飲食店の在庫管理システムの開発

飲食店の食材管理システムの開発
大成研究室
5396032
上石 素和
2015/10/1
卒業研究発表会
1
発表の流れ
飲食店の食材管理方法の問題点を抽出する
問題点の改善案を提案する
食材管理システムに対する要求を分析する
食材管理方法の代替案を比較する
食材管理システムを開発する
食材管理システムの有用性を確認する
2015/10/1
卒業研究発表会
2
食材の流れ
仕入先業
者
仕入先業者に関する特徴
・仕入先業者は10社
・発注してから納品は約2~3日
食材
発注
=在庫
納品
釜めしの宅配店
釜めしの宅配店に関する特徴
・釜めしは10種類
・食材は約40種
注文
宅配
お客
2015/10/1
卒業研究発表会
3
食材管理方法と問題点
現在の食材管理方法
問題点
食材Aの在庫が残り少なくなる
同じ仕入先の他の食材B・C・・・の在庫を調べる
食材切れになりやすく
時間効率が悪い・・・(1)
過剰・過少発注の恐れ
同じ仕入先の他の食材B・C・・・も一緒に電話で発注する あり・・・(2)
発注量は勘と経験に依存
2~3日後に届く
2015/10/1
卒業研究発表会
4
問題点と改善案
(1)食材切れになりやすく,時間効率が悪い
改善案
当日の釜めしの売上データから,現在の食材在庫量を
計算式を用いて推測する。食材在庫量を数量化して表
示できるようにする
(2)過剰・過少発注の恐れあり
改善案
2015/10/1
上限在庫量と安全在庫量を設定し,
その範囲内で食材の発注を行う
卒業研究発表会
5
食材管理システムに対する要求分析
食材管理者からの要求
・パソコン初心者にも簡単に扱えるシステム。
・通信手段は電話を用いる。
以上の要求を満たす食材管理システムを開発する。
2015/10/1
卒業研究発表会
6
研究目的
釜めしの宅配店に
食材管理システムを導入
現在,飲食店で発生している問題点
を解決し,食材管理者の要求に適合
する食材管理システムを開発する。
実際に試用
食材管理システムの有用性を確認
・問題点が解決できたかを調査する。
・食材管理者の要求に適合しているかを確認する。
2015/10/1
卒業研究発表会
7
食材管理方法の代替案の比較
(Relevance Matrix法)
従
来
方
法
手
書
き
で
管
理
表
計
算
ソ
フ
ト
市
販
ソ
フ
ト
フ
リ
ー
ソ
フ
ト
自
作
シ
ス
テ
ム
在庫量が分かりやすい
×
○
○
◎
◎
◎
使用者の手間
×
×
×
○
○
◎
コスト
◎
○
○
×
○
△
扱いやすさ
◎
○
△
△
△
○
管理方方法
評価項目
◎:非常に適している
○:適している
△:適していない
上位2方方法をさらに詳しく比較する。
×:全く適していない
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8
フリーソフトと自作システムの比較
フリーソフト
利点
無料で使える
自作システム
利点
欠点
欠点
在庫量を
推測できない
在庫量を
推測できる
食材に対応して
いない
食材に対応している
余計な機能
が付いている
必要な機能だけ
カスタマイズ
できる
フリーソフトより自作システムの方が
食材管理者の要求に一致する
2015/10/1
なし
卒業研究発表会
自作食材管理システム
を開発する
9
食材管理システムの流れ
入力
出力
食材管理システム
・当日分の売れた
釜めしの個数
・現在の在庫量を算出
・入荷した食材
手作業
発注点を下回った
食材がある場合
・食材管理者が
電話で注文する
2015/10/1
卒業研究発表会
・食材の発注数を算出
・仕入先の電話番号を表示
印刷
10
食材管理システムの機能
飲食店の問題点を解決するための
食材管理システムの機能
・当日の釜めし販売数から
食材在庫量を推測する
・食材の発注数を算出する
2015/10/1
卒業研究発表会
11
食材在庫量の推測
食材の減少に影響を与える要因
釜めしの種類ごとに食材を単位量
に分解し,釜めしの売上数から
消費した食材量を求める
・釜めしの売上数
・作業ミス(ほとんど発生せず)
・保管ミス(ほとんど発生せず)
表 釜めしの種類ごとに分解した各食材の単位量(一部分)
食
仕
梱
内
単
材
先
態
量
位
欲
張
り
釜
め
し
ささがきごぼう
A店
袋
1000
g
10
10
10
10
30
10
10
10
10
10
錦
子
A店
袋
500
g
25
35
0
0
30
0
0
0
0
0
卵
A店
缶
55
個
1
0
0
1
1
0
0
0
0
0
杏
A店
缶
103
個
2
0
0
0
2
0
0
0
0
0
包
入
容
状
鶉
糸
玉
の
銀
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う
な
ぎ
釜
め
し
か
し
ゃ
鳥
牛
釜
釜
し
け
釜
め
し
に
釜
め
卒業研究発表会
め
め
し
し
あ
さ
り
釜
め
し
か
山
き
菜
釜
釜
め
め
し
し
ラ
ン
チ
釜
め
し
12
食材在庫量の推測
・例 売上がとり釜めしが1個の場合
単位量に分解後
現在の推測在庫量 = 前日までの食材在庫量 -
・鶏肉・白米
・錦糸玉子・うずらの卵
・ごぼう・たけのこ
・きぬさや・銀杏
・にんじん・しいたけ
食材の減少に影響を与える要因
・釜めしの売上数
・作業ミス(ほとんど発生せず)
・保管ミス(ほとんど発生せず)
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推測した在庫量と実際の在庫量との間には,
誤差が発生する。
対処方法として, 1か月に1回実際の在庫量を
調べて修正をする。
卒業研究発表会
13
食材の発注数を算出
・過少・過剰発注を防ぐため,各食材に
在
庫
量
安全在庫量
発注点在庫量
上限在庫量
を設定する。
上限在庫量
発注点
在庫量は,常にこの範囲に
あるようにする。
安全在庫量
入荷日
日数
リードタイム(発注から入荷までに要する日数)
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14
上限在庫量と安全在庫量を設定
・安全在庫量=リードタイム×1日あたりの平均出庫量
発注点在庫量=リードタイム×1日あたりの平均出庫量+安全在庫量
・上限在庫量は,食材の収容能力と賞味期限を考慮に入れ,
食材管理者と相談して設定する。
表 各食材の在庫量設定(一部分)
食
仕
梱
内
単
発
上
全
注
限
名
先
態
量
位
さ さ が き ご ぼう
A店
袋
1000
g
3
920
2760
5520
12880
錦
子
A店
袋
500
g
3
720
2160
4320
10080
卵
A店
缶
55
個
3
28
84
168
392
杏
A店
缶
103
個
3
44
132
264
616
包
材
入
容
状
鶉
銀
2015/10/1
糸
玉
の
卒業研究発表会
平
均
出
庫
量
(
1
日
)
安
リ
ー
ド
タ
イ
ム
(
日
)
在
点
在
在
庫
庫
庫
量
量
量
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食材管理システムの構成図
売上入力
食材在庫量
メインメニュー
入荷食材入力
発注する
印刷する
仕入先設定
食材・仕入先設定
食材設定
終了する
2015/10/1
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16
食材管理システムのメインメニュー
売上入力:
当日分の各釜めしの売上
個数を入力
発注する:
発注リストが表示され
印刷することが可能
入荷食材入力:
入荷した各食材を入力
する。
食材・仕入先設定:
食材・仕入先の情報・
登録・削除を行う。
食材在庫量:
現在の食材の在庫量を
表示し,発注点を過ぎた
食材がある場合は,色を
かえて表示する。
2015/10/1
終了する:
システムを終了する。
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食材管理システムの評価方法
評価方法
・食材管理システムが食材管理者の要求に
適合しているかを確認する。
・問題点が解決できたかを調査する。
2015/10/1
卒業研究発表会
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食材管理者からの要求に適合するかを確認
要求1 パソコン初心者にも簡単に扱える。
→質問紙調査を行い,ほぼ満足という評価をもらった。
要求2 通信手段は,電話を用いる。
→電話で発注しやすいように発注情報印刷機能を導入。
食材管理者の要求に適合したシステムを開発した。
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「問題点は解決できたか」の調査
食材管理システム
導入前
食材管理システム
導入後
11月1日~11月30日
12月1日~12月31日
釜めしの注文個数
2089個
2239個
対象食材数
24種類
24種類
12回
8回
電話で発注する
2分×12回=24分
2分×8回=16分
在庫を数える
8分×12回=96分
なし
売上を入力する
なし
2分×27回=54分
入荷した食材を入力する
なし
2分×8回=16分
実際の在庫量を調べて修正
なし
20分×1回=20分
合計120分
合計106分
比較項目
対象期間
発注回数
作業時間合計
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卒業研究発表会
20
実際の在庫量と推測在庫量の比較
実際の在庫量と推測在庫量の比較
10000
9000
8000
7000
6000
g 5000
4000
3000
2000
1000
0
さ
さ
が
き
ご
ぼ
う
2015/10/1
錦
糸
玉
子
カ シ
ニ ー
身 フ
ー
ド
殻
つ
き
あ
さ
り
鮭
い
く
ら
し グ
い リ
た ン
け ピ
ー
ス
さ
や
い
ん
げ
ん
食材名
卒業研究発表会
山
菜
し
め
じ
お お
し し
ん ん
こ こ
黄 緑
紅
し
ょ
う
が
し
い
た
け
実際値
推測値
21
「問題点は解決できたか」の考察
・時間効率が悪い
→作業時間を約14分短縮
・食材切れになりやすい
→食材在庫量を推測
・過剰・過少発注の恐れあり
→上限在庫量と安全在庫量を設定
飲食店の問題点は解消できた
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卒業研究発表会
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研究のまとめ
飲食店X店の食材管理の問題を解決したい。
食材管理システムを開発し,実際に試用する。
食材管理システムの有用性を確認することができ,
食材管理業務を円滑に行うことができた。
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卒業研究発表会
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今後の課題
(1)季節別もしくは月別に上限在庫量・安全在庫量を設定する。
(2) もっと使いやすいように画面のデザインを向上させる。
(3)食材以外の容器・備品なども管理の対象にする。
参考文献
[1] 片桐 正: 「入門在庫管理」 かんき出版 2000
[2] 水野幸男: 「在庫管理入門」 日科技連出版社 1974
[3] Perspection,inc. :「ひと目でわかるAccess 2002」
日経BPソフトプレス 2001
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