への自治医科大学の暫定的定員増 暫定的医師確保対策に関する大臣合意(要旨) 1.医師不足が特に深刻な県(注)において、平成20年度から最大10年間に限り、 将来の医師養成を前倒しするとの趣旨の下、10名を限度として、現行の当該県内に おける医師の養成数に上乗せする暫定的な調整計画を容認する。この場合、以下を 条件とする。 イ 当該県が、奨学金の拡充など実効性ある医師の地域定着策を実施すること ロ 養成数の調整を行った県において、医師の定着数の増加が図られたと認められる場合に 限り、当該暫定措置の終了後も、当該県における現行の養成数(暫定措置を講じる前の養成 数)を維持できること (注)本措置の対象となる県 青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重 2.自治医科大学において平成20年度からの最大10年間に限り、10名を限度とし て、定員に上乗せする暫定的な調整に孫る申請を容認する。この場合、暫定的な定 員増は、医師不足が認められる都道府県に対し行う。 3.「財政構造改革の推進について」(平成9年6月3日閣議決定)の趣旨を踏まえ、 引き続き、医学部定員の削減等に取り組む。 平成18年8月31日 総 務 大 臣 財 務 大 臣 文部科学大臣 厚生労働大臣 終わり END ENDE 結束 마지막
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